MySQL コマンドライン・クライアントの主な機能と使い方
MySQL コマンドライン・クライアントは,Windows で動作する高機能なデータベース管理ツールです. 本ガイドでは,MySQL の基本コマンドを使用した,データベース管理の具体的な操作手順を体系的に解説します.
【目次】
前準備とインストール手順
MySQL のインストール方法
- Windows 環境での MySQL インストール手順: 詳細な手順はこちら »
- Ubuntu 環境での MySQL インストール手順: 詳細な手順はこちら »
事前設定項目の決定
効率的なデータベース構築のために, データベース名,文字エンコーディング,照合順序を事前に決定することが重要です. 本ガイドでは,以下の具体的な設定例に基づいて説明を進めます.
- データベース名: testdb
データベース名には,半角英数字と記号のみを使用し,スペースを含まない形式での設定が必要です.
- 文字エンコーディング: cp932
- 照合順序: cp932_japanese_ci
照合順序は,データベース内での文字列比較やソート処理において,大文字・小文字の区別方法を定義する重要な設定です.
- シフトJIS系エンコーディング
sjis (標準Shift-JIS日本語エンコーディング), cp932 (Windows用SJIS日本語エンコーディング)
- EUC-JP系エンコーディング
ujis (標準EUC-JP日本語エンコーディング), eucjpms (Windows用UJIS日本語エンコーディング)
- Unicode系エンコーディング utf8 (UFT-8 Unicodeエンコーディング), ucs2 (UCS-2 Unicodeエンコーディング)
また,データベース・一般ユーザのアカウント設定では,ユーザ名とパスワードの準備が必要です. 本ガイドでは,以下の設定例を使用して説明します.
- ユーザ名: testuser
- パスワード: HOGE$#34hoge5
重要注意事項: データベース・一般ユーザのアカウント作成およびデータベースの作成と権限設定には, MySQL データベース管理者 (root)のパスワードが必要不可欠です.必ず事前に確認してください.
起動と終了の手順
MySQLの起動方法
Windows環境での起動手順
- コマンド「mysql -u root -p -D mysql」を実行してMySQLを起動します.
「root」はMySQLデータベース管理者のユーザ名を指定する重要なパラメータです.
「-D mysql」オプションにより,使用するデータベースをmysqlに設定します.
mysql -u root -p -D mysql
- プロンプトが表示されたら,MySQLデータベース管理者のパスワードを入力します.
セキュリティ確保のため,パスワード入力時は画面上に文字が表示されません.
Ubuntu環境での起動手順
「sudo mysql -d mysql」コマンドでMySQLを起動します.
「root」はMySQLデータベース管理者のアカウントを指定するパラメータであり,
「-D mysql」オプションにより,使用するデータベースをmysqlに設定します.
sudo mysql -D mysql
MySQLの終了方法
「exit」コマンドを実行することで,MySQLを安全に終了できます.
exit
アカウント管理(ユーザ名とパスワード)
アカウントの新規作成手順
MySQLでの新規アカウント作成には, create userコマンドを使用します.以下は,ユーザ名をtestuser,パスワードをHOGE$#34hoge5として設定する具体例です.
セキュリティ対策として,パスワードには必ずユニークで強固な値を設定してください.
「select * from mysql.user;」コマンドにより,作成したユーザ情報を確認できます.
create user testuser identified by 'HOGE$#34hoge5'; select * from mysql.user;

パスワードの変更方法
既存のMySQLユーザtestuserのパスワードをHOGE!%12hoge5に変更する場合は, 以下のmysqladminコマンドを実行します.
mysqladmin --user=testuser --password="(現在のパスワード)" password "HOGE!%12hoge5"
アカウントの削除手順
MySQLで不要となったアカウントを削除する場合は,「drop user <ユーザ名>;」コマンドを使用します.

データベースの作成と管理
データベースの新規作成手順
新規データベースの作成には, create databaseコマンドを使用します.
- create databaseコマンドによるデータベース作成手順
以下は具体的な設定例です:
- データベース名: testdb
- 文字エンコーディング: cp932
- 照合順序: cp932_japanese_ci
この設定に基づく作成コマンドは以下の通りです:
create database testdb default character set cp932 collate cp932_japanese_ci;
「default character set」パラメータにより文字エンコーディングを指定し, 「collate」パラメータで照合順序を設定します.
別の設定例として:
- データベース名: testdb
- 文字エンコーディング: utf8
- 照合順序: utf8_unicode_ci
UTF-8環境での作成コマンドは以下の通りです:
create database testdb default character set utf8 collate utf8_unicode_ci;
文字エンコーディングと照合順序の適切な設定は,国際化対応データベースの構築において重要な要素となります.
- データベースの作成確認手順
作成したデータベースは,show databasesコマンドにより一覧表示できます.
show databases;
データベース権限の設定
新規作成されたデータベースは,デフォルトでは作成者のみにアクセス権限が付与されています. 他のMySQLユーザにアクセス権限を付与するには,適切な権限設定が必要となります.
データベースtestdbの全操作権限をユーザtestuserに付与するには,以下のgrantコマンドを実行します:
grant all on testdb.* to 'testuser';

データベースの削除方法
不要となったデータベースを安全に削除するには,「drop database <データベース名>;」コマンドを使用します.
SQLクエリの実行
create table commodity ( id integer primary key not null, name varchar(32) not null, price integer ); insert into commodity values( 1, 'apple', 50 ); insert into commodity values( 2, 'orange', 20 ); insert into commodity values( 3, 'strawberry', 100 ); insert into commodity values( 4, 'watermelon', 150 ); insert into commodity values( 5, 'melon', 200 ); insert into commodity values( 6, 'banana', 100 ); select * from commodity;
実行結果の例:
ID NAME PRICE ---- ---------- ----- 1 apple 50 2 orange 20 3 strawberry 100 4 watermelon 150 5 melon 200 6 banana 100
実際の実行結果:

SQLファイルの実行方法
SQLコマンドが記述されたファイルを実行する場合は,sourceコマンドを使用します:
source <ファイル名>
テーブル一覧の表示
データベース内の全テーブルを効率的に一覧表示するには,show tablesコマンドを使用します.
- テーブル一覧の表示手順:
show tables;