Linux Lite 8.0 のインストール

このページでは,Linux Lite 8.0 のインストール手順を説明する.

Linux Lite は,Ubuntu の LTS 版をベースとし, デスクトップ環境に Xfce を用いた Linux ディストリビューションである.

本ページで扱う Linux Lite 8.0「Hematite」は 2026 年 6 月 1 日公開のバージョンで, Ubuntu 26.04 LTS (Resolute) をベースとする. シリーズ 8 における主な変更点は, インストーラが Ubiquity から Calamares に変更されたこと, APT のリポジトリ設定が DEB822 形式 (.sources) に移行したこと, 付属ツールが GTK4 で書き直されたこと, Synaptic パッケージマネージャが Lite Software に置き換えられたことである.

DistroWatch の Web ページ: https://distrowatch.com/table.php?distribution=lite

準備

動作要件

* Linux Lite 8.0 はセキュアブートに対応していない. インストール前に,UEFI 設定画面でセキュアブートを無効にする.

システム設定項目(事前に決めておく事項/調べておく事項)

設定項目 データ型 本 Web ページでの設定値
OS の種類 文字列 Linux Lite 8.0
Linux カーネルの種類 文字列 amd64 (64ビット)
マシン名(コンピュータの名前) 文字列 linuxlite
ドメイン名(インターネットのドメイン) 文字列 kunihikokaneko.com ※1)
ネットワークアドレスは固定 IP アドレスか DHCP か ブール値 true または false ※2)
IP アドレスIP アドレス
ネットマスク(プレフィックス長)文字列
デフォルトルータ(ゲートウエイ)IP アドレスまたは完全修飾形式のホスト名
DNS サーバ(ネームサーバ)IP アドレスまたは完全修飾形式のホスト名
初期ユーザのフルネーム 文字列 kunihiko kaneko
初期ユーザのユーザ名 文字列 kaneko
初期ユーザのユーザ ID 正の整数 8010
初期ユーザのパスワード 文字列 <秘密の文字列>
特権ユーザのパスワード (root のパスワード) 文字列 <秘密の文字列>
ロケール 文字列 ja_JP.UTF-8 または C
タイムゾーン 文字列 Asia/Tokyo
キーボードレイアウト 文字列 Japanese (日本語) または English (US)

※1) ドメイン名は,インストーラでは入力しない. インストーラの「コンピュータの名前」にはマシン名のみを入力する. ドメイン名を含む完全修飾ホスト名は,インストール後に /etc/hosts に記述するか,DHCP や DNS の設定により与える.

※2) ネットワークアドレスは固定 IP アドレスか DHCP か

上記の設定は,インストール後に変更できる.

Linux Lite のダウンロード

  1. Linux Lite の Web ページを開く

    https://www.linuxliteos.com/

  2. DOWNLOAD」をクリックする

    https://www.linuxliteos.com/download.php

  3. ダウンロード元のミラーサイトまたは Torrent を選ぶ

    Linux Lite 8.0 の ISO イメージファイルの大きさは約 2.36G バイトである.

    * Linux Lite 4 以降,32 ビット版は提供されていない.

  4. ISO イメージファイルのダウンロードが始まるので確認する
  5. ダウンロードしたファイルの検証

    ダウンロードページおよびリリースアナウンスに掲載されているハッシュ値と, ダウンロードしたファイルのハッシュ値が一致することを確認する. Linux で確認する場合は,端末で次のコマンドを実行する.

    sha256sum linux-lite-8.0-64bit.iso
    

    Windows で確認する場合は,コマンドプロンプトで次のコマンドを実行する.

    certutil -hashfile linux-lite-8.0-64bit.iso SHA256
    

インストール

  1. UEFI 設定の確認

    インストールの前に,UEFI 設定画面でセキュアブートを無効にする. Linux Lite 8.0 はセキュアブートに対応していないため,有効のままではインストールしたシステムが起動しない.

  2. インストール用メディアの作成

    ダウンロードした .iso イメージファイルから,起動可能な USB メモリを作成する. Windows では Rufus, Windows・macOS・Linux では balenaEtcher を利用できる.

    * USB メモリの内容はすべて消去される.必要なデータは事前に退避する.

