Mitsuba 3 のインストール(Windows 上)

URL: https://github.com/mitsuba-renderer/mitsuba2

前準備

Build Tools for Visual Studio 2026 のインストール(Windows 上) [クリックして展開]

Build Tools for Visual Studio は,Visual Studio の IDE を含まない C/C++ コンパイラ,ライブラリ,ビルドツール等のコマンドライン向け開発ツールセットである。インストール済みの場合、この手順は不要である。

管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。

REM VC++ ランタイム
winget install --scope machine --id Microsoft.VCRedist.2015+.x64 -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/quiet /norestart"

REM Build Tools + Desktop development with C++(VCTools)+ 追加コンポーネント(一括)
winget install --scope machine --id Microsoft.VisualStudio.BuildTools -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "--quiet --wait --norestart --nocache --add Microsoft.VisualStudio.Workload.VCTools --includeRecommended --add Microsoft.VisualStudio.Workload.MSBuildTools --add Microsoft.VisualStudio.Component.VC.CMake.Project --add Microsoft.VisualStudio.Component.VC.Llvm.Clang --add Microsoft.VisualStudio.Component.VC.Llvm.ClangToolset --add Microsoft.VisualStudio.Component.Windows11SDK.26100"

--add で追加されるコンポーネント

上記のコマンドでは,まず Build Tools 本体と Visual C++ 再頒布可能パッケージをインストールし,次に setup.exe を用いて以下のコンポーネントを追加している。

インストール完了の確認

winget list Microsoft.VisualStudio.BuildTools

上記以外の追加のコンポーネントが必要になった場合は Visual Studio Installer で個別にインストールできる。

Visual Studio の機能を必要とする場合は、追加インストールできる。

Python 3.12 のインストール(Windows 上) [クリックして展開]

以下のいずれかの方法で Python 3.12 をインストールする。Python がインストール済みの場合、この手順は不要である。

方法1:winget によるインストール

管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。

winget install --scope machine --id Python.Python.3.12 -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/quiet InstallAllUsers=1 PrependPath=1 Include_pip=1 Include_test=0 Include_launcher=1 InstallLauncherAllUsers=1"

--scope machine を指定することで、システム全体(全ユーザー向け)にインストールされる。このオプションの実行には管理者権限が必要である。インストール完了後、コマンドプロンプトを再起動すると PATH が自動的に設定される。

方法2:インストーラーによるインストール

  1. Python 公式サイト(https://www.python.org/downloads/)にアクセスし、「Download Python 3.x.x」ボタンから Windows 用インストーラーをダウンロードする。
  2. ダウンロードしたインストーラーを実行する。
  3. 初期画面の下部に表示される「Add python.exe to PATH」に必ずチェックを入れてから「Customize installation」を選択する。このチェックを入れ忘れると、コマンドプロンプトから python コマンドを実行できない。
  4. 「Install Python 3.xx for all users」にチェックを入れ、「Install」をクリックする。

インストールの確認

コマンドプロンプトで以下を実行する。

python --version

バージョン番号(例:Python 3.12.x)が表示されればインストール成功である。「'python' は、内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません。」と表示される場合は、インストールが正常に完了していない。

Git のインストール(Windows 上) [クリックして展開]

管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する.管理者権限は,winget の --scope machine オプションでシステム全体にインストールするために必要となる.

REM Git をシステム領域にインストール
winget install --scope machine --id Git.Git -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/VERYSILENT /NORESTART /NOCANCEL /SP- /CLOSEAPPLICATIONS /RESTARTAPPLICATIONS /COMPONENTS=""icons,ext\reg\shellhere,assoc,assoc_sh"" /o:PathOption=Cmd /o:CRLFOption=CRLFCommitAsIs /o:BashTerminalOption=MinTTY /o:DefaultBranchOption=main /o:EditorOption=VIM /o:SSHOption=OpenSSH /o:UseCredentialManager=Enabled /o:PerformanceTweaksFSCache=Enabled /o:EnableSymlinks=Disabled /o:EnableFSMonitor=Disabled"

CMakeのインストール(Windows 上) [クリックして展開]

管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。

REM CMake をシステム領域にインストール
winget install --scope machine --id Kitware.CMake -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/qn /norestart ADD_CMAKE_TO_PATH=System"

7-Zip のインストール(Windows 上) [クリックして展開]

管理者権限コマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。

REM 7-Zip をシステム領域にインストール
winget install --scope machine --id 7zip.7zip -e --silent --installer-type msi --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/qn /norestart"
REM 7-Zip のパス設定
powershell -NoProfile -Command "$p='C:\Program Files\7-Zip'; $c=[Environment]::GetEnvironmentVariable('Path','Machine'); if((Test-Path $p) -and $c -notlike \"*$p*\"){[Environment]::SetEnvironmentVariable('Path',\"$p;$c\",'Machine')}"

NVIDIA ドライバのインストール(Windows 上)

NVIDIA ドライバ

NVIDIA ドライバは,NVIDIA製GPUを動作させるための重要なソフトウェアである.このドライバをインストールすることにより,GPUの性能を引き出すことができ,グラフィックス関連のアプリ,AI関連のアプリの高速化が期待できる.

