Claude Code CLI 実践ガイド

概要

Claude Code CLIは,コマンドプロンプトから自然言語でコードを生成・実行・修正するツールである.単一ファイルにも使用できる.Windowsへのインストールはwingetで行う(Git for Windowsを含む).日常的に使うコマンドは /simplify/compact であり,必要に応じて /clear 等を併用する.コーディングスタイルはCLAUDE.mdで設定する.Visual Studio CodeおよびWindsurfでは,拡張機能を導入することでGUIパネルから操作できる.

本ガイドの前提と読み方

本ガイドはWindows 10/11上でのClaude Code CLIの利用を対象とする.読み進める前に以下を確認されたい.

1. サービス全体像とGitHubの要否

Anthropicは複数の利用形態を提供している.本ガイドに関係する3つを示す.

利用形態用途GitHub
claude.aiブラウザ・アプリでの通常チャット不要
Claude Code on the webブラウザからのクラウド実行必須(リポジトリ連携)
Claude Code CLIローカル環境でのターミナル実行不要

本ガイドはClaude Code CLI(ターミナル版)を対象とする.ローカルファイルを直接操作するため,GitHubアカウントは不要である.ただし,Git for Windows(ローカルのバージョン管理ツール,セクション2でインストール)は必要である.GitHub(リモートホスティングサービス)が必要となるのは,PR(Pull Request:変更をリポジトリに統合するための申請)を作成する場合,またはチームと共有する場合に限られる.

2. Windowsへのインストール

前提条件

項目内容
winget(Windowsの公式パッケージマネージャ)Windows 11では標準搭載.未導入の場合はMicrosoft StoreでApp Installerを更新する
Git for Windows必須.Claude CodeはGit Bash(Git for Windowsに付属するbashシェル環境)を内部コマンドの実行に使用する

ステップ1:Git のインストール(Windows 上) [クリックして展開]

管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する.管理者権限は,wingetの --scope machine オプションでシステム全体にインストールするために必要となる.

REM Git をシステム領域にインストール
winget install --scope machine --id Git.Git -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/VERYSILENT /NORESTART /NOCANCEL /SP- /CLOSEAPPLICATIONS /RESTARTAPPLICATIONS /COMPONENTS=""icons,ext\reg\shellhere,assoc,assoc_sh"" /o:PathOption=Cmd /o:CRLFOption=CRLFCommitAsIs /o:BashTerminalOption=MinTTY /o:DefaultBranchOption=main /o:EditorOption=VIM /o:SSHOption=OpenSSH /o:UseCredentialManager=Enabled /o:PerformanceTweaksFSCache=Enabled /o:EnableSymlinks=Disabled /o:EnableFSMonitor=Disabled"

ステップ2:Claude Code本体のインストール(Windows上) [クリックして展開]

同じく管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する(管理者権限が必要な理由はステップ1と同じである).

@rem 管理者権限で実行
winget install --id Anthropic.ClaudeCode -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements

インストール確認

claude --version

バージョン番号が表示されればインストールは成功である.

3. 認証と料金

初回認証

任意のフォルダでコマンドプロンプトを開き,claude を実行する.

claude

ブラウザが自動起動し,claude.aiでのログインが求められる(リモートデスクトップやSSH経由などブラウザが自動起動しない環境では,端末に表示されるURLを手動でブラウザに貼り付ける).認証完了後,対話セッション(以降「セッション」)が開始する.2回目以降の起動では認証は不要である.

料金体系

2026年時点の代表的なプランは次のとおりである.金額・上限はAnthropicの裁量で変更され得るため,契約前に 公式の料金ページ で最新の条件を確認されたい.

プラン月額(目安)使用上限
Pro20ドルセッション単位の上限と週次上限がある
Max 5x100ドルProの約5倍
Max 20x200ドルProの約20倍

使用上限は,一定時間ごとにリセットされるセッション単位の枠と,それとは独立して7日ごとにリセットされる週次の枠で構成される(Maxプランの週次上限は全モデル共通枠とSonnetモデル専用枠の2種類を持つ).いずれもセッション開始を起点として再付与される.

