OpenPose 最新版のインストール,デモの実行(ソースコードを使用)(Windows 上)
Windows で,OpenPose 最新版をソースコードからビルドして,インストールする.
OpenPose のインストールは,複数の方法がある.
- OpenPose の最新版を検証,開発者に貢献したいなどの場合には, ソースコードからビルドして,インストールする.このページで説明する.
- OpenPose の安定版をインストールする手順は: 別ページ »で説明
OpenPose は、人体、顔、手、足の「キーポイント」を検出するソフトウェア。 多数のカメラを配置して、3次元のキーポイントを得る機能もある
OpenPose の利用条件などは、利用者が確認すること。次のWeb ページを活用してください
https://flintbox.com/public/project/47343/
【サイト内の関連ページ】
謝辞:このWebページで紹介する OpenPose ソフトウェアの作者に感謝します
前準備
Build Tools for Visual Studio 2022 (ビルドツール for Visual Studio 2022)または Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)
【インストールの判断】 Build Tools for Visual Studio は,開発ツールセットである. Visual Studio は統合開発環境であり,いくつかの種類があり,Build Tools for Visual Studioの機能を含むか連携して使用するものである.インストールは以下の基準で判断してください:
- Build Tools for Visual Studio の機能のみが必要な場合
- Visual Studio の機能が必要である,あるいは,よく分からない場合
Visual Studio 2022 をインストールする際に,「C++ によるデスクトップ開発」を選択することで, Build Tools for Visual Studio 2022 の機能も一緒にインストールされる.
不明な点がある場合は,Visual Studio 全体をインストール を行う方が良い.
Build Tools for Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,Build Tools for Visual Studio 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.
- Build Tools for Visual Studio 2022 での C++ によるデスクトップ開発,CLI,ATL,MFC のインストール(Windows 上)
- Visual Studio Installer の起動
起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.
- Visual Studio Build Tools 2022 で「変更」を選ぶ.
- 「C++ によるデスクトップ開発」をクリック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」,「ATL」,「MFC」をチェックする.その後,「変更」をクリック.
- Visual Studio Installer の起動
Visual Studio のインストール(Windows 上)
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,Visual Studio Community 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.
- Visual Studio での C++ によるデスクトップ開発,CLI のインストール(Windows 上)
- Visual Studio Installer の起動
起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.
- Visual Studio Community 2022 で「変更」を選ぶ.
- 「C++ によるデスクトップ開発」をチェック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」をチェックする.その後,「インストール」をクリック.
- Visual Studio Installer の起動
Git,CMake,7-Zip のインストール(Windows 上)
Gitは,分散型のバージョン管理システム. CMakeは,クロスプラットフォームのビルドシステム生成ツール. 7-Zipは,ファイル圧縮・展開(解凍)ツール.
【手順】
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,GitとCMakeと7-Zipをインストールし,Gitと7-Zipにパスを通すものである.
次のコマンドでインストールされるGitは 「git for Windows」と呼ばれるものであり, Git,MinGW などから構成されている.
winget install --scope machine Git.Git powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\Git\cmd\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")" winget install --scope machine Kitware.CMake powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\CMake\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")" winget install --scope machine 7zip.7zip powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\7-Zip\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
【関連する外部ページ】
- Git の公式ページ: https://git-scm.com/
- CMake の公式ダウンロードページ: https://cmake.org/download/
- 7-Zip の公式ページ: https://7-zip.opensource.jp/
【関連項目】 Git バージョン管理システム, Git の利用, CMake ビルドシステム生成ツール, CMake の使用方法, 7-Zip
NVIDIA ドライバのインストール(Windows 上)
NVIDIA ドライバ
NVIDIA ドライバは,NVIDIA製GPUを動作させるための重要なソフトウェアである.このドライバをインストールすることにより,GPUの性能を引き出すことができ,グラフィックス関連のアプリ,AI関連のアプリの高速化が期待できる.
ドライバはNVIDIA公式サイトである https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp からダウンロードできる.このサイトからダウンロードするときには,グラフィックスカードとオペレーティングシステムを選択する. なお,NVIDIA GeForce Experiance を用いてインストールすることも可能である.
【サイト内の関連ページ】
- NVIDIA グラフィックス・ボードの確認
Windows で,NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは, 次のコマンドを実行することにより調べることができる.
wmic path win32_VideoController get name
- NVIDIA ドライバのダウンロード
NVIDIA ドライバは,以下の NVIDIA 公式サイトからダウンロードできる.
- ダウンロードの際には,使用しているグラフィックス・ボードの型番とオペレーティングシステムを選択する.
NVIDIA CUDA ツールキット 11.8 のインストール(Windows 上)
NVIDIA CUDA ツールキットのインストール時の注意点
NVIDIAのGPUを使用して並列計算を行うためのツールセット
主な機能: GPU を利用した並列処理,GPU のメモリ管理,C++をベースとした拡張言語とAPIとライブラリ
【NVIDIA CUDA ツールキットの動作に必要なもの】
- CUDA対応のNVIDIA GPUが必要.
そのために,NVIDIA グラフィックス・ボードを確認する. Windows で,NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは, 次のコマンドを実行することにより調べることができる.
wmic path win32_VideoController get name
- NVIDIA ドライバのダウンロードとインストール
NVIDIA ドライバは,以下の NVIDIA 公式サイトからダウンロードできる. ダウンロードの際には,使用しているグラフィックス・ボードの型番とオペレーティングシステムを選択する.
