Linux Mint 22.3 のインストール
本ページで扱う Linux Mint 22.3「Zena」は 2026 年 1 月公開のバージョンで, Ubuntu 24.04 LTS (Noble Numbat) をベースとし, 長期サポート (LTS) 版として 2029 年 4 月までサポートされる.
Debian を直接のベースとする系列として LMDE (Linux Mint Debian Edition) があり, 現行版は Debian 13 (Trixie) ベースの LMDE 7「Gigi」である.
DistroWatch の Web ページ: https://distrowatch.com/table.php?distribution=mint
準備
動作要件
- 64 ビットの x86 プロセッサ(Linux Mint 20 以降,32 ビット版は提供されていない)
- メモリ 2G バイト以上(4G バイト以上を推奨)
- ディスク空き容量 20G バイト以上(100G バイト以上を推奨)
- 1024 × 768 以上の解像度のディスプレイ
システム設定項目(事前に決めておく事項/調べておく事項)
| 設定項目 | データ型 | 本 Web ページでの設定値 |
| OS の種類 | 文字列 | Linux Mint 22.3 (MATE エディション) |
| Linux カーネルの種類 | 文字列 | amd64 (64ビット) |
| マシン名(コンピュータの名前) | 文字列 | mint223mate |
| ドメイン名(インターネットのドメイン) | 文字列 | kunihikokaneko.com ※1) |
| ネットワークアドレスは固定 IP アドレスか DHCP か | ブール値 | true または false ※2) |
| IP アドレス | IP アドレス | |
| ネットマスク(プレフィックス長) | 文字列 | |
| デフォルトルータ(ゲートウエイ) | IP アドレスまたは完全修飾形式のホスト名 | |
| DNS サーバ(ネームサーバ) | IP アドレスまたは完全修飾形式のホスト名 | |
| 初期ユーザのフルネーム | 文字列 | kunihiko kaneko |
| 初期ユーザのユーザ名 | 文字列 | kaneko |
| 初期ユーザのユーザ ID | 正の整数 | 8010 |
| 初期ユーザのパスワード | 文字列 | <秘密の文字列> |
| 特権ユーザのパスワード (root のパスワード) | 文字列 | <秘密の文字列> |
| ロケール | 文字列 | ja_JP.UTF-8 または C |
| タイムゾーン | 文字列 | Asia/Tokyo |
| キーボードレイアウト | 文字列 | 日本語 / 日本語 または 英語(US) / 英語(US) |
※1) ドメイン名は,インストーラでは入力しない. インストーラの「コンピュータの名前」にはマシン名のみを入力する. ドメイン名を含む完全修飾ホスト名は,インストール後に /etc/hosts に記述するか,DHCP や DNS の設定により与える.
※2) ネットワークアドレスは固定 IP アドレスか DHCP か
- 固定 IP アドレス: サーバマシンとして使う場合など,IP アドレスを固定的に割り当てる.
- DHCP: DHCP クライアントとして設定し,IP アドレスの割り当てを受ける.
上記の設定は,インストール後に変更できる.
Linux Mint のダウンロード
- Linux Mint の Web ページを開く
- 「Download」をクリックする.
- エディションを選ぶ
Cinnamon,MATE,Xfce のいずれかを選ぶ. ここでは MATE エディションを選んだものとして説明する.
* 過去のバージョンや LMDE は「All versions」 (https://linuxmint.com/download_all.php)から選ぶ.
- ダウンロード元のミラーサイトを選ぶ
日本国内のミラーサイトを選ぶと,ダウンロードが速い場合がある.
- ISO イメージファイルのダウンロードが始まるので確認する
- ダウンロードしたファイルの検証
ダウンロードページに掲載されている sha256sum.txt の値と, ダウンロードしたファイルのハッシュ値が一致することを確認する. Linux で確認する場合は,端末で次のコマンドを実行する.
sha256sum linuxmint-22.3-mate-64bit.isoWindows で確認する場合は,コマンドプロンプトで次のコマンドを実行する.
certutil -hashfile linuxmint-22.3-mate-64bit.iso SHA256
インストール手順
- インストール用メディアの作成
ダウンロードした .iso イメージファイルから,起動可能な USB メモリを作成する. Windows では Rufus, Windows・macOS・Linux では balenaEtcher を利用できる.
