FreeBSD で XFree86, Web ブラウザ のインストール
前準備
基本設定と更新
- /etc/rc.conf, /etc/make.conf, /etc/src.conf, /etc/fstab, /etc/sysctl.conf, /root/.netrc の設定
「FreeBSD 基本設定」の Web ページなどを参考に行う.
- FreeBSD の全てのソースコードの更新
以下のようにコマンドを実行して,FreeBSD の全てのソースコードを更新します. このとき,同時に,ポーツ・ツリー (Ports Tree) の展開/更新も行われます(そのはずです)
cd /usr/src make update
- パッケージ(あるいは DVD 等に付属のパッケージ・コレクション)でインストールしたソフトウェアの扱い
このページでは,ポーツ・ツリーを使ってソフトをインストールするので,次の判断を行って下さい.
- 今までポーツ・ツリーを使ってソフトをインストールしたことが無いと自信をもって言える場合
各自で,リスクを判断の上, 今までパッケージ(あるいは DVD 等に付属のパッケージ・コレクション)でインストールしたソフトウェアを全削除してください. 次のような操作です.
shutdown now pkg_info pkg_delete -a pkg_info sync sync sync sync sync reboot
全削除しない,という判断もありえるかも知れません. とは言え,ポーツ・ツリーとパッケージの両方でソフトをインストールしたときのデメリットはあると思います.それも考えて判断してください.
- 今までポーツ・ツリーを使ってソフトをインストールした可能性がある場合
この場合,「pkg_delete -a」を実行すると, ポーツ・ツリーを使ってインストールされたソフトのファイルの一部が間違って消えてしまい, ポーツ・ツリーがうまく動かなくなるという危険があります(この可能性がとても大きい). ので,「pkg_delete -a」の実行を断念します. 何もしないか,1つ1つのパッケージを慎重に削除するかは,各自の判断に委ねます.
- 今までポーツ・ツリーを使ってソフトをインストールしたことが無いと自信をもって言える場合
- fastest_cvsup のインストール
cd /usr/ports/sysutils/fastest_cvsup make clean deinstall make make install rehash
- portupggrade コマンドによるアプリケーションの更新
cd /usr/ports/ports-mgmt/portupgrade make clean deinstall make make install rehash shutdown now portupgrade -a pkgdb -F sync sync sync sync sync reboot
環境変数,.emacs などの設定
- 環境変数 LD_LIBRARY_PATH の設定
環境変数 LD_LIBRARY_PATH に /usr/local/lib を追加 これは,.cshrc と .bash_profile に設定
- 環境変数 VTK_DATA_ROOT の設定
環境変数 VTK_DATA_ROOT を /usr/local/share/examples/vtk/VTKData に設定. これは,.cshrc と .bash_profile に設定
- .xinitrc の設定
かな漢字変換に関する次の設定を書き加える.
export XMODIFIERS='@im=SCIM' export LANG=ja_JP.UTF-8 export LC_ALL=ja_JP.UTF-8 export GTK_IM_MODULE=scim scim -d
- .emacs の設定
(set-language-environment "Japanese") (push "/usr/local/share/emacs/site-lisp/anthy"/ load-path) (load-library "anthy") (setq default-input-method "japanese-anthy") (set-input-method 'japanese-egg-anthy)
psearch のインストール
psearch は、ポーツ・ツリー (ports tree) から,欲しいものを正規表現で検索するためのツール.便利なので最初にインストールしておく. make のときに「○○が無いよ」, 「○○がおかしい」というメッセージが出たとき便利.
cd /usr/ports/ports-mgmt/psearch; make clean deinstall; make; make install
avahi の設定
GNOME2 が avahi-gtk を含んでいるみたいなので,avahi ユーザと avahi グループを作っておく
pw groupadd avahi -g 558 pw useradd avahi -u 558 -g 558 -d /nonexistent -s /sbin/nologin -c "Avahi Daemon User"
システムの起動時に,次のようなエラーメッセージが出る場合には,上記の pw ... の操作を行って下さい.
avahi-daemon[1035]: Failed to find user 'avahi' avahi-dnsconfd[1241]: connect(): No such file or directory
/stand/sysinstall コマンドで,パッケージを用いてインストールする場合
Xorg/XFree86, WWW ブラウザ のインストールは、FreeBSD インストール時に、同時 に行なえます.もし、FreeBSD インストール時に、XFree86, WWW ブラウザ を インストールすることを忘れていたときは、次の手順で package からインス トールできる.
