1. データベースの基本
データベースの定義と用途,データベー
スシステムの特徴、情報とデータの違い
1
URL: https://www.kkaneko.jp/de/ds/index.html
金子邦彦
謝辞:この資料では「いらすとや」のイラストを使用しています
アドバイス
1. 目標の明確化: 将来のITエンジニアとしての基礎を習得す
ることを明確な目標としましょう
2. 重要性の理解: データベースシステムは社会の根幹です。
その重要性を初期段階で認識しましょう。
3. 計画的な学び: 毎回の授業出席と課題提出によって、学
習時間を確保し、定期的な積み重ねを行いましょう。こ
れにより、途中で挫折しにくくなります。
4. アクティブラーニング: 単なる資料の読み込みではなく、
アクティブな学習に取り組みましょう。データベースの
実際の作成やSQLの実行など、積極的な学習が重要です
5. 成功体験の積み重ね: 小さな成功体験を積み重ね、着実
に成長しましょう。
6. 自己成長の自覚: 知識の深化、スキルの向上、そして自
己の成長を自覚しましょう。 2
①データベースの重要性と影響
②データベースの基本概念
③データベースの応用範囲の広さ、テクノロ
ジーの進化への理解
3
アウトライン
1. データベースの重要性と日常生活
への影響
2. 情報とデータ
3. データベースとは何か
4. 無料のデータベースの紹介
5. データベースシステム
6. データベースシステムの使用事例
7. 授業の全体計画(次のステップ
へ)
4
1-1.データベースの重要性と
日常生活への影響
5
データベースとは
6
データベースは、特定のテーマや目的に従って収集され
大量のデータ
取引
計測
データ収集
記入
データベース
撮影 データ保存
銀行、商店、交通機関、電話会社などさまざま
データベースの例
7
銀行 銀行口座のデータベース
商店 商品のデータベース
交通機関 座席のデータベース
電話会社 通話量のデータベース
データベースは、我々の生活で
重要なものになっている
データベースの重要性と日常生活への影響
情報の整理と検索
データベースは情報を整理し、必要なデータを素早く見つけ
る手助けをする。
データの共有と利用
大量データのオンライン共有は、ソーシャルメディア、ウェ
ブサイト、クラウドストレージなどで重要。
人工知能(AI)への応用
AIはデータベースから学習し、問題を解決する。音声アシス
タント、自動運転車、予測分析など多くのAI応用がデータ
ベースに基づいている。
データベースを理解し、操作できることは、デジタル時代に
おける重要なスキルです。仕事での効率性が向上、情報の信
頼性が確保に大切。 8
情報セキュリティ
9
データベースは情報セキュリティにも関連
データの保護
データベースは重要な情報を格納。
コンピュータシステムの故障、電力不足、災害からデー
タを守る必要がある。
セキュリティ上の脅威
不正侵入や情報漏洩から会員情報やデータベースのデー
タを保護する必要がある。セキュリティ上の脅威に対処
するための対策が重要。
サイバーフィジカル
サイバーフィジカルは、現実世界とサイバー世界を結びつ
けるもの。センサーデータを活用。新しい社会サービスを
提供。
データベースサーバーフィジカル基盤として使用され
る。
10
実世界 サイバー世界
農林畜産業、
医療、
ヘルスケア、
製造業、
都市交通、
電力 など センサー
データ
サービス
提供
分析、
予知・予測
センサー センサーの設置
センサーで計
測された距離
画像
人間の通過記録
クラウド
11
クラウドコンピューティングは、コンピュータを所有せず
に借りる仕組み
インターネットを介してコンピューティングリソースに
アクセス
データベースと、そのアプリケーションは、クラウド上
のオンラインでも実現可能である
クラウドコンピューティングメリットとして、購入、
保有、運用管理コストの削減がある。
AIスピーカーやスマートフォンなど、多くのデバイスも
クラウドと連携可能。
ここまでのまとめ
データベースは、特定のテーマや目的に従って収集された
大量のデータ
データベース情報セキュリティサイバーフィジカル
クラウドコンピューティングなどの新たなテクノロジー
結びついて、現代社会に多大な影響を与えている。
12
1-2.情報とデータ
13
情報とデータ
データ数字や符号の集まり
情報データに意味を持たせたもの
14
昼ごはんは、次の2種類しかない (この2種類し
か食べないと決心している)
15
昼定食 うどん
情報とデータ
16
次のように決めたとする
符号 元の情報
昼定食
うどん
肉うどん
昼定食
情報 データ
うどん
昼定食
うどん
413
414
415
416
417
符号化
17
次のように決めたとする
符号 元の情報
うどん
肉うどん
昼定食
情報 データ
427
428
430
昼定食
元に戻す
元に戻すときも、符号と元の情報の
対応情報が必要 (当たり前)
うどん
情報とデータの違い
18
情報データに意味を持たせたもの
(例)今月は、昼定食を12回食べた
(例)あて先は福山大学だよ
データ数字や符号の集まり
(例)12
(例)720-0292
1-3.データベースとは何か
19
データベースとは何か?
