Panda3D ゲームエンジン:視覚効果・物理演算・アニメーション・シーン管理の実装ガイド

【概要】 Panda3Dゲームエンジンの特徴的な機能として,視覚効果,衝突検出,ボーンアニメーション,シーン繊維などがある.視覚効果のうちパーティクルシステムは,多数の小さな粒子による視覚効果を実現し,炎などの表現を可能にする.衝突検出では,バウンディング形状による粗い判定と詳細な形状での精密な判定という段階的な処理が行われる.ボーンアニメーションは,骨格構造でキャラクタの動きを揚言する.シーン遷移はゲーム内の場面切り替えを制御し,現在シーンのクリーンアップ,新シーンの初期化などを管理する.

【目次】

  1. 衝突判定の基本
  2. 物理シミュレーションの基本
  3. アニメーション制御の基本
  4. サウンド制御の基本
  5. スプライト表示の基本
  6. パーティクル制御の基本
  7. GUI制御の基本
  8. シーン遷移の基本

1. 衝突判定の基本

以下のコードでは,衝突検出システムの基本設定を行う.CollisionTraverserによる検出管理,CollisionHandlerQueueによる結果管理,そしてCollisionNodeによる衝突形状の定義を実装している.

衝突検出の設定

traverser = CollisionTraverser()
handler = CollisionHandlerQueue()

衝突形状の作成

sphere = CollisionSphere(0, 0, 0, 1.0)
node = CollisionNode("sphere")
node.addSolid(sphere)

衝突判定のポイント:

2. 物理シミュレーションの基本

以下のコードでは,物理シミュレーションの基本設定を行う.BulletWorldによる物理空間の管理,重力の設定,剛体の作成と質量設定を実装している.

物理世界の初期化

physics_world = BulletWorld()
physics_world.setGravity(Vec3(0, 0, -9.81))

剛体の作成

shape = BulletSphereShape(1.0)
body = BulletRigidBodyNode("sphere")
body.addShape(shape)
body.setMass(1.0)

物理シミュレーションのポイント:

3. アニメーション制御の基本

以下のコードでは,アニメーション付きモデルの制御を実装する.Actorクラスによるモデル管理,アニメーションの読み込み,再生制御,速度調整を示している.

アニメーション付きモデルの設定

actor = Actor("model", {
    "walk": "model-walk",
    "run": "model-run"
})
actor.reparentTo(render)

アニメーション再生

actor.loop("walk")  # 歩行アニメーションのループ再生
actor.setPlayRate(1.5, "run")  # 再生速度の調整

アニメーション制御のポイント:

4. サウンド制御の基本

以下のコードでは,効果音とBGMの基本的な制御を実装する.効果音とBGMの読み込み,音量設定,再生制御,ループ設定を示している.

効果音の設定

sound = base.loader.loadSfx("sound.wav")
sound.setVolume(0.8)  # 音量設定
sound.play()          # 再生

BGMの設定

music = base.loader.loadMusic("music.ogg")
music.setLoop(True)   # ループ再生
music.play()

サウンド制御のポイント:

5. スプライト表示の基本

以下のコードでは,2D画像をスプライトとして表示する.CardMakerによる平面生成,テクスチャの読み込みと適用,レンダリング設定を実装している.

スプライトの作成

cm = CardMaker("sprite")
cm.setFrame(-1, 1, -1, 1)  # サイズ設定
sprite = render2d.attachNewNode(cm.generate())
/pre>

テクスチャの適用

texture = loader.loadTexture("texture.png")
sprite.setTexture(texture)

スプライト表示のポイント:

6. パーティクル制御の基本

以下のコードでは,パーティクルシステムの基本設定を行う.ParticleEffectによるエフェクト管理,設定ファイルの読み込み,エフェクトの開始と停止制御を実装している.

パーティクルの設定

p = ParticleEffect()
p.loadConfig("particle.ptf")
p.start(parent=render)
p.setPos(0, 0, 0)

パーティクルの制御

p.softStop()  # 徐々に消滅

パーティクル制御のポイント:

7. GUI制御の基本

以下のコードでは,基本的なGUI要素を画面上に配置する.OnscreenTextによるテキスト表示,DirectButtonによるクリック可能なボタンの作成,位置とサイズの制御を実装している.

テキスト表示

score_text = OnscreenText(
    text="Score: 0",
    pos=(-1.3, 0.9),
    scale=0.07
)

ボタンの作成

start_button = DirectButton(
    text="Start",
    pos=(0, 0, 0),
    command=self.startGame
)

GUI制御のポイント:

8. シーン遷移の基本

以下のコードでは,シーン遷移の基本的な制御を実装する.現在のシーンのクリーンアップ,新しいシーンの初期化,リソースの適切な解放を示している.

シーン切り替え

def changeScene(self, newScene):
    if self.currentScene:
        self.currentScene.cleanup()
    self.currentScene = newScene
    self.currentScene.setup()