Java JDK 8 (Java SE Development 8) のインストール (Windows 上)

【要約】本記事では、Windows環境におけるJava SE Development Kit 8 (JDK 8) のインストール手順を解説する。Oracle公式サイトからのインストーラダウンロード、インストール作業、環境変数(JAVA_HOME、Path)の設定、そして簡単なJavaプログラムのコンパイルと実行までを扱う。なお、Oracle JDK 8は商用利用時にライセンス許諾が必要となる場合があるため、最新のLTS版や他のOpenJDKディストリビューションも検討することを推奨する。

【目次】

  1. ダウンロードとインストール
  2. 設定
  3. サンプルプログラムの実行
  4. クラス定義の例 (MyClass)
  5. 次のステップ

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ダウンロードとインストール

  1. Java ダウンロードのウェブページを開く。このページから過去のバージョン(Java Archive)を探す必要がある。

    https://www.oracle.com/java/technologies/downloads/

    注意: Oracle JDKのダウンロードには、Oracleプロファイルへのサインインが必要である。アカウントを持っていない場合は、事前に作成する。

  2. ページのスクロールや検索機能を利用し、「Java SE Development Kit 8uXXX」(XXXは特定のアップデート番号)のセクションを探す。本記事では例として「8u341」を使用するが、利用可能な最新のJDK 8アップデート版を選択することを推奨する。見つけたら、「Windows」タブを選択する。
  3. 自身の環境(64ビット版または32ビット版)に対応するインストーラ(例: `jdk-8uXXX-windows-x64.exe` または `jdk-8uXXX-windows-i586.exe`)の隣にある「Download」リンクをクリックする。
    • 64ビット版のJavaを使うときは、下図のように、`jdk-8uXXX-windows-x64.exe` を選ぶ。
    • 32ビット版のJavaを使うときは、下図のように、`jdk-8uXXX-windows-i586.exe` を選ぶ。
    JDK 8 ダウンロードページでインストーラを選択する画面
  4. 表示内容をよく確認する。

    ライセンス条項は必ず確認すること

    Oracle JDK ライセンス条項の確認画面
  5. Download ...」をクリックする。
    ダウンロードボタンをクリックする画面
  6. このあと、Oracleプロファイルへのサインインを求められる場合がある。オラクルのアカウントでサインインする。
  7. .exe形式のファイルのダウンロードが始まる。

    利用条件に合意する場合に限り続行する。

    ファイルダウンロード開始の画面
  8. 画面の指示により、Oracleプロファイルにサインインする。
  9. サインインすると、ダウンロードが始まる。
    ダウンロード進行中の画面
  10. ダウンロードされた .exe ファイルを実行する。
    ダウンロードされたインストーラファイルのアイコン
  11. 最初の画面では、「」をクリックする。
    JDK インストーラの初期画面
  12. インストールするオプション機能の設定。デフォルトのままでよい。「」をクリックする。
    インストールオプション選択画面
  13. インストールが始まる。
    インストール進行中の画面
  14. インストールディレクトリの設定。デフォルトのままでよい。「」をクリックする。

    (注意: ここで指定したパスは後の環境変数設定で使う。デフォルト以外に変更した場合は覚えておく。)

    インストールディレクトリ選択画面
  15. インストールの終了を待つ。
    インストール完了待機中の画面
  16. インストール完了の確認。「閉じる」をクリックする。
    インストール完了画面

設定

Javaコンパイラ(javac)や実行環境(java)をコマンドプロンプトから簡単に利用できるようにするため、環境変数を設定する。`JAVA_HOME`はJDKのインストール場所を示し、`Path`には実行ファイルの場所(binディレクトリ)を追加する。

1. JDKインストールパスの確認

まず、JDKがインストールされた場所を確認する。デフォルト設定の場合、以下のようになるが、インストール時に変更した場合やアップデート番号が異なる場合は実際のパスを確認する。エクスプローラーで確認できる。

このJDKインストールパスを以降 `<JDK_INSTALL_PATH>` と表記する。また、`Path`に追加するbinディレクトリのパスは `<JDK_INSTALL_PATH>\bin` となる。

重要: 以下の手順でパスを指定する際は、自身の環境に合わせて `<JDK_INSTALL_PATH>` の部分を必ずエクスプローラー等で確認した実際のパスに読み替える。

2. 環境変数の設定方法

環境変数の設定は、GUI(グラフィカルユーザインターフェース)で行う方法と、コマンドプロンプト(管理者権限)で行う方法がある。どちらか一方で設定すればよい。

方法A: GUIによる設定
  1. Windowsの検索ボックスに「環境変数」と入力し、「システム環境変数の編集」を選択する。
  2. 「システムのプロパティ」ウィンドウが開くので、「環境変数(N)...」ボタンをクリックする。
  3. 「環境変数」ウィンドウの下部にある「システム環境変数(S)」セクションで操作する。
    • JAVA_HOMEの設定:
      1. 「新規(W)...」ボタンをクリックする。
      2. 「新しいシステム変数」ウィンドウで、「変数名(N)」に `JAVA_HOME`、「変数値(V)」に自身の `<JDK_INSTALL_PATH>`(例: `C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341`)を入力し、「OK」をクリックする。
    • Pathの設定:
      1. システム環境変数の一覧から「Path」を選択し、「編集(E)...」ボタンをクリックする。
      2. 「環境変数名の編集」ウィンドウで、「新規(N)」をクリックする。
      3. 新しい行に `<JDK_INSTALL_PATH>\bin`(例: `C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341\bin`)を入力する。
      4. 入力した行を選択した状態で「上へ(U)」ボタンを数回クリックし、リストの上の方(他のシステムパスより優先されるように)に移動させるとより確実である(必須ではない)。
      5. 「OK」をクリックして「環境変数名の編集」ウィンドウを閉じる。
  4. 「OK」をクリックして「環境変数」ウィンドウを閉じ、「OK」をクリックして「システムのプロパティ」ウィンドウを閉じる。
  5. 設定を反映させるために、開いているコマンドプロンプトがあれば一度閉じ、再度開く。場合によってはPCの再起動が必要なこともある。
方法B: コマンドプロンプト(管理者権限)による設定