ドライバはNVIDIA公式サイトである https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp からダウンロードできる.このサイトからダウンロードするときには,グラフィックスカードとオペレーティングシステムを選択する. なお,NVIDIA GeForce Experience を用いてインストールすることも可能である.

サイト内の関連ページ

  1. NVIDIA グラフィックス・ボードの確認

    Windows で,NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは, 次のコマンドを実行することにより調べることができる.

    wmic path win32_VideoController get name
    
  2. NVIDIA ドライバのダウンロード

    NVIDIA ドライバは,以下の NVIDIA 公式サイトからダウンロードできる.

    https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp

  3. ダウンロードの際には,使用しているグラフィックス・ボードの型番とオペレーティングシステムを選択する.

NVIDIA CUDA Toolkit 12.8のインストール

以下のコマンドを管理者権限コマンドプロンプトで実行する (手順:Windowsキーまたはスタートメニュー → cmd と入力 → 右クリック → 「管理者として実行」)。

REM NVIDIA CUDA Toolkit 12.8 をシステム領域にインストール
winget install --scope machine --id Nvidia.CUDA --version 12.8 -e --silent --disable-interactivity --force --uninstall-previous --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "-s -n"

REM 環境変数TEMP, TMPの設定(一時ファイルの保存先を短いパスに変更)
mkdir C:\TEMP
set "TEMP_PATH=C:\TEMP"
setx TEMP "%TEMP_PATH%" /M >nul
setx TMP "%TEMP_PATH%" /M >nul

github の mitsuba-renderer/mitsuba3 のインストール

URL: https://github.com/mitsuba-renderer/mitsuba3

Mitsuba 3 は pip によるインストールとソースからのビルドの2通りの方法でインストールできる.以下では,それぞれの方法について説明する.

方法1:pip によるインストール(推奨)

Mitsuba 3 は PyPI から pip でインストールできる.この方法では Dr.Jit(Mitsuba 3 が内部で使用する JIT コンパイラ)も自動的にインストールされる.

pip install mitsuba

要件は以下のとおりである.

方法2:ソースからのビルド

Windows での手順を下に示す.Ubuntu でも同様の手順になる.

ソースからのビルドには,CMake(3.9.0 以上),Python(3.8 以上),Visual Studio 2022 が必要である.

  1. 以下のコマンドを管理者権限コマンドプロンプトで実行する (手順:Windowsキーまたはスタートメニュー → cmd と入力 → 右クリック → 「管理者として実行」)。
  2. インストールディレクトリを空にする
    cd /d c:%HOMEPATH%
    rmdir /s /q mitsuba3
    
  3. github の mitsuba-renderer/mitsuba3 のダウンロード

    「--recursive」を付けている.Dr.Jit 等の依存ライブラリがあわせてダウンロードされる.stable ブランチを使用する.

    cd /d c:%HOMEPATH%
    git clone -b stable --recursive https://github.com/mitsuba-renderer/mitsuba3
    
  4. cmake の実行
    cd /d c:%HOMEPATH%
    cd mitsuba3
    rmdir /s /q build
    mkdir build
    cd build
    cmake .. -A x64 -T host=x64 -DCMAKE_POLICY_VERSION_MINIMUM=3.5
    

    (以下省略)
  5. cmake の結果の確認

    エラーメッセージが出ていないこと.

    ビルドディレクトリに mitsuba.conf が生成される.mitsuba.conf の「enabled」にビルドするバリアント(variant)を指定できる.既定では scalar_rgb と scalar_spectral が含まれる.必要に応じて llvm_ad_rgb や cuda_ad_rgb 等を追加する.ただし scalar_rgb は必須であり,少なくとも1つの ad 付きバリアントも必要である.

  6. ビルド操作
    cmake --build . --config Release
    
  7. 結果の確認

    エラーメッセージが出ていないこと

  8. 環境変数の設定

    ビルド完了後,環境変数(PATH,PYTHONPATH)を設定するスクリプトを実行する.

    cd /d c:%HOMEPATH%\mitsuba3\build\Release
    setpath
    

使ってみる

Python から使用する方法

Mitsuba 3 は Python との統合が進んでおり,Python スクリプトからシーンの読み込みとレンダリングを行うことができる.以下は Cornell Box をレンダリングする例である.

import mitsuba as mi

mi.set_variant('scalar_rgb')

scene = mi.load_dict(mi.cornell_box())
img = mi.render(scene)
mi.Bitmap(img).write('cbox.exr')

このスクリプトを実行すると,カレントディレクトリに cbox.exr が生成される.

コマンドラインから使用する方法

  1. 環境変数の設定(ソースビルドの場合)

    ソースからビルドした場合は,事前に setpath を実行しておく必要がある.pip でインストールした場合はこの手順は不要である.

  2. シーンファイルを用意する

    Mitsuba 3 は XML 形式のシーンファイルを読み込むことができる.Mitsuba 2 のシーンファイルとの互換性も維持されている.

  3. レンダリングする
    mitsuba scene.xml
    

    バリアントを指定してレンダリングする場合は,-m オプションを使用する.

    mitsuba -m scalar_spectral scene.xml
    

Mitsuba 3 のチュートリアルやサンプルは,公式ドキュメント(https://mitsuba.readthedocs.io/en/stable/)および GitHub のチュートリアルリポジトリ(https://github.com/mitsuba-renderer/mitsuba-tutorials)で公開されている.