ROS 2 Dashing Diademata のインストール (Windows 上)

Windows で,ROS 2 Dashing Diademata をインストールする.

【関連する外部ページ】

http://wiki.ros.org/Installation/Windows

前準備

*ROS 2 が指定しているバージョンであるPython 3.7をインストール.

Build Tools for Visual Studio 2022 (ビルドツール for Visual Studio 2022)または Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)

CUDAツールキットは、GPU上でコードをコンパイルするためにC++コンパイラを必要とします。そのため、事前にMicrosoft C++ Build Tools または Visual Studio (C++開発ワークロードを含む) をインストールしておく必要があります。

インストールの判断Build Tools for Visual Studio は,C++コンパイラなどを含む開発ツールセットです. Visual Studio は統合開発環境であり,いくつかのエディションがあり,Build Tools for Visual Studioの機能を含むか連携して使用します.インストールは以下の基準で判断してください:

不明な点がある場合は,Visual Studio 全体をインストール する方が、後で機能を追加する手間が省ける場合があります.

Build Tools for Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動します(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)。

    以下のwingetコマンドを実行します。wingetはWindows標準のパッケージマネージャーです。

    --scope machine オプションはシステム全体にインストールすることを意味します。

    次のコマンドは,Build Tools for Visual Studio 2022と、多くのプログラムで必要とされるVC++ 2015以降の再頒布可能パッケージをインストールします.

    winget install --scope machine Microsoft.VisualStudio.2022.BuildTools
    winget install --scope machine Microsoft.VCRedist.2015+.x64
    
  2. Build Tools for Visual Studio 2022 で C++ によるデスクトップ開発関連コンポーネントのインストール

    CUDA開発には、標準のC++開発ツールに加えて、特定のコンポーネントが必要になる場合があります。

    1. Visual Studio Installer を起動します。

      起動方法: スタートメニューから「Visual Studio Installer」を探して実行します.

    2. Visual Studio Build Tools 2022 の項目で「変更」ボタンをクリックします.
    3. 「ワークロード」タブで「C++ によるデスクトップ開発」をクリックして選択します。画面右側の「インストールの詳細」で、必要に応じて「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」、「ATL」、「MFC」などをチェックします(これらは一般的なC++開発や特定のプロジェクトタイプで必要になる場合があります)。その後、「変更」をクリックしてインストールまたは変更を適用します.

Visual Studio Community 2022 のインストール(Windows 上)

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動します。
  2. インストールコマンドの実行

    以下のwingetコマンドを実行します。--override "--add ..." 部分で、インストールするワークロードやコンポーネントを指定しています。

    winget install Microsoft.VisualStudio.2022.Community --scope machine --override "--add Microsoft.VisualStudio.Workload.NativeDesktop Microsoft.VisualStudio.ComponentGroup.NativeDesktop.Core Microsoft.VisualStudio.Component.VC.CLI.Support Microsoft.VisualStudio.Component.CoreEditor Microsoft.VisualStudio.Component.NuGet Microsoft.VisualStudio.Component.Roslyn.Compiler Microsoft.VisualStudio.Component.TextTemplating Microsoft.VisualStudio.Component.Windows.SDK.Latest Microsoft.VisualStudio.Component.VC.Tools.x86.x64 Microsoft.VisualStudio.Component.VC.ATL Microsoft.VisualStudio.Component.VC.ATLMFC"
    winget install Microsoft.VisualStudio.2022.Community --scope machine Microsoft.VCRedist.2015+.x64
    

    インストールされる主要なコンポーネントの説明:

    • NativeDesktop (C++によるデスクトップ開発): CUDA開発に必要なC++コンパイラ(VC.Tools.x86.x64)やWindows SDK (Windows.SDK.Latest)など、基本的な開発ツール一式を含みます。
    • CoreEditor: Visual Studioの基本的なコードエディタ機能を提供します。
    • VC.CLI.Support: C++/CLIを用いた開発サポート(通常、純粋なCUDA C++開発では不要な場合もあります)。
    • NuGet: .NETライブラリ管理用(C++プロジェクトでも利用されることがあります)。
    • VC.ATL / VC.ATLMFC: 特定のWindowsアプリケーション開発フレームワーク(通常、CUDA開発自体には直接必要ありません)。

    システム要件と注意事項:

    • 管理者権限でのインストールが必須です。
    • 必要ディスク容量:10GB以上(選択するコンポーネントにより変動)。
    • 推奨メモリ:8GB以上のRAM。
    • インストール過程でシステムの再起動が要求される可能性があります。
    • 安定したインターネット接続環境が必要です。

    後から追加のコンポーネントが必要になった場合は,Visual Studio Installerを使用して個別にインストールすることが可能です.

