Ubuntu 24.04のインストールガイド
【概要】Ubuntu 24.04 LTS(開発コードネーム: Noble Numbat)のインストール手順を解説する。公式ミラーサイトから日本語版インストールメディアをダウンロードし、言語設定、キーボードレイアウト、インターネット接続方式などを設定する。ディスクのセットアップでは、既存OSとの共存を選択するか、「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選択する。ユーザーアカウントとタイムゾーンを設定後、インストールを実行する。インストール完了後は、ネットワーク設定やシステム更新などの初期設定を行う。本バージョンは長期サポート(LTS)版であり、2029年4月まで標準サポート、Ubuntu Proにより2034年4月まで拡張セキュリティ保守が提供される。
【目次】
- Ubuntu 24.04の基本情報
- インストール前の準備
- Ubuntu 24.04のダウンロード手順
- Ubuntu 24.04のインストール手順
- 初期設定: ネットワーク、セキュリティ、基本操作
- インストールと起動の問題解決ガイド
- 次のステップへ
【サイト内のUbuntuセットアップ関連ページ】
- Ubuntu 24.04のインストールガイド: 別ページ »で説明
- Ubuntu初期設定ガイド(インストール直後の主要設定): 別ページ »で説明
- Ubuntuシステムの基本操作ガイド: 別ページ »で説明
- Ubuntuの使い方: 別ページ »で説明
- Ubuntu 24.04 開発・研究環境構築ガイド: 別ページ »で説明
- Ubuntuシステムの更新ガイド: 別ページ »で説明
- Ubuntuシステムの管理と運用、各種設定: 別ページ »で説明
- Ubuntuサーバ管理・セキュリティガイド: 別ページ »で説明
【外部リソース】
- Ubuntuの公式ページ(日本語版): https://jp.ubuntu.com/
- Ubuntu 24.04 の公式リリースページ: https://releases.ubuntu.com/noble/
- Ubuntuのダウンロード公式ページ(日本語版): https://jp.ubuntu.com/download
- 公式のUbuntuミラーサイトのページ: https://launchpad.net/ubuntu/+cdmirrors
- Ubuntu認定ハードウェア: https://ubuntu.com/certified
- fosswire.comのUnix/Linuxコマンドリファレンス: https://files.fosswire.com/2007/08/fwunixref.pdf
- DistroWatchのUbuntuのページ: https://distrowatch.com/table.php?distribution=ubuntu
Ubuntu 24.04の基本情報
- Ubuntu 24.04 LTS (Noble Numbat)
- リリース: 2024年4月
- サポート期間: 標準セキュリティ保守2029年4月まで(5年間)、Ubuntu Proにより拡張セキュリティ保守2034年4月まで(10年間)
- 公式サイト(日本語): https://jp.ubuntu.com/download
- 公式リリースページ: https://releases.ubuntu.com/noble/
- イメージサイズ: 約5.7GB(デスクトップ版)
- WSL(Windows Subsystem for Linux)対応
- Raspberry Pi 5を含むarm64デバイスの公式サポート
LTS版と通常リリースの比較
Ubuntuには2種類のリリース形態がある。
- LTS(Long Term Support)版: 2年ごとに4月にリリースされる。標準サポート5年間(セキュリティパッチとバグ修正)が提供される。Ubuntu Proを利用するとさらに5年間の拡張セキュリティ保守(ESM)が提供され、合計10年間のサポートとなる。本番環境、企業、長期プロジェクトに推奨される。安定性と長期サポートを重視するユーザー向けである
- 通常リリース(Interim Release): 6か月ごと(4月と10月)にリリースされる。サポート期間は9か月のみである。最新のカーネル、言語、ツールチェーンにいち早くアクセスできる。最新機能を求めるユーザーや開発者向けである
インストール前の準備
