Ubuntu 24.04のインストールと初期設定ガイド

【概要】Ubuntu 24.04 LTS(開発コードネーム: Noble Numbat)のインストール手順を解説する。公式ミラーサイトからISOイメージをダウンロードし、言語、キーボード、ネットワークなどを設定する。ディスクのセットアップでは、既存OSとの共存を選択するか、「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選択する(いずれか択一)。ユーザアカウントとタイムゾーンを設定後、インストールを実行する。インストール完了後は、ネットワーク設定やシステム更新などの初期設定を行う。本バージョンはLTS版であり、標準セキュリティ保守は2029年5月まで、Ubuntu ProのESMによる拡張セキュリティ保守は2034年4月まで、Legacy add-onによる延長は2039年4月まで(最大15年間)である。

ガイド概要

【スコープと前提知識】

本書はUbuntu 24.04 LTSをPCにネイティブインストールする手順を扱う。WSL(Windows Subsystem for Linux)、仮想化環境(VirtualBox、VMware、KVM等)、クラウド環境への展開は本書の対象外であり、別ページで扱う。Linuxコマンドラインの経験は必須としないが、本書ではコマンド例を多用するため、必要に応じてLinux基本コマンドとその活用法を併読する。

【目次】

  1. Ubuntu 24.04の基本情報
  2. インストール前の準備
  3. Ubuntu 24.04のダウンロードとインストールメディアの作成
  4. Ubuntu 24.04のインストール手順
  5. 初期設定: ネットワーク、セキュリティ、基本操作
  6. インストールと起動の問題解決ガイド
  7. 次のステップへ

【サイト内のUbuntu関連ページ】

【外部リソース】

Ubuntu 24.04の基本情報

LTS版と通常リリースの比較

Ubuntuには2種類のリリース形態がある。

サポート期間の整理

Ubuntu 24.04 LTSのサポートは以下の3段階で構成される。本書中ではこの区分を前提とする。

区分 期間 終了時期 利用条件
標準セキュリティ保守 5年間 2029年5月 無償・全利用者
ESM(Expanded Security Maintenance: 拡張セキュリティ保守) +5年間(合計10年) 2034年4月 Ubuntu Pro登録(個人は5台まで無償)
Legacy add-on +5年間(合計最大15年) 2039年4月 Ubuntu Pro有償オプション

重要概念

インストール前の準備

インストール前の準備

インストール前に、以下のシステム要件と準備事項を確認する。

システム設定項目(事前に決定しておく事項)

