①Access の反復演習によるスキル向上
②柔軟な問い合わせ（クエリ）能力
③ データベース設計に関するスキル向上
2
データベース操作の実務能力向上だけでなく、
情報の正確な抽出や分析にも上達します
アウトライン
1. イントロダクション
2. テーブル定義（Access のSQL
ビューを使用）
3. データの追加（Access のデータ
シートビューを使用）
4. SQL による重複行除去（Access
のSQL ビューを使用）
5. SQL によるテーブル分解（Access
のSQL ビューを使用）
3
3-1. イントロダクション
4
リレーショナルデータベースの仕組み
•データをテーブルと呼ばれる表形式で保存
•テーブル間は関連で結ばれる。複雑な構造を持ったデータ
を効率的に管理することを可能に。
5
関連
リレーショナルデータベースの重要性
1. データの整合性: リレーショナルデータベースは、デー
タの整合性を保持するための機能を有する。これにより、
誤ったデータや矛盾したデータが保存されるのを防ぐこ
とができる。
2. 柔軟な問い合わせ（クエリ）能力: リレーショナルデー
タベースのSQL（Structured Query Language）の使用に
より、複雑な検索やデータの抽出が可能になる。
3. トランザクションの機能: 一連の操作全体を一つの単位
として取り扱うことができる機能。これにより、データ
の一貫性と信頼性が向上する。
4. セキュリティ: アクセス権限の設定などにより、セキュ
リティを確保。
データの安全な保管、効率的なデータ検索・操作、ビジネス
や研究の意思決定をサポート。 6
問い合わせ（クエリ）を行う SQL 文
select
問い合わせ（クエリ）のための基本的な命令。
例：select * from テーブル名;
where
条件を指定して行を選択する。
例：select * from テーブル名 where 列1 = 値1;
7
8
SQL による問い合わせの例
SQLは簡潔で単純
①SELECT * FROM 商品;
②SELECT 商品名, 単価 FROM 商品;
③SELECT 商品名, 単価 FROM 商品 WHERE 単価 > 80;
3-2. テーブル定義（Access
のSQL ビューを使用）
9
Access のSQL ビューを用いたテーブル定義
のプロセス
①Access のSQL ビューを開く
②SQL 文の編集。create table を使用
例: create table T (id integer, name text, age integer);
③SQL 文の実行
実行の結果、空のテーブルが作成されるので確認
10
SQL によるテーブル定義
•テーブル名：朝食と値段
•属性名：名前、朝食、値段
•属性のデータ型：テキスト、テキスト、数値
•データの整合性を保つための制約：なし
11
テキスト 半角の数値
名前
朝食
値段
テキスト
create table 朝食と値段 (
名前 text,
朝食 text,
値段 integer
);
SQL文
テーブル定義の例
12
テーブル名：朝食と値段
create table 朝食と値段 (
名前 text,
朝食 text,
値段 integer
); 区切りの半角カンマ
名前
朝食
値段
演習１．Access のSQL
ビューを用いたテーブル定義
ページ１４～１９
【トピックス】
•SQLビューを開く
•SQL文の編集
•create table
•SQL文の実行
13
演習
1. パソコンを使用する
前もって Access をインストールしておくこと
2. Access を起動する
3. Access で、「空のデータベース」を選び、「作成」を
クリック．
14
4. テーブルツール画面が表示されることを確認
15
5. 次の手順で、SQLビューを開く．
16
②「デザイン」タブで、
「表示」を展開し「SQL
ビュー」を選ぶ
①「作成」タブで、
「クエリデザイン」
をクリック
このような
表示が出た
ときは
「閉じる」を
クリック
6. SQL ビューに、次の SQL を入れる
17
create table 朝食と値段 (
名前 text,
朝食 text,
値段 integer
);
( ) , ;
は半角
7.「実行」ボタンで、SQL文を実行する.
