Javaプログラミング用語リスト
【概要】 このドキュメントは,Javaプログラミングの基本的な用語と概念を体系的に解説している.プログラムの基本構造,データ入出力,変数と演算子,制御構造,配列操作,数学関数など,Javaプログラミングに必要なことがらを説明している.各項目には具体的なソースコードの例が示されており,実践的な理解を促進している.また,オンライン開発環境の利用方法やデバッグ機能についても言及し,プログラミング学習に役立つようにしている.
1. プログラミングの基礎
- Javaプログラミング入門
次は,画面に「Hello, Java!」を表示するプログラムのソースコードである(基本的な出力処理の例示).
public class Main { public static void main(String[] args) { System.out.println("Hello, Java!"); } }
- プログラムの構造
プログラムはデータの入力(Scannerクラス),計算処理(for文など),結果の出力(print文)という基本的な流れで構成されており,これらの要素がソースコード内で明確に区分されている.
Scanner sc = new Scanner(System.in); int x = sc.nextInt(); int result = x * 2; System.out.println(result);
- エラーチェック
プログラムの文法エラーを検出する機能があり,プログラムの正確性を確保できる(誤った関数名の使用時にエラーメッセージを表示する機能).
try { int x = Integer.parseInt("abc"); } catch (NumberFormatException e) { System.out.println("数値形式エラー"); }
- オンライン開発環境
ウェブブラウザを使用してプログラミングができるオンライン開発環境(例:GDBonline)の利用により,特別なソフトウェアのインストールなしにJavaプログラミングが可能である(URLアクセスのみで開発環境を利用可能).
【関連する外部ページ】
- プログラム実行制御
実行中のプログラムを強制的に停止させる機能により,プログラムの動作を適切に制御できる(Stopボタンによる実行中断機能).
if (emergencyStop) { System.exit(0); }
- デバッグ機能
プログラムの動作確認や問題解決のためのデバッグ機能により,効率的な開発が可能である(GDBonlineのデバッグ機能を活用可能).
System.out.println("デバッグ出力:変数xの値 = " + x);
- プログラム編集
エディタ画面でプログラムの内容を自由に編集する機能により,様々な機能の実装や修正が可能である(テキストエディタとしての基本機能を提供).
public class Example { // プログラムを編集可能 public static void main(String[] args) { } }
- コメント機能
プログラム内にコメントを記述する機能により,プログラムの理解や保守を効率化できる(1行コメントと複数行コメントの記述が可能).
// これは1行コメントです /* これは 複数行コメントです */
- ライブラリ活用
java.lang.MathやJava.util.Scannerなどの標準ライブラリの活用により,効率的なプログラム開発が実現できる(importステートメントによるライブラリの導入機能).
import java.util.Scanner; import java.math.*;
- プログラム保存
作成したプログラムをファイルとして保存する機能により,プログラムの再利用が可能である(Main.javaとしてファイル保存可能).
// ファイル名:Main.java public class Main { public static void main(String[] args) { } }
2. 変数と基本演算
- 変数
プログラム内でデータを一時的に格納するためのメモリ領域である.型と名前を宣言することで使用が可能となり,整数型や浮動小数点型など様々な型を指定できる(プログラムの実行中に値を変更可能).
int count = 0; count = count + 1; double value = 3.14;
- 変数宣言
プログラム内で使用する変数の型を明示的に宣言することにより,データの取り扱いを厳密に管理できる(double型やint型などの変数型を使用).
int count = 0; double price = 299.99;
- 四則演算
加算(+),減算(-),乗算(*),除算(/)の基本的な計算機能である.演算子を使用して数値計算を行い,結果を変数に代入できる(数学の規則に従った計算の優先順位を適用).
int result = (5 + 3) * 4 / 2 - 1;
3. 入出力処理
- キーボード入力
プログラムの実行中にユーザーがキーボードからデータを入力できる機能を提供している(Scannerクラスを使用して数値データを読み込む機能).
Scanner scanner = new Scanner(System.in); double value = scanner.nextDouble();
- 画面表示
計算結果を見やすい形式で画面に表示する機能により,ユーザーが結果を確認しやすい環境を提供する(printf文による小数点以下3桁までの数値表示機能).
System.out.printf("計算結果は%.3f です\n", 3.14159);
- System.out.println
画面にメッセージを表示するための標準出力メソッドである.文字列やメッセージの表示に適しており,出力後に自動的に改行を行う(1行での表示機能を提供).
System.out.println("計算結果:" + result);
- System.out.printf
書式付きで画面に出力を行うためのメソッドである.%8.3fなどの書式指定子により,数値の表示形式や桁数を精密に制御できる(複数値の組み合わせ表示に有用).
