MySQL コマンドライン・クライアントの主な機能と使い方

MySQL コマンドライン・クライアントは,Windows で動作する高機能なデータベース管理ツールです. 本ガイドでは,MySQL の基本コマンドを使用した,データベース管理の具体的な操作手順を体系的に解説します.

目次

前準備とインストール手順

MySQL のインストール方法

事前設定項目の決定

効率的なデータベース構築のために, データベース名,文字エンコーディング,照合順序を事前に決定することが重要です. 本ガイドでは,以下の具体的な設定例に基づいて説明を進めます.

MySQLで使用可能な主要な文字エンコーディングは以下の通りです.

また,データベース・一般ユーザのアカウント設定では,ユーザ名パスワードの準備が必要です. 本ガイドでは,以下の設定例を使用して説明します.

重要注意事項: データベース・一般ユーザのアカウント作成およびデータベースの作成と権限設定には, MySQL データベース管理者 (root)パスワード必要不可欠です.必ず事前に確認してください.

起動と終了の手順

MySQLの起動方法

Windows環境での起動手順

  1. コマンド「mysql -u root -p -D mysql」を実行してMySQLを起動します.

    root」はMySQLデータベース管理者のユーザ名を指定する重要なパラメータです.

    -D mysql」オプションにより,使用するデータベースをmysqlに設定します.

    mysql -u root -p -D mysql
    
  2. プロンプトが表示されたら,MySQLデータベース管理者のパスワードを入力します.

    セキュリティ確保のため,パスワード入力時は画面上に文字が表示されません.

Ubuntu環境での起動手順

「sudo mysql -d mysql」コマンドでMySQLを起動します.

root」はMySQLデータベース管理者のアカウントを指定するパラメータであり,

-D mysql」オプションにより,使用するデータベースをmysqlに設定します.

sudo mysql -D mysql

MySQLの終了方法

exit」コマンドを実行することで,MySQLを安全に終了できます.

exit

アカウント管理(ユーザ名とパスワード)

アカウントの新規作成手順

MySQLでの新規アカウント作成には, create userコマンドを使用します.

以下は,ユーザ名をtestuser,パスワードをHOGE$#34hoge5として設定する具体例です.

セキュリティ対策として,パスワードには必ずユニークで強固な値を設定してください.

「select * from mysql.user;」コマンドにより,作成したユーザ情報を確認できます.

create user testuser identified by 'HOGE$#34hoge5';
select * from mysql.user;

パスワードの変更方法

既存のMySQLユーザtestuserのパスワードをHOGE!%12hoge5に変更する場合は, 以下のmysqladminコマンドを実行します.

mysqladmin --user=testuser --password="(現在のパスワード)" password "HOGE!%12hoge5"

アカウントの削除手順

MySQLで不要となったアカウントを削除する場合は,「drop user <ユーザ名>;」コマンドを使用します.

データベースの作成と管理

データベースの新規作成手順

新規データベースの作成には, create databaseコマンドを使用します.

  1. create databaseコマンドによるデータベース作成手順

    以下は具体的な設定例です:

    • データベース名: testdb
    • 文字エンコーディング: cp932
    • 照合順序: cp932_japanese_ci

    この設定に基づく作成コマンドは以下の通りです:

    create database testdb default character set cp932 collate cp932_japanese_ci;
    

    「default character set」パラメータにより文字エンコーディングを指定し, 「collate」パラメータで照合順序を設定します.

    別の設定例として:

    • データベース名: testdb
    • 文字エンコーディング: utf8
    • 照合順序: utf8_unicode_ci

    UTF-8環境での作成コマンドは以下の通りです:

    create database testdb default character set utf8 collate utf8_unicode_ci;
    

    文字エンコーディングと照合順序の適切な設定は,国際化対応データベースの構築において重要な要素となります.

  2. データベースの作成確認手順

    作成したデータベースは,show databasesコマンドにより一覧表示できます.

    show databases;
    

データベース権限の設定

新規作成されたデータベースは,デフォルトでは作成者のみにアクセス権限が付与されています. 他のMySQLユーザにアクセス権限を付与するには,適切な権限設定が必要となります.

データベースtestdbの全操作権限をユーザtestuserに付与するには,以下のgrantコマンドを実行します:

grant all on testdb.* to 'testuser';

データベースの削除方法

不要となったデータベースを安全に削除するには,「drop database <データベース名>;」コマンドを使用します.

SQLクエリの実行

create table commodity (
    id integer primary key not null,
    name varchar(32) not null,
    price integer );
insert into commodity values( 1, 'apple', 50 );
insert into commodity values( 2, 'orange', 20 );
insert into commodity values( 3, 'strawberry', 100 );
insert into commodity values( 4, 'watermelon', 150 );
insert into commodity values( 5, 'melon', 200 );
insert into commodity values( 6, 'banana', 100 );
select * from commodity;

実行結果の例:

        ID  NAME       PRICE
       ---- ---------- -----
          1 apple         50
          2 orange        20
          3 strawberry   100
          4 watermelon   150
          5 melon        200
          6 banana       100

実際の実行結果:

SQLファイルの実行方法

SQLコマンドが記述されたファイルを実行する場合は,sourceコマンドを使用します:

source <ファイル名>

テーブル一覧の表示

データベース内の全テーブルを効率的に一覧表示するには,show tablesコマンドを使用します.

  1. テーブル一覧の表示手順:
    show tables;