Xming の X サーバソフトウェアのインストール(Windows 上)
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はじめに
X Serverとは、主にUNIXやLinuxなどのOSで利用されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)システムである「X Window System」のサーバ側コンポーネントである。Windows環境でX Serverソフトウェア(Xmingなど)を利用することで、別のマシン(例:Linuxサーバー)で動作しているGUIアプリケーションの画面を、手元のWindows PC上に表示・操作することが可能になる。
Xmingは、Windows向けのX Serverソフトウェアの一つである。この記事では、そのインストールと基本的な使い方を説明する。
Xmingのバージョンと入手に関する注意:
- XmingにはSourceForgeで配布されている旧版(パブリックドメイン)と、公式サイトで提供されている最新版(寄付が必要)がある。この記事では、SourceForgeから入手可能な旧版を例に説明する。SourceForgeで入手できるのは、Xming本体が 6.9.0.31(2007年公開)、フォントが 7.7.0.10(2016年公開)であり、これらが最新の公開版である。
- 公式サイト: http://www.straightrunning.com/XmingNotes/
- SourceForge配布サイト: https://sourceforge.net/projects/xming/
- 注意: Xming(特にSourceForge版)は長期間更新されていない。現在では、より活発に開発されている代替ソフトウェアも存在する。例えば、VcXsrv(現在の開発は GitHub の marchaesen/vcxsrv で行われている)や、Windows 11(および Windows 10 バージョン 21H2 以降)で利用可能な Windows Subsystem for Linux (WSL) の標準機能である WSLg(特別な設定なしにLinux GUIアプリを利用可能)などがある。新規に環境を作る場合は、これらの利用を検討すること。
Xmingのインストール
Xming本体と、文字表示に必要なフォントをインストールする。
Xming本体のダウンロードとインストール
- ダウンロード:
Xmingの旧版(パブリックドメイン)はSourceForgeからダウンロードできる。
https://sourceforge.net/projects/xming/files/Xming/6.9.0.31/ を開く。
ファイルリストから「Xming-6-9-0-31-setup.exe」をクリックしてダウンロードする。
補足: 最新の寄付版は公式サイト http://www.straightrunning.com/XmingNotes/ から入手できるが、手順が異なる場合がある。
- インストーラーの起動:
ダウンロードした
Xming-6-9-0-31-setup.exeファイルを実行する。 - ようこそ画面:
「Next」をクリックする。
- インストール先の設定:
インストールディレクトリ(フォルダ)は、既定(デフォルト)のままでよい。「Next」をクリックする。
- コンポーネントの選択:
既定(デフォルト)のままでよい。SSHクライアント(PuTTY)などが不要な場合はチェックを外すことも可能であるが、迷ったら既定のまま「Next」をクリックする。
- スタートメニューフォルダの設定:
既定(デフォルト)のままでよい。「Next」をクリックする。
- 追加タスクの選択:
デスクトップやクイック起動バーにXLaunch(Xmingの設定・起動ツール)のアイコンを作成するかなどを選択する。「
Create a desktop icon for XLaunch」にチェックを入れておくと、後で起動する際に便利である。選択後、「Next」をクリックする。 - インストールの開始:
内容を確認し、「Install」をクリックする。
- インストール完了:
インストール完了画面で「
Launch Xming」のチェックを外してから「Finish」をクリックする。(この時点ではフォントがインストールされていないため、先に次のフォントのインストールを行う。)
Xmingフォントのダウンロードとインストール
- ダウンロード:
Xming本体をダウンロードしたSourceForgeのページ (https://sourceforge.net/projects/xming/files/) に戻り、「Xming-fonts」をクリックする。
ファイルリストから「Xming-fonts-7-7-0-10-setup.exe」をクリックしてダウンロードする。
- インストーラーの起動:
ダウンロードした
Xming-fonts-7-7-0-10-setup.exeファイルを実行する。 - ようこそ画面:
「Next」をクリックする。
- インストール先の設定:
Xming本体と同じ場所(既定では
C:\Program Files (x86)\Xming)が指定されていることを確認し、「Next」をクリックする。 - ファイルの確認:
既に同じファイルが存在する場合、上書きを確認するメッセージが表示されることがある。通常は「はい」をクリックして問題ない。
- コンポーネントの選択:
インストールするフォントを選択する。既定(デフォルト)のままでよい。「Next」をクリックする。
- スタートメニューフォルダの設定:
既定(デフォルト)のままでよい。「Next」をクリックする。
- インストールの開始:
内容を確認し、「Install」をクリックする。
- インストール完了:
