SQL 問い合わせ計画 (SQL query plan)

大学で使用した自作の資料等を,手直しの上公開している. クリエイティブ・コモンズ BY NC SA.

リレーショナルデータベースの基礎であるテーブル定義,一貫性制約,SQL,結合と分解,トランザクション,埋め込みSQL,実行計画,二次索引を学ぶ.SQLite 3 を用いて,SQL についての演習も行う.

【サイト内の関連ページ】

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    入門者向け.リレーショナルデータベースを知る.

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    入門者向け.設計と利用と運用.MySQL, Access を利用.基本を学ぶ.演習付き.

  • リレーショナルデータベース演習(全15回):別ページ »にまとめ

    入門者向け.設計と利用に関する演習.

  • リレーショナルデータベースの基礎(まとめ) [PDF], [ワードファイル]

    基礎を1つにまとめた資料.

演習で行うこと

SQLite 3 の SQL 演習に関連する部分

【SQLite 3 の主要なオペコード (Opcode) の要点】

* SQLite 3 のオペコードの説明は http://www.hwaci.com/sw/sqlite/opcode.html にある.

* SQLite 3の SQL の説明は http://www.hwaci.com/sw/sqlite/lang.html (English Web Page) にある.

Sqliteman で既存のデータベースを開く (Open an existing database using Sqliteman)

すでに作成済みのデータベースを,下記の手順で開くことができる.

以下の手順で,既存のデータベースファイルを開く. (Open an existing database file)

  1. File」→ 「Open
  2. データベースファイルを開く (Open Database File)

    * Ubuntu での実行例(「/home/ubuntuuser/mydb」を開く場合)

    データベースファイル /home/ubuntuuser/mydb を選び, 「開く」をクリック (Click '開く' after choosing the database file "/home/ubuntuuser/mydb2")

    * Windows での実行例(「C:\SQLite\mydb」を開く場合)

    データベースファイル C:\SQLite\mydb を選び, 「開く」をクリック (Click '開く' after choosing the database file "C:\SQLite\mydb")

    要するに,/home/<ユーザ名>/SQLite 3の mydb を選ぶ. 

SQL を用いたテーブル定義と一貫性制約の記述 (Table definition and integrity constraint specification using SQL)

以前の授業で定義した scores テーブルを使う。 scores テーブルのテーブル定義が残っている場合には、ここの操作は必要ない。 scores テーブルのテーブル定義が残っていない場合には、次の手順で定義する。

SQL を用いて,scores テーブルを定義し,一貫性制約を記述する. (Define 'scores' table and specify integrity constrants of the table using SQL)

リレーショナル・スキーマ (relational schema): scores( name, teacher_name, student_name, score )
  1. scores テーブルの定義 (Define a table)

    次の SQL を入力し,「Run SQL」のアイコンをクリック (Write the following SQL, and click "Run SQL" icon).

    create table scores (
        id            integer  primary key autoincrement not null,
        name          text     not null,
        teacher_name  text     not null,
        student_name  text     not null,
        score         integer  not null check ( score >= 0 AND score <=100 ),
        created_at    datetime not null,
        updated_at    datetime,
        unique (name, student_name) );
    

    * 「SQL Editor」のウインドウには,SQL プログラムを書くことができる. In the 'SQL string' window, you can write down SQL program(s).

  2. コンソールの確認 (Inspect console)

    エラーメッセージが出ていないことを確認

SQL を用いたテーブルへの行の挿入 (Insert rows into a table using SQL)

以前の授業で定義した scores テーブルを使う。 scores テーブルが残っている場合には、ここの操作は必要ない。 scores テーブルが残っていない場合には、次の手順で作成する。

次のような scores テーブルを作る. (Construct table 'scores')

以下の手順で,SQL を用いて scores テーブルへの行の挿入を行う (Insert rows into table 'scores' using SQL)

  1. SQL プログラムの記述

    「insert into ...」は行の挿入.ここには 5つの SQL 文を書き, 「begin transaction」と「commit」で囲む. ("insert into ..." means inserting a row into a table. Four SQL statements are wrote).

