cp-6. 整数データと浮動小数
データ
(C プログラミング入門)
URL: https://www.kkaneko.jp/pro/adp/index.html
1
金子邦彦
C言語における整数データと浮動小数データの違いの理解、
目的に応じた変数型の使い分け
【学習内容の構成】
1. 金種計算(例題1・2):整数の割り算と剰余演算を用い
た紙幣・硬貨の枚数計算
2. データ型の違い:整数データ(int)と浮動小数データ
(double)の精度・表現範囲・演算の差異
3. 入出力の書式:scanf・printfにおける書式指定子
(%d、%lf、%f)の正しい使い分け
4. 複利計算(例題3):pow関数による浮動小数演算と(int)
キャストによる型変換
5. 演算の注意点:1/2と1.0/2.0の違いに見る整数演算と浮動
小数演算の結果の相違
• 前提:C言語の変数宣言、printf・scanfの基本的な使用方法
2
本日の内容
例題1.単純な金種計算
例題2.硬貨の金種計算
整数の変数
浮動小数と整数の違い
例題3.複利計算
整数の変数と,浮動小数の変数を混在させると
きに気を付けねばならないこと
3
目標
• プログラムでの「整数データ」と「浮動小数
データ」の違いについて理解する
• 目的に応じて,整数の変数,浮動小数の変数
を正しく使い分けることができるようになる
4
例題1.単純な金種計算
• 金額を読み込んで,適切な紙幣と小銭の枚数を求
め,表示するプログラムを作る.
例) 金額が1050円のとき,
千円札: 1枚
1円玉: 50枚
• 例題では,簡単のため,紙幣は千円札のみ,小銭
の種別は考えない(1円玉のみ)ということにす
る.
• 金額,千円札の枚数,1円玉の枚数を扱うために,
整数の変数を使う
5
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int kingaku;
int en;
int sen;
printf("kingaku=");
scanf("%d", &kingaku);
sen = kingaku/1000;
en = kingaku%1000;
printf("senensatsu: %d mai¥n", sen);
printf("kozeni: %d en¥n", en);
return 0;
}
入力部分
出力部分
計算部分
6
実行結果例
kingaku=13500
senensatsu: 13 mai
kozeni: 500 en
7
プログラム実行順
printf("kingaku=");
scanf("%d", &kingaku);
sen = kingaku/1000;
en = kingaku%1000;
printf("senensatsu: %d mai¥n", sen);
printf("kozeni: %d en¥n", en);
return 0;
メッセージ「kingaku=」を表示
(出力文)
整数データを読み込み
(入力文)
千円札と1円玉の数
を計算
計算結果を表示
(出力文)
終わり
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プログラムとデータ
メモリ
en
sen
データの集まり
scanf("%d", &kingaku);
kingaku
①
整数データを読み込み
printf("senensatsu: %d mai¥n", sen);
printf("kozeni: %d en¥n", en);
③
計算結果を表示
sen = kingaku/1000;
en = kingaku%1000;
②
千円札と1円玉の数
を計算
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整数データと浮動小数データ
• 整数データ
• 整数
• およそ4桁まで
• 割り算では小数点以
下切り捨て
例)
0
3
28
4778
-1
-10
-1250
• 浮動小数データ
• 小数付きの数も可
• およそ10桁まで
例)
0
3
28
4778
-1
-10
-1250
1278748623
ー4563759398
2.190872
0.000178
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整数データと浮動小数データの精度
• 整数データ(int)
• -32767から+32767までの範囲の数
• 数学での「整数」では無い
• 浮動小数データ(double)
• 精度が10桁で,10の-37乗から10の+3
7乗までの正と負の範囲数
• 数学での「実数」とは違う
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整数データと浮動小数データの違い
整数データ 浮動小数データ
変数
宣言
int kingaku;
int en;
double teihen;
double takasa;
入力
scanf("%d", &kingaku); scanf("%lf", &takasa);
出力
printf("kozeni: %d en¥n",
en);
printf("takasa: %f ¥n", takasa);
四則
演算
四則演算には,+, -, *, / を
使う
四則演算には,+, -, *, / を使
う
剰余
en = kingaku%1000; z = fmod(x,y);
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変数
• 変数には,名前と型(型とはデータ
の種類のこと)がある
• 変数宣言では,名前と型を書く
「型」の例
• 整数データ int
• 浮動小数データ double
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整数データの算術演算子