18
テーブル朝食と値段が増える
間違ってしまったときは、テーブルの削除
を行ってからやり直した方が早い場合がある
19
テーブルビューで、削除した
いテーブルを右クリックして、
「削除」
テーブルを削除するときは、
間違って必要なテーブルを削除しない
ように、十分に注意する！
（元に戻せない）
3-3. データの追加（Access の
データシートビューを使用）
20
Access のデータシートビューを用いたデー
タの追加
①Access のテーブルビューで、使用したいテーブルを選ぶ
②データシートビューが開くので確認
③データシートビューで、データの追加
④ 保存の操作（自動保存されないため）
21
テーブル名：朝食と商品
名前
朝食
値段
A
カレーライス
400
B
うどん
250
C
カレーライス
400
22
データシートビュー
データシートビューは，テーブルの中のデータを表示。
データの確認、編集、新しいデータの追加、検索、コ
ピー＆貼り付けができる。
並べ替えや検索のための
補助画面
データシートビュー
演習２．Access のデータシー
トビューを用いたデータの追
加
ページ２４～２７
【トピックス】
•テーブルビューで、使用したい
テーブルを選ぶ
•データシートビューで、データ
の追加
•保存の操作
23
24
データシートビューを使って、テーブル「朝食と値段」
に３行分のデータを追加
名前
朝食
値段
A
カレーライス
400
B
うどん
250
C
カレーライス
400
1. テーブルビューで、朝食と
値段をダブルクリック
2. データシートビューが開く
ので確認
25
3. データシートビューで，行を追加する
26
入れる
最後の 400 を入れたら、
400 のセルで Enter キー
名前
朝食
値段
A
カレーライス
400
B
うどん
250
C
カレーライス
400
4. テーブルを保存する
「朝食と値段」を右クリックして、右クリックメニュー
で「上書き保存」
27
2-4. SQL による重複行除去（Access の
SQL ビューを使用）
28
重複行除去を行う問い合わせ（クエリ）の例
29
テーブル
問い合わせ（クエリ）
DISTINCT は重複行除去
名前
単価
りんご
100
もも
200
名前
単価
色
りんご
100
赤
もも
200
白
もも
200
黄
SELECT DISTINCT 名前, 単価
FROM 果物;
重複行除去
•重複行除去は，同じ値を持つ複数の行について，
１行だけ残して，他は消すこと
30
重複行除去
SELECT 名前, 単価
FROM 果物;
SELECT DISTINCT 名前, 単価
FROM 果物;
重複行除去が役立つ場合
•問い合わせ（クエリ）の結果に重複行が含まれる
場合
31
名前
単価
色
りんご
100
赤
もも
200
白
もも
200
黄
問い合わせ（クエリ）
SELECT 名前, 単価
FROM 果物;
テーブル果物
名前
単価
りんご
100
もも
200
もも
200
テーブル果物について，
２つの属性「名前」，
「単価」で射影
SQL 問い合わせでの重複行除去
•問い合わせ（クエリ）に DISTINCT を付けること
で，
結果に対して重複行除去が行われる
32
名前
単価
色
りんご
100
赤
もも
200
白
もも
200
黄
問い合わせ（クエリ）
SELECT DISTINCT 名前, 単価
FROM 果物;
テーブル果物
名前
単価
りんご
100
もも
200
テーブル果物について，
２つの属性「名前」，
「単価」で射影
結果に対して
重複行除去
Access のSQL ビューを用いた問い合わせ
①Access のSQLビュー開く
②SQL 文の編集。select, from, where を使用
例: select * from テーブル名 where 列1 = 値1;
③SQL 文の実行
実行の結果、データシートビューに画面が変わり、そこに問
い合わせの結果が表示される