System.out.printf("x = %8.3f, y = %8.3f\n", 3.14159, 2.71828);
- Scanner
キーボードからの入力を受け付けるためのクラスである.nextDouble()メソッドによる浮動小数点数,nextInt()メソッドによる整数の読み込みが可能である(java.util.Scannerパッケージのインポートが必要).
Scanner sc = new Scanner(System.in); int age = sc.nextInt();
4. 数学関数
- Math.sin
三角関数の正弦(サイン)を計算するメソッドである.引数はラジアン単位で指定し,-1から1の範囲の値を返す(度数からラジアンへの変換には,π/180の乗算が必要).
double sin30 = Math.sin(30.0 * Math.PI / 180.0);
- Math.cos
三角関数の余弦(コサイン)を計算するメソッドである.引数はラジアン単位で指定し,-1から1の範囲の値を返す(周期性を持つ現象のモデル化に活用).
double cos60 = Math.cos(Math.PI / 3.0);
- Math.tan
三角関数の正接(タンジェント)を計算するメソッドである.引数はラジアン単位で指定し,無限大までの値を取り得る(90度(π/2ラジアン)では未定義).
double tan45 = Math.tan(Math.PI / 4.0);
- Math.exp
自然対数の底eを指定された指数で累乗する指数関数を計算する.指数関数的な成長や減衰の表現に使用され,常に正の値を返す(金融計算や自然現象のモデリングで活用).
double e2 = Math.exp(2.0);
- Math.log10
底を10とする対数を計算するメソッドである.引数は正の実数である必要があり,値の桁数計算や指数関係の線形化に利用される(科学技術計算での活用が一般的).
double log100 = Math.log10(100.0);
- Math.floor
浮動小数点数の小数点以下を切り捨てるメソッドであり,引数として与えられた数値より小さい最大の整数を返す(例:Math.floor(3.7)は3.0を出力).
double floor = Math.floor(3.7);
- Math.pow
べき乗を計算するメソッドであり,第1引数を底,第2引数を指数として計算を実行する(例:Math.pow(2,3)は8.0を出力).
double pow = Math.pow(2.0, 3.0);
- 組込関数
Java言語に標準で実装されている関数群である.Math.sqrt()などの数学関数,System.out.printf()などの出力関数が含まれ,基本的な演算や入出力処理の機能を提供する.
double sqrt = Math.sqrt(2.0); int abs = Math.abs(-5);
5. 制御構造
- 条件分岐
プログラムの実行経路を制御するための構文である.条件式の真偽により異なる処理を実行する機能を提供する(if文,else文などによる実装が可能).
if (score >= 60) { result = "合格"; } else { result = "不合格"; }
- if文
条件式を評価し,その結果が真の場合にのみ特定の処理を実行する制御文である.条件分岐の基本構文として,単独使用またはelse文との組み合わせが可能である.
if (temperature > 30) System.out.println("暑い日です");
- 比較演算子
2つの値の関係性を評価するための演算子である.小なり(<),大なり(>),等しい(==),以下(<=),以上(>=),等しくない(<>)などにより,条件式の構築が可能である.
boolean isAdult = (age >= 20);
- 論理演算子
複数の条件を組み合わせるための演算子である.AND演算(&&),OR演算(||),NOT演算(!)により,複雑な条件式の構築が可能である(条件の組み合わせによる精密な制御を実現).
boolean isValid = (age >= 0 && age <= 120);
- 多分岐
複数の条件による分岐を実現する制御構造である.if-else if-else文により,3つ以上の処理経路を設定できる(条件に応じた複数の処理パターンを実装).
if (score >= 80) grade = "A"; else if (score >= 60) grade = "B"; else grade = "C";
6. 繰り返し処理
- 繰り返し計算
for文を使用して同じ計算を複数回実行することで,効率的なプログラム処理が可能である(例では20回の繰り返し計算を実施).
for (int i = 0; i < 20; i++) { sum += Math.sin(i * Math.PI / 10); }
- while文とfor文
条件式を満たす限り,指定された処理を繰り返し実行するJavaのプログラミング構文である.while文は条件判定を先に行い,for文は繰り返し回数が明確な場合に使用する(反復処理の基本構文).
for (int i = 1; i <= 10; i++) sum += i;
- ループカウンタ
繰り返し処理の進行状況を管理する整数型変数である.処理の回数をカウントし,反復制御を実現する(繰り返し処理の進捗管理に使用).
for (int count = 0; count < max; count++) System.out.println(count);
- 繰り返しの入れ子
for文やwhile文を他の繰り返し文の中に配置する構造である.複雑な繰り返し処理を実現する機能を提供する(多重ループによる複雑な処理の実装が可能).