インストールを開始する前に、以下のシステム要件を満たしていることを確認し、必要な準備を行う。
- システム要件(最低限)
- プロセッサ: 2 GHz デュアルコアプロセッサ以上(64ビット x86_64)
- メモリ(RAM): 4 GB
- ストレージ空き容量: 25 GB
- 推奨される準備
- 重要なデータのバックアップ
- インストールメディア(USBメモリまたはDVD)の作成
- (ノートPCの場合)ACアダプタの接続
- インターネット接続環境
- ハードウェア互換性の確認
- Ubuntu認定ハードウェア: Ubuntu認定ハードウェアリストで、使用予定のデバイスが認定されているかを確認する。認定デバイスはUbuntuとの動作が保証されている
- ライブUSBでの事前確認: インストール前に、作成したライブUSBから「Try Ubuntu」を選択してライブ環境で起動し、すべてのハードウェア(Wi-Fi、グラフィック、音声、タッチパッドなど)が正常に動作するかを確認する。これにより、インストール後の問題を事前に検出できる
システム設定項目(事前に決定または確認しておく事項)
以下の項目は、インストール作業において設定が必要となる。事前に内容を決定または確認しておくと作業がスムーズである。
| 設定項目 | データ型 | 設定例 | 備考 |
|---|---|---|---|
| OSの種類 | 文字列 | Ubuntu 24.04 LTS(開発コードネーム: Noble Numbat) | インストールするOSのバージョン |
| アーキテクチャ | 文字列 | amd64(64ビット x86_64) | 一般的な64ビットPC向けのアーキテクチャ |
| インストール方式 | 選択肢 | 既存OSと共存させる/ディスク全体にインストールする | Windowsとのデュアルブート、またはUbuntuのみのインストール |
| コンピュータの名前 | 文字列 | ubuntu2404 | ネットワーク上でPCを識別する名前。半角英数字とハイフンが使用可能(例: my-ubuntu-pc)。ネットワーク内で一意である必要がある |
| ドメイン名 | 文字列 | kkaneko.jp | 所属するネットワークのドメイン名。不明な場合や個人利用の場合は空欄でよい |
| ネットワークアドレス | 選択肢 | DHCPを利用する/固定IPアドレスを設定する | ネットワーク接続方法の選択。下記「ネットワーク設定について」を参照 |
| IPアドレス | IPアドレス | (固定IPの場合) | 固定IPアドレスを使用する場合に設定 |
| ネットマスク | 文字列 | (固定IPの場合) | 固定IPアドレスを使用する場合に設定 |
| ブロードキャストアドレス | 文字列 | (固定IPの場合) | 通常は自動計算される |
| デフォルトルータ(ゲートウェイ) | IPアドレスまたは完全修飾形式のホスト名 | (固定IPの場合) | 固定IPアドレスを使用する場合に設定。通常はルーターのIPアドレス |
| DNSサーバ(ネームサーバ) | IPアドレスまたは完全修飾形式のホスト名 | (固定IPの場合) | 固定IPアドレスを使用する場合に設定。通常はルーターのIPアドレスまたはプロバイダ指定のDNSサーバ |
| 初期ユーザーのフルネーム | 文字列 | Kunihiko Kaneko | システムに表示されるユーザーの氏名(例: Taro Yamada) |
| 初期ユーザーのユーザー名 | 文字列 | kaneko | ログイン時に使用するアカウント名。半角英小文字、数字、ハイフン、アンダースコアが使用可能(例: taro) |
| 初期ユーザーのパスワード | 文字列 | <秘密の文字列> | ログイン時に使用するパスワード。推測されにくい複雑なものを設定する |
| 特権ユーザーのパスワード(rootのパスワード) | 文字列 | <秘密の文字列> | 通常は設定不要。Ubuntuでは sudo コマンドで管理者権限を使用するため、rootアカウントを直接有効化することは推奨されない |
| ロケール | 文字列 | ja_JP.UTF-8 または C | システムで使用する言語や地域設定。「ja_JP.UTF-8」は日本語環境、「C」は英語環境 |
| タイムゾーン | 文字列 | Asia/Tokyo | システム時刻の基準となる地域 |
| システムコンソールのキーマップ | 文字列 | 日本語/日本語 または 英語(US)/英語(US) | インストール画面やテキスト画面でのキーボード配列 |
