VirtualBox で,仮想マシンの新規作成と,ゲスト OS としてRaspberry Pi Desktop (for PC and Mac)をインストール
Oracle VM VirtualBox は仮想マシンを実現するためのソフトウェアである. 本ページでは以下の作業を行う.
- 仮想マシンの新規作成
- ゲスト OS として Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac) のインストール
【本ページで得られる成果】
VirtualBox を使用することで,Windows や macOS 上に仮想的なコンピュータ環境を構築できる.これにより,既存の環境を変更することなく Raspberry Pi Desktop を試用でき,不要になった場合は仮想マシンを削除するだけで元の状態に戻せる.教育用途や開発環境の構築に適している.
【前提条件】
- VirtualBox がインストール済みであること
- ホストマシン(VirtualBox を動作させるコンピュータ)に8GB以上のメモリと20GB以上の空きディスク容量があること
- BIOSまたはUEFIで仮想化支援機能(Intel VT-x または AMD-V)が有効になっていること
【目次】
- Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac) のダウンロード
- VirtualBox での仮想マシンの新規作成
- VirtualBox の性能最適化設定
- ゲスト OS として Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac) のインストール
- Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac) の搭載アプリケーション
【サイト内の関連ページ】
- Windows における VirtualBox バージョン 6.1 のインストールと設定: 別ページ »で解説
- Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac) の推奨初期設定: 別ページで解説
- Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac) における基本ソフトウェアのインストール: 別ページ »で説明
【関連する外部リンク】
- VirtualBox の公式サイト: https://www.virtualbox.org/
Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac) のダウンロード
Raspberry Pi Desktop は,Raspberry Pi 財団が提供する Debian ベースの Linux ディストリビューションである.PC や Mac 上で Raspberry Pi と同等の環境を利用できる.
- ダウンロードページにアクセスする
- 「RASPBERRY PI DESKTOP」を選択する
- 「Download ISO」を選択する
- ファイルのダウンロードが開始される
ファイルサイズは約3GBであり,完了まで数分程度待機する
VirtualBox での仮想マシンの新規作成
仮想マシンとは,ソフトウェアによって作成された仮想的なコンピュータである.ここでは Raspberry Pi Desktop をインストールするための仮想マシンを作成する.
- VirtualBox を起動する
- 「新規」を選択する
- 種類は「Linux」,バージョンは「Debian (64-bit)」を選択し,名前を設定して「次へ」を選択する
Raspberry Pi Desktop は Debian ベースのため,Debian を選択する
- メモリサイズは後の手順で設定するため,ここでは「次へ」を選択する
- ハードディスクの設定はデフォルトのままで問題ない.「次へ」を選択する
- ハードディスクタイプの設定はデフォルトのままで問題ない.「次へ」を選択する
- 物理ハードディスクのストレージ設定はデフォルトのままで問題ない.「次へ」を選択する
- ハードディスクのサイズは必要に応じて増設する.「次へ」を選択する
VirtualBox の性能最適化設定
以下の設定により,仮想マシンの性能を向上させることができる.設定値はホストマシンのスペックに応じて調整する.
- VirtualBoxで,「設定」を選択する
- マザーボードの設定を行う
- メインメモリ: 4096MB(ホストマシンの搭載メモリの半分以下を推奨)
- チップセット: ICH9(より新しいハードウェアをエミュレート)
- I/O APIC を有効化: チェック(割り込み処理の効率化)
- ハードウェアクロックをUTCにする: チェック
- プロセッサーの設定を行う
- プロセッサー数: 4(ホストマシンのCPUコア数の半分以下を推奨)
- 使用率制限: 100%
- PAE/NXを有効化: チェック(拡張メモリアドレッシングとセキュリティ機能)
- アクセラレーションの設定を行う
これらの設定により,CPUの仮想化支援機能を活用して性能が向上する.
- 準仮想化インターフェース: Hyper-V
- 仮想化支援機能: VT-x/AMD-Vを有効化: チェック
- ネステッドページングを有効化: チェック(メモリアクセスの高速化)
ゲスト OS として Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac) のインストール
ゲスト OS とは,仮想マシン上で動作するオペレーティングシステムである.ここでは Raspberry Pi Desktop をゲスト OS としてインストールする.