インストール中に設定する項目を示す。事前に決定しておくと作業が円滑になる。

設定項目 データ型 設定例 備考
OSの種類 文字列 Ubuntu 24.04 LTS(開発コードネーム: Noble Numbat) インストールするOSのバージョン
アーキテクチャ 文字列 amd64(64ビット x86_64) 一般的な64ビットPC向けのアーキテクチャ
インストール方式 選択肢 既存OSと共存させる/ディスク全体にインストールする Windowsとのデュアルブート、またはUbuntuのみのインストール
コンピュータの名前 文字列 ubuntu2404 ネットワーク上でPCを識別する名前。半角英数字とハイフンが使用可能(例: my-ubuntu-pc)。ネットワーク内で一意である必要がある
ドメイン名 文字列 kkaneko.jp 所属するネットワークのドメイン名。不明な場合や個人利用の場合は空欄でよい
ネットワークアドレス 選択肢 DHCPを利用する/固定IPアドレスを設定する ネットワーク接続方法の選択。下記「ネットワーク設定について」を参照
IPアドレス IPアドレス (固定IPの場合) 固定IPアドレスを使用する場合に設定
ネットマスク 文字列 (固定IPの場合) 固定IPアドレスを使用する場合に設定
ブロードキャストアドレス 文字列 (固定IPの場合) 通常は自動計算される
デフォルトルータ(ゲートウェイ) IPアドレスまたは完全修飾形式のホスト名 (固定IPの場合) 固定IPアドレスを使用する場合に設定。通常はルータのIPアドレス
DNSサーバ(ネームサーバ) IPアドレスまたは完全修飾形式のホスト名 (固定IPの場合) 固定IPアドレスを使用する場合に設定。通常はルータのIPアドレスまたはプロバイダ指定のDNSサーバ
初期ユーザのフルネーム 文字列 Kunihiko Kaneko システムに表示されるユーザの氏名(例: Kunihiko Kaneko)
初期ユーザのユーザ名 文字列 kaneko ログイン時に使用するアカウント名。半角英小文字、数字、ハイフン、アンダースコアが使用可能(例: kaneko)
初期ユーザのパスワード 文字列 <秘密の文字列> ログイン時に使用するパスワード。推測されにくい複雑なものを設定する
特権ユーザのパスワード(rootのパスワード) 文字列 <秘密の文字列> 通常は設定不要。Ubuntuでは sudo コマンドで管理者権限を使用するため、rootアカウントを直接有効化することは推奨されない
ロケール 文字列 ja_JP.UTF-8 または C システムで使用する言語や地域設定。「ja_JP.UTF-8」は日本語環境、「C」は英語環境
タイムゾーン 文字列 Asia/Tokyo システム時刻の基準となる地域
システムコンソールのキーマップ 文字列 日本語/日本語 または 英語(US)/英語(US) インストール画面やテキスト画面でのキーボード配列

ネットワーク設定について

Ubuntu 24.04のダウンロードとインストールメディアの作成

ダウンロードとメディア作成
  1. Ubuntuミラーサイトまたは公式サイトにアクセスする

    地理的に近いミラーサイトを利用すると、ダウンロード速度が向上する場合がある。

  2. 日本国内のミラーサイトを選択する(ミラーサイトポータルを利用する場合)

    Japanセクションから、応答速度などを考慮してミラーサイトを選択する。

    日本国内のミラーサイト一覧
  3. HTTPS対応のミラーサイトを選択する

    セキュリティのため、URLが「https://」で始まるサイトを選ぶ。

    HTTPS対応ミラーサイト
  4. ディレクトリ一覧から「24.04」を選択する

    ミラーサイトにアクセスすると、複数のバージョンのディレクトリが表示される。最新LTS版の「24.04」を選択する。

    バージョン選択
  5. デスクトップ環境用の ubuntu-24.04-desktop-amd64.iso を選択する

    これがUbuntu Desktop 24.04 LTSの64ビット版インストールイメージファイルである。

    ISOファイル選択
  6. ISOイメージファイルのダウンロードを開始する

    ファイルサイズが大きい(約5.7GB)ため、安定したインターネット接続環境でダウンロードする。ダウンロード完了まで待つ。

    ダウンロード開始

    よくある問題

    • ダウンロードが途中で失敗する → ブラウザのダウンロードマネージャから再開するか、別のミラーサイトを試す
    • ダウンロード速度が遅い → 別の日本国内ミラーサイトに変更する
  7. ダウンロード完了後、チェックサムを確認する

    ダウンロードしたファイルの整合性を検証するため、チェックサム(ファイル全体から計算されるハッシュ値。1バイトでも内容が異なれば値が変化する)を確認する。公式サイトやミラーサイトに記載されているハッシュ値と、ダウンロードしたファイルのハッシュ値を比較する。Linux環境では sha256sum ubuntu-24.04-desktop-amd64.iso コマンドで、Windows環境ではコマンドプロンプトで certutil -hashfile ubuntu-24.04-desktop-amd64.iso SHA256 コマンドでハッシュ値を計算できる(公式の確認手順例)。

