Apache HTTP サーバ 2.4 のインストールと設定(Windows 上)

【要約】Windows 11環境におけるApache HTTPサーバ2.4の導入と設定方法について詳しく解説する。Apacheは、世界で最も利用されているWebサーバソフトウェアである。本ガイドでは、セキュリティとパフォーマンスを重視した適切な設定方法を詳細に説明する。Apacheの公式サイトから最新の安定版をダウンロードし、セキュリティに配慮しながら展開およびインストールを実施する。その後、httpd.confファイルを編集して必要な設定を行い、Apache HTTPサーバを再起動する。設定の正常性は http://localhost/ へのアクセスで確認でき、「It Works!」の表示が確認できれば正常に動作している。さらに、起動時のトラブルシューティングやセキュリティ設定についても詳しく解説する。

重要なセキュリティ注意事項:Apache HTTPサーバの設定後、以下の点を必要に応じて確認すること。

ダウンロード

  1. Apache公式Webサイトにアクセス

    http://httpd.apache.org/

  2. ダウンロードページへの移動

    左側のフレームにある「Download!」セクション内の「from a mirror」を選択する。

    Apache公式サイトのDownloadセクション
  3. 該当セクションの確認

    表示されたページを下方向にスクロールし、「Apache HTTP Server ... the latest available version」のセクションを確認する。

    最新バージョンのセクション
  4. 「Files for Microsoft Windows」を選択する。
    Windows向けファイルの選択
  5. 「ApacheHaus」を選択し、次の手順に進む。
    ApacheHausの選択
  6. 適切なバージョンとミラーサイトを選択してクリックすると、ダウンロードが開始される。
    バージョンとミラーサイトの選択

インストール

インストール時に「Windowsセキュリティのスマートスクリーン」警告が表示される場合がある。「詳細情報」をクリックし、「実行」を選択してセキュリティブロックを解除すること。

  1. ダウンロードしたZIPファイルの展開を実行する。

    Windowsでの効率的なファイル展開に推奨される7-Zip: 別ページ »で詳細を解説

    ZIPファイルの展開
  2. 重要な注意事項の確認

    readme_first.htmlファイル内の「Notice」セクションを慎重に確認する。内容に同意できる場合のみ、インストールを進めること。

    readme_first.htmlの内容
  3. readme_first.htmlの手順に従い、インストールを実行する。

    最初に、展開した「Apache24」ディレクトリをC:\直下に配置する。C:\Apache24ディレクトリが作成される。

    Apache24ディレクトリの配置
  4. 環境変数PATHの設定:

    Windowsキー + I → システム → 詳細情報 → システムの詳細設定 → 環境変数と進み、システム環境変数のPATHに以下を追加する。

    C:\Apache24\bin
    
  5. サービスのインストールと実行:

    スタートメニューで「cmd」と入力し、「管理者として実行」を選択してコマンドプロンプトを起動し、次のコマンドを実行する。

    httpd -k install
    httpd -k start
    
    コマンドプロンプトでのサービスインストール

    「Windowsセキュリティのスマートスクリーン」が表示された場合は、「詳細情報」→「実行」を選択すること。

    スマートスクリーンの警告

基本設定(httpd.conf)

C:\Apache24\conf\httpd.confをメモ帳で開き、以下の設定を行う。メモ帳を「管理者として実行」して開くことを推奨する。

セキュリティ設定

C:\Apache24\conf\httpd.confに以下のセキュリティ設定を追加する。

# 基本的なセキュリティ設定
ServerTokens Prod
ServerSignature Off
TraceEnable Off

# ディレクトリ一覧の無効化
Options -Indexes

# シンボリックリンクの制限
Options -FollowSymLinks

# .htaccessによる設定変更の制限
AllowOverride None

# アクセス制限の設定
<Directory />
    Require all denied
</Directory>

<Directory "${SRVROOT}/htdocs">
    Require all granted
</Directory>

パフォーマンス最適化設定

C:\Apache24\conf\httpd.confに以下のパフォーマンス設定を追加する。

設定変更後、Apache HTTPサーバを再起動する。

httpd -k restart

Apache HTTPサーバの動作確認

Webブラウザでhttp://localhost/にアクセスする。

下図のように「It Works!」というメッセージが表示されれば、Apache HTTPサーバが正常に稼働している。

It Works!メッセージの表示

一般的なエラーとその解決方法

IISとの競合解決

ポート80を変更する場合:httpd.confのListen 80を任意のポート番号(例:8080)に変更する。

Listen 8080

(開発中)cgi-binの設定手順

  1. PHPのインストールを実行する。

    Windows環境でのPHPインストール手順:別ページ »で詳しく解説

  2. Perlのインストールを実行する。

    Windows環境でのStrawberry Perlインストール手順:別ページ »で詳しく解説

  3. C:\Apache24\cgi-bin\printenv.plファイルの先頭行を以下のように修正する。

    実際のperl.exeの場所に合わせて適切に設定すること。

    #!C:/Strawberry/perl/bin/perl.exe
    
  4. C:\Apache24\cgi-binディレクトリでPHPファイルを実行できるように設定する。

    C:\Apache24\confディレクトリのhttpd.confファイルをテキストエディタで開き、以下の設定を行う。

    • Options ExecCGIの設定
      【変更前】
      <Directory "${SRVROOT}/cgi-bin">
          AllowOverride None
          Options None
          Require all granted
      </Directory>
      
      【変更後】
      <Directory "${SRVROOT}/cgi-bin">
          AllowOverride None
          Options ExecCGI
          Require all granted
      </Directory>
      
      Options ExecCGIの設定
    • CGIスクリプトのハンドラー設定
      AddHandler cgi-script .cgi .pl
      
      CGIハンドラーの設定
    • PHPモジュールの読み込み設定

      PHPのバージョンとインストールパスは、実際の環境に合わせて適切に設定すること。以下は設定例である。

      LoadModule php_module C:/php/php8apache2_4.dll
      
      PHPモジュールの読み込み設定
    • PHPファイルタイプの設定

      .php拡張子のファイルをPHPスクリプトとして実行するための設定を行う。

      httpd.confに以下の2行を追加する。

      AddType application/x-httpd-php .php
      AddType application/x-httpd-php-source .phps
      
    • DirectoryIndexの設定
      【変更前】
      DirectoryIndex index.html
      【変更後】
      DirectoryIndex index.html index.php
      

      この設定は、phpMyAdminの動作に必要である。http://localhost/phpMyAdminにアクセスした際にindex.phpを自動的に読み込むための設定である。

  5. 設定変更を反映するため、Apache HTTPサーバを再起動する。
    httpd -k restart