Windows で、コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し、「cmd」と入力し、「管理者として実行」を選択)。

以下のコマンドを実行する。`<JDK_INSTALL_PATH>` の部分は、自身の環境に合わせて実際のパスに置き換える。 バックスラッシュ `\` はエスケープのため `\\` と入力するか、パス全体をシングルクォーテーション `'` で囲む必要がある(以下の例ではパスをダブルクォーテーションで囲んでいる)。

例: 64ビット版の場合 (`C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341`):

1. JAVA_HOMEの設定 (システム環境変数を設定するコマンド):

powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable('JAVA_HOME', 'C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341', 'Machine')"

2. Pathへの追加 (既存のPathを取得し、末尾にJDKのbinディレクトリを追加して再設定するコマンド):

powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path', 'Machine'); $newpath = $oldpath + ';C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341\bin'; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable('Path', $newpath, 'Machine')"

例: 32ビット版の場合 (`C:\Program Files (x86)\Java\jdk1.8.0_341`):

1. JAVA_HOMEの設定:

powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable('JAVA_HOME', 'C:\Program Files (x86)\Java\jdk1.8.0_341', 'Machine')"

2. Pathへの追加:

powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path', 'Machine'); $newpath = $oldpath + ';C:\Program Files (x86)\Java\jdk1.8.0_341\bin'; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable('Path', $newpath, 'Machine')"

コマンド実行後、設定を反映させるために、開いているコマンドプロンプトがあれば一度閉じ、再度開く。

3. 設定の確認

新しいコマンドプロンプトを開き(管理者権限である必要はない)、次のコマンドを実行する。

java -version

次のようにインストールしたJDKのバージョン情報が表示されたら設定は成功である。表示されない場合には、環境変数の設定(パスの記述ミスなど)を確認する。

java -version コマンドの実行結果画面

(表示されるバージョン番号は、インストールしたものによって異なる。)

サンプルプログラムの実行

JDKのインストールと環境変数設定が正しく完了したかを確認するために、簡単なJavaプログラムを作成し、コンパイル・実行する。

サンプルプログラム (HelloWorld)

  1. 作業用ディレクトリの準備(推奨)

    プログラムファイルを保存する作業用のディレクトリを作成し、そこに移動することを推奨する。以下のコマンドは例として、Cドライブ直下に `java_practice` ディレクトリを作成し、そこに移動している。

    mkdir C:\java_practice
    cd /d C:\java_practice

    (以下の手順では、この `C:\java_practice` ディレクトリで作業を進めるものとする。もし元の記事のようにホームディレクトリを使いたい場合は `cd /d c:%HOMEPATH%` を実行する。)

  2. ファイル「HelloWorld.java」の編集開始

    Windowsコマンドプロンプトで次のコマンドを実行する。(`notepad` の部分は、他のテキストエディタ(例: VS Code、Sakura Editorなど)を使っても構わない)

    notepad HelloWorld.java
  3. 次のように編集し、保存する。
    public class HelloWorld
    {
        public static void main(String args[])
        {
            System.out.println("Hello Java World !");
        }
    }
    HelloWorld.java の編集画面
  4. コンパイル

    Windowsコマンドプロンプトで次のように操作する。これにより `HelloWorld.class` というファイルが生成される。

    javac HelloWorld.java
    javac HelloWorld.java コマンドの実行画面
  5. 実行

    Windowsコマンドプロンプトで次のように操作する。(`.class` は付けない)

    java HelloWorld

    実行結果は次のようになる。

    java HelloWorld コマンドの実行結果画面

クラス定義の例 (MyClass)

もう一つ、簡単なクラス定義の例も試す。

  1. ファイル「MyClass.java」の編集開始

    (先ほどと同じ作業ディレクトリ `C:\java_practice` で作業する)
    Windowsコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを実行する。(任意のテキストエディタで構わない)

    notepad MyClass.java
  2. 次のように編集し、保存する。
    public class MyClass
    {
        private int x;
        public static void main(String[] args) {
            System.out.println("hello");
        }
    
        public MyClass()
        {
            x = 0;
        }
    
        public int sampleMethod(int y)
        {
            return x + y;
        }
    }
    MyClass.java の編集画面
  3. コンパイル

    Windowsコマンドプロンプトで次のように操作する。これにより `MyClass.class` が生成される。

    javac MyClass.java
    javac MyClass.java コマンドの実行画面
  4. 実行

    Windowsコマンドプロンプトで次のように操作する。(`.class` は付けない)

    java MyClass

    実行結果は次のようになる。

    hello
    java MyClass コマンドの実行結果画面

次のステップ

JDKのインストールが完了したら、より効率的な開発のために統合開発環境(IDE)の導入を検討する。Eclipse、IntelliJ IDEA Community Edition、Visual Studio Code (VS Code) + Java Extension Packなどが広く使われている。IDEを使えば、コードの編集、コンパイル、実行、デバッグなどをより簡単に行うことができる。

また、Javaの文法やプログラミングについては、【サイト内の関連ページ】Java のプログラミング: 別ページ » を参照されたい。