Linux システム全体の ISO イメージ・ファイル(アーカイブ・ファイル)作成(Mondo Rescue を使用)

 

【概要】 Linuxシステム全体の完全なバックアップ手法の一つとして、Mondo Rescueを用いたISOイメージファイルの作成手順を解説します。Mondo Rescueを利用することで、OSを含むシステムドライブ全体を単一または複数のISOイメージファイルとしてアーカイブできます。これにより、システム障害発生時などに、OSを含めたシステム全体の復旧(ベアメタル回復: Bare Metal Recovery)が可能になります。作成したISOイメージファイルは、信頼できる安全な場所に保管してください。

【重要】作成したISOイメージファイルの検証

Mondo Rescueの処理がエラーなく完了した場合でも、作成されたISOイメージファイルが実際にリストア可能であるとは限りません。操作ミスや特定のシステム構成によっては、不完全なイメージが生成される可能性もあります。作成後は必ず、仮想マシン(VirtualBoxやKVM/QEMUなど)を用いてISOイメージファイルからの起動テストを行うなど、リストア可能であることを検証してください。 検証を怠ると、いざという時にバックアップが機能しないリスクがあります。実際にリストアを試みるまで、バックアップの完全性は保証されません。

Mondo Rescue のインストール (Ubuntu 24.04)

Ubuntu 24.04では、APTパッケージマネージャを使用してMondo Rescueとその関連パッケージをインストールできます。以下のコマンドを実行してください。

sudo apt update
sudo apt install mondo mindi afio

※注意: Ubuntu 24.04の公式リポジトリにパッケージは存在しますが、特にmindiパッケージの利用可能性は環境によって不確定な場合があります。もしインストールに失敗する場合は、依存関係やリポジトリの状況を確認してください。

システム全体のISOイメージファイル作成

以下の手順で、システム全体のISOイメージファイルを作成します。

1. バックアップ先ディレクトリと一時作業ディレクトリの準備:

ISOイメージファイルの保存先と、Mondo Rescueが作業中に使用する一時ディレクトリを作成します。これらは十分な空き容量のあるファイルシステム上に配置してください。可能であれば、バックアップ対象のディスクとは物理的に異なるディスク上のファイルシステムに配置することを強く推奨します。

# 例: /mnt/backup にマウントされた外部ドライブを保存先、/tmp/mondo-work を一時ディレクトリとする場合
sudo mkdir -p /mnt/backup/my_system_backup_$(date +%Y%m%d)
sudo mkdir -p /tmp/mondo-work

* 注意: 一時作業ディレクトリ (`-E` で指定するパス) には、システム上で最も大きな単一ファイルのサイズ以上の空き容量が必要です。また、この一時ディレクトリは、バックアップ対象 (`/` など) とは異なる場所に指定してください。

2. mondoarchive コマンドの実行:

sudo mondoarchive -Oi -9 -d /mnt/backup/my_system_backup_$(date +%Y%m%d) -E "/tmp/mondo-work" -E "/mnt/backup" -p $(hostname)-$(date +%Y%m%d)

コマンド実行後、`-d` で指定したディレクトリに `プレフィックス-1.iso`, `プレフィックス-2.iso` ... のようなファイルが作成されます(分割しない場合は `プレフィックス-1.iso` のみ)。

作成されたISOイメージファイルについて

作成されたISOイメージファイルには、リストア時にコンピュータを起動するためのブートイメージが含まれています。このISOイメージから起動すると、Mondo Rescueのリストア環境が立ち上がり、イメージ内のデータを用いてシステムを復元するためのインターフェースが提供されます。

リストア(復元)について

作成したISOイメージファイルからシステムをリストア(復元)するには、通常、そのISOイメージを使ってコンピュータを起動し、表示される指示に従って `mondorestore` コマンドを実行します。詳細な手順については、Mondo Rescueの公式ドキュメントや `mondorestore` コマンドのヘルプを参照してください。 リストア操作はシステム全体を上書きする可能性がある非常に重要な操作です。実行する前に手順を十分に理解し、可能であればまずテスト環境で検証することを強く推奨します。