ComfyUI ユーザーガイド (Windows)

【概要】ComfyUI Desktop バージョンの使用方法を説明する。ComfyUI Desktop はノードベースの AI 画像生成ツールである。Windows 11 で動作し、15GB 以上の空き容量が必要である。公式サイトからダウンロード後、自動インストールで Python 環境が構築される。初回はモデルをダウンロードして配置する。ノードを組み合わせたワークフローにより、画像生成や画像編集が可能となる。

このガイドで学べること: ComfyUI Desktop のインストール、基本的な画像生成操作、ワークフローの読み込みと保存

前提知識: Windows の基本操作ができること。プログラミングの知識は不要である。

【目次】

  1. 基礎知識
  2. 前提条件
  3. インストール手順
  4. 基本操作
  5. 実践応用
  6. 高度な活用
  7. トラブルシューティング
  8. 用語集

基礎知識

ComfyUI とは

ComfyUI は、AI 画像生成のためのノードベースワークフローエディタである。ノード(処理単位)を接続することで、画像生成プロセスを構築する。テキスト入力のみの生成ツールと異なり、各処理段階を個別に制御できるため、再現性の高い結果を得られる。

ComfyUI では、各機能を独立したブロック(ノード)として表現し、それらを線で接続して処理の流れを作る。例えば、「テキスト入力ノード」→「画像生成ノード」→「保存ノード」のように視覚的に処理手順を組み立てる。

AI 画像生成の基本概念

前提条件

本ガイドを実行する前に、以下の要件を確認する。

インストール手順

Step 1: ComfyUI Desktop のダウンロード

公式サイトから ComfyUI Desktop for Windows をダウンロードする。

https://docs.comfy.org/installation/desktop/windows

ComfyUI Desktop 公式ダウンロードページ

前準備: Python のインストール(任意)

ComfyUI Desktop は独自の Python 環境を自動構築するため、この手順は通常不要である。システム全体で Python を使用する場合や、他の Python ツールとの連携が必要な場合のみ実行する。

以下のコマンドを管理者権限コマンドプロンプトで実行する(手順:Windows キーまたはスタートメニュー → cmd と入力 → 右クリック → 「管理者として実行」)。管理者権限は、winget の --scope machine オプションでシステム全体にソフトウェアをインストールするために必要である。

Python 3.12 のインストール(Windows 上) [クリックして展開]

以下のいずれかの方法で Python 3.12 をインストールする。Python がインストール済みの場合、この手順は不要である。

方法 1:winget によるインストール

管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。

winget install --id Python.Python.3.12 -e --scope machine --silent --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/quiet InstallAllUsers=1 PrependPath=1 Include_test=0 Include_pip=1 Include_launcher=1 InstallLauncherAllUsers=1 TargetDir=\"C:\Program Files\Python312\""
powershell -Command "$p='C:\Program Files\Python312'; $s=\"$p\Scripts\"; $m=[Environment]::GetEnvironmentVariable('Path','Machine'); if($m -notlike \"*$s*\") { [Environment]::SetEnvironmentVariable('Path', \"$p;$s;$m\", 'Machine') }"

--scope machine を指定することで、システム全体(全ユーザー向け)にインストールされる。このオプションの実行には管理者権限が必要である。インストール完了後、コマンドプロンプトを再起動すると PATH が設定された状態となる。

方法 2:インストーラーによるインストール

  1. Python 公式サイト(https://www.python.org/downloads/)にアクセスし、「Download Python 3.x.x」ボタンから Windows 用インストーラーをダウンロードする。
  2. ダウンロードしたインストーラーを実行する。
  3. 初期画面の下部に表示される「Add python.exe to PATH」にチェックを入れてから「Customize installation」を選択する。このチェックを入れない場合、コマンドプロンプトから python コマンドを実行できない。
  4. 「Install Python 3.xx for all users」にチェックを入れ、「Install」をクリックする。

インストールの確認

コマンドプロンプトで以下を実行する。

python --version

バージョン番号(例:Python 3.12.x)が表示されればインストール成功である。「'python' は、内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません。」と表示される場合は、インストールが正常に完了していない。

