Java JDK 8 (Java SE Development 8) のインストール (Windows 上)
【要約】本記事では、Windows環境におけるJava SE Development Kit 8 (JDK 8) のインストール手順を解説する。Oracle公式サイトからのインストーラダウンロード、インストール作業、環境変数(JAVA_HOME、Path)の設定、そして簡単なJavaプログラムのコンパイルと実行までを扱う。なお、Oracle JDK 8は商用利用時にライセンス許諾が必要となる場合があるため、最新のLTS版や他のOpenJDKディストリビューションも検討することを推奨する。
【目次】
【関連する外部ページ】
- Java SE (Standard Edition): https://www.oracle.com/jp/java/technologies/java-se-glance.html
【サイト内の関連ページ】
- Java のプログラミング: 別ページ »にまとめ
ダウンロードとインストール
- Java ダウンロードのウェブページを開く。このページから過去のバージョン(Java Archive)を探す必要がある。
https://www.oracle.com/java/technologies/downloads/
注意: Oracle JDKのダウンロードには、Oracleプロファイルへのサインインが必要である。アカウントを持っていない場合は、事前に作成する。
- ページのスクロールや検索機能を利用し、「Java SE Development Kit 8uXXX」(XXXは特定のアップデート番号)のセクションを探す。本記事では例として「8u341」を使用するが、利用可能な最新のJDK 8アップデート版を選択することを推奨する。見つけたら、「Windows」タブを選択する。
- 自身の環境(64ビット版または32ビット版)に対応するインストーラ(例: `jdk-8uXXX-windows-x64.exe` または `jdk-8uXXX-windows-i586.exe`)の隣にある「Download」リンクをクリックする。
- 64ビット版のJavaを使うときは、下図のように、`jdk-8uXXX-windows-x64.exe` を選ぶ。
- 32ビット版のJavaを使うときは、下図のように、`jdk-8uXXX-windows-i586.exe` を選ぶ。
- 表示内容をよく確認する。
ライセンス条項は必ず確認すること。
- 「Download ...」をクリックする。
- このあと、Oracleプロファイルへのサインインを求められる場合がある。オラクルのアカウントでサインインする。
- .exe形式のファイルのダウンロードが始まる。
利用条件に合意する場合に限り続行する。
- 画面の指示により、Oracleプロファイルにサインインする。
- サインインすると、ダウンロードが始まる。
- ダウンロードされた .exe ファイルを実行する。
- 最初の画面では、「次」をクリックする。
- インストールするオプション機能の設定。デフォルトのままでよい。「次」をクリックする。
- インストールが始まる。
- インストールディレクトリの設定。デフォルトのままでよい。「次」をクリックする。
(注意: ここで指定したパスは後の環境変数設定で使う。デフォルト以外に変更した場合は覚えておく。)
- インストールの終了を待つ。
- インストール完了の確認。「閉じる」をクリックする。
設定
Javaコンパイラ(javac)や実行環境(java)をコマンドプロンプトから簡単に利用できるようにするため、環境変数を設定する。`JAVA_HOME`はJDKのインストール場所を示し、`Path`には実行ファイルの場所(binディレクトリ)を追加する。
1. JDKインストールパスの確認
まず、JDKがインストールされた場所を確認する。デフォルト設定の場合、以下のようになるが、インストール時に変更した場合やアップデート番号が異なる場合は実際のパスを確認する。エクスプローラーで確認できる。
- 64ビット版の場合の例: `C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341`
- 32ビット版の場合の例: `C:\Program Files (x86)\Java\jdk1.8.0_341`
このJDKインストールパスを以降 `<JDK_INSTALL_PATH>` と表記する。また、`Path`に追加するbinディレクトリのパスは `<JDK_INSTALL_PATH>\bin` となる。
重要: 以下の手順でパスを指定する際は、自身の環境に合わせて `<JDK_INSTALL_PATH>` の部分を必ずエクスプローラー等で確認した実際のパスに読み替える。
2. 環境変数の設定方法
環境変数の設定は、GUI(グラフィカルユーザインターフェース)で行う方法と、コマンドプロンプト(管理者権限)で行う方法がある。どちらか一方で設定すればよい。
方法A: GUIによる設定
- Windowsの検索ボックスに「環境変数」と入力し、「システム環境変数の編集」を選択する。
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが開くので、「環境変数(N)...」ボタンをクリックする。
- 「環境変数」ウィンドウの下部にある「システム環境変数(S)」セクションで操作する。
- JAVA_HOMEの設定:
- 「新規(W)...」ボタンをクリックする。
- 「新しいシステム変数」ウィンドウで、「変数名(N)」に `JAVA_HOME`、「変数値(V)」に自身の `<JDK_INSTALL_PATH>`(例: `C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341`)を入力し、「OK」をクリックする。
- Pathの設定:
- システム環境変数の一覧から「Path」を選択し、「編集(E)...」ボタンをクリックする。
- 「環境変数名の編集」ウィンドウで、「新規(N)」をクリックする。
- 新しい行に `<JDK_INSTALL_PATH>\bin`(例: `C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341\bin`)を入力する。
- 入力した行を選択した状態で「上へ(U)」ボタンを数回クリックし、リストの上の方(他のシステムパスより優先されるように)に移動させるとより確実である(必須ではない)。
- 「OK」をクリックして「環境変数名の編集」ウィンドウを閉じる。
- JAVA_HOMEの設定:
- 「OK」をクリックして「環境変数」ウィンドウを閉じ、「OK」をクリックして「システムのプロパティ」ウィンドウを閉じる。
- 設定を反映させるために、開いているコマンドプロンプトがあれば一度閉じ、再度開く。場合によってはPCの再起動が必要なこともある。
方法B: コマンドプロンプト(管理者権限)による設定
Windows で、コマンドプロンプトを管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し、「cmd」と入力し、「管理者として実行」を選択)。