- /stand/sysinstall
- package を選ぶ
- x11/xorg, www/mozilla を選ぶ
ポーツ・ツリーを使ってインストールする場合
「パッケージ(package)を使ってインストールはしてみたけれど、 うまく動かない」というようなとき、ポーツツリーを使ってインストールするとうまくい くことがあります.
手順は以下のようになる. なお、「FreeBSD 4.X/5.X 基本設定」 に書 いた「ソースコードの更新」は終えておいて ください。
package の全削除
未確認情報ですが、ports でインストールしたソフトと、 package でインストールしたソフトが混ざっていると、 いろいろと支障が出てくるようです. 正確には、package でインストールした(「ports ツリーの更新」の前にイン ストールされた)古いバージョンのものが残っていると、 ports でインストールしているときに、問題が出てくるようなのです.
そこで、現時点でインストール済みのソフトを全て削除することにしてみる. この意味は、「ports ツリーの更新」の前にインストールされたソフトは、全 て削除しておこうという意味です.
インストールされたソフトは、pkg_info コマンドで分かります. 実行例は次の通りです.
prompt% pkg_info linux_base-7.1_5 The base set of packages needed in Linux mode perl-5.6.1_15 Practical Extraction and Report Language pkgconfig-0.15.0 A unitlity used to retrieve information about installed libr
あとは、pkg_delete コマンドを使って、1つずつ削除していきます.
shutdown now pkg_delete -a
XFree86 のインストール
- 環境変数 LD_LIBRARY_PATH の設定
/etc/make.conf に
- X_WINDOW_SYSTEM=xorg
- X_WINDOW_SYSTEM=xfree86-4
- X_WINDOW_SYSTEM=xfree86-3
のどれかを書く.その後、次の手順で、 X Window System を make します.
Xorg の場合
cd /usr/ports/x11/xorg make clean make make install # ここで数十分かかります. # 最初の数分で、いろいろ「質問」が出てくることがあります.数分待って、 # エラーが出なければ、放っておいてもいいでしょう。 #最後に pkg データベースの修正 (pkgdbは portupgrade のツール) pkgdb -F
XFree86-4 の場合
cd /usr/ports/x11/XFree86-4 make clean make make install # ここで数十分かかります. # 最初の数分で、いろいろ「質問」が出てくることがあります.数分待って、 # エラーが出なければ、放っておいてもいいでしょう。 #最後に pkg データベースの修正 (pkgdbは portupgrade のツール) pkgdb -F
WWWブラウザ
ports で firefox あるいは mozilla あるいは netscape をインストールする手順は以下の通り。
firefox のインストール
cd /usr/ports/www/firefox-i18n make; make install #最後に pkg データベースの修正 (pkgdbは portupgrade のツール) pkgdb -F
mozilla のインストール
WWWブラウザとして mozilla をインストールしたいときについての説明で す。プラグインも多いので、何かと便利です.
cd /usr/ports/textproc/libxml2 make; make install cd /usr/ports/www/mozilla make; make install # ここで2時間以上かかります. cd /usr/ports/x11-fonts/mozilla-fonts make; make install #最後に pkg データベースの修正 (pkgdbは portupgrade のツール) pkgdb -F
mozilla を実行して No running window found と出たら
この不親切なメッセージは、mozilla の仕様のようです. mozilla を実行したのちに、mozilla -remote URL とやるといいらしいです (まだ確かめていないのですが)。
mozilla & mozilla -remote http://www.yahoo.co.jp
ports で ja-mozilla-jlp をインストールするときのヒント
- 和ジラの Web ページ 日本語パック、パッチ、各種の追加パッケージ
netscape のインストール
cd /usr/ports/www/netscape48-navigator make make install #最後に pkg データベースの修正 (pkgdbは portupgrade のツール) pkgdb -F
mozilla を実行すると、 「No running window found」 と出るようになって、 解決策を探すのが面倒くさくなったので、netscape を入れることにした。 netscape 実行するときは、linux エミュレータの起動を忘れないようにしま す。
linux netscape
WWWブラウザの起動
WWWブラウザを起動しましょう。 今後の作業は、Web ページからのコピー&ペーストで行なえるようになるので、 ずっと楽になる.
mozilla &
XFree86-4 の設定について
参考のため XFree86-4 の設定法を書いておきます.