インストールメディアの作成

ダウンロードした .iso イメージファイルから、起動可能なUSBメモリを作成する。

Windows環境でのRufusを使用した作成手順

  1. Rufus(USBメモリへISOを書き込むためのWindows用ツール)をダウンロードし、起動する
  2. 以下の設定を行う
    • デバイス: 使用するUSBメモリを選択
    • ブートの種類: ダウンロードしたUbuntu ISOファイルを選択
    • パーティション構成: UEFI対応PCの場合は「GPT」、古いBIOSのみ対応PCの場合は「MBR」を選択。最近のPC(2012年以降)はほとんどUEFI対応のため、通常は「GPT」を選択する
    • ファイルシステム: FAT32
  3. 「スタート」をクリックし、USBメモリへの書き込みを開始する。この操作でUSBメモリ内のデータはすべて消去される

macOS、Linux環境での作成

balenaEtcherなどのツールを使用して、起動可能なUSBメモリを作成する。

Ubuntu 24.04のインストール手順

インストール手順
  1. インストールメディアから起動する

    作成した起動可能なUSBメモリをPCに挿入し、PCを起動または再起動する。BIOS/UEFI設定(PCのファームウェア設定画面)でUSBデバイスからの起動を有効にする必要がある。起動時に特定のキー(F2、F10、F12、Del、Escなど、PCメーカーにより異なる)を押すと、ブートメニュー(起動デバイス選択画面)またはBIOS/UEFI設定画面が表示される。

  2. 起動メニューで「Try or Install Ubuntu」を選択する
    起動メニュー
  3. システム言語として「日本語」を選択し、「Next」をクリックする
    言語選択
  4. 「Ubuntuのアクセシビリティ」設定画面で必要な支援機能を選択し、「Next」をクリックする
    アクセシビリティ設定
  5. キーボードレイアウトを設定する

    使用するキーボードに合わせて適切なレイアウト(例: 日本語、英語(US))を選択し、「Next」をクリックする。

    日本語キーボードレイアウト選択例:

    日本語キーボード

    英語(US)キーボードレイアウト選択例:

    英語キーボード
  6. インターネット接続方式を選択する

    有線LANまたはWi-Fiで接続するか、オフラインでインストールするかを選択する。インターネットに接続すると、インストール中に最新の更新プログラムやサードパーティドライバ(NVIDIAグラフィックドライバなど)をダウンロードできる。

    有線LANを使用する場合の設定例:

    有線LAN接続

    オフラインインストールを選択する場合の例:

    オフラインインストール
  7. インストール方式として「Ubuntuをインストール」を選択し、「Next」をクリックする
    インストール方式選択
  8. インストールモードとして「対話式インストール」を選択し、「Next」をクリックする
    対話式インストール
  9. システム設定として「既定の設定」または「拡張設定」を選択し、「Next」をクリックする

    通常は「既定の設定」を選択する。

    システム設定
  10. プロプライエタリドライバのインストール設定

    必要に応じて、グラフィックカードやWi-Fiアダプタ用のプロプライエタリドライバ(オープンソースではない製造元提供のドライバ)のインストールを選択し、「Next」をクリックする。

    プロプライエタリドライバ
  11. ディスクパーティションの設定

    Ubuntuのインストール方法を選択する。

    • 既存OSとの共存(デュアルブート)を選択する場合

      Windows等のOSがインストールされている場合、「Ubuntuを(既存OS名)と共にインストール」オプションが表示される。これを選択すると、既存OSを残したまま、Ubuntuを追加でインストールできる。スライダで各OSに割り当てる容量を調整できる。

      デュアルブート時の注意事項

      • 起動時にGRUBブートローダ(複数のOSから起動するOSを選択する画面を提供するプログラム)が表示され、UbuntuまたはWindowsを選択できる
      • Windows 11のBitLocker暗号化(Windowsのディスク暗号化機能)が有効な場合は、事前に無効化する必要がある(後述の問題解決ガイドを参照)
      • Windowsとの時刻同期問題が発生する場合がある。Ubuntuでハードウェアクロック(PCに内蔵された時刻保持用の時計)の設定を調整することで解決できる
    • ディスク全体にUbuntuをインストールする場合