上限を超過した後にExtra usage(定額プランの上限を超えた後に有効化できる従量課金オプション)を有効にすると,標準APIレートで課金される.デフォルトは無効であり,有効化しない限り追加料金は発生しない.

Extra usageの状態確認

https://claude.ai にログイン
→ 左下のアカウントアイコン → Settings → Usage
→ Extra usage の項目を確認
  「Enable」ボタンが表示されている = 無効(追加課金なし)

4. 単一ファイルでの作業

Claude Codeはプロジェクト構造を強制しない.対象ファイルのあるフォルダに移動して claude を起動し,自然言語で指示する.

cd C:\work
claude

起動後の指示例:

rtdetr.py の forward メソッドにバグがある.修正して

ファイルを明示的に指定する場合は @ファイル名 構文を使う.

@rtdetr.py を読んで,推論速度を改善する案を出して

5. 日常的な開発サイクル

コマンド体系

区分コマンドタイミング
積極的に使う/simplify実装・デバッグの一区切り後
積極的に使う/compact会話が長くなったとき
状況に応じて/clear別のファイル・別のタスクに切り替えるとき
状況に応じて/resume過去の会話に戻したいとき

各コマンドの動作:

/review/cost/permissions などは,チーム開発・コスト管理・セキュリティ設定が必要になった段階で参照すればよい.

典型的な1サイクル

① 自然言語で指示する
  例:「rtdetr.py の forward メソッドにバグがある.修正して」

② Claudeがコードを生成・実行し,エラーを自律的に修正する
  (ファイル書き込み・コマンド実行時には承認プロンプトが
   表示されることがある.採否は利用者が判断する)

③ 動作確認後に /simplify を実行する
  最近変更したファイルを対象に,コード再利用・品質・効率の観点で
  レビューと修正を行う

④ 次の修正へ進み,①に戻る
  会話が重くなったら /compact を挟む

6. コーディングスタイルの設定(CLAUDE.md)

CLAUDE.mdとは

CLAUDE.md(セッション開始時に自動読み込みされる設定ファイル)は,配置場所により適用範囲が変わる.

本ガイドではユーザーフォルダ配置を基本として説明する.

配置場所

C:\Users\ユーザー名\.claude\CLAUDE.md

ファイルの作成手順

.claude フォルダが存在しない場合は作成する.

mkdir %USERPROFILE%\.claude

メモ帳でファイルを新規作成する.

notepad %USERPROFILE%\.claude\CLAUDE.md

メモ帳が開いたら,後述の内容を貼り付けて保存する.

/simplify との役割分担

効くタイミング対象
CLAUDE.mdコード生成の時点設計判断・構造の選択
/simplify生成後の後処理冗長な実装の整理

CLAUDE.md の内容

# Code Generation Policy

## 実装方針
- 同じ機能なら行数が少ない実装を選ぶ
- 中間変数は省略できる場合は省略する
- ループよりリスト内包表記を優先する(可読性を損なわない範囲で)
- 標準ライブラリで現実的に実現できる処理にサードパーティライブラリを使わない
- 抽象化・クラス化は指示があるときのみ行う
- フォールバック・エラーハンドリングは指示があるときのみ書く
- デバッグ用コードは残さない

## コメント方針
- 自明なコードにコメントは書かない
- コメントを書く場合は公式ドキュメント・仕様を調査し,
  コードを読むだけでは得られない技術的な根拠・挙動の理由を書く
- 例:なぜその引数・順序・アルゴリズムを選んだか,
  公式仕様上の制約や保証,既知の落とし穴
- 推測や慣習ではなく,確認済みの情報のみ書く

7. Visual Studio Code・Windsurfからの利用

両エディタとも,Anthropic公式の拡張機能を導入することで,エディタのパネルからGUIで操作できる(コマンドプロンプトを別途開く必要はない).内部ではセクション2でインストールしたCLI本体が使用される.