データベースは、特定のテーマや目的に従って収
集された大量のデータ
データベースは、大規模なデータ多くのユー
ザーで扱うことを想定
データの整合性、セキュリティを重視
20
データの規模と複雑さ
データベースは、大規模で複雑なデータ効果的
に扱える
21
個人情報管理
電話帳、Webブラウザの履歴など
インターネットサービス
通信販売 (Amazon など)
ソーシャルネットワーク (Twitter など)
情報共有 (食べログなど)
Web 検索 (GoogleYahoo など)など
同時アクセス
データベースは複数のユーザー同時にアクセス
し、データを共有できる
22
利用者A
利用者B
利用者C
ネットワーク
データベース
取引 記入 データ保存
データの整合性
データベースはデータの整合性を保つための制約を設定で
きる
例:データは「みかん」、「りんご」、「バナナ」の中から
選ばなければならない
例:同じ番号を2回使ってはならない
23
プログラムの統合
データベースは、さまざまなアプリケーションと
統合しやすい。処理の自動化が容易。
24
1-4.無料のデータベースの紹
25
無料で使えるデータベースの例
CelebA
10000人以上のセレブの顔画像データベース
http://mmlab.ie.cuhk.edu.hk/projects/CelebA.html
26
無料で使えるデータベースの例
Flicker
全世界の地図,写真のデータベース
写真の投稿もでき,オンラインで世界中で共有
きる
27
今や地図は「オープン化」している
・国土地理院
OpenStreetMap
Google Map
28
※ 中には,独自の情報を重ね合わせて
再配布を条件付きで許可している場合も
無料の地図(広島県部分を抜粋)
コンピュータ
インター
ネット
個々人のもとへ
無料のデジタル地図
Google Earth の紹介
https://www.google.co.jp/intl/ja/earth/
オンラインサービス ・・・ 写真,3次元コンピュータグラ
フィックスなどのデータベース
29
写真 3次元コンピュータグラフィックス
写真+標高 地球儀 ストリートビュー
1-5.データベースシステム
30
データベースシステムとは
データベースシステムは,データベースを扱う IT のシステム
【主要目的】
大量のデータ安全かつ効率的に保存、管理、検索、共有す
ることで、迅速な業務実行と正確な意思決定が可能になる。
31
データベースシステム
データベース(データの集まり)
データベース管理システム(ソフトウエア)
データベースシステムと表計算ソフトは違う
32
データベース
+
データベース
管理システム
| |
データベース
システム
エクセルのデータ
+
エクセル
(ソフトウエア)
| |
表計算のシステム
表計算
データ共有、検索、セキュリティ
データベースと Excel(表計算)の比較
33
データベース
Excel
(表計算)
データの規模
と複雑さ
大規模で複雑なデー
タを効果的に処理
パーソナルなデータ、
比較的小規模で単純な
データ
同時アクセス
複数のユーザーが同
時にアクセスし、
データを共有
通常、
1つのユーザー
1つのファイルを開
いて編集
データの整合
データの整合性を保
つための制約を設定
できる
誤ってデータを変更し
たりする危険性が高い
プログラムの
統合
アプリケーションと
統合しやすく、自動
化された処理が可
外部アプリケーション
との統合が制限されて
いることがある
データベースシステムの役割
データの構造化
データを整理。データは分かりやすくなり、関連性のある
データ同士を結び付けることも簡単に。
データの整合性
データの整合性を保つための仕組みを提供。データが正確で
矛盾しないように、制約を設定できる。データの品質が向上
し、誤った情報が排除される。
データの永続性
データを永続的に保存する。データは電源を切っても消えず、
長期間にわたって安全に保管される。データを失う心配がな
くなる。
34
データベースシステムのさまざまな利点と必要性
セキュリティ
アクセス権を設定し、データのセキュリティを確保する機能
を提供。不正アクセスやデータ漏洩を防ぐために役立つ。
データの一元化
データの一元化により、重複を排除。これにより、データの
整合性が向上し、混乱を避けることができるように。
35
主要なデータベースシステムの紹介
SQLite は、軽量で使いやすいリレーショナルデータベー
スシステム
MySQL は、リレーショナルデータベースシステム。中規
模から大規模なアプリケーションにも利用される。
PostgreSQL は、リレーショナルデータベースシステム。
高度な拡張性とオブジェクト指向の機能を提供
MongoDB は、NoSQL データベースシステム。非構造化
データを効果的に格納・クエリできるドキュメント指向
データベース。
36
1-6.データベースの使用事例
37
データベースの使用事例①
オンラインショッピング
