Stable Diffusion XL 1.0 (SDXL 1.0) のインストール,画像生成(img2txt),画像変換(img2img),APIを利用して複数画像を一括生成(AUTOMATIC1111,Python,PyTorch を使用)(Windows 上)

要約】 AUTOMATIC1111 の Stable Diffusionは,テキストから画像を生成する機能等を有するWebUIを提供する.PythonとPyTorchを使用し,Windows上で動作し,GitHubからダウンロード可能である.インストール後はローカルホスト(http://127.0.0.1:7860)でアクセスし,学習済みモデルを選択して利用できる.また,AltCLIPを用いて多言語(日本語を含む)のテキストエンコーディングが可能である.これは,CLIPのテキストエンコーダを学習済みの多言語エンコーダXLM-Rに置き換えたものである.

目次

  1. 前準備
  2. AUTOMATIC1111 の stable-diffusion-webui のインストールと動作確認(Windows 上)
  3. バージョン 1.4 の学習済みモデルを使用
  4. AltCLIPを使用

関連する外部ページ

AUTOMATIC1111 の stable-diffusion-webui の GitHUb のページ: https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui

前準備

Build Tools for Visual Studio 2022 (ビルドツール for Visual Studio 2022)または Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)

インストールの判断Build Tools for Visual Studio は,開発ツールセットである. Visual Studio は統合開発環境であり,いくつかの種類があり,Build Tools for Visual Studioの機能を含むか連携して使用するものである.インストールは以下の基準で判断してください:

不明な点がある場合は,Visual Studio 全体をインストール を行う方が良い.

Build Tools for Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)

    次のコマンドを実行

    次のコマンドは,Build Tools for Visual Studio 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.

    winget install --scope machine Microsoft.VisualStudio.2022.BuildTools 
    winget install --scope machine Microsoft.VCRedist.2015+.x64
    
  2. Build Tools for Visual Studio 2022 での C++ によるデスクトップ開発,CLI,ATL,MFC のインストール(Windows 上)
    1. Visual Studio Installer の起動

      起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.

    2. Visual Studio Build Tools 2022 で「変更」を選ぶ.
    3. C++ によるデスクトップ開発」をクリック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」,「ATL」,「MFC」をチェックする.その後,「変更」をクリック.

Visual Studio のインストール(Windows 上)

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)

    次のコマンドを実行

    1. コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
    2. インストールコマンドの実行
      winget install Microsoft.VisualStudio.2022.Community --scope machine --override "--add Microsoft.VisualStudio.Workload.NativeDesktop Microsoft.VisualStudio.ComponentGroup.NativeDesktop.Core Microsoft.VisualStudio.Component.VC.CLI.Support Microsoft.VisualStudio.Component.CoreEditor Microsoft.VisualStudio.Component.NuGet Microsoft.VisualStudio.Component.Roslyn.Compiler Microsoft.VisualStudio.Component.TextTemplating Microsoft.VisualStudio.Component.Windows.SDK.Latest Microsoft.VisualStudio.Component.VC.Tools.x86.x64 Microsoft.VisualStudio.Component.VC.ATL Microsoft.VisualStudio.Component.VC.ATLMFC"
      winget install Microsoft.VisualStudio.2022.Community --scope machine Microsoft.VCRedist.2015+.x64
      

      インストールされるコンポーネントの説明:

      • NativeDesktop:C++によるデスクトップアプリケーション開発のためのワークロード一式
      • NativeDesktop.Core:C++デスクトップ開発に必要な基本コンポーネント群
      • VC.CLI.Support:マネージドコードとネイティブコードの統合開発を可能にするC++/CLIサポート
      • CoreEditor:コード編集,デバッグ,検索などの基本機能を提供するVisual Studioのコアエディタ
      • NuGet:.NETライブラリの依存関係を管理するパッケージ管理システム
      • Windows.SDK.Latest:Windows 向けアプリケーション開発用SDK(Software Development Kit)
      • VC.Tools.x86.x64:32ビット及び64ビット向けC++コンパイラとビルドツール
      • VC.ATL:Windowsコンポーネント開発用のActive Template Library
      • VC.ATLMFC:デスクトップアプリケーション開発用のMicrosoft Foundation Class Library

      システム要件と注意事項:

      • 管理者権限でのインストールが必須
      • 必要ディスク容量:10GB以上
      • 推奨メモリ:8GB以上のRAM
      • インストール過程でシステムの再起動が要求される可能性がある
      • 安定したインターネット接続環境が必要

      追加のコンポーネントが必要な場合は,Visual Studio Installerを使用して個別にインストールすることが可能である.

    3. インストール完了の確認
      winget list Microsoft.VisualStudio.2022.Community
      

      トラブルシューティング:

      インストール失敗時は,以下のログファイルを確認:

      %TEMP%\dd_setup_<timestamp>.log
      %TEMP%\dd_bootstrapper_<timestamp>.log
  2. Visual Studio での C++ によるデスクトップ開発,CLI のインストール(Windows 上)
    1. Visual Studio Installer の起動

      起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.