      警告: 以下の手順で「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選択すると、選択したディスク上のすべてのデータ(OS、ファイルなど)が完全に消去される。事前にバックアップを取得すること。この操作は取り消せない。バックアップは外付けHDD・USBメモリへのコピー、またはクラウドストレージ(OneDrive、Google Drive等)の利用が一般的である。Windows環境では「バックアップと復元」または「ファイル履歴」機能も利用できる。

      標準的なインストールでは「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選択し、「Next」をクリックする。

      パーティション設定
    • 手動でパーティション設定する場合

      詳細な制御が必要な場合は、「手動パーティション設定」を選択する。ルートパーティション(/)、ホームパーティション(/home)、スワップ領域(メモリ不足時にディスク上に確保される仮想メモリ領域)などを個別に設定できる。

      推奨パーティション構成例(合計容量が十分にある場合)

      • EFIシステムパーティション(UEFI環境の場合): 512MB〜1GB、FAT32フォーマット、マウントポイント /boot/efi。BIOS環境ではこのパーティションは不要である
      • ルートパーティション(/): 25GB以上、ext4フォーマット。システムファイルとアプリケーションが格納される
      • ホームパーティション(/home): 残りの容量、ext4フォーマット。ユーザのデータが格納される。独立させることで、OS再インストール時にデータを保持できる
      • スワップ領域: RAM容量と同等またはそれ以下。SSD環境では、スワップファイルを使用する方法も検討できる
  12. ユーザアカウントの設定

    以下の項目を入力し、「Next」をクリックする。パスワードは推測されにくい、十分な長さと複雑さを持つものを設定する。

    • 「あなたの名前」(フルネーム。例: Kunihiko Kaneko)
    • コンピュータの名前(ホスト名。例: kaneko-pc)
    • 「ユーザ名」(ログイン用アカウント名。例: kaneko)
    • 「パスワード」(アカウントの認証用。確認のため2回入力)
    ユーザアカウント設定
  13. タイムゾーンの設定

    地図をクリックするか、入力欄に都市名(例: Tokyo)を入力して、Asia/Tokyoを選択する。

    タイムゾーン設定
  14. インストールの実行

    設定内容を確認し、「インストール」をクリックする。

    インストール確認
  15. システムファイルのコピーとインストール

    インストール完了まで待機する。PCの性能やインターネット接続によって時間は異なる(通常10〜30分程度)。この間、電源を切らないこと。

    インストール進行中

    よくある問題

    • インストールが途中で停止する → 数分待っても進まない場合は、インストールメディアの不良やハードウェアの問題が考えられる。USBメモリを作成し直すか、別のUSBポートを試す
    • 「パッケージのインストールに失敗しました」エラー → インターネット接続を確認し、インストールをやり直す
  16. インストール完了後、「今すぐ再起動する」をクリックする

    インストールが正常に完了すると、再起動を促すメッセージが表示される。

    インストール完了
  17. システムの再起動プロセスを確認する

    通常、インストールメディアを取り出すよう指示が表示される。

    再起動指示

    「Please remove the installation medium, then press ENTER」というメッセージが表示されたら、USBメモリやDVDを取り出し、Enterキーを押す。

    メディア取り出し指示
  18. 新規インストールされたシステムのログイン画面

    先ほど設定したユーザ名とパスワードでログインする。

    ログイン画面
  19. デスクトップ環境の確認

    ログイン後、GNOMEデスクトップ環境(Ubuntu標準のグラフィカルユーザインターフェース)が表示される。初回ログイン時は、セットアップウィザードが表示される場合がある。画面の指示に従って、オンラインアカウントの連携やプライバシー設定などを行う(スキップも可能)。