④ さらにSQL 文の編集、実行を続ける場合には、画面を SQL
ビューに切り替える
33
34
SQL 問い合わせ（クエリ）で使用する２つのビュー
SQL ビュー
SQL 文の作成、編集 データシートビュー
問い合わせ（クエリ）の
結果
実行
表示 + SQL ビュー
マウス操作でビューを切り替え
演習３．Access のSQL
ビューを用いた重複行除去
ページ３６～３８
【トピックス】
•問い合わせ（クエリ）
•SQL ビュー
•データシートビュー
•SQL の編集と実行
•重複行除去
35
1. 次の手順で、SQLビューを開く．
36
②「デザイン」タブで、
「表示」を展開し「SQL
ビュー」を選ぶ
①「作成」タブで、
「クエリデザイン」
をクリック
このような
表示が出た
ときは
「閉じる」を
クリック
2. SQL ビューに、次の SQL を入れる
37
SELECT DISTINCT 朝食
FROM 朝食と値段;
;
は半角
「実行」ボタンで、SQL文を実行．結果を確認
3. 結果を確認したら、SQLビューに戻る．
38
「表示」を展開し「SQLビュー」を選ぶ
2-5. SQL によるテーブル分解（Access の
SQL ビューを使用）
39
テーブル分解
40
テーブル
テーブル
分解
テーブル
テーブル分解により、１つのテーブルが２つ以上の
テーブルに分解される。
テーブル分解を行う理由
①冗長なデータを排除する正規化を行う
②より小さなテーブルに分解することで、問い合
わせ（クエリ）の性能を向上させる
41
Access の機能 INTO を用いた問い合わせ結果の保存
•INTO は，問い合わせ（クエリ）の結果を，新しいテーブ
ルに保存する
•マイクロソフト Access だけの機能
42
名前
朝食
値段
A
カレー
ライス
400
B
うどん
250
C
カレー
ライス
400
朝食
値段
カレーライス
400
うどん
250
SELECT DISTINCT 朝食, 値段
INTO 朝食メニュー
FROM 朝食と値段;
テーブル朝食と値段
新しく作成される
テーブル朝食メニュー
テーブル分解を行う SQL
43
分解
名前
朝食
値段
A
カレー
ライス
400
B
うどん
250
C
カレー
ライス
400
朝食
値段
カレーライス
400
うどん
250
名前
朝食
A
カレーライス
B
うどん
C
カレーライス
テーブル朝食と値段
SELECT DISTINCT 名前, 朝食
INTO 各自の朝食
FROM 朝食と値段;
SELECT DISTINCT 朝食, 値段
INTO 朝食メニュー
FROM 朝食と値段;
２つの SQL の実行により、テーブル分解を行っている
テーブル分解では、
重複行除去が必須
重複行除去する場合としない場合の違い
44
朝食
値段
カレーライス
400
うどん
250
重複行除去する
朝食
値段
カレーライス
400
うどん
250
カレーライス
400
重複行除去しない
SELECT DISTINCT 朝食, 値段
INTO 朝食メニュー
FROM 朝食と値段;
SELECT 朝食, 値段
INTO 朝食メニュー
FROM 朝食と値段;
演習４．Access のSQL
ビューを用いたテーブル分解
ページ４６～４８
【トピックス】
•問い合わせ（クエリ）
•SQL ビュー
•データシートビュー
•SQL の編集と実行
•テーブル分解
•INTO
•問い合わせ結果の保存 45
1. 次の手順で、SQLビューを開く．
46
②「デザイン」タブで、
「表示」を展開し「SQL
ビュー」を選ぶ
①「作成」タブで、
「クエリデザイン」
をクリック
このような
表示が出た
ときは
「閉じる」を
クリック
2. SQL ビューに、次の SQL を入れる
47
SELECT DISTINCT 名前, 朝食
INTO 各自の朝食
FROM 朝食と値段;
, ;
は半角
「実行」ボタンで、SQL文を実行．
確認画面が出るので「はい」を選ぶ．新しいテーブルが増
えるので確認する
