Oracle Linux 10 のインストールと設定

 
Oracle Linux は,Red Hat Enterprise Linux (RHEL) のソースパッケージからビルドされた Linux ディストリビューションである. 独自の機能として,Unbreakable Enterprise Kernel (UEK)(RHEL 互換カーネル (RHCK) と選択して使用できる), システムを再起動せずにカーネルにパッチを適用する Ksplice がある.

このページでは,Oracle Linux 10(最新の更新リリースは 10.2)のインストール手順を図解で説明する. Oracle Linux 10 は2025年6月に一般提供が開始され,UEK 8 を搭載する.

* 旧バージョンの状況:Oracle Linux 7 は2024年12月に Premier Support を終了し,2025年1月から Extended Support に移行した. Oracle Linux 8 系の最新更新は 8.10,9 系の最新更新は 9.8 である.

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目次

準備

システム要件

Oracle Linux 10 のインストールには,次の条件を満たすシステムが必要である.

* x86-64-v3 への対応は,Oracle Linux 9 以前が動作している環境で,次のコマンドを実行して確認できる. 出力の該当行に (supported, searched) と表示されていれば対応している.

/lib64/ld-linux-x86-64.so.2 --help | grep x86-64-v

* 仮想マシンにインストールする場合は,仮想マシン側の CPU 設定でホストの CPU 機能(AVX,AVX2 など)が ゲストに渡される構成にする.渡されていない場合,インストーラが起動しないことがある.

システム設定項目(事前に決めておく事項/調べておく事項)

設定項目 データ型 本 Web ページでの設定値
OS の種類 文字列 Oracle Linux 10
アーキテクチャ 文字列 x86_64aarch64 版もある)
Linux カーネルの種類 文字列 UEK 8(Unbreakable Enterprise Kernel.Oracle Linux 10 の既定)または RHCK(Red Hat 互換カーネル)
マシン名(コンピュータの名前) 文字列 oraclelinux
ドメイン名(インターネットのドメイン) 文字列 kunihikokaneko.com
ネットワークアドレスは固定 IP アドレスか DHCP か ブール値 true または false ※ 1)
IP アドレスIP アドレス (固定 IP アドレスの場合に設定)
ネットマスク文字列 (固定 IP アドレスの場合に設定)
ブロードキャストアドレス文字列 (固定 IP アドレスの場合に設定)
デフォルトルータ(ゲートウエイ)IP アドレスまたは完全修飾形式のホスト名 (固定 IP アドレスの場合に設定)
DNS サーバ(ネームサーバ)IP アドレスまたは完全修飾形式のホスト名 (固定 IP アドレスの場合に設定)
初期ユーザのフルネーム 文字列 kunihiko kaneko
初期ユーザのユーザ名 文字列 kaneko
初期ユーザのユーザ ID 正の整数 8010
初期ユーザのパスワード 文字列 <秘密の文字列>
特権ユーザのパスワード (root のパスワード) 文字列 <秘密の文字列>
ロケール 文字列 ja_JP.UTF-8 または C
タイムゾーン 文字列 Asia/Tokyo
システムコンソールのキーマップ 文字列 日本語 / 日本語 または 英語 (US) / 英語 (US)

※ 1) ネットワークアドレスは固定 IP アドレスか DHCP か

上記の設定は,インストール後に変更できる.

Oracle Linux のダウンロード

  1. ダウンロードの Web ページを開く

    https://yum.oracle.com/oracle-linux-isos.html

    * このページには,各リリースの最新3更新の ISO イメージが掲載されている. それより古い更新は,Oracle Software Delivery Cloud (https://edelivery.oracle.com/linux) から入手する.

  2. リンクをクリックする
  3. アーキテクチャの区分(「Oracle Linux x86_64 ISOs」など)を選ぶ
  4. インストールするバージョンの行を選ぶ

    * 最新版をインストールする場合は 10.2 の行を選ぶ.

  5. ISO イメージの種類を選ぶ.

    インストールに必要なパッケージを全て含むのは Full ISOOracleLinux-R10-U2-x86_64-dvd.iso)である.

    • Full ISO(dvd.iso): システムの起動とインストールに必要なもの全てを含む.
    • UEK Boot ISO(boot-uek.iso): UEK でシステムを起動し,インストールを開始するために必要なものを含む.インストールするパッケージはネットワーク経由で取得する.
    • Boot ISO(boot.iso): RHCK でシステムを起動し,インストールを開始するために必要なものを含む.インストールするパッケージはネットワーク経由で取得する.
    • Source ISO(src-dvd.iso): Full ISO に含まれるパッケージのソースを含む.
  6. .iso 形式ファイルへのリンクをクリックする.
  7. ダウンロードが始まるので確認する.
  8. ダウンロードしたファイルの検証

    配布ページに掲載されているチェックサムと,ダウンロードしたファイルのチェックサムを照合する. Linux では,端末を開き,次のコマンドを実行する.

    sha256sum OracleLinux-R10-U2-x86_64-dvd.iso
    

    Windows では,コマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.

    certutil -hashfile OracleLinux-R10-U2-x86_64-dvd.iso SHA256
    
  9. インストールメディアの作成

    ダウンロードした .iso イメージファイルを DVD に書き込むか,rufus などを使って起動可能な USB メモリを作る.