    デスクトップ環境
  20. 端末を起動する

    デスクトップ上で右クリックして表示されるメニューから「端末で開く」を選択するか、アクティビティ(画面左上)から「Terminal」を検索する。

    端末起動
  21. アプリケーションメニューの確認

    デスクトップ左下の「アプリケーションを表示する」アイコンをクリックすると、インストール済みアプリケーションの一覧が表示される。

    アプリケーションメニュー

インストールと起動の問題解決ガイド初期設定: ネットワーク、セキュリティ、基本操作については、このページ内で説明している。

詳細な情報は、以下の別ページを参照する。

初期設定: ネットワーク、セキュリティ、基本操作

初期設定

インストール完了後、以下の設定を確認・実施する。

管理者権限(sudo)とrootアカウントについて

Ubuntuでは、システム設定の変更やソフトウェア導入など、管理者権限が必要な操作には sudo コマンドを使用する。コマンドの先頭に sudo を付けて実行すると、パスワードが求められる。認証後、コマンドが管理者権限で実行される。

# 例: パッケージリストを更新する場合(管理者権限が必要)
sudo apt update

主なポイント

よくある問題

システム更新の確認と自動更新(unattended-upgrades)

システムのセキュリティ維持と問題修正のため、定期的なソフトウェアの更新が必要である。

ネットワーク設定(固定IPアドレス/DHCP)

以下にネットワーク設定手順を示す。

  1. ネットワーク設定を開く
    • デスクトップ右上のシステムメニューをクリックし、「設定」を選択する
    • 左側のメニューから「ネットワーク」を選択する
    システムメニュー
  2. 設定対象の接続を選択する

    「有線」接続または設定したいWi-Fi接続名の右側にある歯車アイコンをクリックする。

    接続済みメニュー
    ネットワーク設定画面
    歯車アイコン
  3. 「IPv4設定」タブを開く
    設定画面全体
    IPv4タブ
  4. DHCPを使用する場合

    「IPv4メソッド」が「自動(DHCP)」になっていることを確認する(通常はこれがデフォルトである)。

    DHCP選択
  5. 固定IPアドレスを設定する場合

    サーバとして運用する場合や、リモートアクセスでIPアドレスを固定する必要がある場合に設定する。

    1. 「IPv4メソッド」のドロップダウンリストから「手動」を選択する
    2. 「アドレス」欄に、設定したいIPアドレス、ネットマスク、デフォルトルータ(ゲートウェイ)を入力する
    3. 「DNS」欄の「自動」スイッチをオフにし、DNSサーバの欄にDNSサーバのIPアドレスを入力する(複数ある場合はカンマ区切りで入力する)
    4. 入力後、右上の「適用」をクリックする
    固定IP設定

    設定変更後は、ネットワーク接続を一度オフにし、再度オンにすると反映される。

    よくある問題

    • 固定IPを設定したがインターネットに接続できない → デフォルトルータ(ゲートウェイ)とDNSサーバのIPアドレスが正しいか確認する。多くの場合、両方ともルータのIPアドレス(例: 192.168.1.1)である
    • 「IPアドレスの競合」エラー → 同じネットワーク内ですでに使用されているIPアドレスを指定している。別のIPアドレスを選択する

コマンドでの固定IPアドレス設定

  1. 現在のネットワーク状態確認
    ip a

    使用するインターフェース名(例: enp0s0)を確認する。インターフェース名は環境によって異なるため、実際の出力から正確な名前を取得する。

  2. 永続的な設定(Netplan使用)

    インストール時に有線ネットワークの設定を行わなかった場合に必要となる。Netplan(Ubuntu 18.04以降で採用されている、YAML形式の設定ファイルでネットワークを管理するツール)を使用する。

  3. 設定ファイルの編集
    sudo nano /etc/netplan/01-netcfg.yaml

    静的IP設定例

    network:
      version: 2
      ethernets:
        enp0s0:
          dhcp4: false
          addresses:
            - 192.168.1.100/24
          routes:
            - to: default
              via: 192.168.1.1
          nameservers:
            addresses:
              - 8.8.8.8
              - 8.8.4.4