- Windows では,インストール前に,Build Tools for Visual Studio もしくは Visual Studio をインストールしておくことが必要である.
【Windows でインストールするときの注意点】
- Windows では, NVIDIA CUDA ツールキットのインストール中は,なるべく他のウインドウはすべて閉じておくこと.
- NVIDIA CUDA ツールキットのインストールが終わったら,ユーザ環境変数 TEMP の設定を行う.
Windows のユーザ名が日本語のとき,nvcc がうまく動作しないエラーを回避するためである.
ユーザ環境変数 TEMP に「C:\TEMP」を設定するために, コマンドプロンプトで,次のコマンドを実行する.
mkdir C:\TEMP powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"TEMP\", \"C:\TEMP\", \"User\")"
【関連する外部ページ】
- NVIDIA CUDA ツールキットのアーカイブの公式ページ: https://developer.nvidia.com/cuda-toolkit-archive
- NVIDIA CUDA ツールキット の公式のドキュメント: https://docs.nvidia.com/cuda/cuda-installation-guide-linux/index.html
- NVIDIA CUDA ツールキットのインストールに関する,NVIDIA CUDA クイックスタートガイドの公式ページ: https://docs.nvidia.com/cuda/cuda-quick-start-guide/index.html
【関連項目】 NVIDIA CUDA ツールキット, NVIDIA CUDA ツールキット 12.5 のインストール(Windows 上), NVIDIA CUDA ツールキット 11.8 のインストール(Windows 上)
- Windows では,NVIDIA CUDA ツールキットのインストール中は,なるべく他のウインドウはすべて閉じておくこと.
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
- 次のコマンドを実行
次のコマンドは,NVIDIA GeForce Experience,NVIDIA CUDA ツールキット 11.8 をインストールするものである.
wmic path win32_VideoController get name winget install --scope machine Nvidia.GeForceExperience winget install --scope machine Nvidia.CUDA --version 11.8 powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"CUDA_HOME\", \"C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.8\", \"Machine\")"
- NVIDIA CUDA ツールキットのインストールが終わったら,ユーザ環境変数 TEMP の設定を行う.
Windows のユーザ名が日本語のとき,nvcc がうまく動作しないエラーを回避するためである.
ユーザ環境変数 TEMP に「C:\TEMP」を設定するために, コマンドプロンプトで,次のコマンドを実行する.
mkdir C:\TEMP powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"TEMP\", \"C:\TEMP\", \"User\")"
OpenPose のインストール
次のWebページの記述に従う
https://github.com/CMU-Perceptual-Computing-Lab/openpose/tree/master/doc/installation
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
- ディレクトリを削除する
cd c:\ rmdir /s /q openpose
- OpenPose のソースコードをダウンロード
cd c:\ git clone --recursive https://github.com/CMU-Perceptual-Computing-Lab/openpose
- cmake の実行
cmake でのオプションについて
cmake のオプションの 「Visual Studio 17 2022」のところは, 使用する Visual Studio のバージョンにあわせること. Visual Studio 2022 のときは,「Visual Studio 17 2022」. Visual Studio 2019 のときは,「Visual Studio 16 2019」
cmake の実行手順例は次の通り
cd c:\ cd openpose rmdir /s /q build mkdir build cd build del CMakeCache.txt rmdir /s /q CMakeFiles\ cmake -G "Visual Studio 17 2022" -A x64 -T host=x64 ^ -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release ^ -DCUDA_NVCC_FLAGS="-allow-unsupported-compiler" ^ -DDOWNLOAD_BODY_25_MODEL=ON ^ -DDOWNLOAD_BODY_COCO_MODEL=ON ^ -DDOWNLOAD_BODY_MPI_MODEL=ON ..
- cmake の実行結果の確認
* 下図のとおりになるとは限らない.設定がうまくいっていない場合は、1つ上の「cmake の実行」のところを、設定を変えてやり直す.
- ソースコードからビルドし、インストールする
cmake --build . --config release
- 結果の確認
エラーメッセージが出ていないことを確認.
* 黄色の警告メッセージは無視しても良い
- ファイルの配置の調整
cd c:\ cd openpose mkdir bin copy build\x64\release\*.* bin
- Windows の システム環境変数 Pathに,c:\openpose\build\bin を追加することにより,パスを通す.
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\openpose\build\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
- Windows の システム環境変数 OPENPOSE_ROOTに,c:\openpose を設定.
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"OPENPOSE_ROOT\", \"c:\openpose\", \"Machine\")"
- デモプログラムを試す.そのために,
新しく,コマンドプロンプトを開く.
付属の動画ファイルを使用
cd c:\ cd openpose bin\OpenPoseDemo.exe --video examples\media\video.avi
- 付属の画像ファイルを使用
cd c:\ cd openpose bin\OpenPoseDemo.exe --image_dir examples\media
- パソコンにカメラがついている場合
cd c:\ cd openpose bin\OpenPoseDemo.exe
- オプションの確認
cd c:\ cd openpose bin\OpenPoseDemo.exe --help
(以下省略) - --face, --hand オプションを試してみる
【関連する外部ページ】: https://github.com/jrkwon/openpose/blob/master/doc/quick_start.md
cd c:\ cd openpose bin\OpenPoseDemo.exe --image_dir examples\media --face --hand
- --write_json オプションを試してみる
* 末尾の「.」(半角ピリオド)はディレクトリの指定
cd c:\ cd openpose bin\OpenPoseDemo.exe --image_dir examples\media --write_json .
.json ファイルができていることがわかる
dir *.json