ComfyUI のインストール

  1. インストール先に 15GB 以上の空き容量があることを確認する
  2. ダウンロードしたインストールパッケージファイルをダブルクリックする
  3. セットアップウィザードの終了画面が表示されたら「完了」をクリックする
    終了
  4. 「Get Started」と表示されたら「Get Started」をクリックする
    Get Started
  5. GPU 選択画面が表示される。NVIDIA のグラフィックスボードがある場合は「NVIDIA CUDA」を、ない場合は「CPU」を選択し、「Next」をクリックする。NVIDIA CUDA を選択すると、GPU による画像生成の高速化が可能となる。
    選択画面
  6. インストール先はデフォルトのままで「Next」をクリックする
    インストール先
  7. 設定はデフォルトのままで「Install」をクリックする
    インストール設定
  8. インストール中に Python 環境の設定が自動で行われる
    Python 環境
  9. インストール完了後、ComfyUI Desktop のサーバーが自動起動する
    ComfyUI Desktop のサーバーが起動する

注意: 起動が途中で停止する場合は、ウイルス対策ソフトが干渉している可能性がある。ComfyUI フォルダを除外設定に追加する。

モデルの配置

モデルは画像生成の品質と画風を決定する。初回はダウンロードが必要である。

  1. ComfyUI Desktop のワークフローテンプレート画面を確認する。インストール完了後、自動的にこの画面が表示される。
    ComfyUI Desktop のワークフローに関する画面

    この画面が表示されていない場合は、左側のメニューから表示する。

    メニューからの表示
  2. モデルを選択する
    モデル選択
  3. 初回利用時はモデルがダウンロードされていないため、「ダウンロード」をクリックする。ダウンロード完了まで待機する

    注意: モデルは容量が大きい(数 GB〜十数 GB)ため、ディスクの空き容量を確認する。モデルが複数表示された場合は、すべてダウンロードする。

    モデルサイズの見方: 「8B」「14B」などの表記はパラメータ数(B は billion = 10 億)を示す。数値が大きいほど高品質であるが、必要な GPU メモリも増加する。8B を超えるモデルは、GPU メモリ 8GB 未満の環境では動作しない場合がある。

    モデルダウンロード中の画面

    モデルは ComfyUI/models/checkpoints フォルダに配置される。

  4. 動作確認のため「実行する」を 1 回クリックし、結果を待つ
    実行ボタンクリック後の画面
  5. 実行状況はマウスカーソルを合わせて確認できる
    実行状況の確認
  6. 生成結果を確認する
    画像生成結果の表示
  7. プロンプトを書き換えて再実行できる
    プロンプトの書き換え

注意: テンプレートによっては入力画像が必要なものがある。その場合は画像を設定してから実行する。

ComfyUI Manager

ComfyUI Manager は、カスタムノードやモデルの管理を行うツールである。新しい機能を追加する際に使用する。

ComfyUI Manager ボタンの位置

基本操作

最初に試す操作: インストール完了後、デフォルトワークフローでプロンプトを変更し「実行する」をクリックする。これにより基本的な画像生成の流れを確認できる。

基本ワークフロー構造

ワークフローは、プロンプトから画像生成までの処理の流れを定義する。以下に標準的な構造を示す。

[テキスト入力] → [CLIP] → [プロンプト処理]
      ↓
[チェックポイント読み込み] → [モデル] → [ノイズ除去処理]
      ↓                              ↓
[Empty Latent] → [潜在空間] → [KSampler] → [生成処理]
      ↓
[VAE] → [デコード] → [最終画像] → [保存]

各処理の役割:

  1. テキスト入力 → CLIP: 文章を数値ベクトルに変換する
  2. Empty Latent: 生成する画像サイズの空白領域を準備する
  3. KSampler: ノイズから段階的に画像を生成する(標準的に 20〜50 ステップ)
  4. VAE: 数値データを画像に変換する

UI 要素

ComfyUI インターフェース:
1. [キュー(Queue)] ボタン(右上) - 生成実行
2. [ワークフロー(Workflows)] - ワークフロー管理
3. [Manager] ボタン - ノード管理
4. ワークフロー表示エリア - ノード配置場所

生成実行

「実行する」ボタンで画像生成を開始する。

実行するボタンの位置

操作手順:

  1. テキストプロンプトノードに生成したい内容を入力する
  2. 「実行する」ボタンをクリックする
  3. 進行状況が表示される。完了まで待機する(標準的に 1〜5 分)

プロンプト入力

ワークフロー内のテキストノードにプロンプトを入力する。多くのモデルは英語の学習データを基に訓練されているため、英語で入力すると意図に近い結果が得られやすい。

プロンプト入力欄

パラメータ設定

生成結果を調整するための主要パラメータを以下に示す。

ワークフロー読み込み

「Workflows」ボタン →「Open」で読み込むか、画像や JSON ファイルを直接ドラッグ & ドロップする。

注意: ワークフローが読み込めない場合は、必要なカスタムノードが不足している可能性がある。エラーメッセージで不足ノードを確認し、Manager からインストールする。