ネットワーク設定について
- 固定IPアドレス: サーバマシンとして使用する場合や、ネットワーク内でIPアドレスを固定したい場合に選択する。IPアドレス、ネットマスク、デフォルトルータ、DNSサーバの情報を事前に確認しておく
- DHCP: ルーターなどからIPアドレス設定を自動取得する場合に選択する。一般的な家庭用ネットワークではこちらを選択する
Ubuntu 24.04のダウンロード手順
- 公式のUbuntuミラーサイトのポータルページまたは公式サイトにアクセスする
- ミラーサイトポータル: https://launchpad.net/ubuntu/+cdmirrors
- Ubuntu 24.04 の公式リリースページ: https://releases.ubuntu.com/noble/
ミラーサイトを利用すると、地理的に近いサーバーからダウンロードできるため、ダウンロード速度が向上する場合がある。
- 日本国内のミラーサイトを選択する(ミラーサイトポータルを利用する場合)
Japanセクションから、応答速度などを考慮してミラーサイトを選択する。
- HTTPS対応のミラーサイトを選択する
セキュリティのため、HTTPSで提供されているサイトを選択する。URLが「https://」で始まるものを選ぶ。
- ディレクトリ一覧から「24.04」を選択する
ミラーサイトにアクセスすると、複数のバージョンのディレクトリが表示される。最新LTS版の「24.04」を選択する。
- デスクトップ環境用の
ubuntu-24.04-desktop-amd64.isoを選択するこれがUbuntu Desktop 24.04 LTSの64ビット版インストールイメージファイルである。
- ISOイメージファイルのダウンロードを開始する
ファイルサイズが大きい(数GB)ため、安定したインターネット接続環境でダウンロードする。ダウンロード完了まで待つ。
よくある問題
- ダウンロードが途中で失敗する → ブラウザのダウンロードマネージャーから再開するか、別のミラーサイトを試す
- ダウンロード速度が極端に遅い → 別の日本国内ミラーサイトに変更する
- ダウンロード完了後、チェックサムを確認する
ダウンロードしたファイルが破損していないか検証するため、チェックサム(SHA256ハッシュ値)を確認することが推奨される。公式サイトやミラーサイトに記載されているハッシュ値と、ダウンロードしたファイルのハッシュ値を比較する。Linux環境では
sha256sum ubuntu-24.04-desktop-amd64.isoコマンドで計算できる(公式の確認手順例)。
インストールメディアの作成
ダウンロードした .iso イメージファイルから、起動可能なUSBメモリを作成する。
Windows環境でのrufusを使用した作成手順
- rufusをダウンロードし、起動する
- 以下の設定を行う:
- デバイス: 使用するUSBメモリを選択
- ブートの種類: ダウンロードしたUbuntu ISOファイルを選択
- パーティション構成: UEFI対応PCの場合は「GPT」、古いBIOSのみ対応PCの場合は「MBR」を選択。最近のPC(2012年以降)はほとんどUEFI対応のため、通常は「GPT」を選択
- ファイルシステム: FAT32
- 「スタート」をクリックし、USBメモリへの書き込みを開始する。この操作でUSBメモリ内のデータはすべて消去される
macOS、Linux環境での作成
balenaEtcherなどのツールを使用して、同様に起動可能なUSBメモリを作成する。
Ubuntu 24.04のインストール手順
- インストールメディアから起動する
作成した起動可能なUSBメモリをPCに挿入し、PCを起動または再起動する。BIOS/UEFI設定(PCのファームウェア設定画面)でUSBデバイスからの起動を有効にする必要がある。起動時に特定のキー(F2、F10、F12、Del、Escなど、PCメーカーにより異なる)を押すと、ブートメニュー(起動デバイス選択画面)またはBIOS/UEFI設定画面が表示される。
- 起動メニューで「Try or Install Ubuntu」を選択する
- システム言語として「日本語」を選択し、「Next」をクリックする
- 「Ubuntuのアクセシビリティ」設定画面で必要な支援機能を選択し、「Next」をクリックする
- キーボードレイアウトを設定する