    begin transaction;
    insert into scores values( 1, 'Database',    'K', 'KK', 85, datetime('now', 'localtime'), NULL );
    insert into scores values( 2, 'Database',    'K', 'AA', 75, datetime('now', 'localtime'), NULL );
    insert into scores values( 3, 'Database',    'K', 'LL', 90, datetime('now', 'localtime'), NULL );
    insert into scores values( 4, 'Programming', 'A', 'KK', 85, datetime('now', 'localtime'), NULL );
    insert into scores values( 5, 'Programming', 'A', 'LL', 75, datetime('now', 'localtime'), NULL );
    commit;
    
  2. 複数の SQL 文の一括実行 (Run multiple SQL statements)

    複数の SQL 文を一括実行したいので,カーソルを先頭行に移動した後に,「Run multiple SQL statements ...」のボタンをクリックする. 「Move the cursor to the top statement. Click "Run multiple SQL statements from current cursor position in one batch" icon)

  3. 「Script Output」ウインドウの確認 (Inspect "Script Output" window)

    エラーメッセージが出ていないことを確認

テーブル一覧の確認、データベーススキーマの確認

  1. 「Tables」を展開すると,テーブルの一覧 (List of Tables) が表示されるので確認する (List of tables appears by clicking 'Tables')
  2. 「System Catalogue」を展開し,「sqlite_master」をクリックすると,データベース・スキーマ (database schema) が表示されるので,scores の行を確認する (Database schema appears by clicking 'sqlite_master')

    * 「2」 の部分は別の数値になっているはずである。 これらは、scores テーブルのデータが置かれるページ番号に関する情報 (rootpage) であり、 SQLite 3 システムが自動で決める値である。

Sqliteman を用いたデータのブラウズ (Browse Data using Sqliteman)

Sqliteman を用いた SQL 問い合わせ計画の表示

ここでは,SQL 問い合わせ計画の表示例を示す.

データベース管理システムは, SQL 文をコンパイルし,SQL 問い合わせ計画を作る. SQL 問い合わせ計画とは,データベースに関する基本的なオペレータの並びである. (Database management system compliles a SQL statement into a SQL query plan. SQL query plan is a sequence or a tree of database operations ).

SQLite 3の問い合わせ計画については,SQLite Virtual Machine Opcodes の Web ページなどを見てください.(please refer to https://www.sqlite.org/opcode.html for SQLite opcodes)

* テーブルの全ての行の表示 (List all rows of a table)

【表示された問い合わせ計画の要点】

アドレス (addr) オペコード 主なオペランド  
2 OpenRead P2 = 2 ルート・ページが 2 であるようなテーブル (この場合は,テーブル scores) のカーソルを作る (Open table 'scores' for read, and make a cursor)
3 Rewind P2 = 13 カーソルを,テーブルの先頭を指し示すようにする.テーブルが空の場合には,アドレス 13 (Close)にジャンプする (Use the first row. If the first row is empty then jump to '13')
5, 6, 7, 8, 9, 10 Column P3 = 1,2,3,4,5,6, P4 = 2,3,4,5,6,7 列番号1,2,3,4,5,6の値を,それぞれレジスタ2,3,4,5,6,7に格納する.
11 ResultRow P1 = 1, P2 = 7 レジスタ 1 からレジスタ 7 までの値を1行として出力する (Generate output using registers)
9 Next P2 = 4 もし,カーソルが指し示すレコードが末端レコードならば、次の命令に進む. もし,カーソルが指し示すレコードが末端レコードでなければ、カーソルを1つ進めて、アドレス4 にジャンプする. (Advance cursor to the next tow. If there are more rows, then jump to the address '4')

二次索引については、今後の授業で学ぶ。そのときは、 二次索引がないとき,テーブルの本体が1行ずつ処理される.テーブルの全ての行について処理が繰り返される. (このことを「tuple at a time」ともいう)ということを再度確認する。

* 条件を満足する行のみの表示 (List the rows which satisfy a given condition)