Blender の基本操作(立体の新規作成と配置の調整,立体の操作,カメラ視野(カメラビュー)の調整,レンダリング,マテリアル,元に戻す,やり直す)
【概要】 Blenderで立体の追加は,メニューの「追加」,「メッシュ」で行う.立体の配置の調整は移動ツール(Gキー),拡大縮小ツール(Sキー),回転ツール(Rキー)で行う.これらのツールでは,X,Y,Z軸(三次元空間の座標軸)を指定することで特定の軸方向への操作が可能である.作業は,3Dビューポート(三次元モデルを表示・編集するための主要画面)で行う.自由な視点移動が可能であり,マウスの中ボタンやホイールを使用して視点を調整できる.カメラ視野はレンダリング(三次元データから二次元画像を生成する処理)時に使用される視点であり,F12キーでレンダリングを実行すると,カメラ視野を基に画像が生成される.オブジェクトの見た目は,マテリアルプロパティ(物体の色や質感を定義する設定画面)で設定する.操作を間違えた場合は,元に戻す(CTRL+Z)とやり直す(SHIFT+CTRL+Z)機能を使用して修正が可能である.
Blender基本操作まとめ
- 立体の新規作成と配置調整
- 「追加」→「メッシュ」から立体を選択
- 拡大縮小:「S」キー
- 移動:「G」キー
- 視野回転:マウス中ボタンを押しながら移動
- 画面4分割:CTRL + ALT + 「Q」キー
- オブジェクトの操作
- 選択:マウス左クリック
- 移動:「G」キーまたはツールバー
- 拡大縮小:「S」キーまたはツールバー
- 回転:「R」キーまたはツールバー
- 軸ロック:X、Y、Z軸を指定
- カメラ視野とレンダリング
- カメラビューへの切り替え:テンキー「0」
- 視野の移動:SHIFTキー + マウス中ボタン
- 全体表示:HOMEキー
- レンダリング:F12キー
- マテリアル設定
- オブジェクト選択→マテリアルプロパティ→ベースカラー変更
- 元に戻す/やり直す:
- 元に戻す:CTRL + Z
- やり直す:SHIFT + CTRL + Z

Blender
Blenderは,3次元コンピュータグラフィックス・アニメーションソフトウェア(3DCGソフト)である. 3次元モデルの編集,レンダリング(画像生成),光源やカメラ等を設定しての3次元コンピュータグラフィックス・アニメーション作成機能がある.
- ファイル形式は,Stanford Triangle Format (ply), Wavefront OBJ (obj), 3D Studio Max (3ds), Stereo-Litography (stl) 等に対応している.
- Windows 版, Linux 版, Max OS X 版などがある.
【目次】
前準備
Blender のインストール
【サイト内の関連ページ】
- Windows での Blender 4 のインストール: 別ページ »で説明
- Ubuntu での Blender 3 のインストールは,別ページ »で説明
メニューの日本語化を行っておいた方が使いやすい.
立体の新規作成と配置の調整
- 平面(Plane), UV球(UV Sphere), 円柱(Cylinder)の立体を新規作成する.
Blender 4では,画面上部の「追加」メニュー,「メッシュ」サブメニューと操作し,立体の種類を選ぶ.
- 平面(Plane)のオブジェクトだけを拡大する.
* 立体を選択した後, 「S」キー(Scaleの頭文字)で 拡大縮小(スケール)ツールを使用する. 動かしたあと,マウスの左クリックは確定,右クリックは取り消しである.
- すべての立体を移動して,Plane のオブジェクトの上に他の立体が乗っているように配置する(見栄えだけの問題なので,だいたいで良い).
* 「G」キー(Grabの頭文字)で 移動ツールを使用する. 動かしたあと,マウスの左クリックは確定,右クリックは取り消しである.
- 視野を回転して,立体の配置を確認する.
* マウスの中ボタンを押しながらマウス移動する.
必要なら,立体を再度,移動する.
* 「画面の4分割」のモードへの切り替えは,CTRL + ALT + 「Q」キー(同時押し)で行うことができる(元に戻すのも同じ操作である).