  3. インストール完了の確認

    インストールが成功したか確認するには、管理者権限のコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します。

    winget list Microsoft.VisualStudio.2022.Community
    

    リストに表示されればインストールされています。

    トラブルシューティング:

    インストール失敗時は,以下のログファイルを確認すると原因究明の手がかりになります:

    %TEMP%\dd_setup_.log
    %TEMP%\dd_bootstrapper_.log

    ( は実行日時に対応する文字列)

  4. (オプション) Visual Studio Installer での確認と変更

    wingetでのインストール後も、Visual Studio Installerを使ってインストール内容を確認・変更できます。

    1. Visual Studio Installer を起動します。
    2. Visual Studio Community 2022 の項目で「変更」をクリックします。
    3. 「ワークロード」タブで「C++ によるデスクトップ開発」がチェックされていることを確認します。必要であれば、「個別のコンポーネント」タブで特定のツール(例: 特定バージョンのMSVCコンパイラ、CMakeツールなど)を追加・削除できます。「インストールの詳細」で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」などが選択されているかも確認できます。変更後、「変更」または「インストール」をクリックします。

Python 3.7 のインストール(Windows 上)

Pythonは,プログラミング言語の1つ.

手順

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
  2. 次のコマンドを実行

    次のコマンドは,Python ランチャーとPython 3.7をインストールする.

    winget install --scope machine Python.Launcher
    winget install --scope machine Python.Python.3.7
    

関連する外部ページ

サイト内の関連ページ

関連項目Python

OpenSSL のインストール

  1. 次のページより,ROS 2 が指定するバージョンである OpenSSL v1.0.2u をダウンロードし,インストールする.
  2. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択).

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

  3. 次のコマンドを実行
    setx -m OPENSSL_CONF C:\OpenSSL-Win64\bin\openssl.cfg
    
  4. Windowsシステム環境変数 PATH に,次を追加する
    C:\OpenSSL-Win64\bin\
    

ROS のサイトが配布する OpenCV のインストール

  1. 次のファイルをダウンロードする.

    https://github.com/ros2/ros2/releases/download/opencv-archives/opencv-3.4.6-vc16.VS2019.zip

  2. ダウンロードした .zip ファイルを展開(解凍)する.

    Windows での展開(解凍)に便利な 7-Zip: 別ページ »で説明

  3. 展開(解凍)してできたファイルを,C:\opencv の下に移す
  4. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択).

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

  5. 次のコマンドを実行
    setx -m OpenCV_DIR C:\opencv
    
  6. Windowsシステム環境変数 PATH に,次を追加する
    C:\opencv\x64\vc16\bin
    

Chocolatey のインストール(Windows 上)

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
  2. 次のコマンドを実行

    次のコマンドは,Chocolateyパッケージマネージャーをインストールするものである.

    winget install --scope machine Chocolatey.Chocolatey Chocolatey.ChocolateyGUI
    

Chocolatey を用いて Visual Studio 再配布パッケージ,cmake

Visual Studio 再配布パッケージのインストール

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)

    次のコマンドを実行してインストール

    choco install -y vcredist2013 vcredist140
    

CMake のインストール

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)

    次のコマンドを実行してインストール

    choco install -y cmake
    
  2. Windowsシステム環境変数 PATH に,次を追加する
    C:\Program Files\Cmake\bin
    

いくつかのパッケージのインストール

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)

    次のコマンドを実行

    mkdir c:\tools
    
  2. 次のページからアセットをダウンロード

    https://github.com/ros2/choco-packages/releases/tag/2020-02-24

    ダウンロードしたファイルは c:\tools に置く.

    cd c:\tools
    choco install -y -s c:\tools asio cunit eigen tinyxml-usestl tinyxml2 log4cxx
    
  3. 新しくコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.
    py -m pip install -U catkin_pkg empy lark-parser lxml numpy opencv-python opencv-contrib-python pyparsing pyyaml
    py -m pip install -U pydot PyQt5
    

ROS 2 Dashing Diademata のインストール

  1. ROS の配布ページを開く

    https://github.com/ros2/ros2/releases

  2. Windows 版をダウンロード
  3. ダウンロードした .zip ファイルを展開(解凍)する.

    Windows での展開(解凍)に便利な 7-Zip: 別ページ »で説明

  4. 展開(解凍)してできたファイルを,C:\dev\ros2_dashing の下に移す
  5. Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行
  6. 次のコマンドを実行してセットアップ
    call C:\dev\ros2_dashing\local_setup.bat
    
  7. Windowsシステム環境変数 PATH に,次を追加する
    C:\dev\ros2_dashing\bin
    C:\dev\ros2_dashing\Scripts
    
  8. エラーメッセージが出ていないことを確認

    「Warning」の警告メッセージは気にしないことにする.

  9. C:\dev\ros2_dashing\Scripts\ros2-script.py の先頭行を次のように書き換える

    * Windows で ROS2 を使うときに「failed to create process.」と出て使えないことを防ぐため.

    #!C:\Program Files\Python\Python37\python.exe
    

動作確認

  1. コマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.
    call C:\dev\ros2_dashing\local_setup.bat
    ros2 run demo_nodes_cpp talker
    
  2. コマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.
    call C:\dev\ros2_dashing\local_setup.bat
    ros2 run demo_nodes_py listener