使用するキーボードに合わせて適切なレイアウト(例: 日本語、英語(US))を選択し、「Next」をクリックする。
日本語キーボードレイアウト選択例:
英語(US)キーボードレイアウト選択例:
- インターネット接続方式を選択する
有線LANまたはWi-Fiで接続するか、オフラインでインストールするかを選択する。インターネット接続することで、インストール中に最新の更新プログラムやサードパーティドライバ(NVIDIAグラフィックドライバなど)をダウンロードできる。
有線LANを使用する場合の設定例:
オフラインインストールを選択する場合の例:
- インストール方式として「Ubuntuをインストール」を選択し、「Next」をクリックする
- インストールモードとして「対話式インストール」を選択し、「Next」をクリックする
- システム設定として「既定の設定」または「拡張設定」を選択し、「Next」をクリックする
通常は「既定の設定」で十分である。
- プロプライエタリドライバのインストール設定
必要に応じて、グラフィックカードやWi-Fiアダプタ用のプロプライエタリドライバ(オープンソースではない製造元提供のドライバ)のインストールを選択し、「Next」をクリックする。
- ディスクパーティションの設定
この画面で、Ubuntuのインストール方法を選択する。
既存OSとの共存(デュアルブート)を選択する場合
既にWindows等のOSがインストールされている場合、「Ubuntuを(既存OS名)と共にインストール」というオプションが表示される。これを選択すると、既存OSを残したまま、Ubuntuを追加でインストールできる。スライダーで各OSに割り当てる容量を調整できる。
デュアルブート時の注意事項:
- 起動時にGRUBブートローダー(OSを選択する画面)が表示され、UbuntuまたはWindowsを選択できる
- Windows 11のBitLocker暗号化が有効な場合は、事前に無効化する必要がある(後述の問題解決ガイドを参照)
- Windowsとの時刻同期問題が発生する場合がある。Ubuntuでハードウェアクロックの設定を調整することで解決できる
ディスク全体にUbuntuをインストールする場合
警告: 以下の手順で「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選択すると、選択したディスク上のすべてのデータ(OS、ファイルなど)が完全に消去される。事前に必ずバックアップを取得すること。この操作は取り消せない。
標準的なインストールでは「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選択し、「Next」をクリックする。
手動パーティション設定
より詳細な制御が必要な場合は、「手動パーティション設定」を選択できる。これにより、ルートパーティション(
/)、ホームパーティション(/home)、スワップ領域などを個別に設定できる。推奨パーティション構成例(合計容量が十分にある場合):
- EFIシステムパーティション(UEFI環境の場合): 512MB〜1GB、FAT32フォーマット、マウントポイント
/boot/efi - ルートパーティション(
/): 25GB以上、ext4フォーマット。システムファイルとアプリケーションが格納される - ホームパーティション(
/home): 残りの容量、ext4フォーマット。ユーザーのデータが格納される。独立させることで、OS再インストール時にデータを保持できる - スワップ領域: RAM容量と同等またはそれ以下。SSD環境では、スワップファイルを使用する方法も検討できる
- ユーザーアカウントの設定
以下の項目を入力し、「Next」をクリックする。パスワードは推測されにくい、十分な長さと複雑さを持つものを設定する。
- 「あなたの名前」(フルネーム。例: Taro Yamada)
- コンピュータの名前(ホスト名。例: taro-pc)
- 「ユーザー名」(ログイン用アカウント名。例: taro)
- 「パスワード」(アカウントの認証用。確認のため2回入力)
- タイムゾーンの設定
地図をクリックするか、入力欄に都市名(例: Tokyo)を入力して、Asia/Tokyoを選択する。
- インストールの実行
設定内容を確認し、「インストール」をクリックする。
- システムファイルのコピーとインストール
インストール完了まで待機する。PCの性能やインターネット接続によって時間は異なる(通常10〜30分程度)。この間、電源を切らないこと。
