Windows パソコンから Raspbian システムにリモート接続,アプリを開く

ユースケース: ラズベリーパイ (Raspberry Pi) を,Windowsパソコンとネットワークでつなぎ,Windowsパソコンから操作する.

(ラズベリーパイのために,別途,ディスプレイやキーボードを用意したり,つなぎ変えたりするのをやめたい)

目次

  1. 前準備
  2. Raspberry Piと Windows パソコンをネットワーク接続
  3. IP アドレス等の確認(Windows パソコン)
  4. ラズベリーパイ(Raspberry Pi)を起動し,Windows からリモートログインできるか確認してみる

【サイト内の Raspbian 関連ページ】

小型コンピュータ Raspberry Pi について: 別ページ »にまとめ

関連する外部ページhttps://www.pyimagesearch.com/2016/04/18/install-guide-raspberry-pi-3-raspbian-jessie-opencv-3/

前準備

Raspbian の準備

Raspbian (2019-07-10版)をダウンロードし SD カードに書き込む手順は,「別のページ」で説明している.

Raspberry Piと Windows パソコンをネットワーク接続

ここで行うこと: 無線や有線のLAN接続された Windows パソコンがある.ネットワークケーブルを使って、 Raspberry Piと Windows パソコンをネットワーク接続する.

事前確認

次のどちらで使用するかを事前確認する

  1. ラズベリーパイは,Windows を経由してインターネット接続する

    ラズベリーパイは Windows パソコンと,ネットワークケーブル(有線)で接続する. Windowsパソコンは WiFi などでインターネット接続する.(ラズベリーパイは Windows パソコン経由でインターネット接続する)

  2. ラズベリーパイは,Windows を経由せずにインターネット接続する

    ラズベリーパイと,Windows パソコンは, ネットワークケーブルを使い, LANスイッチやルータなどのネットワーク機器をつなぐ (ラズベリーパイとWindowsパソコンをネットワークケーブルで直結することはない).

「1. ラズベリーパイは,Windows を経由してインターネット接続する」場合には,次の「ネットワーク接続の共有(Windowsパソコン)」を行うこと.

ネットワーク接続の共有(Windowsパソコン)

「ラズベリーパイは,Windows を経由してインターネット接続する」場合に必要な設定である.

次の手順で、ネットワーク接続の共有を行う

  1. Windows 10 のメニューで設定を選ぶ
  2. ネットワークとインターネット」を選ぶ
  3. ネットワークと共有センター」を選ぶ
  4. Wi-Fi」を選ぶ

    * Wi-Fi が表示されていないときは、Windows のパソコンで無線LAN接続してから、もう一度試す

  5. Wi-Fi の状態の画面が出る。「プロパティ」をクリック
  6. 共有」をクリック
  7. ネットワークのほかのユーザーに、このコンピュータのインターネット接続を通しての接続を許可する」をチェックし、 「OK」をクリック

IP アドレス等の確認(Windows パソコン)

  1. Windowsコマンドプロンプトを実行する.
  2. Windows パソコンで ARP テーブルの表示

    Windowsコマンドプロンプトで、「arp -a」を実行して,ARPテーブルを表示する.これで,ネットワークにつながっている機器の IP アドレスを確認する

    * Windows での実行結果例

    arp -a 
    
  3. 給電されていない状態で,Raspberry Pi へネットワークケーブルをつなぐ

    そして、ネットワークケーブルは、Windows のノートパソコン(無線LAN接続された Windows パソコン)に直結するか、 ネットワークハブに接続する

  4. Raspberry Pi への給電を開始する
  5. Windows パソコンで ARP テーブルの変化を見る

    増えた IP アドレスが,ラスベリーパイの IP アドレスだと判断される.

    Windowsコマンドプロンプトで、「arp -a」を実行して,ARPテーブルを表示する.そして,先ほどとの変化を見る.

    arp -a 
    

    * Windows での実行結果例 (1)

    Windows のパソコン、 Raspberry Pi ともに,有線のネットワークケーブルで、同じネットワークハブに接続した場合

    Raspberry Pi をつなぐ前

    Raspberry Pi をつないだ後

    増えたIPアドレスを確認する(下の図では 192.168.137.132)。 これが ラズベリーパイ(Raspberry Pi)の IP アドレスである。あとで使う

    * Windows での実行結果例 (2)

    無線LAN接続された Windows パソコンに、ネットワークケーブルで直結した場合

    Raspberry Pi をつなぐ前

    Raspberry Pi をつないだ後

    新しい「インタフェース」が増えていることを確認する(増えない場合には、元に戻って設定をやり直す)

    増えたインタフェースの一番上のアドレスを確認する(下の図では 192.168.2.111)。 これが ラズベリーパイ(Raspberry Pi)の IP アドレスである。あとで使う

    * ARPテーブルを見ても,ラスベリーパイの IP アドレスの確認がうまくできない場合がある

    • LAN内のIPアドレスのスキャンを行って,ラズベリーパイ(Raspberry Pi)の IPアドレスを確認してみる

      「2. ラズベリーパイは,Windows を経由せずにインターネット接続」している場合には,簡単に確認できる

    • LAN内のIPアドレスのスキャンを行って,ラズベリーパイ(Raspberry Pi)の IPアドレスを確認してみる

      LAN内のIPアドレスのスキャンには Advanced IP Scanner などを使用

      Advanced IP Scanner を実行すると,次のような画面が得られる. このとき「過去に接続したことがあるが,いまは起動していないもの」も表示される(記録が残っている場合)ので,起動しているもの(一番右の「状態」で確認)を探すこと

    • ラズベリーパイの IP アドレスが確認できたとき

      「ssh -X pi@<IPアドレス>」でログインしてみる.