前提

セクション2のインストールを完了していること.また,Visual Studio Codeは1.98.0以降が必要である.

Visual Studio Codeでの導入

Visual Studio Codeを開き,拡張機能パネルから「Claude Code」(発行者:Anthropic)をインストールする.

Ctrl+Shift+X → 検索欄に「Claude Code」と入力 → Anthropic製のものをインストール

インストール後,ファイルを開くとエディタ右上のツールバーにSparkアイコンが表示される(ファイルを開いていない場合は,画面右下のステータスバーの「Claude Code」から起動できる).クリックするとClaude Codeのパネルが開き,自然言語で指示を入力できる.

主な機能:

Windsurfでの導入

WindsurfはVisual Studio Codeをベースに開発されたエディタであり,Visual Studio Code用の拡張機能がそのまま動作する.導入手順はVisual Studio Codeと同一である.

Ctrl+Shift+X → 検索欄に「Claude Code」と入力 → Anthropic製のものをインストール

WindsurfにはCascade(Windsurf独自の自律型AIエージェント機能)が搭載されているが,Claude Code拡張機能とは独立した別機能である.Claude Codeを使用する場合は,拡張機能パネルからClaude Codeを明示的に起動する.

コマンドプロンプト経由での利用との比較

コマンドプロンプト(CLI)Visual Studio Code / Windsurf拡張機能
操作場所独立したターミナル画面エディタ内パネル
差分確認テキスト出力差分ビューア(GUI)
参照ファイルの指定@ファイル名 で手動指定開いているファイル・選択範囲を自動認識(@ 指定も可)
スラッシュコマンドすべて利用可一部利用可(残りはCLIで実行)
CLAUDE.md共通(同一ファイルを読み込む)共通(同一ファイルを読み込む)

基本動作は両者で共通であり,主に異なるのは操作インターフェイスと一部の対応コマンドである.

既存コードをCLAUDE.mdに従って修正する

CLAUDE.mdは自動読み込みされるため,以下のように指示すればよい.

コマンドプロンプトの場合

対象ファイルのあるフォルダで claude を起動し,以下のように指示する.

@rtdetr.py をCLAUDE.mdに従ってリファクタリングして

Visual Studio Code / Windsurfの場合

対象ファイルをエディタで開き,Claude Codeのパネルに指示を入力する.

このファイルをCLAUDE.mdに従ってリファクタリングして

ファイルを開いておくだけで自動的に参照されるため,@ファイル名 の指定は省略できる.変更内容は差分ビューアで提示されるため,承認・却下を箇所ごとに判断できる.

8. OllamaによるローカルLLMへの切り替え(Claude Pro不要)

位置づけ

Ollama v0.14.0以降でAnthropicのMessages API互換性が追加された.Claude CodeはOllamaを接続先として使用できるため,Claude Proへの加入なしにローカルLLMを使用できる.この連携はOllamaとClaude Code双方の公式ドキュメントに掲載されている.

ただし,Claude Code本体の初回起動時にはAnthropicアカウントでの認証が必要である(セクション3).本セクションの設定は,認証完了後に日常運用での問い合わせ先をローカルLLMに切り替えるためのものである.

制約

ローカルLLMはAnthropicのモデルと比べて応答品質が低下する傾向がある.また,Claude Codeは大きなコンテキスト長(一度に処理できるトークン数)を必要とするため,Ollama公式は最低でも32k,できれば64k以上のコンテキスト長を推奨している.

ステップ1:Ollamaのインストール

Ollamaのインストールは,GUIインストーラかwingetのいずれかを選ぶ.

方法A:GUIインストーラ(管理者権限は不要)

Ollamaの公式サイト(https://ollama.com)にアクセスし,「Download」→「Windows」を選択して OllamaSetup.exe をダウンロードする.ダウンロードしたファイルを実行し,画面の指示に従ってインストールする.通常はユーザー領域にインストールされ,管理者権限は不要である.