よくある問題
- インストールが途中で停止する → 数分待っても進まない場合は、インストールメディアの不良やハードウェアの問題が考えられる。USBメモリを作成し直すか、別のUSBポートを試す
- 「パッケージのインストールに失敗しました」エラー → インターネット接続を確認し、インストールをやり直す
- インストール完了後、「今すぐ再起動する」をクリックする
インストールが正常に完了すると、再起動を促すメッセージが表示される。
- システムの再起動プロセスを確認する
通常、インストールメディアを取り出すよう指示が表示される。
「Please remove the installation medium, then press ENTER」というメッセージが表示されたら、USBメモリやDVDを取り出し、Enterキーを押す。
- 新規インストールされたシステムのログイン画面
先ほど設定したユーザー名とパスワードでログインする。
- デスクトップ環境の確認
ログイン後、GNOMEデスクトップ環境が表示される。初回ログイン時は、セットアップウィザードが表示される場合がある。画面の指示に従って、オンラインアカウントの連携やプライバシー設定などを行う(スキップも可能)。
- 端末(ターミナル)を起動する
デスクトップ上で右クリックして表示されるメニューから「端末で開く」を選択するか、アクティビティ(画面左上)から「Terminal」を検索する。
- アプリケーションメニューの確認
デスクトップ左下の「アプリケーションを表示する」アイコンをクリックすると、インストール済みアプリケーションの一覧が表示される。
インストールと起動の問題解決ガイド、初期設定: ネットワーク、セキュリティ、基本操作については、このページ内で説明している。
より詳細な情報は、以下の別ページを参照する。
- システムのアップデートガイド
ログイン後、システムのアップデートを確認し、実行することが推奨される。これにより、最新のセキュリティパッチやバグ修正が適用される。
Ubuntuシステムの更新手順については、Ubuntuシステムの更新ガイドを参照する。
- Ubuntu初期設定ガイド
Ubuntuの初期設定については、Ubuntu初期設定ガイドを参照する。
- Ubuntu 24.04での開発・研究環境構築ガイド
Ubuntu 24.04での開発・研究環境構築については、Ubuntu 24.04開発・研究環境構築ガイドを参照する。
インストールと起動の問題解決ガイド
インストール時によくある問題と解決ガイド
- インストール用USBメモリが起動しない場合
確認すること:
- パソコン起動時に表示されるメーカーロゴ画面で、指定されたキー(例: F2、F10、F12、Del、Escなど)を連打し、ブートメニュー(起動デバイス選択画面)またはBIOS/UEFI設定画面を表示させる
- BIOS/UEFI: PCのファームウェア。OSが起動する前に動作し、ハードウェアの初期化や起動デバイスの選択を行う
- ブートメニュー: 起動時に一時的に起動デバイスを選択できるメニュー
- ブートメニューが表示された場合は、USBデバイス(例: USB HDD、USB Storage、Removable Deviceなど)を選択してEnterキーを押す
- BIOS/UEFI設定画面が表示された場合は、「Boot」や「起動」といった項目を探し、起動順序(Boot Order、Boot Priority)でUSBデバイスを最優先(一番上)に設定し、設定を保存して再起動する(保存方法は通常 Save & Exit など)
それでも起動しない場合:
- 別のUSBポート(USB 2.0ポートがあれば試す)に差し替えて、同じ手順を試す
- 可能であれば、別のUSBメモリでインストールメディアを作成し直して試す
- セキュアブート(Secure Boot)が有効な場合は、一時的に無効にしてみる
- セキュアブート: 署名されていないOSやブートローダーの起動を防ぐセキュリティ機能。Ubuntu 24.04は署名されているため、通常は有効のままで問題ない
- パソコン起動時に表示されるメーカーロゴ画面で、指定されたキー(例: F2、F10、F12、Del、Escなど)を連打し、ブートメニュー(起動デバイス選択画面)またはBIOS/UEFI設定画面を表示させる
- 起動しなくなった場合(インストール後など)
警告: 以下のコマンドはシステムのブートローダー設定を変更する。操作を誤るとシステムが起動しなくなる可能性がある。実行前に重要なデータのバックアップを取得すること。