      「ssh -X pi@<IPアドレス>」でログインできないときは, パスワードとして「raspberry」を正しく入れているか確認. ラスベリーパイ側の ssh の設定がうまく行っていない可能性がある (このときは,Raspbianのインストールからやり直した方が早い可能性がある)

    • ラズベリーパイの IP アドレスが確認できないとき

      IP アドレスが確認できないときは,RaspberryPiに給電ランプがついているか、ネットワークケーブルの指し口の緩みがないか, ネットワークケーブルのランプがついていることを確認する.

      ネットワークケーブルのランプがついていないときは,ラズベリーパイ(Raspberry Pi)の SDカードへのオペレーティングシステムのインストールができていない可能性がある.

      Windows パソコンと Raspberry Pi を直結していて,ラズベリーパイ(Raspberry Pi)の IP アドレスが確認できないときは, Windows パソコン側での有線LANの設定の「IP アドレスを自動的に取得する」で,そのチェックが外れている場合には,をチェックすること.

ラズベリーパイ(Raspberry Pi)を起動し,Windows からリモートログインできるか確認してみる

リモート接続ソフト MobaXTerm のインストール(Windows 上)

Windows での MobaXTerm のインストールは,「別のページ」でも説明している.ここでは要点のみを示す.

次のサイトで配布されている.MobaXTerm Home Edition (installer edition) をダウンロードしてインストール

https://mobaxterm.mobatek.net/

MobaXTerm の設定

  1. Windows で MobaXTerm を起動する
  2. MobaXTerm で SSH keepalive の設定を行う

    この設定の操作は、一度だけ行っておけば大丈夫

    1. Settings」で「Configuration」を選ぶ
    2. SSH」をクリック
    3. SSH keepalive」をチェックし、 「OK」をクリック

MobaXTerm を用いてリモートログイン

  1. MobaXTerm で「Start local terminal」をクリック
  2. リモートログイン

    リモートログインのとき,「raspberrypi.local」を指定する

    raspberrypi.local」は,Windows の mDNS の機能により,IP アドレスに自動変換される.

    MobaXTerm のコンソールで,次のコマンドを実行

    ssh -X pi@raspberrypi.local
    

    これでうまく接続できない場合には,先ほど調べた IP アドレスを直接指定する

    ssh -X <IPアドレス>
    

* うまくリモートログインできないときのヒント

このとき「Could not resolve hostname raspberrypi.local: Name or service not known」というエラーメッセージがでる場合がある. 次の手順で回避できる可能性がある.

1. まず、IP アドレスを使ってリモートログインできるかを確認

この回避策でもうまくいかない、という場合には、ラズベリーパイ(Raspberry Pi)の SD カードのやり直し、RaspberryPiに給電ランプがついているか、ネットワークケーブルの指し口の緩みがないか、を確認する.

2. 次に、Bonjour for Windows のインストール

  1. Windows のバージョンが、Windows10 1511以前か、Windows 8.1 か Windows 7 であることを必ず確認

    Windows のバージョンが、Windows10 1511以上のときは、Bonjour for Windows のインストールを行わないこと

  2. Windows 用の iTunes の Web ページを開く

    https://www.apple.com/jp/itunes/download/

  3. Windows」をクリック
  4. Windows 用の iTunes」の下の「今すぐダウンロード(64ビット版)」をクリック。ダウンロードが始まる
  5. ダウンロードした iTunes64Setup.exe ファイルを展開(解凍)する。
  6. すると、いくつかのファイルができるので確認する。
  7. この中の Bonjour64.msi を実行する。すると、Bonjour for Windows がインストールされる

* 「うまくいかない」という場合には、 mDNS の設定を行う.

Windows のコマンドプロンプトを管理者として実行する

次のコマンドを実行.して、 Windows 10 の mDNS の機能を有効にするために,ポート 5353 の通信制限を解除する

netsh advfirewall firewall add rule name ="mdns" dir=in protocol=udp localport=5353 action=allow
  • パスワード

    初期パスワードは「raspberry」に設定されている 「raspberry」と入れて、Enterキーを押す。

    * このとき,パスワードが画面には表示されないのは正常動作である.

    「パスワードを保存してよいか」の確認表示に対しては,特に問題が無ければ「Yes

    なお、 MobaXTerm で「ssh」を選び、次のように操作してもリモートログインできる

  • 試しに Raspbian の端末(ターミナル)を開いてみる
    lxterminal
    

    上は,ラブベリーパイの画面

    上は,Windows の画面
  • 確認できたら「exit」でリモートログインを終了
    exit