* USB メモリの内容はすべて消去される.必要なデータは事前に退避する.
- 作成した USB メモリからコンピュータを起動する
* 起動デバイスの選択方法は,コンピュータの機種により異なる. 起動時に表示される案内に従い,ブートメニューまたは UEFI 設定画面から USB メモリを選ぶ.
- ライブセッションが起動することを確認する
Linux Mint は,インストール前にそのまま試用できるライブセッションで起動する. ライブセッションのユーザ名は mint で,自動的にログインする. パスワードを求められた場合は,何も入力せずに Enter キーを押す.
* ライブセッションで加えた変更は保存されない.
- デスクトップの「Install Linux Mint」をダブルクリックして,インストーラを起動する
- 言語の選択
「日本語」を選び,「続ける」をクリックする.
- キーボードレイアウトの選択
キーボードレイアウトを選び,「続ける」をクリックする.
* 日本語配列のキーボードを使う場合は,左右とも「日本語」を選ぶ.
* 英語 (US) 配列のキーボードを使う場合は,左右とも「英語 (US)」を選ぶ.
* 入力欄で実際に文字を入力し,記号が意図どおりに入力されることを確認できる.
- マルチメディアコーデックのインストール
インターネットに接続している場合は,「マルチメディアコーデックをインストールする」に チェックすると,音声・動画の再生に必要なコーデックが同時に導入される. ライセンス条項を確認し,同意できる場合に限りチェックする. 「続ける」をクリックする.
- インストールの種類
ディスク全体を使用する場合は「ディスクを削除して Linux Mint をインストール」を選び, 「インストール」をクリックする.
* 選んだディスクのファイルはすべて削除される.必要なデータは事前にバックアップする.
* 他の OS と共存させる場合や,パーティションを自分で指定する場合は 「それ以外」を選ぶ. root パーティション (/) は 100G バイト以上を目安とし,ファイルシステムは ext4 を選ぶ.
* 「新しい Linux Mint のインストールをセキュリティのために暗号化する」(ディスク全体の暗号化)を 選ぶ時点では,キーボードレイアウトがまだ en_US である. この選択肢を使う場合は,パスワード入力時のキー配列に注意する.
- 「ディスクに変更を書き込みますか?」の確認画面で, 対象のディスクとパーティションを確認し,「続ける」をクリックする.
- タイムゾーンの選択
地図上で日本を選ぶか,「Tokyo」を選び,「続ける」をクリックする.
- ユーザ情報の入力
「あなたの名前」(初期ユーザのフルネーム), 「コンピュータの名前」(マシン名), 「ユーザ名」(初期ユーザのユーザ名), 「パスワード」(初期ユーザのパスワード)を設定し, 「続ける」をクリックする.
* ユーザ名とコンピュータの名前には,英小文字を使い, 記号やアクセント記号を含めない.
* ホームディレクトリを暗号化する場合は「ホームフォルダを暗号化する」にチェックする.
- インストールが始まるので,終了まで待つ
- 「今すぐ再起動する」をクリックして,再起動する
- 再起動
* 「Please remove the installation medium, then press ENTER」と表示された場合は, USB メモリを取り外して Enter キーを押す.
- ログイン画面が表示されるので,設定したユーザ名とパスワードでログインする
- ログイン後,ウェルカム画面が表示される
ウェルカム画面からは,デスクトップの配色やパネルの配置,スナップショット (Timeshift) の設定, ドライバマネージャ,アップデートマネージャを呼び出すことができる.
- 端末は,デスクトップの右クリックメニューから開くことができる
* キーボードショートカット Ctrl + Alt + T でも開くことができる.
- アプリのメニューは画面左下にある
- システム更新
インストール直後に,パッケージを最新の状態にする.端末で次のコマンドを実行する.
sudo apt update sudo apt -y upgrade* パネルのアップデートマネージャ(盾のアイコン)からも更新できる.
* システム更新については,別ページ »で説明
基本設定
パッケージリポジトリの設定
Linux Mint 22.3 のリポジトリ設定は, /etc/apt/sources.list.d/official-package-repositories.list に記述されている. Ubuntu 側のリポジトリはベースである noble を, Linux Mint 側のリポジトリはコードネーム zena を指す.
