Ubuntu カスタム Live イメージ作成(Cubic を使用)
はじめに:カスタム Live イメージ作成について
この記事では、Ubuntu のカスタム Live イメージ(ISO ファイル)を作成するツールとして、Cubic (Custom Ubuntu ISO Creator) を紹介します。カスタム Live イメージを作成することで、特定のアプリケーションや設定を含む Ubuntu 環境を、Live DVD/USB や仮想マシンで利用できます。
Cubic (Custom Ubuntu ISO Creator) を用いた作成
Cubic の概要
Cubic は、既存の ISO ファイルを元にカスタム Live ISO イメージを作成する GUI(グラフィカルユーザインタフェース)ツールです。作成の途中で chroot による仮想的なコマンドライン環境が使えるため、ISO 内の Linux ファイルシステムを直接操作できます。次のようなカスタマイズを行えます。
- パッケージの追加・削除・更新
- 設定ファイルの変更
- 独自スクリプトやファイルの追加
- デスクトップ環境のカスタマイズ
- 収録するカーネルの選択、squashfs の圧縮方式の選択、起動時のブートオプションや preseed ファイルの設定
動作環境と対象にできる ISO
- Cubic が動作するシステム:Ubuntu 18.04.5 以降、Debian 11 以降、およびそれらをベースとしたディストリビューション
- カスタマイズ対象にできる ISO:Ubuntu 14.04 以降の各バージョンと Ubuntu ベースの多くのディストリビューション、Debian 11 以降と Debian ベースの多くのディストリビューション
Cubic は開発者が PPA (Personal Package Archive) でパッケージを公開しており、Ubuntu 26.04 LTS (Resolute Raccoon) 用のパッケージも提供されています。
Cubic のインストール
端末(ターミナル)を開き、次のコマンドを実行する。
sudo apt-add-repository universe
sudo apt-add-repository ppa:cubic-wizard/release
sudo apt update
sudo apt install --no-install-recommends cubic
--no-install-recommends オプションは、推奨パッケージのインストールを抑止する。
Cubic は、ISO のマウントや squashfs の生成などを root 権限で実行する。ホストシステムへの影響を避けたい場合は、VirtualBox などの仮想マシン内に Ubuntu をインストールし、その中で Cubic を実行する。
Cubic の使用手順
- アプリケーションメニューから Cubic を起動する。
- プロジェクト用のディレクトリ(作業用の空きディスク容量が必要)を指定する。
- 元にする Ubuntu の ISO ファイルを選択する。ISO が展開され、chroot 環境が準備される。
- 仮想コマンドライン環境で、パッケージのインストールや設定ファイルの編集を行う。ホスト側のファイルは、ウィンドウにドラッグ&ドロップしてコピーできる。
- 収録するカーネル、preseed ファイル、ブートオプション、圧縮方式を必要に応じて設定する。
- ISO を生成する。生成後、プロジェクトのディレクトリにカスタム ISO ファイルが作成される。
作成したISOイメージの利用
作成したカスタム ISO イメージファイル (*.iso) は、次の方法で利用できる。
- 仮想マシンでの利用: QEMU, VirtualBox, VMware などの仮想マシンソフトウェアで、CD/DVD ドライブに ISO ファイルを指定して起動する。
- Live DVDの作成: Brasero などのディスク書き込みソフトウェアで、ISO ファイルを DVD メディアに書き込む。
- Live USBメモリの作成:
ddコマンド (Linux/macOS),Rufus(Windows),Etcher(クロスプラットフォーム), Ubuntu 標準の「ブータブル USB の作成」(Startup Disk Creator), Ventoy などのツールで、ISO イメージを USB メモリに書き込む。- FAT32 の 4GiB 制限: FAT32 でフォーマットした USB メモリは、1 ファイルあたり 4GiB(4,294,967,295 バイト)までしか扱えない。4GiB を超える ISO イメージを扱う場合は、ファイルシステムを exFAT にする、または ISO を分割して書き込む Ventoy や Rufus のようなツールを使用する。