    上記設定の意味:

    • IPアドレス: 192.168.1.100/24
    • デフォルトゲートウェイ: 192.168.1.1
    • DNSサーバ: 8.8.8.8、8.8.4.4(Google Public DNS)
  4. 設定の適用
    sudo netplan apply

    設定ファイル編集後は、このコマンドを実行しないと変更が反映されない。

ファイアウォールの有効化(ufw)

インターネットに接続する環境では、不正アクセスを防ぐためファイアウォールを有効化する。Ubuntuには ufw(Uncomplicated Firewall、簡易ファイアウォール設定ツール)が標準で含まれる。

注意: SSH(Secure Shell、暗号化された遠隔ログイン用プロトコル)でリモート接続している場合は、先に sudo ufw allow ssh を実行してからファイアウォールを有効化する。この順序を守らないと、接続が切断され、ログインできなくなる可能性がある。

以下のコマンドを端末で実行する。

# SSH接続を許可する(リモート接続している場合は先に実行)
sudo ufw allow ssh

# ufw を有効にする
sudo ufw enable

# ファイアウォールの状態とルールを確認する
sudo ufw status numbered

# Webサーバ(ポート 80)を許可する場合
sudo ufw allow 80/tcp

# ルールを削除する場合(番号で指定)
# sudo ufw delete [ルール番号]

デフォルトでは、外部から内部への通信(内向き)は拒否され、内部から外部への通信(外向き)は許可される。状態は sudo ufw status numbered で随時確認できる。

日時設定

システムの日時が正確でないと、SSL証明書の検証エラーやログの時刻不整合などの問題が発生する可能性がある。NTP(Network Time Protocol、ネットワーク経由で時刻を同期するプロトコル)を使用して正確な時刻を自動取得する設定を行う。

  1. 現在の日時確認
    date
    timedatectl
  2. NTPによる自動同期の有効化
    sudo timedatectl set-ntp true
  3. NTPサーバの指定

    日本国内では、情報通信研究機構(NICT)が提供するNTPサーバを使用する。

    echo -e "[Time]\nNTP=ntp.nict.jp" | sudo tee /etc/systemd/timesyncd.conf
  4. 設定の反映
    sudo systemctl restart systemd-timesyncd
  5. 同期状態の確認
    timedatectl timesync-status

日本語入力の設定

日本語でテキストを入力するには、日本語入力メソッド(IME: Input Method Editor、かな漢字変換等を行うソフトウェア)の設定が必要である。Ubuntu 24.04ではiBus(入力メソッドフレームワーク)とMozc(Google日本語入力のオープンソース版)の組み合わせを使用する。

  1. インストール手順
    # iBusとMozcをインストール
    sudo apt update
    sudo apt install ibus-mozc
    
    # iBusを再起動
    ibus restart
    
  2. 設定手順
    1. 「設定」→「地域と言語」を開く
    2. 「入力ソース」セクションで「+」ボタンをクリックする
    3. 「日本語」を選択し、「日本語(Mozc)」を追加する
    4. 画面右上のキーボードアイコンまたはSuper+スペースキーで入力ソースを切り替える

    注意: 設定後、一度ログアウト・ログインすると確実に反映される。

    詳細については、Ubuntu初期設定ガイドを参照する。

グラフィックドライバの設定(NVIDIA)

NVIDIA製グラフィックカードを搭載している場合、プロプライエタリドライバ(製造元提供のドライバ)をインストールすることで、3Dグラフィックス性能やCUDA(NVIDIA GPUの汎用計算向け開発・実行環境)機能を活用できる。Ubuntuにはnouveauドライバ(オープンソースドライバ)がプリインストールされているが、機能や性能が制限される場合がある。CUDAはLLM推論や機械学習で広く利用される基盤であり、これらの用途を予定する場合は本セクションでのプロプライエタリドライバ導入が前提となる。具体的な開発環境構築はUbuntu 24.04開発・研究環境構築ガイドを参照する。

