Ubuntu で ISO イメージファイルから Ubuntu ライブ USB メモリの作成
 Ubuntu の ISO イメージファイルから,persistent 領域(データ保存領域)付きの Ubuntu ライブ USB メモリを作成する手順. persistent 領域があると,ライブ起動中に作成したファイル,変更した設定,追加インストールしたパッケージが, 次回のライブ起動時にも引き継がれる. また,USB メモリは光学メディアより読み書きが速く,書き換えができる.
前提知識
- Ubuntu の ISO イメージファイルは,Ubuntu 24.04 LTS 以降のデスクトップ版で 4G バイトを超える. Ubuntu Studio 26.04 LTS の ISO イメージファイルは約 7G バイトである. FAT32 ファイルシステムは 1 ファイル 4G バイト未満という制限があるため, ISO イメージファイルの保存先は ext4,NTFS,exFAT のいずれかを使う.
- Ubuntu に標準で用意されている「スタートアップ・ディスクの作成」(usb-creator-gtk)と 「ディスク」(gnome-disks)は,ISO イメージファイルを USB メモリにクローン(複製)する機能のみを持ち, persistent 領域を作成する機能はない. persistent 領域を作る場合は mkusb や Ventoy を使う.
- persistent 領域は,casper-rw というラベルの ext4 パーティション(または同名のファイル)に保存される. ext4 パーティションを使う方式では,4G バイトの容量制限は生じない.
準備
- USB メモリを用意する.
ISO イメージファイルの容量に加えて persistent 領域が必要になるため,容量は 16G バイト以上を推奨する. USB メモリ内のデータは,作成作業ですべて消去される.
- Ubuntu の ISO イメージファイルを用意する.
Ubuntu の公式ダウンロードページ: https://ubuntu.com/download/desktop
- ダウンロードした ISO イメージファイルのチェックサム(SHA256)を検証する.
配布元が公開している SHA256SUMS の値と,次のコマンドの出力が一致することを確認する.
sha256sum <ISO イメージファイル名> - USB メモリのデバイス名を確認する.
USB メモリをパソコンに接続し,次のコマンドを実行する. 容量と型番から,対象の USB メモリのデバイス名(/dev/sdb など)を特定する. デバイス名を間違えると別のディスクのデータが消えるため,実行前に必ず確認する.
lsblk -o NAME,SIZE,TYPE,MOUNTPOINT,MODEL
sudo shred -n 1 -v /dev/<USB メモリのデバイス名>
mkusb のインストール
mkusb は,persistent 領域付きのライブ USB メモリを作成できるツールである. Ubuntu のコミュニティドキュメントで案内されている. 端末を開き,次のコマンドを実行する.
sudo add-apt-repository universe
sudo add-apt-repository ppa:mkusb/ppa
sudo apt update
sudo apt -y install mkusb mkusb-nox usb-pack-efi
mkusb の公式ドキュメント: https://help.ubuntu.com/community/mkusb
作成手順
- USB メモリをパソコンに接続する.
- mkusb を起動する.
端末を開き,次のコマンドを実行する. <ISO イメージファイルのパス>には,用意した ISO イメージファイルのパスを指定する.
dus <ISO イメージファイルのパス>実行すると管理者パスワードを問われるので,初期ユーザのパスワードを入力する.
- 動作モードとして「Install (make a boot device)」を選ぶ.
- 書き込み方式として「Persistent live - only Debian and Ubuntu」を選ぶ.
persistent 領域が不要な場合は「dd - only for ISO files」(クローン方式)を選ぶ.
- 書き込み先のドライブを選ぶ.
一覧から,対象の USB メモリを選ぶ. ここで選んだドライブのデータはすべて消去されるため,容量とデバイス名を確認する.
- persistent 領域の大きさを指定する.
USB メモリの残り容量に対する割合(パーセント)で指定する.
- 確認画面で「Go」を選び,書き込みを開始する.
完了メッセージが表示されるまで待つ.USB メモリは取り外さない.
- 完了後に,パーティション構成を確認する.
次のコマンドを実行する. casper-rw というラベルの ext4 パーティションが作成されていれば,persistent 領域が作られている.
lsblk -o NAME,SIZE,FSTYPE,LABEL - USB メモリをアンマウントしてから取り外す.
使ってみる
- 作成した USB メモリをパソコンに接続し,USB メモリから起動する.
起動デバイスの選択は,パソコンの起動時にファームウェア(UEFI/BIOS)の起動メニューを表示させて行う. 表示させるためのキーは機種により異なる(F12,F11,Esc,Del など).
- 起動メニューで,persistent 用のメニュー項目を選ぶ.
mkusb で作成した USB メモリの場合,起動メニューに persistence を有効にする項目が追加されている.
- 試しにファイルを作成し,再起動後にファイルが残っていることを確認する.
運用上の注意
- persistent 領域は,USB メモリをアンマウントせずに取り外すと壊れやすい. 取り外す前に,必ずアンマウントまたはシャットダウンを行う.
- persistent 領域のデータは定期的に別のドライブへバックアップする. mkusb には,persistent 領域のバックアップと復元を行う機能(Backup / Restore)がある.
- ライブシステムのカーネルは ISO イメージファイル内のものが使われ,persistent 領域に対して apt full-upgrade を繰り返すと persistent 領域を消費し,起動しなくなることがある. 新しいバージョンを使いたい場合は,新しい ISO イメージファイルから作り直す.
他の作成ツール
- Ventoy: USB メモリに複数の ISO イメージファイルを置いて起動できるツール. persistence プラグインを使うと persistent 領域を利用できる. https://www.ventoy.net/
- Rufus: Windows 上で動作するツール.persistent 領域の作成に対応している. https://rufus.ie/