以下のコマンドを実行する。`<JDK_INSTALL_PATH>` の部分は、自身の環境に合わせて実際のパスに置き換える。 バックスラッシュ `\` はエスケープのため `\\` と入力するか、パス全体をシングルクォーテーション `'` で囲む必要がある(以下の例ではパスをダブルクォーテーションで囲んでいる)。
例: 64ビット版の場合 (`C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341`):
1. JAVA_HOMEの設定 (システム環境変数を設定するコマンド):
powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable('JAVA_HOME', 'C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341', 'Machine')"
2. Pathへの追加 (既存のPathを取得し、末尾にJDKのbinディレクトリを追加して再設定するコマンド):
powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path', 'Machine'); $newpath = $oldpath + ';C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_341\bin'; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable('Path', $newpath, 'Machine')"
例: 32ビット版の場合 (`C:\Program Files (x86)\Java\jdk1.8.0_341`):
1. JAVA_HOMEの設定:
powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable('JAVA_HOME', 'C:\Program Files (x86)\Java\jdk1.8.0_341', 'Machine')"
2. Pathへの追加:
powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path', 'Machine'); $newpath = $oldpath + ';C:\Program Files (x86)\Java\jdk1.8.0_341\bin'; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable('Path', $newpath, 'Machine')"
コマンド実行後、設定を反映させるために、開いているコマンドプロンプトがあれば一度閉じ、再度開く。
3. 設定の確認
新しいコマンドプロンプトを開き(管理者権限である必要はない)、次のコマンドを実行する。
java -version
次のようにインストールしたJDKのバージョン情報が表示されたら設定は成功である。表示されない場合には、環境変数の設定(パスの記述ミスなど)を確認する。
(表示されるバージョン番号は、インストールしたものによって異なる。)
サンプルプログラムの実行
JDKのインストールと環境変数設定が正しく完了したかを確認するために、簡単なJavaプログラムを作成し、コンパイル・実行する。
サンプルプログラム (HelloWorld)
- 作業用ディレクトリの準備(推奨)
プログラムファイルを保存する作業用のディレクトリを作成し、そこに移動することを推奨する。以下のコマンドは例として、Cドライブ直下に `java_practice` ディレクトリを作成し、そこに移動している。
mkdir C:\java_practice cd /d C:\java_practice
(以下の手順では、この `C:\java_practice` ディレクトリで作業を進めるものとする。もし元の記事のようにホームディレクトリを使いたい場合は `cd /d c:%HOMEPATH%` を実行する。)
- ファイル「HelloWorld.java」の編集開始
Windows のコマンドプロンプトで次のコマンドを実行する。(`notepad` の部分は、他のテキストエディタ(例: VS Code、Sakura Editorなど)を使っても構わない)
notepad HelloWorld.java
- 次のように編集し、保存する。
public class HelloWorld { public static void main(String args[]) { System.out.println("Hello Java World !"); } }
- コンパイル
Windows のコマンドプロンプトで次のように操作する。これにより `HelloWorld.class` というファイルが生成される。
javac HelloWorld.java
- 実行
Windows のコマンドプロンプトで次のように操作する。(`.class` は付けない)
java HelloWorld
実行結果は次のようになる。
クラス定義の例 (MyClass)
もう一つ、簡単なクラス定義の例も試す。
- ファイル「MyClass.java」の編集開始
(先ほどと同じ作業ディレクトリ `C:\java_practice` で作業する)
Windows のコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを実行する。(任意のテキストエディタで構わない)notepad MyClass.java
- 次のように編集し、保存する。
public class MyClass { private int x; public static void main(String[] args) { System.out.println("hello"); } public MyClass() { x = 0; } public int sampleMethod(int y) { return x + y; } }
- コンパイル
Windows のコマンドプロンプトで次のように操作する。これにより `MyClass.class` が生成される。
javac MyClass.java
- 実行
Windows のコマンドプロンプトで次のように操作する。(`.class` は付けない)
java MyClass
実行結果は次のようになる。
hello
次のステップ
JDKのインストールが完了したら、より効率的な開発のために統合開発環境(IDE)の導入を検討する。Eclipse、IntelliJ IDEA Community Edition、Visual Studio Code (VS Code) + Java Extension Packなどが広く使われている。IDEを使えば、コードの編集、コンパイル、実行、デバッグなどをより簡単に行うことができる。
また、Javaの文法やプログラミングについては、【サイト内の関連ページ】Java のプログラミング: 別ページ » を参照されたい。