NVIDIA ドライバ、NVIDIA CUDA ツールキット 12.8、NVIDIA cuDNN v9.19.0 のインストール(Windows 上)
このWebページに記載しているプログラムは https://github.com/tensorflow/tensorflow#download-and-setup をもとに作成
GPUとは
GPU(Graphics Processing Unit)は、高い並列計算能力を持つプロセッサである。3次元コンピュータグラフィックス、3次元ゲーム、動画編集、科学計算、ディープラーニングなど、並列処理が求められる幅広い分野で活用されている。
GPU対応フレームワークとNVIDIAソフトウェアの関連
TensorFlow や PyTorch などの GPU 対応フレームワークで NVIDIA GPU の計算能力を活用するには、NVIDIA が提供するドライバ、CUDA ツールキット、cuDNN ライブラリが必要である。
TensorFlow の GPU 版は、Linux / WSL2 環境で pip install tensorflow[and-cuda] を実行することによりインストールできる。必要な CUDA ライブラリは pip 経由で自動的に取得される。
GPU対応フレームワークを利用するための主な動作要件:
- NVIDIA グラフィックス・ボード: CUDAに対応したNVIDIA製GPUが必要である。
WindowsでNVIDIA グラフィックス・ボードの種類を確認するには、次のコマンドをコマンドプロンプトで実行する。
powershell -command "Get-CimInstance Win32_VideoController | Select-Object -ExpandProperty Name" - NVIDIA ドライバ: GPUをOSに認識させ、性能を引き出すためのソフトウェアである。
- NVIDIA CUDA ツールキット: GPU上でプログラムを開発・実行するためのプラットフォームである。コンパイラ(nvcc)、ライブラリ、APIなどが含まれる。
また、NVIDIA CUDA ツールキットのバージョンを選ぶ際は、NVIDIA cuDNNとの互換性も確認すること。 詳細はcuDNNの公式アーカイブページで確認できる。
- NVIDIA cuDNN: ディープニューラルネットワークのためのGPUアクセラレーションライブラリである。畳み込み演算などを高速化する。
本記事の前準備では cuDNN 9.19.0(CUDA 12.8 対応)をインストールする。
古いバージョンのフレームワークを使用する場合や、特定のバージョンの組み合わせについては、対応バージョン情報(別ページ »)も参照すること。
Windows ネイティブでの GPU サポートについて
TensorFlow 2.10 は、Windows ネイティブで GPU をサポートする最後のバージョンである。TensorFlow 2.11 以降で GPU を使用するには、WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)上で pip install tensorflow[and-cuda] を実行する必要がある。Windows ネイティブでは CPU のみで動作する。
前準備
Build Tools for Visual Studio 2026 のインストール(Windows 上)
Build Tools for Visual Studio は、Visual Studio の IDE を含まない C/C++ コンパイラ、ライブラリ、ビルドツール等のコマンドライン向け開発ツールセットである。
以下のコマンドを管理者権限のコマンドプロンプトで実行する
(手順:Windowsキーまたはスタートメニュー → cmd と入力 → 右クリック → 「管理者として実行」)。
REM VC++ ランタイム
winget install --scope machine --id Microsoft.VCRedist.2015+.x64 -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/quiet /norestart"
REM Build Tools + Desktop development with C++(VCTools)+ 追加コンポーネント(一括)
winget list --id Microsoft.VisualStudio.BuildTools 2>nul | findstr /i "BuildTools" >nul 2>&1
if %ERRORLEVEL% EQU 0 (
for /f "delims=" %P in ('"C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\Installer\vswhere.exe" -products * -property installationPath') do start /wait "" "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\Installer\setup.exe" modify --installPath "%P" --add Microsoft.VisualStudio.Workload.VCTools --add Microsoft.VisualStudio.Workload.MSBuildTools --add Microsoft.VisualStudio.Component.VC.CMake.Project --add Microsoft.VisualStudio.Component.VC.Llvm.Clang --add Microsoft.VisualStudio.Component.VC.Llvm.ClangToolset --add Microsoft.VisualStudio.Component.Windows11SDK.26100 --includeRecommended --quiet --norestart
) else (
winget install --scope machine --id Microsoft.VisualStudio.BuildTools -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "--quiet --wait --norestart --nocache --add Microsoft.VisualStudio.Workload.VCTools --includeRecommended --add Microsoft.VisualStudio.Workload.MSBuildTools --add Microsoft.VisualStudio.Component.VC.CMake.Project --add Microsoft.VisualStudio.Component.VC.Llvm.Clang --add Microsoft.VisualStudio.Component.VC.Llvm.ClangToolset --add Microsoft.VisualStudio.Component.Windows11SDK.26100"
)
REM 何らかの理由で BuildTools の動作がおかしくなった場合は,以下を実行すると,既存のインストールのファイル破損・欠損を修復し正常な状態に復元する効果がある.
REM "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\Installer\setup.exe" repair --installPath "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\18\BuildTools" --quiet --norestart
REM 以下で正常であることを確認する.パスが表示されれば正常である.