立体の操作
オブジェクトの選択
- オブジェクトの選択:マウスの左クリック
オブジェクト等の移動,回転,拡大縮小
- 移動モードへの切り替え:ツールバーか,「G」キー
移動ツールは,マウスの移動につれて,選択されたオブジェクトが動く.
ツールバーにより,移動ツールが表示される.移動ツールでは, 「X」軸, 「Y」軸, 「Z」軸を用いて移動すると, 軸ロックされ,軸方向だけの移動になる.
- 拡大縮小(スケール)モードへの切り替え:ツールバーか,「S」キー
拡大縮小(スケール)ツールでは,マウスの移動につれて,選択されたオブジェクトが拡大縮小する. 拡大縮小のあと,マウスの左クリックは確定,右クリックは取り消しである.
ツールバーにより,拡大縮小(スケール)ツールが表示される.拡大縮小(スケール)ツールでは, 「X」軸, 「Y」軸, 「Z」軸を用いて拡大縮小すると, 軸ロックされ,軸方向だけの拡大縮小になる.
精密にサイズを指定したいときは,左側のツールバーのアイテムタブで X, Y, Z の値を設定する.
- 回転モードへの切り替え:ツールバーか,「R」キー
ツールバーにより,回転ツールが表示される.回転ツールでは,マウスの移動につれて,選択されたオブジェクトが回転する. 回転のあと,マウスの左クリックは確定,右クリックは取り消しである.



「R」キー(Rotateの頭文字)を1回だけ押すと,視点を基準として回転する.

「R」キーを2回押すと,3軸の回転が可能となる.

カメラ視野(カメラビュー)の調整とレンダリング
カメラ視野(カメラビュー),作業視野(作業ビュー)
3Dビューポート(モデル編集用の主要表示領域)のカメラ視野(カメラビュー),作業視野(作業ビュー)切り替えはナビゲーションコントロール(画面右上の視点操作ツール)で行うことができる.
テンキーの「0」,メニューの「ビュー (View)」の「視点」の「カメラ (Camera)」でも切り替えを行うことができる.

ビューのカメラ視野(カメラビュー),作業視野(作業ビュー)切り替えは, メニューでも行うことができる.

カメラ視野(カメラビュー)は,レンダリングのときに用いる視野である.
左は作業視野(作業ビュー),右はカメラ視野(カメラビュー)


カメラ視野(カメラビュー)に切り替えたあと,「分かりにくい」と感じる場合のヒント.
- メニューの「ビュー (View)」の「視点を揃える」の「3D カーソルのリセットと全表示」で,作業視野(作業ビュー)の視点が全表示になるように調整される.
- メニューの「ビュー (View)」の「視点を揃える」の「現在の視点にカメラを合わせる」で,カメラを作業視野(作業ビュー)の視点に合わせることができる.
カメラを「カメラ視野」にロック(固定),解除する
カメラを「カメラ視野」にロック(固定),解除する操作は, サイドバー(右側に表示される追加設定パネル)で行う. サイドバーの表示は,3Dビューポートで「N」キーを押す.「ビュー」のタブで「カメラをビュー」(Blender 4では「カメラをロック」)をチェックする.
* 終わったら,もう1度「N」キーを押して,シェルフを閉じる.

ビューをカメラ視野(カメラビュー)に切り替える.


カメラをビューにロックしているとき,「カメラ視野(カメラビュー)」を動かすと,同時に「カメラ」も動くようになる.
視野の移動
- 視野の自由な移動:SHIFTキーとマウスの中ボタンを押しながらマウス移動
- 視野の自由な回転(原点を基準):マウスの中ボタンを押しながらマウス移動
- 視野の前後移動:マウスホイール
* テンキーの「+」と「-」でも操作可能である.
- 全体表示:HOME キー(Blender 4では「`」キーでも可能)
左は全体表示の前,右は全体表示のあと.
レンダリング
F12キーを押してレンダリング(3Dシーンから高品質な2D画像を生成する処理)する.

マテリアル
色の変更は次の手順で行う.※ マテリアル(オブジェクトの表面特性を定義する設定)は,色以外にも反射率,透明度,凹凸などたくさんの設定項目がある.
- オブジェクトモードで,オブジェクトを選択する.
- プロパティの画面で,「マテリアルプロパティ」をクリックする.
- 下のように「新規 (New)」のボタンが表示されるときは,新規 (New)をクリックする.
- マテリアルプロパティの画面が表示される.
- 「ベースカラー」(Blender 4では「基本色」とも表示される)のところの,色の四角形部分をクリックする.
- 色を選ぶ.
- F12キーを押してレンダリングする.レンダリングが終わったら,作業視野(作業ビュー)に戻す.
- 念のため,ファイルに保存しておく.Blender を終了する必要はない.
元に戻す(アンドウ),やり直す(リドウ)
元に戻す(アンドゥ:直前の操作を取り消す機能),やり直す(リドゥ:取り消した操作を再実行する機能)は,メニューでできる.

ショートカット
- 元に戻す:[CTRL] Z
- やり直す:[SHIFT] [CTRL] Z