MIT App Inventor を使ってみる
【概要】
MIT App Inventor は,MIT が提供する Web ブラウザで動作する,ブロックを組み合わせる方式(ビジュアルプログラミング)で Android アプリと iOS アプリを作るためのツールである。デザイナ画面で画面部品(ボタン,ラベルなど)を配置し,ブロック・エディタ画面でブロックを組み合わせて動作を作る。作ったアプリは,スマートフォン/タブレットや,パソコン上のエミュレータで動作確認できる。本ページでは,プロジェクトの新規作成からブロック作成,エミュレータでの実行までを通して試す。
【目次】
【関連する外部ページ】
- MIT App Inventor 公式:https://appinventor.mit.edu/
- App Inventor 開発環境(ブラウザで開く):https://ai2.appinventor.mit.edu/
- セットアップ手順(公式):https://appinventor.mit.edu/explore/ai2/setup
- エミュレータの導入と起動(公式):https://appinventor.mit.edu/explore/ai2/setup-emulator
- 動作環境(公式 System Requirements):https://appinventor.mit.edu/explore/content/system-requirements
【サイト内の関連情報】
第1章 前準備
MIT App Inventor は Web ブラウザ上で動作する。デザイナとブロック・エディタはブラウザの中で動くため,パソコンに JDK や Android SDK を入れる必要はない。ただし,作ったアプリを動かして確かめるには,次のいずれかの方法を用意する。
- 方法1(推奨):実機(Android デバイス)と無線 LAN(Wi-Fi)を使う
Android スマートフォンやタブレットに「MIT AI2 Companion」アプリを入れ,パソコンとデバイスを同じ Wi-Fi に接続して使う。パソコンへの追加ソフトのインストールは不要である。
- 方法2:エミュレータ(パソコン画面の仮想デバイス)を使う
Android 端末を持っていない場合は,パソコンにセットアップソフト(aiStarter を含む App Inventor Setup ソフトウェア)を入れて,画面上のエミュレータで動かす。本ページの第2章では,この方法(エミュレータ)を使う。
- 方法3:実機と USB ケーブルを使う
Wi-Fi 接続が使えない環境では,パソコンにセットアップソフトを入れ,USB ケーブルで Android 端末を接続して使う。
使用する Web ブラウザは Google Chrome または Mozilla Firefox(Safari も利用可)。Google アカウントでサインインして使う。エミュレータを使う場合は,あらかじめ App Inventor Setup ソフトウェア(aiStarter を含む)を 公式の手順 に従ってインストールしておく。
第2章 MIT App Inventor を使ってみる
- Web ブラウザで MIT App Inventor のページを開く。
- トップページの「Create Apps!」をクリックする。MIT App Inventor の開発環境(https://ai2.appinventor.mit.edu/)が開き,Google アカウントでのサインインが求められる。
- サインイン後に開くプロジェクト一覧画面の左上にある「Start new project」をクリックする。これは,プロジェクトの新規作成のため。
- プロジェクト名を入力し,「OK」をクリックする。プロジェクト名は,半角英数字とアンダースコアが使え,先頭は英字とする(空白や記号は使えない)。
- デザイナの画面が開く。デザイナは画面部品を配置して,アプリの見た目を作るための画面である。左側に部品一覧の「Palette(パレット)」,中央にスマートフォン画面を模した「Viewer(ビューワ)」,右側に部品の設定を行う「Properties(プロパティ)」が並ぶ。
- 試しに,Button(ボタン)と Label(ラベル)を,Palette から Viewer にドラッグ&ドロップする。
- 今度は,画面右上の「Blocks」ボタンをクリックする。これでブロック・エディタの画面に切り替わる(デザイナとは Designer ボタンと Blocks ボタンで切り替える)。
- ブロック・エディタの画面が開く。左側の「Blocks」一覧の中に「Screen1」の下にコンポーネント(先ほどデザイナで配置した Button1,Label1 など)が並ぶ。ここでは「Button1」をクリックする。Button1 で使えるブロックの一覧が開く。
- 試しに,「when Button1.Click」ブロックを,作業エリアにドラッグ&ドロップする。これは,ボタンが押されたときに動く処理を入れる入れ物(イベントハンドラ)である。
- 次に,左側の Blocks 一覧で「Label1」をクリックする。
- 試しに,「set Label1.FontSize to」ブロックを,作業エリアにドラッグ&ドロップする。先ほどの「when Button1.Click」ブロックの中にはめ込む(くぼみと突起が噛み合う形になる)。
- 「Built-in」の下にある「Math」をクリックする。Math は,数値や四則演算などのブロックを集めた引き出しである。
- 試しに,「number(数値)」のブロックを,作業エリアにドラッグ&ドロップする。先ほどの「set Label1.FontSize to」ブロックの右側にはめ込む。数値(例:30)を設定する。これで「ボタンを押すと,ラベルの文字サイズが指定した値に変わる」処理ができる。
- 実行して確かめる。あらかじめパソコン上で aiStarter を起動しておく(Mac は自動起動,Windows はデスクトップやスタートメニューのショートカットから起動)。App Inventor の画面上部にある「Connect」メニューを開き,「Emulator」をクリックする。エミュレータの起動には数十秒から数分かかる。
- 確認のダイアログが出たら「OK」をクリックする。
- エミュレータが起動すると,はじめは黒い画面が表示される。色付きの背景が出るまで待つ。さらに画面上部の SD カード準備の通知が消えるまで待つ。Android のロック画面が表示された場合は,鍵アイコンをドラッグしてロックを解除する。
- 画面が切り替わり,作成中のアプリがエミュレータに表示される。
- 初回の接続では,エミュレータ内のコンパニオン(MIT AI2 Companion)の更新を求められることがある。画面の案内に従って更新し,更新後にもう一度 Connect メニューから接続し直す。
- 接続が完了すると,作成中のアプリの画面(配置した Button と Label)が表示される。
- ボタン(Button1)をクリックすると,先ほど組んだブロックにより,ラベル(Label1)の文字の大きさが,設定した値に変わる。