REM "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\Installer\vswhere.exe" -products * -requires Microsoft.VisualStudio.Workload.VCTools -property installationPath
--add で追加されるコンポーネント
上記のコマンドでは、まず Build Tools 本体と Visual C++ 再頒布可能パッケージをインストールし、次に setup.exe を用いて以下のコンポーネントを追加している。
VCTools:C++ デスクトップ開発ワークロード(--includeRecommendedにより、MSVC コンパイラ、C++ AddressSanitizer、vcpkg、CMake ツール、Windows 11 SDK 等の推奨コンポーネントが含まれる)VC.Llvm.Clang:Windows 向け C++ Clang コンパイラVC.Llvm.ClangToolset:MSBuild から LLVM (clang-cl) ツールセットを使用するためのコンポーネントVC.CMake.Project:Windows 向け C++ CMake ツールWindows11SDK.26100:Windows 11 SDK(ビルド 10.0.26100)
インストール完了の確認
winget list Microsoft.VisualStudio.BuildTools
上記以外の追加のコンポーネントが必要になった場合は Visual Studio Installer で個別にインストールできる。
Visual Studio の機能を必要とする場合は、追加インストールできる。
Python 3.12 のインストール
Pythonのインストールを行い、Pythonのプログラムを実行する環境を整える。扱う環境は、Windows搭載パソコンである。金子研究室では、Python 3.12.10を推奨する。
[Windows での Python 3.12 のインストール手順を見るには、ここをクリック]
Windows での Python 3.12 のインストール
以下のいずれかの方法でPython 3.12をインストールする。Pythonがインストール済みの場合、この手順は不要である。
方法 1:winget によるインストール
【インストールコマンドの実行方法】
管理者権限でコマンドプロンプトを起動する(手順:Windowsキーまたはスタートメニュー → cmd と入力 → 右クリック → 「管理者として実行」)。そして、コマンド全体をコマンドプロンプトにコピー&ペーストする。
--scope machine を指定することで、システム全体(全ユーザー向け)にインストールされる。このオプションの実行には管理者権限が必要である。インストール完了後、コマンドプロンプトを再起動するとPATHが反映される。
REM Python 3.12 をシステム領域にインストール
winget install --id Python.Python.3.12 -e --scope machine --silent --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/quiet InstallAllUsers=1 PrependPath=1 Include_test=0 Include_pip=1 Include_launcher=1 InstallLauncherAllUsers=1 TargetDir=\"C:\Program Files\Python312\""
if not "%ERRORLEVEL%"=="0" ( echo [エラー] Python 3.12 のインストールに失敗しました & pause )
REM Python と Scripts を PATH 先頭に追加
powershell -NoProfile -Command "$p='C:\Program Files\Python312'; $s=\"$p\Scripts\"; if(Test-Path $p){$k=[Microsoft.Win32.Registry]::LocalMachine.OpenSubKey('SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Environment',$true); $c=$k.GetValue('Path','',[Microsoft.Win32.RegistryValueOptions]::DoNotExpandEnvironmentNames); $t=$k.GetValueKind('Path'); $new=$c; if((';'+$new+';') -notlike \"*;$p;*\"){$new=$p+';'+$new}; if((';'+$new+';') -notlike \"*;$s;*\"){$new=$s+';'+$new}; if($new -ne $c){$k.SetValue('Path',$new,$t)}; $k.Close()}"
REM 現在のセッションにも反映(システムPATHを再取得して連結)
for /f "usebackq tokens=2,*" %A in (`reg query "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Environment" /v Path`) do set "PATH=%B"
REM pip / wheel の更新
python -m pip install --no-user -U pip wheel
if not "%ERRORLEVEL%"=="0" ( echo [エラー] pip / wheel の更新に失敗しました & pause )
方法 2:インストーラーによるインストール
- Python公式サイト(https://www.python.org/downloads/)にアクセスし、「Download Python 3.x.x」ボタンからWindows用インストーラーをダウンロードする。
- ダウンロードしたインストーラーを実行する。
- 初期画面の下部に表示される「Add python.exe to PATH」にチェックを入れてから「Customize installation」を選択する。このチェックを入れ忘れると、コマンドプロンプトから
pythonコマンドを実行できない。 - 「Install Python 3.xx for all users」にチェックを入れ、「Install」をクリックする。
インストールの確認
コマンドプロンプトで以下を実行する。
python --version
バージョン番号(例:Python 3.12.x)が表示されればインストール成功である。「'python' は、内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません。」と表示される場合は、インストールが正常に完了していない。
Git のインストール(Windows 上) [クリックして展開]
管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行する.管理者権限は,winget の --scope machine オプションでシステム全体にインストールするために必要となる.