復旧手順:
- インストールに使用したUSBメモリから再度起動し、「Try Ubuntu」を選択してライブ環境を起動する
- 端末(ターミナル)を開く
- 以下のコマンドを順に実行する。デバイス名(
/dev/sda1、/dev/sdaなど)は自身の環境に合わせて読み替える
# パーティションテーブルを表示し、Linuxルートファイルシステムがあるデバイス名を確認 sudo fdisk -l # 確認したシステムパーティションを /mnt にマウント(例: /dev/sda1 の場合) sudo mount /dev/sdaX /mnt # UEFIシステムの場合は、EFIシステムパーティションもマウントする # sudo mount /dev/sdaY /mnt/boot/efi # chrootに必要なファイルシステムをバインドマウント sudo mount --bind /dev /mnt/dev sudo mount --bind /proc /mnt/proc sudo mount --bind /sys /mnt/sys # マウントした環境にchroot sudo chroot /mnt # GRUBブートローダーを再インストールし、設定を更新 sudo grub-install /dev/sda sudo update-grub # chroot環境から抜ける exit # アンマウント(マウントした逆順で) sudo umount /mnt/sys sudo umount /mnt/proc sudo umount /mnt/dev # sudo umount /mnt/boot/efi # (EFIパーティションをマウントした場合) sudo umount /mnt # 再起動 sudo reboot
トラブルを防ぐためのポイント
- インストール前に、重要なファイルは外部ストレージ(USBメモリ、外付けHDDなど)やクラウドストレージにバックアップを取る
- インストール用USBメモリは、信頼性の高いメーカーの8GB以上のものを使用する
- ノートパソコンの場合は、ACアダプタを接続し、バッテリー切れを防ぐ
- インストールやアップデートの作業中に、強制的に電源を切らない
初期設定: ネットワーク、セキュリティ、基本操作
インストール完了後、Ubuntuを安全かつ快適に利用するため、以下の基本的な設定と操作を確認または実施する。
管理者権限(sudo)とrootアカウントについて
Ubuntuでは、システム設定の変更やソフトウェア導入など、管理者権限が必要な操作には sudo コマンドを使用する。インストール時に作成したユーザーアカウントでログインし、コマンドの先頭に sudo を付けて実行すると、ユーザー自身のパスワードが求められる。認証後、コマンドが管理者権限で実行される。
# 例: パッケージリストを更新する場合(管理者権限が必要)
sudo apt update
重要な点
- rootアカウントの無効化: Ubuntuではデフォルトでスーパーユーザー(root)アカウントでの直接ログインは無効である。管理者作業は
sudoを介して行うことが推奨される - パスワード入力:
sudoを初めて使用する際や、一定時間経過後に再度使用する際にパスワードが求められる。入力中は画面に文字が表示されないが、正しく入力してEnterキーを押す
よくある問題
- 「ユーザーは sudoers ファイル内にありません」エラー → インストール時に作成したユーザーでログインしているか確認する。別のユーザーを作成した場合は、管理者権限がない可能性がある
- パスワードを何度入力しても認証されない → Caps Lockがオンになっていないか、キーボードレイアウトが正しいかを確認する
グラフィックドライバの設定(NVIDIA)
NVIDIA製グラフィックカードを搭載している場合、プロプライエタリドライバ(製造元提供のドライバ)をインストールすることで、性能を最大限に引き出すことができる。Ubuntuにはnouveauドライバ(オープンソースドライバ)がプリインストールされているが、機能や性能が制限される場合がある。
推奨インストール方法(ubuntu-driversツール)
# 利用可能なNVIDIAドライバを確認
sudo ubuntu-drivers list
# 推奨ドライバを自動インストール
sudo ubuntu-drivers install
