カメラ画像を枠なし表示(Python, OpenCV を使用)
1. エグゼクティブサマリー
普通に表示すると,ウィンドウに枠がつく.枠を表示したくないときは,このページのプログラムを使用する.
本記事では,Python と OpenCV を使用して,カメラ画像を枠なしで表示するプログラムを紹介する.OpenCV のウィンドウスタイルを Win32 API(pywin32)により WS_POPUP に変更することで,枠なし・最前面表示を実現する.基本的な表示に加え,拡大縮小・回転を行う方法も扱う.「q」キーまたは ESC キーによる終了,「s」キーによるスクリーンショット保存の機能を備える.
【サイト内の OpenCV 関連ページ】
- OpenCV について [PDF] , [パワーポイント]
- OpenCV のインストール,画像表示を行う C++ プログラムの実行手順: 別ページ »で説明
- OpenCV と Python を活用した画像・ビデオ処理プログラム: 別ページ »にまとめ
- OpenCV 4 の C/C++ プログラム: 別ページ »にまとめている.
【OpenCV の公式情報】
- OpenCV の公式ページ: https://opencv.org
- GitHub の OpenCV のページ: https://github.com/opencv/opencv/releases
2. 前準備(必要ソフトウェアの入手)
ここでは、最低限の事前準備について説明する。機械学習や深層学習を行う場合は、NVIDIA CUDA、Visual Studio、Cursorなどを追加でインストールすると便利である。これらについては別ページ https://www.kkaneko.jp/cc/dev/aiassist.htmlで詳しく解説しているので、必要に応じて参照してください。
Python 3.12 のインストール(Windows 上) [クリックして展開]
以下のいずれかの方法で Python 3.12 をインストールする。Python がインストール済みの場合、この手順は不要である。
方法1:winget によるインストール
管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。
winget install -e --id Python.Python.3.12 --scope machine --silent --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/quiet InstallAllUsers=1 PrependPath=1 AssociateFiles=1 InstallLauncherAllUsers=1"
--scope machine を指定することで、システム全体(全ユーザー向け)にインストールされる。このオプションの実行には管理者権限が必要である。インストール完了後、コマンドプロンプトを再起動すると PATH が自動的に設定される。
方法2:インストーラーによるインストール
- Python 公式サイト(https://www.python.org/downloads/)にアクセスし、「Download Python 3.x.x」ボタンから Windows 用インストーラーをダウンロードする。
- ダウンロードしたインストーラーを実行する。
- 初期画面の下部に表示される「Add python.exe to PATH」に必ずチェックを入れてから「Customize installation」を選択する。このチェックを入れ忘れると、コマンドプロンプトから
pythonコマンドを実行できない。 - 「Install Python 3.xx for all users」にチェックを入れ、「Install」をクリックする。
インストールの確認
コマンドプロンプトで以下を実行する。
python --version
バージョン番号(例:Python 3.12.x)が表示されればインストール成功である。「'python' は、内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません。」と表示される場合は、インストールが正常に完了していない。
AIエディタ Windsurf のインストール(Windows 上) [クリックして展開]
Pythonプログラムの編集・実行には、AIエディタの利用を推奨する。ここでは、Windsurfのインストールを説明する。Windsurf がインストール済みの場合、この手順は不要である。
管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。
winget install -e --id Codeium.Windsurf --scope machine --accept-source-agreements --accept-package-agreements --custom "/SUPPRESSMSGBOXES /MERGETASKS=!runcode,addtopath,associatewithfiles,!desktopicon"
powershell -Command "$env:Path=[System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path','Machine')+';'+[System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path','User'); windsurf --install-extension MS-CEINTL.vscode-language-pack-ja --force; windsurf --install-extension ms-python.python --force; windsurf --install-extension Codeium.windsurfPyright --force"
--scope machine を指定することで、システム全体(全ユーザー向け)にインストールされる。このオプションの実行には管理者権限が必要である。インストール完了後、コマンドプロンプトを再起動すると PATH が自動的に設定される。
【関連する外部ページ】
Windsurf の公式ページ: https://windsurf.com/
必要なライブラリのインストール [クリックして展開]
管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。
pip install -U opencv-python pywin32
3. 実行のための準備とその確認手順(Windows 前提)
3.1 プログラムファイルの準備
第5章のソースコードをテキストエディタ(メモ帳,Windsurf 等)に貼り付け,main.py として保存する(文字コード:UTF-8).基本的な枠なし表示を行う場合は第5章の最初のコード,拡大縮小・回転も行いたい場合は2番目のコードを使用する.
