Windows 11インストールガイド
【概要】Windows 11のインストール作業では、Media Creation ToolでISOファイルをダウンロードし、USBメディアを作成するか、Rufusを使用して詳細な設定が可能なUSBメディアを作成する。インストールでは、TPM 2.0などのシステム要件を確認後、アップグレードまたはクリーンインストールを実行する。
【目次】
【サイト内のWindowsセットアップ関連ページ】
- Windows 11インストールガイド: 別ページ »で説明
- Windows システムの基本操作ガイド: 別ページ »で説明
- Windows 11の基本設定: 別ページ »で説明
- Windows 11のおすすめソフトウェア: 別ページ »で説明
- Windows のまとめ: 別ページ »で説明
- Windows上のLinux開発環境構築ガイド:WSL 2とUbuntuのインストール・設定・運用: 別ページ »で説明
- Windows の種々のソフトウェアのインストール: 別ページ »で説明
【外部リソース】
- Windows 11のディスクイメージのダウンロードのページ: https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11
- Rufusのページ: https://rufus.ie/ja/
Windows 11 ISOファイルのダウンロードガイド
次の手順で、Windows 11のISOファイルをダウンロードできる。ダウンロードしたISOファイルは、DVDへの書き込みやUSBメモリの作成に使用できる。
1. 準備
ダウンロードのための事前確認
- 安定したインターネット接続が必要である。
- PCに8GB以上の空き容量があることを確認する。
Windows 11のシステム要件
Windows 11のシステム要件は次のとおりである。
- TPM 2.0の有無
- Windows + R キーを押して
tpm.mscを実行し、「TPMは使用可能です」というメッセージを確認する。
- Windows + R キーを押して
- Secure Bootの対応状況
- プロセッサの互換性
- メモリ容量(最低4GB)
- ストレージ容量(最低64GB)
2. Media Creation Toolのダウンロード
- Microsoft公式ダウンロードページにアクセスする。
URL: https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11 - 「Windows 11のインストールメディアを作成する」セクションで「今すぐダウンロード」を選択する。
- ダウンロードされた
mediacreationtool.exeを確認する。
3. Media Creation Toolの実行と、Windows 11 ISOファイルのダウンロード
mediacreationtool.exeを実行する。- Windows PC 正常性チェックが表示された場合は、指示に従う。
- 「適用される通知とライセンス条項」画面で内容を確認して同意する。
- 「言語とエディションの選択」画面
- 初期設定では「このPCにおすすめのオプションを使う」にチェックが入っている。
- 言語変更が必要な場合:
- 「このPCにおすすめのオプションを使う」のチェックを外す。
- 「言語」メニューから希望の言語を選択する。
- 「使用するメディアを選んでください」画面で「ISOファイル」を選択する。
注意点
- ダウンロード時間は、インターネット速度により30分から数時間かかる場合がある。
- ダウンロード中はPCの電源設定を「スリープしない」に設定することを推奨する。
- 作成されるISOファイルのサイズは約5GBである。
4. 完了処理
- ダウンロード完了後、「ISOファイルをDVDにコピーしてください」画面が表示される。
- 「完了」を選択して終了する。
トラブルシューティング
- ダウンロードが途中で失敗した場合は、再度実行することで続きからダウンロードされる。
- 「このPCは、Windows 11を実行できません」というメッセージが表示された場合は、Windows 11のシステム要件を確認する。
Rufusを使用したWindows 11インストール用USBメディア作成ガイド
Rufusツールを使用してWindows 11インストール用USBメディアを作成できる。詳細な設定を行いたいときに便利である。
Windows 11のシステム要件を満たさないPCへのインストールを可能にする設定もできるが、セキュリティ更新プログラムの提供停止や一部機能の利用制限などのリスクがあり、自己責任となる。
1. 準備
- 安定したインターネット接続が必要である。
- 容量8GB以上の空のUSBメモリを準備する。
- Windows 11 ISOファイルを公式サイトからダウンロードする。
2. Rufusのダウンロード
- Rufus公式サイトにアクセスする。
Rufus: https://rufus.ie/ja/ - 最新バージョンのRufusの実行ファイルをダウンロードする。
- インストール作業は不要である。
- ダウンロードした実行ファイルを直接実行できる。
3. Rufusの実行とUSBメモリに関する設定
- USBメモリをPCのUSBポートに接続する。
- ダウンロードした
rufus-x.xx.exeを管理者権限で実行する(ファイルを右クリックし、メニューから「管理者として実行」を選択する)。 - 「デバイス」ドロップダウンメニューから、接続したUSBメモリを選択する。
- 「ブートの種類」の設定
- 「ディスクまたはISOイメージ」を選択する。
- 「選択」ボタンをクリックし、ダウンロードしたWindows 11 ISOファイルを指定する。
- パーティション設定
- 「パーティションスキーム」:GPTを選択する。
- 「ファイルシステム」:NTFSを選択する。
- 「ボリュームラベル」:識別しやすい名前を設定する。
Windows 11システム要件回避の設定(必要な場合)
Rufus 3.16以降では、以下のシステム要件を回避するオプションを選択可能である(利用は自己責任となる)。
- TPM 2.0の要件
- セキュアブートの要件
- RAMの要件
- ストレージの要件
4. Windows 11インストール用USBメディアの作成
- Rufusの「スタート」ボタンをクリックして作成を開始する。