ミラーサイトを変更するには, 「メニュー」→「設定」→「ソフトウェアソース」を開き, 「メイン (zena)」と「ベース (noble)」のミラーを選ぶ. ミラー選択画面では,各ミラーの速度が計測されて表示される.
ミラーを変更したら,パッケージリストの情報を更新する.端末で次のコマンドを実行する.
sudo apt update
日本語環境の設定
インストール時に言語として日本語を選んだ場合,日本語のロケールとフォントは導入済みである. 不足がある場合は,端末で次のコマンドを実行する.
sudo apt update
sudo apt -y install language-pack-ja
sudo apt -y install $(check-language-support)
日本語入力を設定するには, 「メニュー」→「設定」→「入力方式」を開き, 言語の一覧から「日本語」を選び,「インストール」をクリックする. インプットメソッドフレームワークとして Fcitx5, かな漢字変換エンジンとして Mozc が導入される. 設定を反映するには,いったんログアウトして再度ログインする.
端末から導入する場合は,次のコマンドを実行する.
sudo apt -y install fcitx5-mozc
* 日本語入力の切り替えは,既定では 半角/全角キーまたは Ctrl + Space による.
システム設定
ネットワークの設定(固定 IP アドレスまたは DHCP,ホスト IP アドレス,ネットマスク,デフォルトルータ(ゲートウエイ),DNS サーバ(ネームサーバ))
- ネットワーク設定を開く
パネルの「ネットワークのアイコン」をクリックし,「ネットワーク設定」を選ぶ.
- ネットワークの一覧(有線,無線)が表示されるので確認する
設定したい接続を選び,歯車のアイコンをクリックする.
- 「IPv4」のタブをクリックする
- DHCP にする場合
「自動 (DHCP)」を選び,「適用」をクリックする.
- 固定 IP アドレスにする場合
「手動」を選び, アドレス(ホスト IP アドレス), ネットマスク, ゲートウエイ(デフォルトルータ), DNS サーバ(ネームサーバ) を入力し,「適用」をクリックする.
- 設定を反映するために,接続をいったん切断して再接続する
設定結果は,端末で次のコマンドを実行して確認できる.
ip address show ip route show
(オプション)特権ユーザのパスワード (root のパスワード) の設定
Linux Mint では,root アカウントのパスワードは既定では設定されておらず,root では直接ログインできない. 管理者権限が必要な操作は sudo により行う. root のパスワードを設定すると,root で直接ログインできるようになり, パスワードが漏れた場合の影響が大きくなるため,必要な場合に限り設定する.
設定するには,端末を開き,次のコマンドを実行する. 初期ユーザのパスワードを聞かれたら入力し, 続いて特権ユーザのパスワードを2回入力する.
sudo passwd root
(初期ユーザのパスワードを入力)
(特権ユーザのパスワードを入力)
(再度同じパスワードを入力)
設定した root のパスワードを無効化するには,端末で次のコマンドを実行する.
sudo passwd -l root
(オプション)初期ユーザのユーザ ID の設定
初期ユーザのユーザ ID を変更する. 変更対象のユーザがログインしている状態では変更できないため, グラフィカルな画面からログアウトし, Ctrl + Alt + F3 でテキストコンソールに切り替えて作業する.
- テキストコンソールで,変更対象ではない管理者権限を持つユーザでログインする
* 管理者権限を持つユーザが変更対象のユーザだけの場合は, 先に root のパスワードを設定しておき,root でログインする.
- usermod の実行
ユーザ名(ここでは kaneko)のユーザ ID を, 変更後の値(ここでは 8010)に変更する.
sudo usermod -u 8010 kaneko* usermod は,ホームディレクトリ配下のファイルの所有者を自動的に変更する.
- ホームディレクトリの外にあるファイルの所有者の変更
ホームディレクトリの外に,変更前のユーザ ID を所有者とするファイルが残っている場合がある. 該当するファイルを検索し,所有者を変更する.
sudo find /home /opt /srv /var -uid 1000 -exec chown 8010 {} +* 1000 は変更前のユーザ ID である.変更前のユーザ ID は, 変更前に「id -u kaneko」を実行して確認する.
- 変更結果を確認する
id kaneko - 再起動して,グラフィカルな画面からログインできることを確認する
sudo reboot