Xming の X サーバソフトウェアのインストール(Windows 上)

この記事では、Windows 環境でX ServerソフトウェアであるXmingをインストールし、基本的な設定とテスト実行を行う手順を解説します。リモートのUNIX/Linux環境のGUIアプリケーションをWindows上で利用したい場合などに役立ちます。

はじめに

X Serverとは、主にUNIXやLinuxなどのOSで利用されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)システムである「X Window System」のサーバ側コンポーネントです。Windows環境でX Serverソフトウェア(Xmingなど)を利用することで、別のマシン(例:Linuxサーバー)で動作しているGUIアプリケーションの画面を、手元のWindows PC上に表示・操作することが可能になります。

Xmingは、Windows向けのX Serverソフトウェアの一つです。この記事では、そのインストールと基本的な使い方を説明します。

Xmingのバージョンと入手に関する注意:

Xmingのインストール

Xming本体と、文字表示に必要なフォントをインストールします。

3.1. Xming本体のダウンロードとインストール

  1. ダウンロード:

    Xmingの旧版(パブリックドメイン)はSourceForgeからダウンロードできます。

    http://sourceforge.net/projects/xming を開きます。

    Xming の右横の「Download」ボタンをクリックします。

    ファイルリストから「Xming-6-9-0-31-setup.exe」を探し、クリックしてダウンロードします。

    * 補足: 最新の寄付版は公式サイト http://www.straightrunning.com/XmingNotes/ から入手できますが、手順が異なる場合があります。

  2. インストーラーの起動:

    ダウンロードした Xming-6-9-0-31-setup.exe ファイルを実行します。

  3. ようこそ画面:

    Next」をクリックします。

  4. インストール先の設定:

    通常はデフォルトのままで問題ありません。「Next」をクリックします。

  5. コンポーネントの選択:

    通常はデフォルトのままで問題ありません。SSHクライアント(PuTTY)などが不要な場合はチェックを外すことも可能ですが、迷ったらデフォルトのまま「Next」をクリックします。

  6. スタートメニューフォルダの設定:

    デフォルトのままでよいです。「Next」をクリックします。

  7. 追加タスクの選択:

    デスクトップやクイック起動バーにXLaunch(Xmingの設定・起動ツール)のアイコンを作成するかなどを選択します。「Create a desktop icon for XLaunch」にチェックを入れておくと、後で起動する際に便利です。選択後、「Next」をクリックします。

  8. インストールの開始:

    内容を確認し、「Install」をクリックします。

  9. インストール完了:

    Finish」をクリックします。

    インストール完了画面で「Launch Xming」にチェックが入っていると、「Finish」クリック後にXmingが自動的に起動します。(ただし、この時点ではフォントがインストールされていないため、設定ツール(XLaunch)を先に進める前に、次のフォントインストールを行うことを推奨します。)

3.2. Xmingフォントのダウンロードとインストール

  1. ダウンロード:

    Xming本体をダウンロードしたSourceForgeのページ (http://sourceforge.net/projects/xming/files/) に戻り、「Xming-fonts」を探します。

    Xming-fonts の右横の「Download」をクリックします。

    ファイルリストから「Xming-fonts-7-4-0-3-setup.exe」を探し、クリックしてダウンロードします。

  2. インストーラーの起動:

    ダウンロードした Xming-fonts-7-4-0-3-setup.exe ファイルを実行します。

  3. ようこそ画面:

    Next」をクリックします。

  4. インストール先の設定:

    Xming本体と同じ場所が指定されていることを確認し、「Next」をクリックします。(通常はデフォルトのままでよいです。)

  5. ファイルの確認:

    既に同じファイルが存在する場合、上書きを確認するメッセージが表示されることがあります。通常は「はい」をクリックして問題ありません。

  6. コンポーネントの選択:

    インストールするフォントを選択します。通常はデフォルト(全て選択)のままで問題ありません。「Next」をクリックします。

  7. スタートメニューフォルダの設定:

    デフォルトのままでよいです。「Next」をクリックします。

  8. インストールの開始:

    内容を確認し、「Install」をクリックします。

  9. インストール完了:

    Finish」をクリックします。

XLaunchによるXmingの設定と起動

Xming X Serverの起動と設定は、XLaunch というツールを使って行います。デスクトップに作成したアイコン、またはスタートメニューからXLaunchを起動してください。

  1. ディスプレイ設定 (Display settings):

    起動するX Serverの表示モードを選択します。「Multiple windows」(デフォルト、各Xアプリケーションが個別のWindowsウィンドウとして表示)が一般的です。選択後、「次へ」をクリックします。

  2. セッション種別 (Session type):

    Xming起動時に同時にプログラムを起動するかどうかを選択します。リモートサーバーのプログラムを起動する場合は「Start a program」を選びます。単にX Serverだけを起動しておき、後からSSHクライアントなどで接続する場合は「Start no client」を選びます。ここでは例として「Start no client」を選択し、「次へ」をクリックします。(後述のテスト実行で接続方法を説明します。)

    *Start no client」を選んだ場合は、あとで、手動でクライアント(SSH接続など)を起動することになります。「Start a program」を選んで最初からリモートプログラムを起動することも可能です。

  3. 追加パラメータ (Extra Parameters):

    必要に応じて、クリップボード設定や追加のコマンドラインパラメータ(例:フォントサーバーの指定 -fp tcp/localhost:7100 など)を設定します。通常はデフォルトのままで問題ありません。「次へ」をクリックします。

  4. 設定完了と起動:

    Save configuration」をクリックすると、ここまでの設定内容を .xlaunch という拡張子のファイルに保存できます。次回以降、このファイルをダブルクリックするだけで同じ設定でXmingを起動でき便利です。最後に「完了」をクリックすると、設定に従ってXming (X Server) が起動します。

    * X Serverはバックグラウンドで動作するため、通常、起動しても新しいウィンドウは表示されません。Windowsのタスクトレイ(通知領域)にXmingのアイコンが表示されていれば、正常に起動しています。

テスト実行の例

Xming X Serverを起動した状態で、リモートのUNIX/LinuxマシンやローカルのCygwin環境からGUIアプリケーションを利用する例を紹介します。


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