+ 和
- 差
* 積
/ 商
% 剰余(整数データの場合)
→ 浮動小数データの剰余は
fmod(x,y)を使うこと
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入力文と出力文の機能
• printf の機能
• メッセージの表示
• 整数データの表示
• 浮動小数データの表示
• scanf の機能
• 整数データの読み込み
• 浮動小数データの読み込み
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入力文
• 入力文とは,データを読み込むための文
• 「書式」と読み込むべき変数名を書く
書式の書き方
%d: 整数データ
キーボードから読み込まれる数字を10進の整数データ
とし て解釈
%lf : 浮動小数データ
キーボードから読み込まれる数字,小数点などを10進
の浮 動小数データとして解釈
• 変数名の前には「&」を付けること
scanf("%d", &kingaku);
書式
読み込むべき変数名
&
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出力文
• データとメッセージを表示するための文
• 「書式」と読み込むべき変数名を書く
書式の書き方
%d: 整数データ
10進数の数字に直してこの位置(表示文字列の一部)に置
け,という指示
%f : 浮動小数データ
10進数の数字に直してこの位置(表示文字列の一部)に置
け,という指示
• 変数名の前には「&」は付けない
printf("kozeni: %d en¥n", en);
書式
表示すべき変数名
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n=?100
n=100
#include <stdio.h>
int main()
{
int n;
printf( "n=?" );
scanf( "%d", &n );
printf( "n=%d¥n", n );
return 0;
}
プログラム例
実行結果例
整数データの読み込みと表示 (1/3)
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n=?100
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int n;
printf( "n=?" );
scanf( "%lf", &n );
printf( "n=%d¥n", n );
return 0;
}
プログラム例
実行結果例
整数データの読み込みと表示 (2/3)
正しくは「%d」
読み込もうとすると,
エラーが現れて,
結局読み込めない
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n=?100
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int n;
printf( "n=?" );
scanf( "%d", &n );
printf( "n=%f¥n", n );
return 0;
}
プログラム例
実行結果例
整数データの読み込みと表示 (3/3)
正しくは「%d」
表示しようとすると,
エラーが現れて,
結局表示されない
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例題2.硬貨の金種計算
• 金額を読み込んで,適切な小銭の枚数を求め,表示するプログラム
を作る.
例) 金額が768円のとき,
500円玉: 1枚
100円玉: 2枚
50円玉: 1枚
10円玉: 1枚
5円玉: 1枚
1円玉: 3枚
• 例題では,簡単のため,紙幣は考えない(硬貨のみ)ということに
する
• 各硬貨の枚数を扱うために,整数データの変数を使う
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#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int kingaku;
int gohyaku, hyaku, gojyu, jyu, go, ichi;
printf("kingaku=");
scanf("%d", &kingaku);
gohyaku = ( kingaku % 1000 ) / 500;
hyaku = ( kingaku % 500 ) / 100;
gojyu = ( kingaku % 100 ) / 50;
jyu = ( kingaku % 50 ) / 10;
go = ( kingaku % 10 ) / 5;
ichi = kingaku % 5;
printf( "五百円 = %d¥n", gohyaku );
printf( "百円 = %d¥n", hyaku );
printf( "五十円 = %d¥n", gojyu );
printf( "十円 = %d¥n", jyu );
printf( "五円 = %d¥n", go );
printf( "一円 = %d¥n", ichi );
return 0;
}
入力部分
出力部分
計算部分
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実行結果例
kingaku=768
五百円 = 1
百円 = 2
五十円 = 1
十円 = 1
五円 = 1
一円 = 3
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課題1.金種計算
• 金額を読み込んで,適切な紙幣と小銭の枚数を求め,表
示するプログラム(金種計算)を作りなさい.
