仮想化とクラウド・コンピューティングの用語

エグゼクティブサマリー

本文書は,仮想化技術とクラウド・コンピューティングに関する用語集・技術解説である。物理サーバーの基本概念から,仮想化基盤,3種類の隔離技術(仮想マシン,コンテナ,chroot),クラウドサービスモデルに至るまでの概念を体系的に整理している。

全体は9章で構成される。第1章では物理サーバーとその資源を定義し,第2章では仮想化を実現するハイパーバイザーとVirtualBoxを解説する。第3章から第5章では,隔離の粒度が異なる3つの技術を,ハードウェアレベル(仮想マシン),OSレベル(コンテナ),ファイルシステムレベル(chroot)の順に配置している。第6章では仮想化技術の応用,第7章ではクラウド・コンピューティングの基盤と運用,第8章ではSaaS・PaaS・IaaSのサービスモデル,第9章では関連ソフトウェアを扱う。

各項目にはUbuntu 24.04上で概念を実際に確認できるコマンド例を付記しており,読者が手元の環境で技術を体験できる構成としている。仮想マシンの操作にはVirtualBoxのコマンドラインツールであるVBoxManageを使用し,コンテナの概念にはunshareコマンド,chrootの概念にはdebootstrapとchrootコマンドを使用する。

目次

第1章 物理基盤

第2章 仮想化基盤

第3章 仮想マシンによる隔離

仮想マシンによる隔離は,ハードウェアレベルの隔離を実現する技術である。各仮想マシンは独立した仮想ハードウェア(CPU,メモリ,ディスク,ネットワーク・インタフェース)を持ち,ゲストOSアプリケーション・プログラムを他の仮想マシンから完全に隔離した状態で実行する。

第4章 コンテナによる隔離

コンテナによる隔離は,OSレベルの隔離を実現する技術である。仮想マシンがハードウェアレベルで隔離を行うのに対し,コンテナはホストOSのカーネルを共有しながら,プロセス空間,ファイルシステム,ネットワークなどを隔離する。

第5章 chrootによる隔離

chrootによる隔離は,ファイルシステムレベルの隔離を実現する技術である。仮想マシンがハードウェアレベル,コンテナがOSレベルの隔離を行うのに対し,chrootはファイルシステムのルートディレクトリのみを変更する。プロセス空間やネットワークは隔離されない。

第6章 仮想化技術の応用

第7章 クラウド・コンピューティングの基盤と運用

第8章 クラウド・サービスモデル

第9章 関連ソフトウェアと技術