Ubuntu で exFAT を使う
はじめに
この記事では、Ubuntuオペレーティングシステム上でexFATファイルシステムを利用可能にする手順について解説します。exFATは、WindowsやmacOSなど異なるオペレーティングシステム間で大容量ファイルを共有する際に便利な、高互換性のファイルシステムです。この手順により、exFATでフォーマットされたUSBメモリやSDカードなどをUbuntu (20.04 LTS, 22.04 LTS, 24.04 LTS など) で読み書きできるようになります。
前提条件:
- Ubuntu (20.04 LTS 以降推奨) がインストール済みであること。(Ubuntu のインストール手順は別ページ »を参照してください)
- コマンドライン操作(ターミナル)の基本的な知識があること。
sudo
コマンドによる管理者権限での操作が可能であること。
1. システムの最新化
まず、パッケージリストとインストール済みのパッケージを最新の状態に更新します。これにより、依存関係の問題を防ぎ、セキュリティを向上させることができます。作業前にシステムを最新化しておくことを強く推奨します。
# パッケージリストの情報を更新します
sudo apt -y update
# インストール済みのパッケージを最新バージョンにアップグレードします
# 注意: -y オプションは全ての確認プロンプトに自動で 'yes' と答えます。
# 変更内容を確認したい場合は、-y を付けずに実行してください。
sudo apt -y upgrade
# アップグレード後に再起動が必要な場合があります (推奨)
sudo /sbin/shutdown -r now
2. exFATサポートのインストール (Ubuntu 20.04 LTS 以降)
UbuntuでexFATファイルシステムを利用可能にするためのパッケージをインストールします。Ubuntu 20.04 LTS 以降のバージョンでは、LinuxカーネルによるexFATのネイティブサポートが標準となっています。
推奨されるインストール方法:
通常、以下のコマンドでexfatprogs
パッケージをインストールすれば十分です。これにより、exFATファイルシステムの作成やチェック、マウントが可能になります。
# パッケージリストを更新 (念のため実行)
sudo apt -y update
# exFATファイルシステムの作成やチェックを行うユーティリティ (カーネルサポート用) をインストール
sudo apt -y install exfatprogs
解説: exfatprogs
パッケージには、カーネルのネイティブexFATサポートを利用してファイルシステムの作成やチェックを行うためのユーティリティが含まれています。通常、このパッケージをインストールするだけで、exFATデバイスは自動的に認識され、読み書きが可能になります。
カーネルのネイティブサポートで問題が発生する場合や、特定の互換性要件がある場合にのみ、以下のexfat-fuse
パッケージのインストールを検討してください。
# FUSEを介してexFATをマウントするための代替ドライバ (通常は不要)
sudo apt -y install exfat-fuse
exfat-fuse
パッケージは、FUSE (Filesystem in Userspace) を介してexFATをマウントするための代替ドライバーです。カーネルのネイティブサポートが優先されるため、通常はこのパッケージのインストールは不要です。
3. 動作確認
インストール完了後、exFATでフォーマットされたUSBメモリやSDカードなどをUbuntu PCに接続します。ファイルマネージャー(通常は Nautilus、"Files" という名前で表示されます)を開き、デバイスが自動的にサイドバーに表示され、クリックしてファイルやフォルダにアクセスできれば、セットアップは成功です。
あるいは、ターミナルで以下のコマンドを実行し、接続したデバイス(例: /dev/sdb1
など、デバイス名は環境により異なります)のファイルシステムタイプ (FSTYPE
) が exfat
と表示されるか確認することもできます。
lsblk -f