ワークフロー保存

メニューから保存またはエクスポートを行う。保存したワークフローは、同じ設定で再度画像を生成する際に使用できる。

実践応用

ワークフローテンプレートのアクセス方法

「Workflows」メニューから「テンプレートを参照」を選択する。テンプレートを使用すると、ワークフローを一から作成する必要がなくなる。

標準搭載のワークフローテンプレート

基本的な画像生成:

画像編集:

動画生成:

3D 生成:

各テンプレートに必要なモデルは、Manager の「Install Models」から確認およびインストールできる。

高度な活用

技術的基盤

システム構成: ComfyUI はローカル Web サーバーとして動作する。Desktop 版は 8000 番ポート、Portable 版は 8188 番ポートで Web インターフェースを提供し、処理はバックグラウンドの Python プロセスで実行される。

依存環境: ComfyUI は Python 環境と PyTorch(AI 計算ライブラリ)に依存する。初回インストール時にこれらは自動構築される。AI ライブラリとモデルファイルのため、大容量のディスク空間が必要となる。

モデルファイル: モデルファイルは数十億のパラメータを含む。safetensors 形式は AI モデルの重みデータを格納する形式である。「pruned-emaonly」は画像生成専用に最適化された軽量版である。

拡張機能: カスタムノードは既存機能を拡張する追加モジュールである。コミュニティが開発した処理(顔交換、3D 生成など)を追加できる。ComfyUI Manager は依存関係を解決し、インストールを行う。

メモリ管理: AI 画像生成は GPU メモリを消費する。8GB 未満の GPU では、モデルを部分的に RAM に退避させる低 VRAM モードが必要となる。処理速度は低下するが、限られたハードウェアでも動作可能となる。

ディレクトリ構造

ComfyUI のファイル構成を理解すると、モデルの手動追加やトラブルシューティングに役立つ。Desktop 版では、インストール時に選択したフォルダ(basePath)の下に以下の構造が作成される。

<インストール先フォルダ>\
└── ComfyUI\                 # ComfyUI 本体
    ├── main.py
    ├── custom_nodes\        # カスタムノード
    │   ├── ComfyUI-3D-Pack\
    │   └── ...
    ├── models\              # AI モデル
    │   ├── checkpoints\     # Stable Diffusion モデル
    │   ├── loras\
    │   └── embeddings\
    └── output\              # 生成結果

インストール先フォルダの設定は %APPDATA%\ComfyUI\config.jsonbasePath で確認・変更できる。

ComfyUI 3D Pack のインストール

3D 生成機能を利用するには、ComfyUI 3D Pack をインストールする。このパックにより、画像から 3D モデルを生成する機能が追加される。

  1. ComfyUI Desktop の「Manager」ボタンをクリックする
    Manager ボタンをクリック
  2. 「Custom Node Manager」ボタンをクリックする
    Custom Node Manager ボタン
  3. 「3D」で検索し、「ComfyUI-3D-Pack」を選択する
    ComfyUI-3D-Pack の検索結果
  4. 内容を確認し、「install」をクリックする
    install ボタンをクリック
  5. 画面の指示に従い、「restart」をクリックする

ComfyUI 3D Pack の主なノード

注意: Tripo AI 社のクラウド API(Tripo 3D)を利用する場合は API キーの取得が必要であり、有償となる。ComfyUI-Flowty-TripoSR はオープンソースモデルをローカルで実行するため、無料で使用できる。

コミュニティワークフローの入手方法

コミュニティが作成したワークフローを利用すると、画像生成を試すことができる。

主要プラットフォーム:

  1. ComfyWorkflows - https://comfyworkflows.com
  2. GitHub 公式例 - https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI_examples

トラブルシューティング

メモリ不足エラー

GPU メモリが不足すると、生成が失敗またはエラーで停止する。以下の対処法を試す。

  1. ComfyUI 起動時に「--lowvram」オプションを追加する
  2. 生成解像度を 512x512 に下げる
  3. バッチサイズを 1 に設定する

ノードが表示されない場合

ComfyUI Desktop を再起動し、custom_nodes 内のフォルダ構造および __init__.py ファイルの存在を確認する。

用語集

本ガイドで使用する専門用語を以下にまとめる。