Ubuntu を USB メモリにインストール
この手順では,USB メモリを インストール先とする。パーティションやマウントポイントの指定を誤ると,PC の内蔵ディスク(Windows や macOS など)のデータが消去される。作業前に内蔵ディスクのバックアップを取得し,各操作の前にデバイス名とサイズを確認して対象デバイスを特定すること。
ここでは Ubuntu 26.04 LTS(2026年4月リリース,標準サポートは 2031年4月まで)を対象とする。
用意するもの
- インストール先の USB メモリ: 32GB 以上(Ubuntu 26.04 の必要ディスク容量は 25GB 以上)
- ライブ起動用の USB メモリ: 8GB 以上。Ubuntu 26.04 の ISO イメージを Rufus,balenaEtcher などで書き込んだもの
- UEFI で起動する PC。メモリ 6GB 以上,2GHz デュアルコア以上
- 1. Ubuntu 26.04 のライブ環境の起動
- ライブ起動用の USB メモリを接続し,コンピュータを起動する。起動時に
F12,F10,Esc,Delなどのキーを押してブートメニューを開き,USB メモリを選ぶ(キーはメーカーにより異なる)。 - ブートメニューが表示されたら「Try or Install Ubuntu」を選ぶ。
- インストーラーが自動的に起動する。言語,アクセシビリティ,キーボードレイアウトを設定した後の画面で「Ubuntu を試す (Try Ubuntu)」を選び,ライブセッションのデスクトップを表示する。
- ライブ起動用の USB メモリを接続し,コンピュータを起動する。起動時に
- 2. インストール先 USB メモリのパーティション作成
- 目的: Ubuntu のシステム領域と,UEFI での起動に必要な EFI システムパーティション(ESP)を,インストール先の USB メモリ上に作成する。
- インストール先の USB メモリをライブセッションの PC に接続する。
- 端末(ターミナル)を開き,次のコマンドを実行してデバイス名を確認する。容量と型番から,インストール先の USB メモリを特定する。
内蔵ディスクはlsblk -o NAME,SIZE,MODEL,TRAN,MOUNTPOINTS/dev/sda,/dev/nvme0n1など,USB メモリはTRAN列がusbと表示される。以降の手順では,ここで特定したデバイス名を用いる。 - ライブセッションの GParted を起動し,インストール先の USB メモリを選び,パーティションテーブルを GPT(GUID Partition Table)形式で作成する(UEFI での起動に必要である)。
- USB メモリ上に次の 2 つのパーティションを作成する。
- 第1パーティション(ESP):
- サイズ: 512MB
- ファイルシステム: FAT32
- フラグ:
esp,boot(GParted のパーティション操作メニューで設定する) - 用途: UEFI ファームウェアが起動時に読み込むパーティションである。
- 第2パーティション(Ubuntu システム用):
- サイズ: 残りの全領域
- ファイルシステム: 未フォーマット(インストーラーで Ext4 に設定する)
- 第1パーティション(ESP):
- 3. インストーラーの起動
- ライブセッションのデスクトップ上にある「Install Ubuntu 26.04 LTS」アイコンをダブルクリックしてインストーラーを起動する。
- 言語,アクセシビリティ,キーボードレイアウト,ネットワークを設定する。
- 「Ubuntu をインストール (Install Ubuntu)」,「対話式インストール (Interactive installation)」を選ぶ。
- アプリケーションの選択では,「Default selection」(Web ブラウザ,テキストエディタなどの基本的なアプリのみ)または「Extended selection」(オフィススイート,メディアプレイヤーなどを含む)を選ぶ。
- 4. インストール先の手動設定
- 「ディスクのセットアップ (Disk setup)」の画面で,「手動インストール (Manual installation)」を選ぶ。
- パーティションの一覧が表示されるので,次の設定を行う。デバイス名とサイズを確認し,手順 2 で特定した USB メモリのパーティションを選ぶこと。
- Ubuntu システム用パーティションの設定:
- USB メモリ上の第2パーティション(例:
/dev/sdb2)を選び,「変更 (Change...)」をクリックする。 - フォーマット (Format): 「Ext4」
- マウントポイント (Mount point): 「/」(ルート)
- USB メモリ上の第2パーティション(例:
- EFI システムパーティションの設定:
- USB メモリ上の第1パーティション(例:
/dev/sdb1)を選び,「変更 (Change...)」をクリックする。 - マウントポイント (Mount point): 「/boot/efi」
- フォーマットの指定は不要である(手順 2 で FAT32 として作成済みである)。
- USB メモリ上の第1パーティション(例:
- 内蔵ディスクの保護:
- 一覧に表示される PC の内蔵ディスク(例:
/dev/sda,/dev/nvme0n1)に属するすべてのパーティションについて,マウントポイントとフォーマットを設定しない状態のままにする。とくに,内蔵ディスクの ESP を/boot/efiに指定しないこと。指定すると,Windows などの既存 OS のブートエントリが変更される。
- 一覧に表示される PC の内蔵ディスク(例:
- Swap 領域:
- Ubuntu 26.04 は既定で Swap ファイルを使用するため,専用の Swap パーティションは不要である。
- Ubuntu システム用パーティションの設定:
- 5. ブートローダーのインストール先
- Ubuntu 24.04 以降のデスクトップ用インストーラーには,「ブートローダをインストールするデバイス」を選ぶドロップダウンメニューは存在しない。GRUB は,
/boot/efiにマウントしたパーティションを含むディスクに書き込まれる。 - したがって,USB メモリだけで起動できるようにするには,手順 4 で USB メモリ上の ESP(例:
/dev/sdb1)を/boot/efiに指定しておく必要がある。この指定を行わず,内蔵ディスクの ESP が使われた場合,USB メモリ単体では起動できず,内蔵ディスクのブートエントリが変更される。
- Ubuntu 24.04 以降のデスクトップ用インストーラーには,「ブートローダをインストールするデバイス」を選ぶドロップダウンメニューは存在しない。GRUB は,
- 6. ユーザーアカウントとインストールの実行
- ユーザーアカウント(氏名,コンピュータ名,ユーザ名,パスワード)とタイムゾーンを設定する。
- 設定内容の要約画面が表示されるので,フォーマットされるパーティションとマウントポイントの割り当てを確認する。要約画面で「インストール (Install)」をクリックするまでは,ディスクへの変更は行われない。
- 確認したら「インストール (Install)」をクリックしてインストールを開始する。
- 7. 再起動と起動確認
- インストールが終了したら,ライブ起動用の USB メモリを取り外して再起動する。
- 起動時にブートメニューを開き,インストール先の USB メモリを選んで起動する。
- USB メモリへのインストールでは書き込み回数が多くなるため,Swap ファイルの利用と,重要なデータの定期的なバックアップを行う。