- 作成した仮想マシンを選択し,「起動」を選択して起動する
- 起動ディスクとして,ダウンロードした ISO イメージを選択し,「起動」を選択する
- 「Graphical Install」を選択して Enter キーを押下する
- インストール画面が表示される
- キーボードの設定を行う
「Japanese」を選択し,「Continue」を選択する
- システムの読み込みが開始される
- パーティションの設定を行う
デフォルトの設定で問題ない.「Continue」を選択する
- パーティションの設定を行う
デフォルトの設定で問題ない.「Continue」を選択する
- パーティションの設定を行う
デフォルトの設定で問題ない.「Continue」を選択する
- パーティションの設定を行う
デフォルトの設定で問題ない.「Continue」を選択する
- 設定内容の確認
内容を確認の上,「Yes」を選択し,「Continue」を選択する
-
インストールが開始される.完了まで待機する.
- GRUB ブートローダーのインストールを行う
GRUB はシステム起動時にOSを読み込むためのプログラムである.デフォルトの設定で問題ない.「Continue」を選択する
- GRUB ブートローダーのインストール先を選択する
「/dev/sda」を選択し,「Continue」を選択する
注意:「Enter device manually」は選択しない
-
ブートローダーのインストールが進行する.完了まで待機する.
- インストール完了の確認
「Continue」を選択する
-
システムの最終設定が行われる.完了まで待機する.
-
システムが起動し,デスクトップ画面が表示される
- VirtualBox の Guest Addition をインストールする
Guest Addition により,画面解像度の自動調整,ホストとゲスト間のクリップボード共有,共有フォルダ機能が利用可能になる.
- 端末を起動する
- Guest Addition CD イメージを挿入する
-
「OK」を選択する
- 端末で以下のコマンドを実行する
sudo bash /media/cdrom0/VBoxLinuxAdditions.run
- 端末を起動する
- システムを再起動する
Guest Addition の設定を反映するため,再起動が必要である.
- システムを更新するため,以下のコマンドを実行する
セキュリティ修正や機能改善を適用するため,インストール後にシステムを最新の状態に更新する.
# パッケージリストの情報を更新 sudo apt update sudo apt -yV upgrade sudo apt -yV dist-upgrade sudo rpi-update sudo apt -yV autoremove sudo apt autoclean - 不要なソフトウェアの削除(任意)
ディスク容量を節約したい場合は,以下のコマンドで不要なソフトウェアを削除できる.
注意:削除したソフトウェアは再インストールが必要になる.必要なソフトウェアを誤って削除しないよう,各パッケージの用途を確認してから実行すること.
sudo apt purge wolfram-engine sudo apt purge libreoffice sudo apt purge mozc-server sudo apt purge mozc-data mozc-utils-gui sudo apt purge fcitx sudo apt purge fcitx-data fcitx-bin fcitx-modules sudo apt -yV autoremove sudo apt autoclean
以上の成果物: raspdesktop.ova
Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac) の搭載アプリケーション
Raspberry Pi Desktop には,プログラミング学習や開発に必要なアプリケーションが搭載されている.
デスクトップ環境
LXDE ベースの軽量なデスクトップ環境である.
Java開発環境 BlueJ
教育用に設計された Java 統合開発環境である.オブジェクト指向プログラミングの学習に適している.
統合開発環境 Geany
軽量な統合開発環境であり,複数のプログラミング言語に対応している.
Java開発環境 Greenfoot
教育用の Java 開発環境であり,ゲームやシミュレーションの作成を通じてプログラミングを学習できる.
ビジュアルプログラミング環境 Scratch 2
ブロックを組み合わせてプログラムを作成する環境である.プログラミング初学者に適している.
ウェブブラウザ Chromium
オープンソースのウェブブラウザである.
ファイルマネージャ
ファイルやフォルダの管理を行うアプリケーションである.
コマンドライン端末
コマンドラインインターフェースを提供する端末エミュレータである.
テキストエディタ
テキストファイルの編集を行うアプリケーションである.
C言語コンパイラ
GCC(GNU Compiler Collection)が搭載されており,C言語によるプログラム開発が可能である.