インストールの終了を確認する。「Finish」をクリックする。
XLaunchによるXmingの設定と起動
Xming X Serverの起動と設定は、XLaunch というツールを使って行う。デスクトップに作成したアイコン、またはスタートメニューからXLaunchを起動する。
- ディスプレイ設定 (Display settings):
起動するX Serverの表示モードを選択する。「
Multiple windows」(既定。各Xアプリケーションが個別のWindowsウィンドウとして表示される)が一般的である。「Display number」は0のままとする。選択後、「次へ(Next)」をクリックする。 - セッション種別 (Session type):
Xming起動時に同時にプログラムを起動するかどうかを選択する。リモートサーバーのプログラムを起動する場合は「
Start a program」を選ぶ。単にX Serverだけを起動しておき、後からSSHクライアントなどで接続する場合は「Start no client」を選ぶ。ここでは例として「Start no client」を選択し、「次へ(Next)」をクリックする。(後述のテスト実行で接続方法を説明する。) - 追加パラメータ (Extra settings):
必要に応じて、クリップボード連携や追加のコマンドラインパラメータを設定する。既定のままでよい。「次へ(Next)」をクリックする。
補足: 同じPC上のCygwinなどからの接続が拒否される場合は、追加パラメータに
-ac(アクセス制御の無効化)を指定する方法があるが、ネットワーク上の他のマシンからの接続も許可されることになるため、必要な場合に限り使用すること。 - 設定完了と起動:
「
Save configuration」をクリックすると、ここまでの設定内容を.xlaunchという拡張子のファイルに保存できる。次回以降、このファイルをダブルクリックするだけで同じ設定でXmingを起動でき便利である。最後に「完了(Finish)」をクリックすると、設定に従ってXming (X Server) が起動する。初回起動時に Windows Defender ファイアウォールの警告が表示された場合は、利用するネットワークを選んで「アクセスを許可する」をクリックする。(SSHのX11転送のみを使う場合は許可しなくてもよい。)
X Serverはバックグラウンドで動作するため、通常、起動しても新しいウィンドウは表示されない。結果の確認として、Windowsのタスクトレイ(通知領域)にXmingのアイコン(黒い X のアイコン)が表示されていることを確認する。表示されていれば正常に起動している。
テスト実行の例
Xming X Serverを起動した状態で、リモートのUNIX/LinuxマシンやローカルのCygwin環境からGUIアプリケーションを利用する例を紹介する。
- UNIX/LinuxマシンにリモートログインしてGUIアプリケーションを使う例
前提条件: この例では、接続先のUNIX/LinuxマシンにSSHでログインできること、接続先で
xeyesやxclockが利用でき、sshd の設定で X11 転送が許可されていること、およびWindows側にPuTTYなどのSSHクライアントがインストールされていることを前提とする。(MobaXtermを使用する場合は、MobaXtermが内部でX Server機能を持っているため、通常Xmingは不要である。)- PuTTYなどのSSHクライアントで、接続先ホストへのセッション設定を開く。
- 「接続」->「SSH」->「X11」カテゴリで、「X11フォワーディングを有効にする」にチェックを入れる。(X display location は空欄または
localhost:0で通常問題ない。) - 設定を保存し、リモートマシンにログインする。
- ログイン後、ターミナルで次のコマンドを実行する。
echo $DISPLAY xeyesecho $DISPLAYでlocalhost:10.0のような値が表示されれば、X11転送が有効になっている。 - 結果の確認: Windowsのデスクトップ上に
xeyesのウィンドウ(マウスカーソルを追う目)が表示されれば、Xmingとの連携は成功である。ウィンドウを閉じるか、ターミナルで Ctrl+C を押すと終了する。
(もしXLaunchで
Start a programとUsing PuTTY (plink.exe)を選んだ場合は、XLaunchがSSH接続とプログラム起動を自動で行う。) - ローカルのCygwin環境でgnuplotを使う例
前提条件: この例を実行するには、事前にCygwin環境がセットアップされ、
gnuplotパッケージ(Mathカテゴリのgnuplot)とgnuplot-X11がインストールされている必要がある。gnuplot は、グラフ描画等の機能を持ったソフトウェアである。
- Cygwinのターミナル(例: mintty)を開く。
- 次のコマンドを実行する。
# Xアプリケーションの表示先を、ローカルマシン(127.0.0.1)で動作するXmingサーバー(:0.0)に設定する export DISPLAY=127.0.0.1:0.0 # gnuplotを起動 gnuplotexport DISPLAY=127.0.0.1:0.0を毎回入力するのが面倒な場合は、Cygwinのホームディレクトリにある.bashrcファイル(なければ作成)の末尾にこの行を追記しておくと、ターミナル起動時に自動で設定される。 - gnuplot のプロンプト(
gnuplot>)で、次を実行する。set terminal x11 plot sin(x)結果の確認: 新しいウィンドウが開き、sin(x) のグラフが表示されれば成功である。
- 確認できたら、gnuplot のプロンプトで次を実行して終了する。
quit