推奨インストール方法(ubuntu-driversツール)

# 利用可能なNVIDIAドライバを確認
sudo ubuntu-drivers list

# 推奨ドライバを自動インストール
sudo ubuntu-drivers install

# または、特定のバージョンを指定してインストール(例: 535)
# sudo ubuntu-drivers install nvidia:535

# システムを再起動
sudo reboot

インストール後、以下のコマンドでドライバが正常に動作しているか確認できる。

nvidia-smi

よくある問題

SSD向け推奨設定

SSD(Solid State Drive、半導体メモリを記憶媒体とするストレージ装置)を使用している場合、以下の設定により性能維持と寿命延長が期待できる。

ソフトウェアのインストール方法

Ubuntuで新しいアプリケーションやツールを追加するには、主に以下の2つの方法がある。

OpenSSHサーバの設定

OpenSSHサーバ(SSHプロトコルでの遠隔ログインを受け付けるサーバソフトウェア)をインストールすると、他のPCからネットワーク経由でUbuntuにリモートログインできる。物理的にPCの前にいなくても、端末操作やファイル転送が可能となる。サーバ運用や開発作業に有用である。

  1. インストール
    sudo apt update
    sudo apt install openssh-server
  2. サービスの起動と自動起動設定
    sudo systemctl start ssh
    sudo systemctl enable ssh
  3. 状態確認
    sudo systemctl status ssh
  4. ファイアウォール設定(ufw使用時)
    sudo ufw allow ssh
    sudo ufw enable
    sudo ufw status
  5. 接続テスト

    サーバ側でIPアドレスを確認する:

    ip a

    クライアントから接続する:

    ssh ユーザ名@サーバのIPアドレス
  6. セキュリティ設定(任意)

    ファイル /etc/ssh/sshd_config を編集して、セキュリティを強化できる。

    主な設定項目:

    項目設定値説明
    Port22SSHポート番号(変更可能)
    PermitRootLoginnorootユーザの直接ログインを禁止
    PasswordAuthenticationyesパスワード認証の許可(鍵認証のみにする場合はno)

    設定ファイル変更後はSSHサービスを再起動する:

    sudo systemctl restart ssh

インストールと起動の問題解決ガイド

トラブル発生時はこのセクションを参照する。

インストール時によくある問題と解決方法

トラブルを防ぐためのポイント

次のステップへ

Ubuntu 24.04 LTSのインストールと初期設定が完了した。以下の項目を検討することで、システムをさらに活用できる。

Ubuntu Proへの登録

Ubuntu Proは、個人利用の場合5台まで無料で登録できる。ESM(拡張セキュリティ保守)により、標準サポート期間終了後もセキュリティ更新を受けられる(標準5年に加えてESMで5年、Legacy add-onでさらに5年、合計最大15年)。また、Kernel Livepatch(再起動なしのカーネル更新)やFIPS 140-3認証パッケージ等の追加機能も利用可能となる。

コミュニティとサポート

技術的な問題や疑問が生じた場合、以下のコミュニティリソースを利用できる。

開発環境の構築

ソフトウェア開発を行う場合、Python、Node.js、Docker等の環境構築が必要である。詳細な手順については、Ubuntu 24.04開発・研究環境構築ガイドを参照する。

システム管理とクラウド環境への展開

Ubuntuは、仮想化環境やクラウドプラットフォームでの利用にも適している。VirtualBox、VMware、KVM等での仮想環境構築、Windows Subsystem for Linux(WSL)での利用、Raspberry Piへのインストール等の詳細については、Ubuntuシステムの管理と運用、各種設定を参照する。

ハードウェアの追加購入時の確認

新たにハードウェアを購入する場合、Ubuntu認定ハードウェアリストを確認することで、互換性の問題を事前に回避できる。認定ハードウェアではドライバやファームウェアの互換性が確認されている。