ITK のインストール(Ubuntu 上)

ITK(Insight Toolkit)は, 医用画像を中心とした画像解析(セグメンテーション,レジストレーション,フィルタ処理)のための C++ ライブラリ.2次元・3次元・n 次元の画像データを扱う.Python から利用するためのパッケージ(itk)も提供されている.

URL: https://itk.org/

ソフトウェア等の利用条件は,利用者自身で確認下さい.

前準備

Ubuntu のシステム更新

Ubuntu で OS のシステム更新を行うときは, 端末で,次のコマンドを実行する。これは、パッケージ情報を最新の状態に保ち、インストール済みのパッケージをセキュリティアップデートやバグ修正を含めて更新するためである。

Ubuntu のインストールはこちらの別ページで説明する。
# パッケージリストの情報を更新
sudo apt update
# インストール済みのパッケージを包括的に更新 (依存関係も考慮)
sudo apt full-upgrade
# カーネル更新等で実際に再起動が必要な場合のみ実行を推奨
# sudo shutdown -r now

C/C++ コンパイラと Make とビルドツールのインストール

ソフトウェアをソースコードからビルドするには、C/C++コンパイラ (通常はGCC) や make ユーティリティといった開発ツールが必要である。Ubuntuでは、これらのツールは build-essential パッケージにまとめられている。インストールするには,端末で,次のコマンドを実行する。

sudo apt -y install build-essential libtool texinfo dpkg-dev pkg-config

libtool, texinfo, dpkg-dev, pkg-config は、ビルドやパッケージ管理の際に使用される開発関連ツールである。

Git のインストール(Ubuntu 上)

インストールするには, 端末で,次のコマンドを実行する.

# パッケージリストの情報を更新
sudo apt update
sudo apt -y install git

CMake 最新版のインストール

ITK のビルドには CMake が必要である.Ubuntu の apt で導入できる CMake でもビルドできる場合が多いが,ここでは最新のリリース版をソースコードからインストールする(release ブランチが最新リリースに対応する). 端末で,次のコマンドを実行する.

cd /tmp
rm -rf CMake
git clone --depth 1 -b release https://github.com/Kitware/CMake.git
cd CMake
# cmake のビルドには curl, zlib が必要
sudo apt -y install zlib1g-dev libcurl4-openssl-dev
./configure --system-curl --system-zlib
make -j$(nproc)
sudo make install
# バージョンの確認
/usr/local/bin/cmake --version

ITK のインストール(ソースコードを使用)(Ubuntu 上)

端末で,次のコマンドを実行する.

ソースコードをダウンロードして,インストールしている.

  1. 端末で,次のコマンドを実行する.

    CMAKE_BUILD_TYPE=Release を指定しない場合,最適化なしでビルドされる.BUILD_SHARED_LIBS=ON を指定すると共有ライブラリが生成される(指定しない場合は静的ライブラリ).BUILD_TESTING=OFF はビルド時間の短縮のための指定である.

    cd /tmp
    rm -rf ITK
    git clone --depth 1 https://github.com/InsightSoftwareConsortium/ITK.git
    cd ITK
    mkdir build
    cd build
    /usr/local/bin/cmake .. -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -DBUILD_SHARED_LIBS=ON -DBUILD_TESTING=OFF
    make -j$(nproc)
    sudo make install
    

    (以下省略)
  2. インストール終了の確認

    端末で,次のコマンドを実行する.ヘッダファイルのディレクトリ /usr/local/include/ITK-バージョン と,CMake 設定ファイルのディレクトリ /usr/local/lib/cmake/ITK-バージョン が表示されれば,インストールは完了している.

    ls -d /usr/local/include/ITK-*
    ls -d /usr/local/lib/cmake/ITK-*
    

共有ライブラリの検索パスの設定

共有ライブラリ(BUILD_SHARED_LIBS=ON)でビルドした場合,/usr/local/lib が実行時のライブラリ検索パスに含まれている必要がある. 端末で,次のコマンドを実行する.

  1. 検索パスの確認

    Ubuntu では /etc/ld.so.conf.d/libc.conf により /usr/local/lib が既に検索パスに含まれていることが多い.次のコマンドで確認する.

    grep -r "/usr/local/lib" /etc/ld.so.conf /etc/ld.so.conf.d/
    
  2. 検索パスの追加

    上のコマンドで /usr/local/lib が見つからない場合のみ,次のコマンドを実行して検索パスに追加する.

    echo "/usr/local/lib" | sudo tee /etc/ld.so.conf.d/usrlocal.conf
    
  3. キャッシュの更新

    設定を反映するため,次のコマンドを実行する.

    sudo ldconfig