for (int i = 1; i <= 3; i++) for (int j = 1; j <= 3; j++) System.out.printf("%d,%d ", i, j);
7. 配列と配列操作
- 配列
プログラムにおいてデータを順序付けて格納する基本的なデータ構造である.添字によって個々のデータへのアクセスが可能である(効率的なデータ管理を実現).
int[] numbers = new int[5]; numbers[0] = 10;
- Java配列宣言
配列を使用する前に必要な宣言処理である.データ型,配列名,サイズの指定により,メモリ領域を確保する(配列の初期化と要素の格納が可能).
int[] scores = new int[30]; double[] heights = {170.0, 165.5, 180.5};
- 添字
配列内の各要素を識別するために使用される番号である(配列要素へのアクセスと操作に必要不可欠).
array[0] = 100; value = array[1];
- 多次元配列
複数の次元を持つ配列である.行列などの多次元データを効率的に扱うことができる(2次元以上のデータ構造を実現).
int[][] matrix = new int[3][3]; matrix[0][0] = 1;
- 配列初期化
配列宣言時に初期値を設定する機能である(宣言と同時にデータの格納が可能).
int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5}; boolean[] flags = new boolean[10];
- 配列サイズ
配列のサイズは宣言時に決定され,実行中の変更はできない(固定長配列の特徴を示す).
int size = array.length; System.out.println("配列サイズ:" + size);
- 配列走査
配列の全要素に対して処理を行う操作である(拡張for文による効率的な要素処理が可能).
for (int value : array) System.out.print(value + " ");
- 配列境界チェック
配列へのアクセス時に,添字が有効な範囲内であることを確認する処理である(配列操作の安全性を確保).
if (index >= 0 && index < array.length) value = array[index];
- 配列要素の交換
配列内の2つの要素の値を入れ替える操作である(ソートアルゴリズムなどで頻繁に使用).
int temp = array[i]; array[i] = array[j]; array[j] = temp;
8. アルゴリズムと応用
- Horner法
多項式計算を効率的に行うためのアルゴリズムである(計算量を削減し,高速な処理を実現).
result = a[n]; for (int i = n-1; i >= 0; i--) result = result * x + a[i];
- エラトステネスのふるい
古代ギリシャの数学者エラトステネスが考案した素数を求めるアルゴリズムである(効率的な素数の列挙を実現).
boolean[] isPrime = new boolean[n+1]; for (int i = 2; i * i <= n; i++) if (!isPrime[i]) for (int j = i * i; j <= n; j += i) isPrime[j] = true;
- 素数判定
与えられた数が素数であるかを判定する処理である(効率的なアルゴリズムによる判定を実現).
boolean isPrime = true; for (int i = 2; i * i <= n; i++) if (n % i == 0) isPrime = false;
- ユークリッドの互除法
2つの自然数の最大公約数を求めるアルゴリズムである.while文による実装により,効率的な計算が可能である(古代ギリシャから伝わる数学的アルゴリズム).
while (b != 0) { int t = b; b = a % b; a = t; }
- 複素数演算
実部と虚部を持つ数値の演算である.Javaでは実部と虚部を個別の変数として管理する(数値計算の基本機能として実装).
double real = a1 * b1 - a2 * b2; double imag = a1 * b2 + a2 * b1;
- 複利計算
元金に対して一定期間ごとに利息が元金に加算され,次期間はその合計額に対して利息が計算される方式である(金融計算の基本アルゴリズム).
double amount = principal * Math.pow(1.0 + rate, years);
- グレゴリオ暦
現在広く使用されている太陽暦である.4年に1度の通常のうるう年に加え,100年に1度のうるう年を省略し,400年に1度はうるう年とする規則を持つ(暦法計算の基本アルゴリズム).
boolean isLeapYear = (year % 4 == 0 && year % 100 != 0) || (year % 400 == 0);
- 計算誤差の累積
コンピュータによる浮動小数点演算において,近似計算の結果を繰り返し使用することで誤差が蓄積される現象である(精密な数値計算における重要な考慮事項).
double sum = 0.0; for (int i = 0; i < 100; i++) sum += 0.1;
- 棒グラフ表示
データの視覚化手法の一つである.配列に格納された数値データを文字や記号により視覚的に表現する(テキストベースの簡易グラフ表示を実現).
for (int i = 0; i < value; i++) System.out.print("*");
- 字下げ(インデント)
プログラムの構造を視覚的に明確化するためのコーディング技法である(プログラムの可読性と保守性の向上に貢献).
if (condition) { System.out.println("True"); }