- ログインする
- scanpci の実行
scanpci を実行して、ディスプレイカードの種類を確認しておくscanpci
- /etc/rc.conf 等のマウス設定の確認
マウス設定が正しくないと、XFree86 が起動しません。
マウス設定は、/stand/sysinstall の 「Mouse」メニューでもできるが、 エディタで直接 /etc/rc.conf を書き換える方が楽です.
- ホイール付きの PS/2 マウスの場合
rc.conf は次の行を含むことmoused_flags="-z 4" moused_port="/dev/psm0" moused_type="auto" moused_enable="yes"
- ホイール付きの USB マウスの場合
rc.conf は次の行を含むことmoused_flags="-z 4" moused_type="auto" moused_enable="yes"
/etc/usbd.conf の 「attach ...moused ...」の行は、次のように「-z 4」を含むことdevice "Mouse" devname "ums[0-9]+" attach "/usr/sbin/moused -z 4 -p /dev/${DEVNAME} -I /var/run/moused.${DEVNAME}.pid"
- /boot/loader.conf に「agp_load="YES"」を追加
グラフィックス・カードが、Intel i81X(X=0,5など) や Intel i845, i865 の場合 です.agp モジュールが組み込まれます.echo 'agp_load="YES"' >> /boot/loader.conf
但し、状況によっては、agp_load="YES" を加えることによって、XFree86 が 動かなくなることもあるようなので、そのときには、「agp_load="YES"」を外 します.
なお、グラフィックス・カードは、scanpci で確認できる.また、 agp モジュールが組み込まれたかどうかは、kldstat コマンドで確認できる.
- /dev/agpgart の作成
なお、FreeBSD バージョン 4.5 以上では、/dev/agpgart は標準で存在するので、この手順は不要です.cd /dev ./MAKEDEV agpgart
- /etc/make.conf の書き換え
/etc/make.conf に- X_WINDOW_SYSTEM=xorg
- X_WINDOW_SYSTEM=xfree86-4
- X_WINDOW_SYSTEM=xfree86-3
- 再起動
/etc/rc.conf 等を書き換えたので、再起動します.
- ホイール付きの PS/2 マウスの場合
xf86cfg -textmode で XFree86 の設定
設定では、scanpci で調べた「ディスプレイカードの種類」の情報が必要になる.
- ログインする
- xf86cfg -textmode
- XFree86 Configuration
OK
- Main menu
Configure mouse OK
- Mouse identifier
[Next]
- Select mouse protocol
Auto になっていることを確認 [Next]
- Mouse 3 buttons emulations
すでに3ボタンマウスを使っているので、No
No
- Select mouse devide
/sev/sysmouse のままでOK[Finish]
- Main menu
Configure keyboard OK
- Keyboard identifier
[Next]
- Keyboard model
正しいものを選んで [Next]
- Keyboard layout
正しいものを選んで [Finish]
- Main menu
Configure monitor OK
- Monitor identifier
[Next]
- Monitor configuration
[Next]
- Monitor HorizSync
正しい水平同期周波数を指定する
- Monitor VertRefresh
正しい垂直同期周波数を指定する
- 液晶ディスプレイの場合の設定例
- 三菱電機 RDT 171M
Horizsync 31.1-81.1 VertRefresh 56-76.6
- 三菱電機 RDT 172M
Horizsync 31.0-81.1 VertRefresh 56-85
- 三菱電機 RDT 173M
Horizsync 31.5-81.1 VertRefresh 56-76
- SHARP LL-T152A
Horizsync 31.5-57.0 VertRefresh 50-90 Screen modes 1024x768
- 三菱電機 RDT 171M
- 液晶ディスプレイの場合の設定例
- Main menu
Configure card
- Card identifier
[Next]
- Card configuration
Do you want to look at the card databaseYes
- Card database
正しいカードを選んで、OK
- Card driver
正しいドライバを選んで、OK
- Card BusID
[Finish]
- Main menu
Configure screen OK
- Screen card
[Next]
- Screen monitor
[Next]
- Screen depth
好みで選んでよいが、ここは 24bit を選ぶことにする