    * Full ISO のファイルサイズは 8G バイト程度であるため,USB メモリを使用する.

Oracle Linux インストール手順

  1. インストールの開始前に,ネットワークケーブルを接続しておく
  2. マシンの起動
  3. 起動画面

    Install Oracle Linux 10.2.0」を選び,Enter キーを押す.

  4. 起動がはじまるので確認する
  5. インストールに使用する言語の選択

    インストールに使用する言語の選択では, 日本語を選び, 続行 (Continue)をクリック

  6. インストール概要」の画面が表示される.この画面から各項目を設定する. 「ソフトウェアの選択」をクリック.
  7. ソフトウェアを選択できる画面が現れる.選択が終わったら「完了」をクリック.
    * 設定例次のものをチェック
    ベース環境
        サーバー (GUI 使用)
    
    選択した環境用の追加ソフトウェア
        開発ツール
        システムツール
    
    * 使用するソフトウェアだけを選択する.選択を増やすと,ディスク使用量とインストール時間が増え,稼働するサービスも増える.

    * 「最小限のインストール」を選んだ後に GUI デスクトップが必要になった場合は, インストール後に端末を開き,次のコマンドを実行する.

    sudo dnf group install -y "Server with GUI"
    sudo systemctl set-default graphical.target
    sudo reboot
    
  8. 今度は,「インストール先」をクリック.
  9. デバイスの選択を行う.

    ディスク全体を自動でパーティション分割する場合は,インストール先のディスクを選び,「完了」をクリック. パーティション構成を指定する場合は,「カスタム」を選んでから「完了」をクリックし,パーティションの設定画面で構成を指定する.

    * すでに「デバイスの選択」が行われている場合(すでに,チェックが付いている場合)は,このままで良いか確認する.

    * 選択されたデバイスの中身は全て消えるので,必要なデータは事前に別のディスクへ退避しておく.

    ディスクの情報を更新したいときは次のように操作する.
    • 更新」をクリック.
    • メッセージを確認の上,問題が無いなら,「ディスクの再スキャン」をクリック.
    • OK」をクリック.
    • 完了」をクリック.
  10. 次に,「ネットワークとホスト名」をクリック.
  11. イーサネットが切断されている場合には,「オフ」から「オン」に変える.
    • IP アドレスなどの設定を行いたいときは,「設定」をクリック.
    • ホスト名 (=ドメイン名付きのDNS ホスト名を設定する.NIS ドメイン名ではない)を設定し, 適用をクリック
    • ネットワークとホスト名の設定が終わったら,「完了」をクリック.
  12. Root パスワード設定を次の手順で行う.
    1. 「インストール概要」の画面で,「root パスワード」をクリック.
    2. root のパスワード(同じものを2箇所に)を設定したら,「完了」をクリック.
  13. ユーザーの作成を次の手順で行う.
    1. 「インストール概要」の画面で,「ユーザーの作成」をクリック.
    2. フルネーム,ユーザ名,パスワードを設定し,「完了」をクリック.

      * Oracle Linux 10 では,「このユーザーを管理者にする」が既定でチェックされている. チェックしたまま作成すると,そのユーザは wheel グループに所属し,sudo コマンドを使用できる. 管理者権限を与えない場合は,チェックを外す.

  14. 各項目の設定が終わったら,「インストールの開始」をクリック.
  15. インストールの終了を待つ
  16. インストール終了の確認. 「システムの再起動」をクリック.
  17. ログイン画面が現れる

    これで,インストールは終了

  18. ログインし,動作を確認する.

更新可能な全パッケージを更新

Oracle Linux 10 のパッケージ管理コマンドは dnf である(yum コマンドは dnf へのリンクとして利用できる).

◆ 操作手順例

端末を開き,次のコマンドを実行する.

sudo dnf check-update
sudo dnf update

EPEL リポジトリの設定

EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux) のパッケージを使う場合は, Oracle が提供するリポジトリ設定パッケージをインストールする.

端末を開き,次のコマンドを実行する.

sudo dnf install oracle-epel-release-el10
sudo dnf repolist

不要なサービスの停止

Oracle Linux 10 のサービス管理は systemd が行う.サービスの停止と自動起動の無効化には systemctl コマンドを使う.

サービスの一覧表示

端末を開き,次のコマンドを実行する.

systemctl list-unit-files --type=service
systemctl list-units --type=service --state=running

サービスの停止と自動起動の無効化

端末を開き,次のコマンドを実行する(<サービス名> は,停止するサービスの名前).

sudo systemctl stop <サービス名>
sudo systemctl disable <サービス名>

◆ 実行例(使用しない場合に停止の対象となることが多いサービス)

sudo systemctl disable --now bluetooth.service
sudo systemctl disable --now nfs-server.service
sudo systemctl disable --now rpcbind.service rpcbind.socket
sudo systemctl disable --now postfix.service
sudo systemctl disable --now cups.service

* 停止するサービスは,そのマシンの用途に応じて判断する. 他のサービスが依存しているサービスを停止すると,依存先のサービスも動作しなくなる. 依存関係は,次のコマンドで確認できる.

systemctl list-dependencies --reverse <サービス名>

(オプション)NVIDIA ドライバ

NVIDIA のグラフィックスカードを使用する場合は, NVIDIA ドライバ (https://www.nvidia.com/download/index.aspx) をインストールする.