VineSeed(Vine Linux 開発版)のインストールとシステム更新
このページでは,VineSeed のインストール手順とシステム更新手順を図解で説明する。VineSeed は Vine Linux の開発版であり,パッケージの更新が継続して行われている。Project Vine が配布しているのは VineSeed のみである。
VineSeed を使う前に確認する事項
- VineSeed はアルファ版である。パッケージ構成が変更されること,更新によって一部のパッケージが動作しなくなることがある。動作を確認しながら使用する用途に向く。動作の安定性が必要な場合は,Ubuntu などのサポート期間が定められているディストリビューションを使用する。
- VineSeed 専用のインストール用 ISO イメージは配布されていない。リリース版(Vine Linux 6.5)をベースシステムとしてインストールし,パッケージの取得先を VineSeed に変更する手順を用いる。
- VineSeed から Vine Linux のリリース版に戻すことはできない。インストール先のディスクのデータは削除される。
- VineSeed の各パッケージのバージョンと更新内容は,https://vinelinux.org/vineseednews.html で確認できる。
準備
システム設定項目(事前に決めておく事項/調べておく事項)
| 設定項目 | データ型 | 本 Web ページでの設定値 |
| OS の種類 | 文字列 | VineSeed(ベースシステムは Vine Linux 6.5) |
| Linux カーネルの種類 | 文字列 | 「i686(32ビット)」あるいは「x86_64(64ビット)」 |
| マシン名(コンピュータの名前) | 文字列 | vineseed |
| ドメイン名(インターネットのドメイン) | 文字列 | kunihikokaneko.com |
| ネットワークアドレスは固定 IP アドレスか DHCP か | ブール値 | true または false ※ 1) |
| IP アドレス | IP アドレス | 利用環境に応じて設定(DHCP の場合は不要) |
| ネットマスク | 文字列 | 利用環境に応じて設定(DHCP の場合は不要) |
| ブロードキャストアドレス | 文字列 | 利用環境に応じて設定(DHCP の場合は不要) |
| デフォルトルータ(ゲートウエイ) | IP アドレスまたは完全修飾形式のホスト名 | 利用環境に応じて設定(DHCP の場合は不要) |
| DNS サーバ(ネームサーバ) | IP アドレスまたは完全修飾形式のホスト名 | 利用環境に応じて設定(DHCP の場合は不要) |
| 初期ユーザのフルネーム | 文字列 | kunihiko kaneko |
| 初期ユーザのユーザ名 | 文字列 | kaneko |
| 初期ユーザのユーザ ID | 正の整数 | 8010 |
| 初期ユーザのパスワード | 文字列 | <秘密の文字列> |
| 特権ユーザのパスワード (root のパスワード) | 文字列 | <秘密の文字列> |
| ロケール | 文字列 | ja_JP.UTF-8 または C |
| タイムゾーン | 文字列 | Asia/Tokyo (アジア/東京) |
| システムコンソールのキーマップ | 文字列 | 日本語 または 英語(アメリカ合衆国) |
※ 1) ネットワークアドレスは固定 IP アドレスか DHCP か
- 固定 IP アドレス: サーバマシンとして使うなどの場合は,IP アドレスを固定的に割り当てる。
- DHCP: DHCP クライアントとして設定する。IP アドレス等はネットワーク側から自動で割り当てられる。
上記の設定項目は,インストール後にも設定ファイルや設定画面から変更できる。
ベースシステム(Vine Linux 6.5)のダウンロード
- Web ページを開く
- ダウンロードをクリック
配布されているリリース版は Vine Linux 6.5 である。次のミラーサイトからも取得できる。
- 大阪大学: ftp://ftp.ics.es.osaka-u.ac.jp/pub/mirrors/Vine/
- 名古屋大学: ftp://ftp.nuie.nagoya-u.ac.jp/pub/Linux/Vine
- JAIST: http://ftp.jaist.ac.jp/pub/Linux/Vine/
ベースシステムのインストール
- Vine Linux の CD/DVD(あるいは ISO イメージファイル)を使って起動
- 起動画面
インストールしたいので「Install (GUI mode) - default」を選ぶ.
- ようこそ画面
インストールを開始したいので,「次へ」をクリック
- 言語の選択
「日本語(日本語)」を選び, 「次へ」をクリック
- キーボード設定
キーボードを選び, 「進む」をクリック
* キーボードレイアウトを日本語 にしたい場合の実行例
* キーボードレイアウトを英語(アメリカ合衆国)にしたい場合の実行例
- インストールの種類
VineSeed へ切り替えることを前提とするため,ここでは「ベースシステム」を選び, 「次へ」をクリック
- ディスクパーティションの設定
「自動パーティション設定」を選び, 「次へ」をクリック
- (オプション)ドライブの初期化
ドライブを初期化するかを確認する画面が表示されたときは,デバイス名を確認した上で 「はい」をクリック
- 自動パーティション設定
「システムのすべての Linux パーティションを削除」を選び, 「次へ」をクリック
* 選んだディスク上の対象パーティションのデータは削除される.デバイス名を確認してから実行する.
