apt パッケージ管理(Ubuntu)
Ubuntu でのパッケージ管理で、よく使われる基本的なコマンドには、主に次のようなものがあります。コマンドの実行には、多くの場合 sudo
が必要です。
- パッケージの検索: apt-cache search <キーワード>
- インストール: apt install <パッケージ名>
- 指定したパッケージのビルドに必要な依存関係をインストール: apt build-dep <ソースパッケージ名>
- パッケージリスト(利用可能なパッケージとそのバージョンの情報)を更新: apt update
- インストール済みパッケージを最新バージョンに更新(不要なパッケージ削除を伴う更新は保留): apt upgrade
- インストール済みパッケージを更新(必要に応じてパッケージの削除も行う。カーネルのアップグレード等を含む): apt full-upgrade
- パッケージを削除(設定ファイルは残す): apt remove <パッケージ名>
ソースコードからパッケージをビルドする手順(例: vlc)
Ubuntu で特定のパッケージ(ここでは例として vlc
)のソースコードを取得し、ビルド・インストールする手順は以下の通りです。この方法は、通常のリポジトリにない最新版や特定のバージョンを利用したい場合に用います。
まず、ソースコードリポジトリを有効にする必要があります。/etc/apt/sources.list
ファイルまたは /etc/apt/sources.list.d/
ディレクトリ内の関連ファイルで、deb-src
から始まる行のコメントアウト (#
) を解除(または追加)します。
# 例: /etc/apt/sources.list ファイルを編集する場合 (root権限が必要)
sudo nano /etc/apt/sources.list
ファイル編集後、パッケージリストを更新します。
sudo apt update
次に、作業ディレクトリを作成し、ソースコードの取得、ビルド、インストールを行います。
# 作業ディレクトリの作成と移動 (例: ホームディレクトリ以下)
mkdir ~/vlc-build
cd ~/vlc-build
# vlc のソースコードをダウンロード (通常 sudo は不要)
apt source vlc
# vlc のビルドに必要な依存パッケージをインストール
sudo apt build-dep vlc
# ダウンロードされたソースコードのディレクトリに移動 (バージョン名は適宜読み替えてください)
cd vlc-*
# パッケージをビルド (-uc -us は署名を省略するオプション, 通常 sudo は不要)
# (-b オプションでバイナリパッケージのみビルド)
dpkg-buildpackage -b -uc -us -rfakeroot
# 親ディレクトリに戻る
cd ..
# ビルドされた .deb パッケージをインストール
sudo dpkg -i *.deb
注意: この方法でインストールしたパッケージは、apt upgrade
や apt full-upgrade
による自動更新の対象外となる場合があります。また、依存関係の管理が複雑になる可能性もありますので、慎重に行ってください。
RPM パッケージを利用する手順(例)
RPM形式のパッケージを Ubuntu で利用したい場合、alien
というツールを使って DEB形式に変換し、インストールすることができます。ただし、これは互換性の問題が発生する可能性があるため、最終手段として検討してください。
以下に手順の例を示します。
# パッケージリストを更新
sudo apt update
# alien パッケージをインストール (-y オプションは確認なしでインストールする場合)
sudo apt -y install alien
# RPM パッケージを DEB パッケージに変換 (-d オプション)
# 例: example-package.rpm を変換
sudo alien -d example-package.rpm
# 生成された DEB パッケージをインストール
# 例: example-package.deb をインストール
sudo dpkg -i example-package.deb
注意: alien
による変換は常に成功するとは限らず、依存関係の問題などが発生する可能性があります。可能な限り、Ubuntu 用に提供されている DEB パッケージを利用することを推奨します。