3.2 実行コマンド
コマンドプロンプトでファイルの保存先ディレクトリに移動し,以下を実行する.
python main.py
3.3 動作確認チェックリスト
| 確認項目 | 期待される結果 |
|---|---|
| USB ビデオカメラを接続した状態でプログラムを起動 | 枠なしウィンドウが最前面に表示され,カメラ映像がリアルタイムに描画される |
| ウィンドウの表示位置とサイズ(基本版) | 画面左上(x=0, y=0)に 640×480 ピクセルで表示される |
| 画面内をクリックして「q」キーを押す | ウィンドウが閉じ,プログラムが終了する |
| 画面内をクリックして ESC キーを押す | ウィンドウが閉じ,プログラムが終了する |
| 画面内をクリックして「s」キーを押す | 現在のフレームが capture.png として保存される |
| 拡大縮小・回転版で起動(2番目のコード使用) | カメラ映像が反時計回りに90度回転し,scale=0.5 で縮小表示される |
4. 概要・使い方・実行上の注意
4.1 基本的な枠なし表示
USB ビデオカメラを準備し,パソコンに接続しておく.
OpenCV による動画表示を行う.変数 x, y, width, height でウィンドウの表示位置とサイズを指定する.ソースコードは第5章に掲載している.
* 止めたいときは,右上の「x」をクリックしない.画面内をクリックしてから,「q」キーまたは ESC キーを押して閉じる.「s」キーを押すと,現在のフレームを capture.png として保存できる.
4.2 拡大縮小,回転を行いたい場合
OpenCV による動画表示を行う.変数 x, y, scale でウィンドウの表示位置と縮小率を指定する.回転方向はコード内の cv2.ROTATE_90_COUNTERCLOCKWISE で指定しており,反時計回りに90度回転させる.ソースコードは第5章に掲載している.
操作方法は 4.1 節と同様である.
5. ソースコード
5.1 基本的な枠なし表示
import cv2
import win32gui
import win32con
x = 0
y = 0
width = 640
height = 480
cv2.namedWindow("camera")
v = cv2.VideoCapture(0)
a = win32gui.FindWindow(None, "camera")
win32gui.SetWindowLong(a, win32con.GWL_STYLE, win32con.WS_POPUP)
while v.isOpened():
r, f = v.read()
cv2.imshow("camera", f)
win32gui.SetWindowPos(a, win32con.HWND_TOPMOST, x, y, width, height, win32con.SWP_SHOWWINDOW)
k = cv2.waitKey(1) & 0xFF
if k == ord('q') or k == 27:
break
if k == ord('s'):
cv2.imwrite("capture.png", f)
v.release()
cv2.destroyAllWindows()
5.2 拡大縮小,回転を行う場合
import cv2
import win32gui
import win32con
x = 0
y = 0
scale = 0.5
cv2.namedWindow("camera")
v = cv2.VideoCapture(0)
a = win32gui.FindWindow(None, "camera")
win32gui.SetWindowLong(a, win32con.GWL_STYLE, win32con.WS_POPUP)
while v.isOpened():
r, f = v.read()
f = cv2.rotate(f, cv2.ROTATE_90_COUNTERCLOCKWISE)
h, w = f.shape[:2]
f = cv2.resize(f, (int(w * scale), int(h * scale)))
cv2.imshow("camera", f)
win32gui.SetWindowPos(a, win32con.HWND_TOPMOST, x, y, int(w * scale), int(h * scale), win32con.SWP_SHOWWINDOW)
k = cv2.waitKey(1) & 0xFF
if k == ord('q') or k == 27:
break
if k == ord('s'):
cv2.imwrite("capture.png", f)
v.release()
cv2.destroyAllWindows()
6. まとめ
6.1 枠なしウィンドウ表示
OpenCV のウィンドウスタイルを Win32 API により WS_POPUP に変更することで,ウィンドウの枠を非表示にしている.
6.2 最前面表示の制御
win32gui.SetWindowPos に HWND_TOPMOST を指定することで,ウィンドウを常に最前面に固定している.表示位置とサイズは変数 x, y, width, height で制御する.
6.3 画像の拡大縮小と回転
cv2.rotate による回転と cv2.resize による拡大縮小を組み合わせることで,カメラ映像を任意のサイズ・向きで表示できる.縮小率は変数 scale で指定する.
6.4 キーボード操作
画面内をクリックしてから「q」キーまたは ESC キーで終了する.「s」キーで現在のフレームを capture.png として保存できる.右上の「x」では閉じられない.