- (オプション)データの削除
データの削除を確認する画面が表示されたときは,デバイス名を確認した上で 「はい」をクリック
- ブートローダの設定
デフォルトのままでよい. 「次へ」をクリック
- ネットワークの設定
ネットワークアドレスは固定 IP アドレスか DHCP か,ホスト IP アドレス,ネットマスク,デフォルトルータ(ゲートウエイ),DNS サーバ(ネームサーバ)を設定する
このとき,ネットワークインタフェース論理名を確認しておく
* ネットワークアドレスを DHCP にしたい場合
「DHCP」になっていることを確認
* ネットワークアドレスを固定 IP アドレスにしたい場合
「編集」をクリック.
◇ ホスト IP アドレス, ネットマスク を設定する.
- ホスト名,ドメイン名の設定
- ファイアウオール設定
適切に設定し, 「次へ」をクリック
- システムのデフォルト言語
適切に設定し, 「次へ」をクリック
- タイムゾーン
タイムゾーンとして「アジア/東京」を選び, 「次へ」をクリック
- Root パスワードの設定および一般ユーザアカウントの作成
「Root パスワード」と, 「ユーザ名」(初期ユーザのユーザ名)と, 「名前」(初期ユーザのフルネーム)と, 「パスワード」(初期ユーザのパスワード)を設定し, 「進む」をクリック
- インストールパッケージの選択
パッケージグループとして「基本構成」を選び, 「次へ」をクリック
* グラフィカル環境は VineSeed へ切り替えた後にインストールする.
- インストール準備完了
「次へ」をクリック.
- インストール
数分以上待つ.
- インストールの完了
- 再起動
- ログイン画面が現れる
これで,ベースシステムのインストールは終了
VineSeed への切り替え
以下の操作は root 権限で実行する。ログイン後,次のコマンドで root になる。
su -
- ネットワークの起動
ベースシステムのインストール直後はネットワークデバイスが無効になっていることがある。次のコマンドでネットワークを起動する。
/etc/init.d/network start次回以降の起動時に自動でネットワークが起動するように設定する。
/sbin/chkconfig network on - ベースシステムの更新
リリース版に対する修正(Errata)を適用する。
apt-get update apt-get upgrade - 再起動と動作確認
再起動し,ログインできること,ネットワークが使用できることを確認する。
reboot - パッケージ取得先の変更
ディレクトリ /etc/apt/sources.list.d/ 以下の全てのファイルを編集する。例えば /etc/apt/sources.list.d/main.list には次の行が含まれている。
# (master) rpm [vine] http://updates.vinelinux.org/apt 6.5/$(ARCH) main updates rpm-src [vine] http://updates.vinelinux.org/apt 6.5/$(ARCH) main updatesこの 6.5/$(ARCH) の部分を全て VineSeed/$(ARCH) に変更する。
rpm [vine] http://updates.vinelinux.org/apt VineSeed/$(ARCH) main updates rpm-src [vine] http://updates.vinelinux.org/apt VineSeed/$(ARCH) main updates# で始まる行はコメントであり,設定には影響しない。設定ファイルの書式は次のコマンドで確認できる。
man sources.list - APT の更新
パッケージ管理システム自体を先に VineSeed のものに更新する。
apt-get update apt-get install apt libxml2 - グラフィカル環境のインストール
グラフィカル環境が必要な場合は,X Window System とデスクトップ環境をインストールする。次は GNOME を使う場合の例である。
apt-get install task-xorg-x11 task-gnome日本語入力システムも合わせてインストールする。
apt-get install task-japanese - システム全体のアップグレード
VineSeed のパッケージへ入れ替える。
apt-get update apt-get dist-upgrade次のような依存関係のエラーメッセージが表示された場合は,パッケージ名を指定して個別にインストールする。
E: Unable to correct problems, you have held broken packages.apt-get install package1 package2 ...解決しない場合は,Vine Linux の BTS で同じ問題が報告されていないかを確認し,報告がない場合は新規レポートを作成する。レポートには,使用しているコンピュータの詳細(CPU,メモリ容量など),入力したコマンドと操作の流れ,エラーメッセージとその前後の出力を記載する。
- 起動時にグラフィカルログインを使う設定
グラフィカル環境をインストールした場合は,/etc/inittab を差し替える。元のファイルは /etc/inittab.org として保存する。
cp -p /etc/inittab /etc/inittab.org cp -p /etc/inittab.sysv /etc/inittabデフォルトのランレベルは /etc/inittab の initdefault の行で指定する。グラフィカルログインの場合は 5,コンソールログインの場合は 3 である。
- 再起動
reboot
VineSeed のシステム更新
VineSeed のパッケージ管理は apt-rpm による。パッケージリストの情報を更新し,インストール済みパッケージを更新する。以下は root 権限で実行する。
# パッケージリストの情報を更新
apt-get update
# インストール済みパッケージを更新
apt-get -yV dist-upgrade
VineSeed ではパッケージの追加・削除・依存関係の変更が発生するため,upgrade ではなく dist-upgrade を使用する。