- 警告メッセージが表示された場合
- USBメモリ内のデータが完全に消去されることを確認する。
- 「OK」を選択して処理を続行する。
- 作成完了まで待機する。
- 進行状況がプログレスバーで表示される。
- 完了までの所要時間は通常10分から20分程度である。
注意事項
- 作成開始前に、USBメモリ内の重要なデータを必ずバックアップする。
- メディア作成中は、データ破損防止のためUSBメモリを取り外さない。
- Windows 11のシステム要件を回避してインストールする場合、セキュリティ更新プログラムや新機能の利用などに制限が発生する可能性がある。
Windows 11のインストール(USBメディアの使用)
0. 事前準備
- Windows 11のライセンスキー(プロダクトキー)を用意する。
- インストール対象のパソコンの重要なデータを、事前にバックアップすることを推奨する。
1. インストール方式の選択
アップグレードインストールとクリーンインストールの違いは次のとおりである。
- アップグレードインストール:データの保持が必要な場合に選択する。
- 既存のファイル、設定、およびアプリを保持したままWindows 11に更新する。
- システムファイルのみが更新される。
- クリーンインストール:新しい環境が必要な場合に選択する。
- 現在のシステムを完全に消去し、新規にWindows 11をインストールする。
- すべてのデータが消去されるため、事前のバックアップが必要である。
2. USBメモリによる起動
- 作成したUSBメモリをインストール対象PCのUSBポートに接続する。
- PCのBIOSまたはUEFI設定画面を開き、必要な設定を行う。BIOSメニューへのアクセス方法と設定内容は以下のとおりである。
- BIOSメニューへのアクセス方法(以下のいずれかの方法を使用する)
- Windowsを再起動し、BIOSメニューを表示するためのコマンド
shutdown /r /fw /t 0を使用する(ハードウェア設定に依存するため、必ずしもBIOSメニューが表示されるわけではない)。 - 起動時に特定のキー(F2、Del、Escなど)を押す(具体的なキーは、PCのマニュアルを参照)。BIOSメニューやブートメニューから起動デバイスを選択する。
- Windowsを再起動し、BIOSメニューを表示するためのコマンド
- BIOSメニュー内での設定
- USBからのブート優先順位を最上位に設定する。
- TPMを有効化する。
- BIOSメニューへのアクセス方法(以下のいずれかの方法を使用する)
- BIOS設定画面で「Save & Exit」を選択する。
- システムが再起動され、USBメモリによる起動が開始される。
3. Windows 11のインストール実行
画面の指示に従ってWindows 11のインストールを進める。
ライセンスキーについて
インストール中、Windows 11のライセンスキー(プロダクトキー)の入力を求められることがある。デジタルライセンスが自動設定される場合には、ライセンスキーを入力する操作は不要である。ライセンスキーの入力を求められた際に、後で入力したい場合は「I don't have a product key」を選択してスキップできる。
アップグレードインストールの場合
- 「アップグレード:Windowsをインストールし、ファイル、設定、およびアプリを保持する」を選択する。
クリーンインストールの場合
- 「カスタム:Windows のみをインストールする」を選択する。
4. よくある質問と対処方法
アップグレードインストールに関する質問
- Q: アップグレードインストール後、以前のファイルは復元できるか。
A: アップグレードインストールではファイルや設定が保持されるため、以前のファイルはそのまま利用できる。 - Q: アップグレードインストール後、ライセンスが認証されない場合はどうするか。
A: インターネットに接続し、自動認証を待つ。問題が続く場合は、Windowsの設定からトラブルシューティングを行う。 - Q: アップグレードインストール中にエラーが発生した場合、元のシステムに戻せるか。
A: インストールを中断して再起動すると、元のシステムに戻ることが可能である。
クリーンインストールに関する質問
- Q: クリーンインストール後、以前のファイルは復元できるか。
A: クリーンインストールではすべてのデータが消去されるため、事前のバックアップが必要である。 - Q: クリーンインストール後、ライセンスが認証されない場合はどうするか。
A: インターネットに接続し、自動認証を待つ。問題が続く場合は、Windowsの設定からトラブルシューティングを行う。 - Q: クリーンインストール中にエラーが発生した場合、元のシステムに戻せるか。
A: クリーンインストールが始まると、元のシステムに簡単に戻すことはできない。事前の完全バックアップが重要である。
5. インストール中のエラー対処
主要なエラーと対処法を示す。
- Rufusで内蔵SSDが認識されない
BIOSでIntel VMDの機能を無効にする。 - Rufusで作成したUSBメモリが起動しない
BIOSでUEFIによる起動を行うように設定する。 - 「このPCはWindows 11を実行できません」
BIOS設定でTPMとSecure Bootが有効になっているか確認する。 - 「インストールに必要な空き容量がありません」
不要なファイルを削除する、より大容量のドライブに交換する、またはクリーンインストールを行う。 - 「ドライバーの読み込みに失敗しました」
USBメモリが使用するUSBポートを変更するか、インストールメディアを再作成する。
エラー発生時の基本的な対処手順を示す。
- エラーメッセージを正確に記録する。
- PCを再起動し、インストールを再試行する。
- インストールメディアを再作成する。
- Microsoft公式サポートページでエラーコードを検索する。
インストール段階別の対処を示す。
- インストールの初期段階でエラーが発生した場合
USBインストールメディアを取り外し、PCを再起動する。元のシステムが無傷であれば、通常通り起動する。その後、インストールの手順をやり直す。 - パーティションの削除後など、インストールの途中でエラーが発生した場合
元のシステムへの簡単な復帰は不可能である。インストールを完了させた後に復旧を行う。データが破損している場合には、バックアップからのデータ復元が必要となる。