  3. 作成した USB メモリからコンピュータを起動する

    * 起動デバイスの選択方法は,コンピュータの機種により異なる. 起動時に表示される案内に従い,ブートメニューまたは UEFI 設定画面から USB メモリを選ぶ.

  4. ライブセッションが起動することを確認する

    Linux Lite は,インストール前にそのまま試用できるライブセッションで起動する. ライブセッションへのログインは自動で行われ,ユーザ名やパスワードの入力は不要である.

    * ライブセッションで加えた変更は保存されない.

  5. デスクトップの「Install Linux Lite」をダブルクリックして,インストーラを起動する

    Linux Lite 8.0 のインストーラは Calamares である. インストール中はインターネット接続を必要としない.

  6. ようこそ画面(言語の選択)

    言語の一覧から「日本語」を選び,「次へ」をクリックする. 以降の画面は日本語で表示される.

  7. 地域と言語(ロケール)の設定

    地図上で日本を選ぶか,地域に「Asia」,ゾーンに「Tokyo」を選ぶ. ロケールと数値・日付の書式が ja_JP.UTF-8 になることを確認し, 「次へ」をクリックする.

    * ここで選んだ地域に応じて,APT が参照する Ubuntu のミラーサイトが設定される.

  8. キーボードレイアウトの選択

    キーボードレイアウトを選び,「次へ」をクリックする.

    * 日本語配列のキーボードを使う場合は「Japanese」を選ぶ.

    * 英語 (US) 配列のキーボードを使う場合は「English (US)」を選ぶ.

    * 画面下部の入力欄で実際に文字を入力し,記号が意図どおりに入力されることを確認できる.

  9. パーティションの設定

    ディスク全体を使用する場合は「ディスクを消去」を選び,「次へ」をクリックする.

    * 選んだディスクのファイルはすべて削除される.必要なデータは事前にバックアップする.

    * ファイルシステムは ext4 を選ぶ. Linux Lite 8.0 では BtrfsXFS も選択できる.

    * パーティションを自分で指定する場合は「手動パーティション」を選ぶ. UEFI 環境での構成例は,512M バイトの FAT32 パーティションをマウントポイント /boot/efi(boot フラグを付与), 残りの領域を ext4 のパーティションとしてマウントポイント / とするものである.

  10. ユーザ情報の入力

    あなたの名前」(初期ユーザのフルネーム), 「ログイン名」(初期ユーザのユーザ名), 「コンピュータの名前」(マシン名), 「パスワード」(初期ユーザのパスワード)を設定し, 「次へ」をクリックする.

    * ログイン名とコンピュータの名前には,英小文字を使い, 記号やアクセント記号を含めない.

    * 「自動的にログインする」を選ぶと,起動時にパスワードの入力を求められなくなる. 複数人が触れるコンピュータでは選ばない.

  11. 要約の確認

    これまでに設定した内容の一覧が表示される. 特に消去されるディスクを確認し,「インストール」をクリックする.

  12. インストールが始まるので,終了まで待つ

    インストール中は,機能を紹介するスライドが表示される.

  13. 今すぐ再起動」にチェックし,「実行」をクリックして再起動する
  14. 再起動

    * 「Please remove the installation medium, then press ENTER」と表示された場合は, USB メモリを取り外して Enter キーを押す.

  15. ログイン画面が表示されるので,設定したユーザ名とパスワードでログインする
  16. 端末は,デスクトップの右クリックメニューから開くことができる

    Linux Lite 8.0 の既定の端末は Lite Terminal である. sudo による操作中は,タイトルバーの色が変化する.

  17. アプリのメニューは画面左下にある
  18. システム更新

    インストール直後は,ISO の公開後に追加された修正が適用されていない. 「メニュー」→「お気に入り」→「Install Updates」を実行して, パッケージを最新の状態にする.

    端末から実行する場合は,次のコマンドを実行する.

    sudo apt update
    sudo apt -y upgrade
    

    * システム更新については,別ページ »で説明

基本設定

パッケージリポジトリの設定

Linux Lite 8.0 では,APT のリポジトリ設定が DEB822 形式に移行しており, /etc/apt/sources.list.d/ubuntu.sources/etc/apt/sources.list.d/linuxlite.sources に記述されている. 従来の .list 形式のファイルは使われない.