24bits, 16Mb colors
- Screen modes
これも好みで選んでよいが、ここは、1280x1024 を選ぶことにする
1280x1024 [Finish]
- Main Menu
Configure layout OK
- Layout identifier
[Next]
- Layout configuration
[Finish]
- Main menu
Write XF86Config and quit OK
- Write XF86Config
OK
- これで、xf86cfg が終わる
- 動作確認をするために startx を実行
XFree86 カスタマイズ
XFree86 カスタマイズの例を下記に書いているが、FreeBSD に慣れないうちは、 うまく行かないことも多いので、飛ばしてもいいでしょう。
- xdm, kdm を使う
「FreeBSD で xdm を起動」, 「FreeBSD で kdm を起動」のWeb ページ を見てください。
- /usr/X11R6/lib/X11/xorg.conf (/etc/X11/XF86Config) の調整
ホイールマウスを使うためには次のように設定します. 詳しくは、「FreeBSD ホイール マウスの設定」の Webページを見てください。
Section "InputDevice" # セクションのマウスのところ ... Option "Protocol" "auto" Option "Buttons" "5" # <- ホイールマウスのときのみこのように設定
- TrueType フォントを使う
/usr/X11R6/lib/X11/xorg.conf (/etc/X11/XF86Config) の Section "Files" にフォントパスを設定します.
FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/TrueType/"
/usr/X11R6/lib/X11/xorg.conf (/etc/X11/XF86Config) の Section "Module" に, freetype か xtt モジュール組み込みを設定します
Load "freetype"
または
Load "xtt"
なお、「load "xtt"」と「Load "freetype"」は、同時に指定することはできません(片方だけ)。 また、/usr/X11R6/lib/X11/xorg.conf (/etc/X11/XF86Config) に、すでに「Load "freetype"」などが書かれて いることがあるので、書き換える前に確認すること.
インストールのヒント
XFree86-4.1.0 などでやってみる。
XFree86-4.2.0 を動かすのが難しい(i810チップセットのマシンではうまく動 かないことがあります)ときは、XFree-4.1.0 や XFree-4.0.3 を試しましょう。 インストールや設定手順は、上で書いた XFree-4.2.0 の手順と同じです.
i810 のヒント
注:以下の記述はエプソンダイレクトのEDiCube Picoでの設定例です. 他のマシンでは通用しません.
- ftp http://hatsune/sample/naibu/files/X_config
- chmod 755 X_config
- ./X_config
- sync; reboot
- 起動したらstartxで動作を確認
#!/bin/sh echo '# -- sysinstall generated deltas -- #' > /boot/loader.conf echo 'userconfig_script_load="YES"' >>/boot/loader.conf echo 'agp_load="YES"' >> /boot/loader.conf cd /usr/ports/x11/XFree86-4;make;make install cd /tmp ftp http://hatsune/sample/naibu/files/XF86Config mv /etc/XF86Config /etc/XF86Config.back mv /tmp/XF86Config /etc/XF86Config chmod u+s /usr/X11R6/bin/XFree86 chmod 664 /var/log/XFree86.0.log echo "End of X_config" #END OF X_config
EDiCube Pico設定上の注意点
EDiCube Picoのグラフィックコントローラは、マニュアルによるとIntel810E 内蔵3Dグラフィックスとなっています.XFree86-4では、i810チップセットに
対応しているそうなので、XFree86-4をインストールします(XFree86-3では動 作しないことがあるらしい)。
XFree-4.1.0を入れてみたところ、動かないでした。i821_drv.o unresolved
などとエラーがでます.XFree-4.0.3では動作確認ができていますので、悩み たくない人はXFree-4.0.3を入れましょう。
i810のビデオに対応するためには、カーネルモジュールagp.koをXを起動する前
に読み込む必要がある.これをブート時に読み込むために /boot/loader.confに
agp_load="YES" # loads module "agp"
を加えます.
XF86Configの中で、Section "Device"中のDeviceは"i810"を指定します.