Windows環境でのPython:プログラムの作成から実行まで

【概要】本資料は、Windows環境でPythonプログラミングを始めるための入門教材である。Pythonのインストールから、メモ帳を使用したプログラムの作成・保存、実行方法、標準入出力を扱うプログラムの作成、よくあるエラーへの対処法までを扱う。

項目 内容
対象読者 Pythonを初めて学ぶ学生。Windowsの標準機能(メモ帳)を使って、手軽にPythonプログラミングの基礎を体験したい人。
前提条件 Windowsの基本操作(ファイル作成、コマンドプロンプトの起動)ができること
学習目標 Pythonのソースコードを実行できる。標準入力からデータを読み取るプログラムを作成できる。

【重要概念】

【目次】

  1. はじめに
  2. インタプリタとは何か
  3. 最初のプログラム
  4. 開発環境の準備
  5. メモ帳でのプログラム作成と保存
  6. プログラムの実行
  7. キーボード入力のプログラム
  8. よくあるエラーとその対処法
  9. まとめ
  10. 次のステップ

1. はじめに

この資料では、PythonのプログラムをWindowsで作成し、動かす方法を学ぶ。

プログラミングを始めようと思ったとき、「どのように操作したらよいのだろう」「専用のツールが必要なのでは」と不安になることがある。しかし、心配は不要である。Windowsに標準で搭載されているメモ帳と、無料でダウンロードできるPythonがあれば十分である。

まずは簡単なプログラムから始める。「Hello, World!」と表示するプログラムを動かしたり、簡単な計算をするプログラムを実行したりできる。ここで学ぶメモ帳の使い方とプログラムの実行方法は、プログラミングの基礎となる重要な知識である。

2. インタプリタとは何か

Pythonはインタプリタ言語である。C言語のようにコンパイル(機械語への事前変換)を行わず、ソースコードを1行ずつ解釈しながら実行する。この解釈・実行を行うプログラムを「インタプリタ」と呼ぶ。

作業手順

  1. コードを書く(hello.py)
  2. python hello.py で実行

コードを修正した場合は、再度実行コマンドを入力する。コンパイル作業は不要である。

3. 最初のプログラム

print("Hello, World!")

各行の役割

コード 役割
print("Hello, World!") 文字列を画面に出力する。改行は自動的に付加される。

上記のコードをテキストエディタで作成し、hello.py という名前で保存する。

Pythonでは、C言語と異なり #includemain() 関数の定義は不要である。また、文の末尾にセミコロンは不要である。

4. 開発環境の準備

オンライン環境

インストール不要で、ブラウザ上で実行ができる。

VisuAlgo はアルゴリズムとデータ構造のデモサイト

Python 3.12 のインストール

以下のいずれかの方法で Python 3.12 をインストールする。

方法1:winget によるインストール

Python がインストール済みの場合、この手順は不要である。管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。

winget install -e --id Python.Python.3.12 --scope machine --silent --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/quiet InstallAllUsers=1 PrependPath=1 AssociateFiles=1 InstallLauncherAllUsers=1"

--scope machine を指定することで、システム全体(全ユーザー向け)にインストールされる。このオプションの実行には管理者権限が必要である。インストール完了後、コマンドプロンプトを再起動すると PATH が自動的に設定される。

方法2:インストーラーによるインストール

  1. Python 公式サイト(https://www.python.org/downloads/)にアクセスし、「Download Python 3.x.x」ボタンから Windows 用インストーラーをダウンロードする。
  2. ダウンロードしたインストーラーを実行する。
  3. 初期画面の下部に表示される「Add python.exe to PATH」に必ずチェックを入れてから「Customize installation」を選択する。このチェックを入れ忘れると、コマンドプロンプトから python コマンドを実行できない。
  4. 「Install Python 3.xx for all users」にチェックを入れ、「Install」をクリックする。

インストールの確認

コマンドプロンプトで以下を実行する。

python --version

バージョン番号(例:Python 3.12.x)が表示されればインストール成功である。「'python' は、内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません。」と表示される場合は、インストールが正常に完了していない。

AIエディタ Windsurf のインストール

Pythonプログラムの編集・実行には、AIエディタの利用を推奨する。ここでは、Windsurfのインストールを説明する。

Windsurf がインストール済みの場合、この手順は不要である。管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。

winget install -e --id Codeium.Windsurf --scope machine --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/VERYSILENT /NORESTART /MERGETASKS=!runcode,addtopath,associatewithfiles,!desktopicon"
powershell -Command "$env:Path=[System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path','Machine')+';'+[System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path','User'); windsurf --install-extension MS-CEINTL.vscode-language-pack-ja --force; windsurf --install-extension ms-python.python --force"

--scope machine を指定することで、システム全体(全ユーザー向け)にインストールされる。このオプションの実行には管理者権限が必要である。インストール完了後、コマンドプロンプトを再起動すると PATH が自動的に設定される。

