Blender で Wavefront OBJ 形式,STL 形式ファイルのインポート,エクスポート
【概要】 本記事では、オープンソースの3Dコンピュータグラフィックス・アニメーションソフトウェアである Blender を使用して、Wavefront OBJ形式 (.obj) および STL形式 (.stl) のファイルをインポート・エクスポートする手順について解説します。Blenderは、立体の編集、レンダリング、ライトやカメラの設定など、多岐にわたる3D制作機能を提供します。この記事の手順に従うことで、これらの一般的な3Dモデル形式のデータをBlenderで扱うことが可能になります。
blender が使えるファイル形式は多数ある.このページでは,下記の2つのファイル形式のインポート,エクスポート手順について説明する.
- Wavefront OBJ 形式ファイル (.obj)
- STL meshes (.stl)
【目次】
【サイト内の関連ページ】
- Blender の機能の説明,実演など: 別ページ »にまとめ
- Windows での Blender 4 のインストール: 別ページ »で説明
- Ubuntu での Blender 3 のインストールは,別ページ »で説明
【関連する外部ページ】
- Blender の公式ページ: https://www.blender.org/
前準備
本記事の手順を実行するには、Blenderがインストールされている必要があります。インストールについては、上記の【サイト内の関連ページ】をご参照ください。
また、本記事ではBlenderのメニューが日本語化されていることを前提として説明を進めます。必要に応じて事前にメニューの日本語化を行ってください。
補足説明
Wavefront OBJ 形式と STL 形式の主な違い
- Wavefront OBJ 形式 (.obj):
- 3Dモデルの形状データに加え、テクスチャ(表面の画像)、マテリアル(質感)、頂点カラーなどの情報も保存可能。
- 多くの3Dソフトウェアでサポートされており、データ交換に適した汎用的なフォーマット。
- STL 形式 (.stl):
- モデルの形状を三角形ポリゴンの集合として表現するデータのみを保存。
- 主に3Dプリンタでの出力やラピッドプロトタイピングで使用されるシンプルなフォーマット。
用途に応じて適切なフォーマットを選択することが重要です。
エクスポート時の主な設定可能項目
エクスポート(Blender内の3Dモデルデータを外部ファイルとして書き出すこと)時には、以下の設定が重要です。
スケールと座標系
- スケール: 出力するモデルのサイズを調整します。特に3Dプリントなど、実寸での利用が前提となる場合に重要です。
- 座標系(上向き/前方): モデルの向きを定義する軸(X, Y, Z)を指定します。他のソフトウェアや環境との互換性を保つために確認が必要です。
テクスチャと材質の設定(OBJ 形式のみ)
- 材質定義ファイル(MTL): マテリアル情報を別ファイル(.mtl)として同時に出力するかどうかを設定します。
- UV座標: モデル表面にテクスチャを正しく貼り付けるためのUVマッピング情報を保存するかどうかを設定します。
エクスポート範囲
- 選択物のみ: 現在選択しているオブジェクトだけを書き出します。
- シーン全体: シーン内の全ての可視オブジェクトを書き出します。
Blender での 3D モデルファイルのエクスポート手順
準備: エクスポートするオブジェクトの選択
エクスポートしたいオブジェクトを選択状態にします。シーン内のすべてのオブジェクトをエクスポートする場合は、「A」キーを押すか、メニューから「選択 (Select)」>「すべて (All)」を選び、全選択します。(Blender 2.7ではメニューから「選択 (Select)」>「すべて選択/選択解除 (Select/Deselect All)」)

Wavefront OBJ 形式 (.obj) でのエクスポート
- メニューから「ファイル (File)」>「エクスポート (Export)」>「Wavefront (.obj)」を選択します。
- 表示される画面で、3D モデルの保存先ディレクトリとファイル名を指定します。
- 必要に応じて画面右側のエクスポート設定(スケール、座標系、マテリアル出力など)を調整します。(詳細は「補足説明」を参照)
- 「OBJ をエクスポート (Export OBJ)」ボタンをクリックして保存します。(ボタン名はバージョンにより若干異なる場合があります)
STL 形式 (.stl) でのエクスポート
- メニューから「ファイル (File)」>「エクスポート (Export)」>「STL (.stl)」を選択します。
- 表示される画面で、3D モデルの保存先ディレクトリとファイル名を指定します。
- 必要に応じて画面右側のエクスポート設定(スケール、座標系など)を調整します。
- 「STL をエクスポート (Export STL)」ボタンをクリックして保存します。(Blender 4では「エクスポートSTL」と表示される場合もあります)
Blender での 3D モデルファイルのインポート手順
Wavefront OBJ 形式 (.obj) のインポート
- メニューから「ファイル (File)」>「インポート (Import)」>「Wavefront (.obj)」を選択します。(Blender 4では、最近使用したファイルの下にインポートオプションが表示される場合もあります)
- 読み込みたい OBJ ファイルを選択します。
- 必要に応じて画面右側のインポート設定を調整します。
- 「OBJ をインポート (Import OBJ)」ボタンをクリックして読み込みを実行します。
STL 形式 (.stl) のインポート
- メニューから「ファイル (File)」>「インポート (Import)」>「STL (.stl)」を選択します。
- 読み込みたい STL ファイルを選択します。
- 必要に応じて画面右側のインポート設定を調整します。
- 「STL をインポート (Import STL)」ボタンをクリックして読み込みを実行します。