REM Git をシステム領域にインストール
winget install --scope machine --id Git.Git -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/VERYSILENT /NORESTART /NOCANCEL /SP- /CLOSEAPPLICATIONS /RESTARTAPPLICATIONS /COMPONENTS=""icons,ext\reg\shellhere,assoc,assoc_sh"" /o:PathOption=Cmd /o:CRLFOption=CRLFCommitAsIs /o:BashTerminalOption=MinTTY /o:DefaultBranchOption=main /o:EditorOption=VIM /o:SSHOption=OpenSSH /o:UseCredentialManager=Enabled /o:PerformanceTweaksFSCache=Enabled /o:EnableSymlinks=Disabled /o:EnableFSMonitor=Disabled"
NVIDIA ドライバのインストール(Windows 上)
NVIDIA ドライバ
NVIDIA ドライバは、NVIDIA製GPUを動作させるための重要なソフトウェアである。このドライバをインストールすることにより、GPUの性能を引き出すことができ、グラフィックス関連のアプリ、AI関連のアプリの高速化が期待できる。
ドライバはNVIDIA公式サイトである https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp からダウンロードできる。このサイトからダウンロードするときには、グラフィックスカードとオペレーティングシステムを選択する。 なお、NVIDIA app を用いてインストールすることも可能である。
【サイト内の関連ページ】
- NVIDIA グラフィックス・ボードの確認
Windows で、NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは、 次のコマンドを実行することにより調べることができる。
powershell -command "Get-CimInstance Win32_VideoController | Select-Object -ExpandProperty Name" - NVIDIA ドライバのダウンロード
NVIDIA ドライバは、以下の NVIDIA 公式サイトからダウンロードできる。
- ダウンロードの際には、使用しているグラフィックス・ボードの型番とオペレーティングシステムを選択する。
NVIDIA CUDA Toolkit 12.8のインストール
- 前提条件(NVIDIA CUDA Toolkit インストール前): NVIDIA GPU,NVIDIA ドライバ,および Build Tools for Visual Studio もしくは Visual Studio が必要である.
- インストール中の注意: なるべく他のウインドウはすべて閉じておくこと.
以下のコマンドを管理者権限のコマンドプロンプトで実行する
(手順:Windowsキーまたはスタートメニュー → cmd と入力 → 右クリック → 「管理者として実行」)。
REM NVIDIA CUDA Toolkit 12.8 をシステム領域にインストール
winget install --scope machine --id Nvidia.CUDA --version 12.8 -e --silent --disable-interactivity --force --uninstall-previous --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "-s -n"
REM 環境変数TEMP, TMPの設定(一時ファイルの保存先を短いパスに変更)
mkdir C:\TEMP
set "TEMP_PATH=C:\TEMP"
setx TEMP "%TEMP_PATH%" /M >nul
setx TMP "%TEMP_PATH%" /M >nul
NVIDIA cuDNN 9.19.0 のインストール(Windows 上)
NVIDIA cuDNN
NVIDIA cuDNN は、NVIDIA CUDA ツールキット上で動作するディープラーニング用ライブラリである。畳み込みニューラルネットワーク (CNN) やリカレントニューラルネットワーク (RNN) など、さまざまなディープラーニングモデルのトレーニングと推論を高速化する。
【関連する外部ページ】
- NVIDIA cuDNN の公式ページ(ダウンロードには Developer Program への登録が必要): https://developer.nvidia.com/cudnn
NVIDIA cuDNN のインストール(Windows 上)の概要
- NVIDIA Developer Program メンバーシップへの加入: cuDNN のダウンロードには無料のメンバーシップ登録が必要である。
NVIDIA Developer Program の公式ページ: https://developer.nvidia.com/developer-program
- 互換バージョンの選択とダウンロード: インストール済みの CUDA ツールキットのバージョン(今回は 12.8)に適合する cuDNN のバージョン(今回は v9.19.0)を選択し、Windows 用のインストーラ(exe)または zip ファイルをダウンロードする。
- インストール: インストーラを使用する場合は、インストーラを実行し、対象の CUDA バージョンを選択してインストールする。zip ファイルを使用する場合は、展開し、中のファイル(
bin,include,lib\x64フォルダ内)を cuDNN のインストールディレクトリ(C:\Program Files\NVIDIA\CUDNN\v9.x)にコピーする。 - 環境変数の設定: cuDNN の
binディレクトリ(C:\Program Files\NVIDIA\CUDNN\v9.x\bin)をシステム環境変数PATHに追加する。必要に応じてCUDNN_PATHも設定する。 - 動作確認: cuDNN ライブラリ(
cudnn*.dll)にパスが通っていることを確認する。
zlib のインストール(Windows 上)
- 次のコマンドを管理者権限のコマンドプロンプトで実行する
(手順:Windowsキーまたはスタートメニュー →
cmdと入力 → 右クリック → 「管理者として実行」)。次のコマンドは、zlibをインストールし、パスを通すものである。
cd /d c:%HOMEPATH% rmdir /s /q zlib git clone https://github.com/madler/zlib cd zlib del CMakeCache.txt rmdir /s /q CMakeFiles cmake . -A x64 -T host=x64 -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=c:/zlib cmake --build . --config Release --target INSTALL -- /m powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\zlib\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")" powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"ZLIB_HOME\", \"C:\zlib\", \"Machine\")"
【関連する外部ページ】
- zlib の公式ページ: https://www.zlib.net/