    2. Visual Studio Community 2022 で「変更」を選ぶ.
    3. C++ によるデスクトップ開発」をチェック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」をチェックする.その後,「インストール」をクリック.

Python 3.10,Git のインストール(Windows 上)

Pythonは,プログラミング言語の1つ. Gitは,分散型のバージョン管理システム.

手順

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)

    次のコマンドを実行

    次のコマンドは,Python ランチャーとPython 3.10とGitをインストールし,Gitパスを通すものである.

    次のコマンドでインストールされるGitは 「git for Windows」と呼ばれるものであり, Git,MinGW などから構成されている.

    winget install --scope machine Python.Launcher
    winget install --scope machine Python.Python.3.10
    winget install --scope machine Git.Git
    powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\Git\cmd\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
    

関連する外部ページ

サイト内の関連ページ

関連項目Python, Git バージョン管理システム, Git の利用

Build Tools for Visual Studio 2022,NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 11.8,NVIDIA cuDNN 8.9.7 のインストール(Windows 上)

サイト内の関連ページNVIDIA グラフィックスボードを搭載しているパソコンの場合には, NVIDIA ドライバNVIDIA CUDA ツールキットNVIDIA cuDNN のインストールを行う.

関連する外部ページ

AUTOMATIC1111 の stable-diffusion-webui のインストールと動作確認(Windows 上)

AUTOMATIC1111 の stable-diffusion-webui の GitHUb のページ: https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
  2. Stable Diffusion web UI(AUTOMATIC1111版) のダウンロード
    cd /d c:%HOMEPATH%
    rmdir /s /q stable-diffusion-webui
    git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui
    
  3. 動作確認のため,コマンドプロンプトで,webui-user.bat を実行
    cd /d c:%HOMEPATH%
    cd stable-diffusion-webui
    webui-user.bat
    

    エラーメッセージが出ていないことを確認.

  4. このときの表示に従い,Web ブラウザで,http://127.0.0.1:7860 にアクセス
  5. 画面が開く.

    右上のメニューでは,学習済みモデルを選ぶことができる. 2023年6月時点では,インストール直後に,V1-5-pruned-emaonly,safetensorsを選ぶことができる.

  6. 英語の文章を入れて,「Generate」をクリック.結果を確認.
    日本語の文章を使いたい場合には,下の「動作確認(AltCLIPを使用)」を参考にしてください.

バージョン 1.4 の学習済みモデルを使用

  1. CompVis/stable-diffusion-v-1-4-original で公開されている重み(weight) のファイルをダウンロード

    Web ブラウザで次のページを開き,「sd-v1-4.ckpt」をダウンロード

    https://huggingface.co/CompVis/stable-diffusion-v-1-4-original

  2. 先ほどダウンロードした sd-v1-4.ckpt を %HOMEPATH%stable-diffusion-webui\models\Stable-diffusion の下にコピー
  3. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
  4. コマンドプロンプトで,webui-user.bat を実行
    cd /d c:%HOMEPATH%
    cd stable-diffusion-webui
    webui-user.bat
    
  5. このときの表示に従い,Web ブラウザで,http://127.0.0.1:7860 にアクセス
  6. 英語の文章を入れて,「Generate」をクリック.結果を確認.
    日本語の文章を使いたい場合には,下の「動作確認(AltCLIPを使用)」を参考にしてください.

AltCLIPを使用

AltCLIP の説明

AltCLIP の特徴は, CLIP のテキストエンコーダ (text encoder) を 学習済みの多言語のテキストエンコーダ XLM-R で置き換えたこと.

文献

Zhongzhi Chen, Guang Liu, Bo-Wen Zhang, Fulong Ye, Qinghong Yang, Ledell Wu, AltCLIP: Altering the Language Encoder in CLIP for Extended Language Capabilities, arXiv:2211.06679, 2022.

  1. AUTOMATIC1111 の Wiki のページを開く.

    https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui/wiki/Features#stable-diffusion-20

  2. Alt-Diffusion の下の「Download」をクリック
  3. safetensorsのファイルと, yamlrのファイルをダウンロード
  4. 先ほどダウンロードした 2つのファイルを %HOMEPATH%stable-diffusion-webui\models\Stable-diffusion の下にコピー
  5. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
  6. コマンドプロンプトで,webui-user.bat を実行
    cd /d c:%HOMEPATH%
    cd stable-diffusion-webui
    webui-user.bat
    
  7. このときの表示に従い,Web ブラウザで,http://127.0.0.1:7860 にアクセス
  8. checkpoint のタブで確認できる.
  9. 文章を入れて,「Generate」をクリック.結果を確認.

    日本語でも動くようです.