Ubuntu システムの基本操作ガイド

【概要】本稿では、Ubuntuシステムの基本操作を解説する。GNOMEデスクトップ環境でのウィンドウ操作、ターミナルを使用したコマンドの実行、テキストエディタでの文書編集、ファイル操作、およびトラブルシューティングの方法を取り上げる。

【目次】

  1. 重要概念
  2. ウィンドウ操作(GNOME)
  3. ターミナル
  4. テキストエディタ
  5. ファイル操作
  6. トラブルシューティング

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【重要概念】

本稿を読み進めるにあたり、以下の用語を理解しておくと役立つ。

ウィンドウ操作(GNOME)

GNOMEデスクトップ環境では、Mutterと呼ばれるウィンドウマネージャがアプリケーションウィンドウの表示、配置、重なりを内部で管理する。利用者は以下の基本操作によってウィンドウを扱う。

基本操作

ターミナル

ターミナルは、キーボードからコマンドを入力してコンピュータを操作するテキストベースのインターフェースである。GUIで複数の手順が必要な操作を1つのコマンドで実行できる場合があり、複数のファイルに対する一括処理にも適する。

起動方法

シェルとプロンプト

ターミナルを開くと、シェルと呼ばれるプログラムが起動する。シェルは、ユーザーが入力したコマンドを解釈し、OSに伝える役割を担う。Ubuntuでは標準で bash(Bourne Again SHell)が使用される。

シェルがコマンド入力を待っている状態では、ユーザー名@ホスト名:~$ の形式でプロンプト(入力受付を示す表示)が表示される。ユーザーはこのプロンプトの後にコマンドを入力する。

基本操作

管理者権限での実行(sudo)

パッケージのインストールやシステム設定の変更など、管理者権限が必要な操作を行うには、コマンドの前に sudo を付けて実行する。

sudo apt update

実行時にユーザー自身のパスワード入力を求められる。入力中は画面に何も表示されない(セキュリティのため、入力した文字数も表示されない仕様である)。

シェルの高度な機能

シェルには以下のような高度な機能がある。詳細は Linux基本コマンドとその活用法 を参照されたい。

終了方法

テキストエディタ

Ubuntu 24.04 LTSでは、標準のテキストエディタとして「テキストエディタ」(GNOME Text Editor)が搭載されている。設定ファイルの編集、メモの作成、プログラムコードの記述に使用できる。

基本機能

ファイル操作

ファイル操作には、グラフィカルなファイルマネージャを使用する方法と、ターミナルでコマンドを使用する方法がある。少数のファイルを操作する場合はファイルマネージャが直感的である。多数のファイルを一括処理する場合や、特定の条件でファイルを選択する場合は、コマンドが効率的である。

ファイルマネージャ(Nautilus)

Ubuntu 24.04 LTSには、標準のファイルマネージャ「ファイルマネージャ(Nautilus)」が搭載されている。アプリケーション一覧では「ファイル」という名称で表示される。グラフィカルインターフェースでファイルやディレクトリの操作を行う。

起動方法

基本操作

ファイル操作コマンド

ターミナルからコマンドを使用してファイル操作を行う方法を説明する。以下の説明では、<...> は利用者が指定する引数を表す。

現在地の確認(pwd)

pwd コマンドは、現在作業しているディレクトリ(カレントディレクトリ)のフルパス(ルート / から始まる完全な経路)を表示する。ファイル削除など注意が必要な操作の前に、作業ディレクトリを確認するために使用する。

ディレクトリ移動(cd)

ディレクトリ作成(mkdir)

ファイル一覧(ls)

ファイルの表示(cat、less)

ファイルのコピー(cp)

ファイルの移動・名前変更(mv)

ファイルの削除(rm)

実行してはならない操作

rm -rf(再帰的かつ強制的な削除)を以下の対象に対して実行してはならない。システム全体またはホームディレクトリ全体が削除され、復旧できなくなる。

rm -rf を使用する際は、対象パスを pwdls で必ず確認する。意味を理解しないまま、例示の文字列をコピー&ペーストして実行してはならない。

トラブルシューティング

ソフトウェアインストールの失敗

原因: インターネット接続の問題、パッケージの依存関係の矛盾、ディスク容量不足が考えられる。依存関係とは、ソフトウェアが正常に動作するために必要とする他のソフトウェアとの関係を指す。

解決手順: 切り分けの容易な順に確認する。

  1. インターネット接続を確認する。
  2. df -h: ディスク容量を確認する(容量不足が原因である場合、以降の手順では解決しない)。
  3. sudo apt update: パッケージリストを更新する。
  4. sudo apt install -f: 壊れた依存関係を修正する。
  5. 上記で解決しない場合、sudo apt clean でキャッシュ(過去にダウンロードしたパッケージファイル)をクリアしてから、再度 sudo apt update を実行する。
  6. 再度インストールを試みる(sudo apt install <パッケージ名>)。

ディスプレイ設定の問題

システム設定から「ディスプレイ」を開き、適切な解像度を設定する。

システム動作の遅延

原因の特定:

  1. top コマンドで、CPUやメモリを多く消費しているプロセス(実行中のプログラム)を特定する。
  2. プロセスID(PID、各プロセスに割り当てられた識別番号)を確認する。

対処方法: kill はプロセスにシグナル(プロセスへの通知)を送るコマンドである。シグナルの種類によってプロセスの挙動が変わる。

注意: システム上重要なプロセス(systemdinitXorggnome-shell)を終了させると、システムが不安定になる可能性がある。これらのプロセスは、それぞれシステム起動・管理(systemdinit)、ディスプレイサーバ(Xorg)、GNOMEデスクトップ本体(gnome-shell)を担う。