ミラーサイトやサードパーティのリポジトリを変更するには, 「メニュー」→「システム」→「Lite Software Sources」を開く. このツールから,Ubuntu と Linux Lite のリポジトリおよびミラー,鍵 (keyring),PPA を管理できる.

設定を変更したら,パッケージリストの情報を更新する.端末で次のコマンドを実行する.

sudo apt update

日本語環境の設定

インストール時に言語として日本語を選んだ場合でも,日本語のフォントや変換辞書が不足することがある. 端末で次のコマンドを実行する.

sudo apt update
sudo apt -y install language-pack-ja
sudo apt -y install $(check-language-support)

日本語入力を設定するには,端末で次のコマンドを実行する.

sudo apt -y install fcitx5-mozc

インストール後,いったんログアウトして再度ログインする. 入力メソッドの追加や切り替えキーの変更は, 「メニュー」→「設定」→「Fcitx5 設定」で行う.

* 日本語入力の切り替えは,既定では 半角/全角キーまたは Ctrl + Space による.

システム設定

ネットワークの設定(固定 IP アドレスまたは DHCP,ホスト IP アドレス,ネットマスク,デフォルトルータ(ゲートウエイ),DNS サーバ(ネームサーバ))

  1. ネットワーク・ツールを起動する

    パネルの「ネットワークのアイコン」を右クリックし, 「接続を編集する (Edit Connections)」を選ぶ.

  2. ネットワークの一覧(有線,無線)が表示されるので確認する
  3. 設定したいネットワークを選び,歯車のアイコンをクリックする

    有線接続の場合は「Wired connection 1」を選ぶ.

  4. IPv4 設定 (IPv4 Settings)」のタブをクリックする
  5. DHCP にする場合

    自動 (DHCP)」を選び,「保存」をクリックする.

  6. 固定 IP アドレスにする場合

    手動 (Manual)」を選び,「追加 (Add)」をクリックして, アドレス(ホスト IP アドレス)ネットマスクゲートウエイ(デフォルトルータ)DNS サーバ(ネームサーバ) を入力し,「保存」をクリックする.

  7. 設定を反映するために,接続をいったん切断して再接続する

    設定結果は,端末で次のコマンドを実行して確認できる.

    ip address show
    ip route show
    

(オプション)特権ユーザのパスワード (root のパスワード) の設定

Linux Lite では,root アカウントのパスワードは既定では設定されておらず,root では直接ログインできない. 管理者権限が必要な操作は sudo により行う. root のパスワードを設定すると,root で直接ログインできるようになり, パスワードが漏れた場合の影響が大きくなるため,必要な場合に限り設定する.

設定するには,端末を開き,次のコマンドを実行する. 初期ユーザのパスワードを聞かれたら入力し, 続いて特権ユーザのパスワードを2回入力する.

sudo passwd root
(初期ユーザのパスワードを入力)
(特権ユーザのパスワードを入力)
(再度同じパスワードを入力)

設定した root のパスワードを無効化するには,端末で次のコマンドを実行する.

sudo passwd -l root

(オプション)初期ユーザのユーザ ID の設定

初期ユーザのユーザ ID を変更する. 変更対象のユーザがログインしている状態では変更できないため, グラフィカルな画面からログアウトし, Ctrl + Alt + F3 でテキストコンソールに切り替えて作業する.

  1. テキストコンソールで,変更対象ではない管理者権限を持つユーザでログインする

    * 管理者権限を持つユーザが変更対象のユーザだけの場合は, 先に root のパスワードを設定しておき,root でログインする.

  2. usermod の実行

    ユーザ名(ここでは kaneko)のユーザ ID を, 変更後の値(ここでは 8010)に変更する.

    sudo usermod -u 8010 kaneko
    

    * usermod は,ホームディレクトリ配下のファイルの所有者を自動的に変更する.

  3. ホームディレクトリの外にあるファイルの所有者の変更

    ホームディレクトリの外に,変更前のユーザ ID を所有者とするファイルが残っている場合がある. 該当するファイルを検索し,所有者を変更する.

    sudo find /home /opt /srv /var -uid 1000 -exec chown 8010 {} +
    

    * 1000 は変更前のユーザ ID である.変更前のユーザ ID は, 変更前に「id -u kaneko」を実行して確認する.

  4. 変更結果を確認する
    id kaneko
    
  5. 再起動して,グラフィカルな画面からログインできることを確認する
    sudo reboot