3. 今度は、SQL ビューに、次の SQL を入れる
48
SELECT DISTINCT 朝食, 値段
INTO 朝食メニュー
FROM 朝食と値段;
, ;
は半角
「実行」ボタンで、SQL文を実行．
確認画面が出るので「はい」を選ぶ．新しいテーブルが増
えるので確認する
4. 「各自の朝食」をダブルクリックして中身を確認する
49
※中身がおかしいときは、「各自の朝食」を右クリックし、
右クリックメニューで削除。そして、やり直す
5. 「朝食メニュー」をダブルクリックして中身を確認する
50
※中身がおかしいときは、「朝食メニュー」を右クリックし、
右クリックメニューで削除。そして、やり直す
全体まとめ
SQLによる重複行除去
•目的：同じ値を持つ複数の行について、1行だけ残して他は消す
•キーワード：DISTINCT
例：SELECT DISTINCT 朝食, 値段 FROM 朝食と値段;
•Accessの機能：AccessのSQLビューを使用してクエリを実行
•注意点：クエリの結果に重複行が含まれる場合に有効
SQLによるテーブル分解
目的：1つのテーブルを2つ以上のテーブルに分解する。
主な理由：冗長なデータの排除 (正規化)
キーワード：INTO
例：SELECT DISTINCT 朝食, 値段 INTO 朝食メニュー FROM 朝食と
値段;
Accessの特性：INTOはMicrosoft Access独自の機能で、問い合わせの
結果を新しいテーブルに保存する際に使用。 51
①Access の反復演習によるスキル向上
•実践経験の積み重ね: Accessでの操作を繰り返し行うことで、
データベース操作に対する自信とスピードが向上します。
•知識の定着: 反復演習を通して学習内容が深化し、応用力も増し
ていきます。
②柔軟な問い合わせ（クエリ）能力
•効率的な情報抽出: SQLの活用により、必要な情報を迅速に取得
できるスキルを習得。
•複雑な検索の実行: WHERE句やDISTINCTを用いて複雑な条件で
のデータ抽出が可能になる。
③ データベース設計に関するスキル向上
•データベース設計の改善: テーブル分解を通じて、冗長なデータ
を排除し、データベースの構造を最適化する正規化を行う
52
データベース操作の実務能力向上だけでなく、
情報の正確な抽出や分析にも上達します
自習①
次ページ以降を参考に、Accessを使って、次のことを行っ
てみて下さい
１．購入記録テーブルのテーブル定義
２．購入記録テーブルへのデータの追加
３．資料の SQL により、購入記録テーブルを、テーブルA
とテーブルBに分解。
これにより正規化を達成
（自習は提出の必要はありません）
53
購入記録
54
結果を確認
55
SELECT DISTINCT ID, 商品名, 単価
INTO A FROM 購入記録;
テーブル A ができる
結果を確認
56
SELECT DISTINCT 購入者, ID
INTO B FROM 購入記録;
テーブル B ができる
自習②
顧客注文テーブル
顧客テーブル 注文テーブル
•このように顧客注文テーブルを、顧客テーブルと、注文テーブルに分解すると、
冗長なデータを排除する正規化ができます。
•顧客注文テーブルを顧客テーブルと注文テーブルに分解するSQLを考えてみて
ください。
•この自習を通じて、実際のデータベースの設計や操作に役立つスキルを磨くこ
とができます。
•DISTINCTキーワードを使うことで、重複行を除去することができます。 57
ID 顧客名 住所
注文ID
商品名 価格
1
徳川家康
東京都
1丁目1番地
101
リンゴ
100
2
徳川家康
東京都
1丁目1番地
102
バナナ
150
3
織田信長
大阪市
1丁目2番地
103
みかん
120
顧客ID 顧客名 住所
1
徳川家康
東京都
1丁目1番地
2
織田信長
大阪市
1丁目2番地
注文ID
顧客
ID
商品名
価格
101
1
リンゴ
100
102
1
バナナ
150
103
2
みかん
120