# または、特定のバージョンを指定してインストール(例: 535)
# sudo ubuntu-drivers install nvidia:535
# システムを再起動
sudo reboot
インストール後、以下のコマンドでドライバが正常に動作しているかを確認できる。
nvidia-smi
よくある問題
- インストール後に画面が表示されない → セキュアブート(Secure Boot)が有効な場合、ドライバの署名が必要。無効化するか、MOK(Machine Owner Key)に登録する
- nouveauドライバとの競合 →
lsmod | grep nouveauで確認し、読み込まれている場合はブラックリストに追加する
日本語入力の設定
日本語でテキストを入力するには、日本語入力メソッド(IME)の設定が必要である。Ubuntu 24.04ではiBusとMozcの組み合わせが推奨される。
インストール手順
# iBusとMozcをインストール
sudo apt update
sudo apt install ibus-mozc
# iBusを再起動
ibus restart
設定手順
- 「設定」→「地域と言語」を開く
- 「入力ソース」セクションで「+」ボタンをクリック
- 「日本語」を選択し、「日本語(Mozc)」を追加する
- 画面右上のキーボードアイコンまたはSuper+スペースキーで入力ソースを切り替える
詳細については、Ubuntu初期設定ガイドを参照する。
ファイアウォールの有効化(ufw)
インターネットに接続する環境では、不正アクセスを防ぐためファイアウォールの有効化が推奨される。Ubuntuには ufw(Uncomplicated Firewall)という使いやすいファイアウォール設定ツールが標準で含まれる。
基本的な操作は以下のコマンドで行う(端末で実行する)。
# ufw を有効にする
sudo ufw enable
# ファイアウォールの状態とルールを確認する
sudo ufw status numbered
# SSH接続(ポート 22)を許可する場合
sudo ufw allow ssh
# Webサーバー(ポート 80)を許可する場合
sudo ufw allow 80/tcp
# ルールを削除する場合(番号で指定)
# sudo ufw delete [ルール番号]
必ず sudo ufw enable を実行して有効化する。デフォルトでは、外部から内部への通信(内向き)は拒否され、内部から外部への通信(外向き)は許可される。
システム更新の確認と自動更新(unattended-upgrades)
システムのセキュリティ維持と問題修正のため、定期的なソフトウェアの更新は重要である。
- 手動での更新: 端末で以下のコマンドを順に実行することで、システム全体を最新の状態に更新できる
# パッケージリストを更新 sudo apt update # インストール済みのパッケージを更新 sudo apt full-upgrade更新後には、不要になったパッケージの削除(
sudo apt autoremove)や、古いパッケージキャッシュの削除(sudo apt autoclean)を行うと、ディスクスペースを節約できる。カーネルなどが更新された場合には、システムの再起動(sudo shutdown -r now)が必要となる場合がある。 - 自動更新機能(unattended-upgrades): Ubuntuには、セキュリティに関する重要な更新を自動的にダウンロードし、インストールする
unattended-upgradesという機能が備わっている。多くの場合、デフォルトで有効である- 確認方法(GUI): 「ソフトウェアとアップデート」アプリを開き、「アップデート」タブを確認する
- 確認方法(CUI): 設定ファイルは
/etc/apt/apt.conf.d/50unattended-upgradesに存在する
自動更新が有効であっても、定期的に手動で
sudo apt update && sudo apt full-upgradeを実行し、すべてのパッケージを最新に保つことが推奨される。
ソフトウェアの基本的なインストール方法
Ubuntuで新しいアプリケーションやツールを追加するには、主に以下の2つの方法がある。
- GUI(App Center)
- デスクトップ左下のアプリアイコン(点9つのアイコン)をクリックし、「App Center」を探して起動する
- カテゴリから探すか、検索バーでソフトウェア名を検索して、目的のアプリケーションを見つける