方法B:wingetによる自動インストール(管理者権限が必要)

管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する.インストールと同時に,システムPATHへの登録およびモデル保存先(OLLAMA_MODELS)の設定を行う(これらの永続的な変更にシステム権限が必要となる).

REM Ollama をインストール(Inno Setup)
winget install --id Ollama.Ollama -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/VERYSILENT /SUPPRESSMSGBOXES /NORESTART /SP-"
REM Ollama のパス設定(システム PATH に未登録の場合のみ追加)
powershell -NoProfile -Command "$p=\"$env:LOCALAPPDATA\Programs\Ollama\"; $c=[Environment]::GetEnvironmentVariable('Path','Machine'); if((Test-Path $p) -and $c -notlike \"*$p*\"){[Environment]::SetEnvironmentVariable('Path',\"$p;$c\",'Machine')}"
rem モデルパスの設定
powershell -Command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable('OLLAMA_MODELS', 'C:\ollama\models', 'Machine')"
set OLLAMA_MODELS=C:\ollama\models
if exist "%USERPROFILE%\.ollama\models" robocopy "%USERPROFILE%\.ollama\models" "C:\ollama\models" /E /MOVE
if exist "%USERPROFILE%\.ollama\models" rd /s /q "%USERPROFILE%\.ollama\models"

インストール後,コマンドプロンプトで動作確認する.

ollama --version

ステップ2:コーディング用モデルの取得

ローカル実行向けの推奨モデルを取得する.

ollama pull qwen3-coder

他のローカル向けの選択肢:gpt-oss:20b.また十分なハードウェアがあれば glm-4.7 などの大規模モデルも利用できる.モデルが大きいほど品質は高いが,必要なVRAM・RAM量も増加する(目安として20Bクラスは16GB前後のVRAM,100B超クラスは複数GPUまたは大容量メインメモリを要する).高性能なローカル環境を持たない場合は,Ollamaのクラウドモデル(glm-4.7:cloudqwen3.5:cloud など,末尾が :cloud のモデル)も接続先として利用できる.正確なモデル名・必要リソースはOllama公式のモデルページを参照されたい.

ステップ3:設定

コマンドプロンプトから使用する場合

コマンドプロンプトで以下を実行する.

set ANTHROPIC_AUTH_TOKEN=ollama
rem 既存の API キーをクリアし,ローカル接続に切り替える
set ANTHROPIC_API_KEY=
set ANTHROPIC_BASE_URL=http://localhost:11434
claude --model qwen3-coder

set コマンドによる設定は,そのコマンドプロンプトのウィンドウを閉じると消える.起動のたびに入力したくない場合は,Windowsの「システム環境変数の編集」から同じ変数を永続的に登録する.

Visual Studio Code / Windsurf拡張機能から使用する場合

Ctrl+Shift+P →「Preferences: Open User Settings (JSON)」を選択し,以下を追記して保存する.

"claudeCode.environmentVariables": [
  { "name": "ANTHROPIC_BASE_URL", "value": "http://localhost:11434" },
  { "name": "ANTHROPIC_AUTH_TOKEN", "value": "ollama" },
  { "name": "ANTHROPIC_API_KEY", "value": "" }
],
"claudeCode.disableLoginPrompt": true

保存後,Visual Studio Codeを再起動する.以降,日常運用ではAnthropicアカウントへの問い合わせは行われない(初回認証分のアカウントは保持されている).

Anthropic接続に戻す場合

コマンドプロンプト使用時は,そのウィンドウを閉じればよい.新しいウィンドウではデフォルトのAnthropicへの接続が使われる.

システム環境変数として永続登録している場合は,Windowsの「システム環境変数の編集」を開き,ANTHROPIC_AUTH_TOKENANTHROPIC_API_KEYANTHROPIC_BASE_URL を削除する.

Visual Studio Code / Windsurf使用時は,settings.json に追記した claudeCode.environmentVariablesclaudeCode.disableLoginPrompt の設定を削除してVisual Studio Codeを再起動する.