商品情報、在庫管理、注文履歴、顧客などのデータをデータ
ベースに格納。
顧客は製品を検索し、注文を追跡し、セキュアな決済を行う
ことが可能に。
ソーシャルメディア
ユーザープロフィール、投稿、友達リスト、いいね!などの
データをデータベースに格納。
ユーザーは友達とコミュニケーションを取り、最新の情報を
共有できる。
予約システム
顧客情報、予約日時、利用可能な施設などのデータを管理。
予約の確認と管理を効率的に行える。 38
データベースの使用事例②
オンライン銀行
口座情報、取引履歴、残高などのデータをデータベースに格
納。
顧客はアカウントの管理や取引の監視などがオンラインで可
能に。
モバイルアプリケーション
スマートフォンのユーザープロファイル、写真、メッセージ、
設定などのデータをデータベースに格納。
保存や分析が可能に。
ウェブコンテンツ管理
記事、画像、コメント、ユーザープロフィールなどのコンテ
ンツをデータベースに格納。、ウェブサイトの表示と編集を
管理。 39
デモンストレーション SQL Tutorial/ja
https://sqlzoo.net/wiki/SQL_Tutorial/ja
簡単な機能から高度な機能まで段階的に学ぶサイト
40
全体まとめ①
1-1. データベースの重要性と日常生活への影
データベースは、特定のテーマや目的に従って収集された大量のデー
データベースは情報セキュリティ、サイバーフィジカル、 クラウドコ
ンピューティングなどの新たなテクノロジーと 結びついて、現代社会
に多大な影響を与えている
1-2. 情報とデータ
情報はデータに意味を持たせたもの
データは数字や符号の集まり
1-3. データベースとは何か:
データの規模と複雑さ
同時アクセスとデータ共有
データの整合性を保ち、データの品質を向上
さまざまなアプリケーションと統合しやすい 41
全体まとめ②
1-4. 無料のデータベースの紹介
CelebAFlickr、デジタル地図など、無料で利用可能なデータ
ベースが存在。
多様な情報源がオープンに提供されており、さまざまな用途に
利用できる。
1-5. データベースシステム
データベースシステムは、デジタルデータの倉庫。データを
理し、効率的に保存・管理・検索できるITのシステム
セキュリティ、データの一元化のためにも重要
1-6. データベースの使用事例:
データベースはオンラインショッピング、ソーシャルメディア、
予約システム、オンライン銀行、モバイルアプリ、ウェブコン
テンツ管理など、多くの分野で活用されている。
データの効率的な管理とアクセスが実現され、ビジネスと生活
が向上している。
42
①データベースの重要性と影響
データ整理の重要性を理解。オンラインショッピング、
銀行取引、ソーシャルメディアなど、データベースが
日常生活にどのように影響を与えているかを把握。
②データベースシステムの基本概念
データ整理やデータの整合性の維持がデータベースシ
ステムとどのように関連しているかを理解。
③データベースの応用範囲の広さ、テクノロ
ジーの進化への理解
データベースが多くの分野でどのように活用されてい
るかを知り、新たなアイデアやキャリアの可能性を発
見。データベース技術が現代社会に不可欠であり、テ
クノロジーの進化やデジタルトランスフォーメーショ
ンに対する理解を深める。
43
自習
なぜデータベースが日常生活に不可欠だと言えるのでしょ
うか?具体的な例を挙げて説明できますか?
②次の基本概念について説明できますか?
・データベース
・データと情報の違い
・データの整合性を保つための制約についての具体例
・データベースシステムの役割
以上を自習することにより、データベースの重要性と基本的
な概念についての理解を深めることができます。資料を読み
返すなどで、各自、積極性、自主性、行動力、学ぶ力を高め
てください。(結果を提出する必要はありません44
1-7. 授業の全体計画
(次のステップへ)
45
この授業
データベースシステムについて
知る
データベースの設計、製作、活
の実践知識を得る
データベースシステムならでは
セキュリティデータが消失、
破損しない仕組み)も知る
46
15回の授業計画
47
1
データベースとは,データベー
スシステムとは、情報とデータ
9
主キーと外部キー
2
SQL
SQL のデータ型、テー
ブル定義、問い合わせ(クエ
リ)
10
正規化の目的と手順、
SQL
よる正規化
3
データベース設計、異状、正規
11
リレーショナルデータベース
の設計手法とベストプラク
ティス
4
SQL
問い合わせの広範な能力
12
ITシステムとデータベースシス
テムの連携
5
SQL
SELECTFROM
WHERE
13
トランザクション、データ共
6
SQL
による結合、JOIN
14
インデックスの作成と利用、
データベースのセキュリティ
7
SQL
によるグループ化、
GROUP BY
HAVING
15
種々のデータベースシステム
8
副問い合わせの目的と利用