• 但し,すべての種類の紙幣と硬貨を考えること.
紙幣:1万円札,5千円札,千円札
硬貨:500円,100円,50円,10円,5円,1円
例) 金額が13,486円のとき,
1万円札: 1 500円: 0
5千円札: 0 100円: 4
千円札: 3 50円: 1
10円: 3
5円: 1
1円: 1
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課題1の実行結果例
kingaku=13486
一万円= 1
五千円 = 0
千円 = 3
五百円 = 0
百円 = 4
五十円 = 1
十円 = 3
五円 = 1
一円 = 1
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1000円札の枚数は
「(金額) を5000円で割った余り」 /1000
例えば,17,600円のとき
1万円札: 17,600/10,000 = 1
5千円札: (17,600 % 10,000)/5000 = 1
1千円札: (17,600 % 5,000)/1000 = 2
17,600を10,000で割った余りのこと(値は7,600)
17,600を5,000で割った余りのこと(値は2,600)
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課題1のヒント
課題2.時間の換算
• 秒数 x を読み込んで,h 時,m 分,s 秒を計
算するプログラムを作りなさい.
例) x=3723 のとき,
1 h, 2 m, 3 s
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例題3.複利計算
• 元金 gankin 円を年利 nenri (パーセント)で
nensu 年運用したときの利息を求めるプログラ
ムを作る
• 単利計算では,年数に比例.
• 複利計算では,利息が利息を生む.
• 複利計算を行うために,pow関数を使う
• 年数は整数データ,利息は浮動小数データ
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#include <stdio.h>
#include <math.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int gankin, nensu, ganri;
double nenri, r;
printf("gankin=");
scanf("%d", &gankin);
printf("nenri=");
scanf("%lf", &nenri);
printf("nensu=");
scanf("%d", &nensu);
r = 1 + nenri * 0.01;
ganri = (int)(gankin*pow(r, nensu));
printf("risoku = %d¥n", ganri - gankin);
return 0;
}
計算部分
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複利の計算
• 複利の公式:
• べき乗 x
y
の計算のために,ライブラリ関数
pow(x,y) を使用する
)1( nenrigankinganri +=
nensu
ganri = (int)(gankin*pow(r, nensu));
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(int) の意味
• 右辺は浮動小数の精度で計算される
• (int) の意味:
• 結果の小数点以下を切り捨てて,整数部だけを
ganri に代入.
• (int) は,変数 ganri への代入時に,「データの精
度が落ちてもかまわない」ことをコンピュータに
教える
ganri = (int)(gankin*pow(r, nensu));
浮動小数
整数
整数
整数
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(int) が必要な場合
• 左辺が整数の変数,右辺が浮動小数を含む式
• このとき、右辺は、浮動小数の精度で計算され,
最後に,左辺の変数の代入される
ganri = (int)(gankin*pow(r, nensu));
浮動小数
整数
整数
整数
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1/2 の値は 0
#include <stdio.h>
int main()
{
double r;
r = 1 / 2;
printf("r = %f¥n ", r );
}
このプログラムの実行結果は,直感とは一致しない
かも知れない
r = 0.000000
右辺に整数の変数しか登場しないので,右辺は整数
の精度で計算される
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1.0/2.0 の値は 0.5
#include <stdio.h>
int main()
{
double r;
r = 1.0 / 2.0;
printf("r = %f¥n ", r );
}
「 1 / 2 」 と 「 1.0 / 2.0 」 は,意味が違う
r = 0.500000
右辺に浮動小数の変数が登場するので,右辺は浮動小数
の精度で計算される
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1/2 と 1.0/2.0 の違い
• 1/2 は,整数と整数の割り算
• 文法的には 「2000/30 (値は66) 」と書くのと同じ
• 1/2 の値は 0 (やはり整数)
• 1.0/2.0 は,浮動小数と浮動小数の割り算
• 1.0/2.0 の値は 0.5 (浮動小数)
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