はじめに

【概要】本文書は、アセンブラ基礎実験およびソフトウェア実験で使用するMotorola 68000開発環境を、FreeBSD 5.0-RELEASEベースの配布CDを用いて構築する方法を解説する。CDの構成、FreeBSDのインストール、68000開発ツールの導入手順を説明する。

【目次】

  1. 配布CDの内容
  2. FreeBSDのインストール
  3. 68000エミュレータとコンパイラのインストール
  4. 本実験専用ファイルのインストール
  5. このCDに関する質問について

この配布CDは、アセンブラ基礎実験およびソフトウェア実験の環境を自宅PCに構築するためのものである。

この配布CD中の記載内容およびプログラムの使用によって生じたいかなる結果に対しても、作者は責任を負わない。利用は個人の責任において行うこと。

配布CDの内容

実験用ツールはFreeBSD上で動作する。学内の教育用計算機にはFreeBSD 4.2-STABLEがインストールされているが、このバージョンは入手が困難になっている。そこで本CDでは、FreeBSD 5.0-RELEASEに実験用ツールを追加した構成とした。

FreeBSD 5.0-RELEASE 下記以外のファイル(入手先の例:
ftp://ftp3.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/ISO-IMAGES/5.0/
5.0-RELEASE-i386-disc1.iso
68000エミュレータ jikken/bsvc-2.1.tbz とそれに必要なファイル(*1)
68000クロスコンパイラ等 jikken/m68k-rtems-gcc-2.95.3.tgz
jikken/m68k-rtems-gdb-5.0_3.tgz とそれらに必要なファイル(*1)
本実験専用ファイル jikken/m68k-5.0.tgz

*1 これらはFreeBSDのports/packages(ソフトウェアの配布形式)である。必要なファイルはhttp://www.freebsd.org/ja/
ports/index.html
で調べることができる。たとえば検索ボックスにbsvcと入力すると、bsvcに必要なファイルが表示される。

m68k-rtems-gccは、RTEMS(リアルタイムOS)向けのMotorola 68000クロスコンパイラである。本実験ではRTEMSは使用しないが、68000用のコード生成に利用する。

FreeBSDのインストール

このCDはブータブルである。多くのPCでは、CDをドライブに入れて再起動するとインストールが開始される。

注意:Windowsなど他のOSとの共存については、FreeBSDのドキュメント、Webサイト、書籍等を参照し、個人の責任において行うこと。

実験環境の構築には、以下の設定が必要である。

必須:4.x compat(FreeBSD 4.xとのバイナリ互換性)のインストール

68000クロスコンパイラはFreeBSD 4.x向けにビルドされているため、4.x compatがないと動作しない。

必須:以下のpackages

これらはsysinstall(または/usr/sbin/sysinstall)をrootユーザで実行し、該当項目を選択することで追加できる。OSインストール時でもインストール後でも実行可能である。

筆者のテストでは、X-Kern-Developerオプションを選択し、Distributions以下で4.x compatを選択したほか、以下のpackagesをインストールした。

XFree86-4.2.0_1,1

XFree86-FontServer-4.2.0_1

XFree86-server-4.2.1_6

XFree86-client-4.2.1_2

XFree86-documents-4.2.0

XFree86-font100dpi-4.2.0

XFree86-font75dpi-4.2.0

XFree86-fontcyrillic-4.2.0

XFree86-fontDefaultBitmaps-4.2.0

XFree86-fontEncodings-4.2.0

XFree86-fontScalable-4.2.0

XFree86-libraries-4.2.1_5

expat-1.95.5

freetype2-2.1.2_1

fvwm-2.4.13

gettext_0.11.5_1

gmake-3.80

imake-4.2.0_1

libiconv-1.8_2

libtool-1.3.4_4

m4-1.4_1

perl-5.6.1_11

wrapper-1.0_2

emacs-21.2_2

Xaw3d-1.5

jpeg-6b_1

libungif_4.1.0b1

png-1.2.5

tiff-3.5.7

68000エミュレータとコンパイラのインストール

68000エミュレータ(bsvc)とクロスコンパイラ(m68k-rtems-gcc)をインストールする。これにより、68000アセンブリ言語プログラムのアセンブル、実行、デバッグが可能になる。

これらはsysinstallの選択項目に含まれていないため、コマンドラインからインストールする。以下では、ATAPI接続(一般的なIDE接続)のCDドライブからインストールする手順を示す。

まず、CDをマウントする。

# mount –rt cd9660 /dev/acd0c /cdrom

SCSI CDドライブの場合は、acd0cの代わりにcd0cを指定する。

次に、packageが含まれるディレクトリに移動する。

# cd /cdrom/jikken

パッケージをインストールする。

# pkg_add bsvc-2.1.tbz

# pkg_add m68k-rtems-gcc-2.95.3.tgz

# pkg_add m68k-rtems-gdb-5.0_3.tgz

インストールの確認には以下のコマンドを実行する。

# pkg_info bsvc-2.1

インストールされているpackageの情報が表示される。m68kbinutilsなどの依存packageは自動的にインストールされる。

jikkenディレクトリ内の他のファイルは、必要に応じてインストールすること。アンインストールはpkg_deleteコマンドで行う。

本実験専用ファイルのインストール

本実験用に、アセンブラプログラムをエミュレータで実行するためのスクリプトが用意されている。インストールすると、実験で使用するm68k-asコマンド(アセンブラ)とm68k-emuコマンド(エミュレータ起動)が使用可能になる。

インストール手順は以下のとおりである。

ホームディレクトリに移動し、ファイルをコピーして展開する。

# cd ~/

# cp /cdrom/jikken/m68k-5.0.tgz .

# tar zxvfp m68k-5.0.tgz

インストールスクリプトを実行する。

# cd m68k-5.0

# ./install.sh

このスクリプトは、libディレクトリ以下を/usr/local/lib/soft-jikkenに、binディレクトリ以下を/usr/local/binにコピーする。

インストール完了後、xterm(またはkterm)を開き直し、m68k-asおよびm68k-emuが実行できることを確認すること。

CDを取り出す際は、事前にアンマウントを行う。

# umount /cdrom

このCDに関する質問について

筆者は、このCDの使用に関する質問に個別に回答することはできない。記載内容や収録内容に誤りがある場合は、実験担当教員またはTeaching Assistantに連絡すること。