- アプリケーションの詳細ページを開き、「インストール」ボタンをクリックする
- CUI(aptコマンド)
- 端末を開く
- パッケージリストを最新にする:
sudo apt update - 目的のソフトウェアパッケージをインストールする:
sudo apt install <パッケージ名># 例: GIMP(画像編集ソフト)をインストールする場合 sudo apt update sudo apt install gimp - インストールするパッケージ名が分からない場合は、
apt search <キーワード>で検索できる
ネットワーク設定(固定IPアドレス/DHCP)
以下にネットワーク設定手順を示す。
- ネットワーク設定を開く
- デスクトップ右上のシステムメニューをクリックし、「設定」を選択する
- 設定画面が開いたら、左側のメニューから「ネットワーク」を選択する
- 設定対象の接続を選択する
「有線」接続または設定したいWi-Fi接続名の右側にある歯車アイコン(⚙️)をクリックする。
- 「IPv4設定」タブを開く
- DHCPを使用する場合
「IPv4メソッド」が「自動(DHCP)」になっていることを確認する(通常はこれがデフォルトである)。
- 固定IPアドレスを設定する場合
- 「IPv4メソッド」のドロップダウンリストから「手動」を選択する
- 「アドレス」欄に、設定したいIPアドレス、ネットマスク、デフォルトルータ(ゲートウェイ)を入力する
- 「DNS」欄の「自動」スイッチをオフにし、DNSサーバーの欄にDNSサーバーのIPアドレスを入力する(複数ある場合はカンマ区切りで入力する)
- 入力後、右上の「適用」をクリックする
設定変更後は、ネットワーク接続を一度オフにし、再度オンにすると反映される。
よくある問題
- 固定IPを設定したがインターネットに接続できない → デフォルトルータ(ゲートウェイ)とDNSサーバーのIPアドレスが正しいかを確認する。多くの場合、両方ともルーターのIPアドレス(例: 192.168.1.1)である
- 「IPアドレスの競合」エラー → 同じネットワーク内で既に使用されているIPアドレスを指定している。別のIPアドレスを選択する
次のステップへ
Ubuntu 24.04 LTSのインストールと初期設定が完了した。以下の項目を検討することで、システムの活用範囲を拡大できる。
Ubuntu Proへの登録
Ubuntu Proは、個人利用の場合5台まで無料で登録できる。Expanded Security Maintenance (ESM) により、標準サポート期間終了後も最大10年間のセキュリティ更新を受けられる。また、Kernel LivepatchやFIPS 140-3認証パッケージ等の追加機能も利用可能となる。
- 登録ページ: https://ubuntu.com/pro
- サポート期間の詳細: https://ubuntu.com/about/release-cycle
コミュニティとサポート
技術的な問題や疑問が生じた場合、以下のコミュニティリソースが有用である。
- Ubuntu日本語フォーラム: https://forums.ubuntulinux.jp/
- Ask Ubuntu(英語): https://askubuntu.com/
- Ubuntu Discourse(英語): https://discourse.ubuntu.com/
開発環境の構築
ソフトウェア開発を行う場合、Python、Node.js、Docker等の環境構築が必要である。詳細な手順については、Ubuntu 24.04開発・研究環境構築ガイドを参照する。
システム管理とクラウド環境への展開
Ubuntuは、仮想化環境やクラウドプラットフォームでの利用にも適している。VirtualBox、VMware、KVM等での仮想環境構築、Windows Subsystem for Linux (WSL)での利用、Raspberry Piへのインストール等の詳細については、Ubuntuシステムの管理と運用、各種設定を参照する。
ハードウェアの追加購入時の確認
新たにハードウェアを購入する場合、Ubuntu認定ハードウェアリストを確認することで、互換性の問題を事前に回避できる。Canonicalは500種類以上のOS互換性テストを実施しており、認定ハードウェアではドライバやファームウェアの互換性が保証される。
- 認定ハードウェア検索: https://ubuntu.com/certified