関連する外部ページ

Windsurf の公式ページ: https://windsurf.com/

5. メモ帳でのプログラム作成と保存

5.1 メモ帳の起動

  1. スタートメニュー(画面左下のWindowsマーク)をクリックする
  2. メモ帳」と入力する
  3. スタートメニューでメモ帳を検索した画面
  4. 「メモ帳」アプリが表示されるので、クリックして起動する

5.2 プログラムの入力

以下のプログラム例を入力する(または貼り付ける)。このプログラムは、入力された文字を10回繰り返して表示するプログラムである。

x = input("x:")
print(x * 10)
メモ帳にPythonプログラムを入力した画面

5.3 プログラムの保存

  1. 「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択する
    メモ帳のファイルメニューから名前を付けて保存を選択する画面
  2. 保存場所を選ぶ。初心者には「デスクトップ」を推奨する
  3. 画面下の「ファイルの種類」を「すべてのファイル(*.*)」に変更する
    • 初期設定の「テキスト文書(*.txt)」のままだと、ファイル名に自動的に「.txt」が追加されてしまい、「test.py.txt」のようになってしまう。これを防ぐため、必ず「すべてのファイル(*.*)」に変更する
    保存ダイアログでファイルの種類をすべてのファイルに変更した画面
  4. ファイル名を「○○○.py」と入力する
    • ○○○は任意の名前(例:test)
    • .pyはPythonプログラムであることを示す拡張子(ファイルの種類を表す部分)である。この拡張子により、WindowsがこのファイルをPythonプログラムとして認識する
    ファイル名にtest.pyと入力した画面
  5. 「保存」をクリックする
    保存ボタンをクリックする画面

6. プログラムの実行

6.1 コマンドプロンプトの起動

  1. キーボードの「Windowsキー」+「R」を押す
  2. 表示された「ファイル名を指定して実行」に「cmd」と入力する
  3. 「OK」をクリックすると黒い画面(コマンドプロンプト)が開く

6.2 ソースコードのあるフォルダへ移動

cdコマンド(フォルダ間を移動する命令)を使用する。デスクトップに保存した場合は、以下のように入力する:

cd Desktop

フォルダ名にスペースや日本語が含まれる場合は、「"」で囲む。例:

cd "Desktop\Python練習"
cdコマンドでフォルダを移動した画面

6.3 実行

python hello.py

Hello, World! が表示されれば成功。エラーメッセージが表示された場合はソースコードに誤りがある。

プログラム名は作成時に付けた名前である。大文字と小文字は区別されるため注意が必要である(「Test.py」と「test.py」は異なるファイルとして扱われる)。

pythonコマンドでプログラムを実行した画面

セクション5で作成したプログラム(test.py)を実行すると「x:」と表示される。任意の文字(例:A)を入力してEnterキーを押すと、その文字が10回繰り返して表示される(例:AAAAAAAAAA)。

7. キーボード入力のプログラム

キーボードから入力された文字のバイト数を数えるプログラムを作成する。

import sys

count = 0

for line in sys.stdin:
    count = count + len(line.encode('utf-8'))

print("バイト数:", count)

各行の解説

コード 解説
import sys 標準入力を扱うために sys モジュールを読み込む
count = 0 バイト数を数えるカウンタ
for line in sys.stdin: 標準入力から1行ずつ読み取り、EOF(End of File、入力の終わり)まで繰り返す
len(line.encode('utf-8')) 文字列をUTF-8でエンコードし、そのバイト数を取得する
print("バイト数:", count) バイト数を出力する

実行例

python count.py
a b c d
^Z
バイト数: 8

入力の終わりを伝えるには、行の先頭で Ctrl+Z を押し、Enter を押す。

8. よくあるエラーとその対処法

8.1 構文エラー(SyntaxError)

エラーメッセージには行番号が含まれる。該当行を確認して修正し、再度実行する。

例:SyntaxError: invalid syntax

→ 構文エラー。括弧の閉じ忘れ、コロンの欠落、インデントの誤りなどを確認する。

例:NameError: name 'prnt' is not defined

→ prnt が未定義(正しくは print)

8.2 「'python' は内部コマンドまたは外部コマンド...」と表示される場合

8.3 「No such file or directory」と表示される場合

8.4 「ModuleNotFoundError」と表示される場合

8.5 「アクセスが拒否されました」と表示される場合

8.6 インストーラーがダウンロードできない場合

9. まとめ

項目 内容
実行 python ファイル名.py
エラー対処 エラーメッセージの行番号を確認して修正
入力終了 Ctrl+Z → Enter

10. 次のステップ

メモ帳とコマンドプロンプトでプログラミングの基本を学んだ後は、より使いやすい開発環境に移行することを推奨する。

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