金子邦彦研究室インストールWindows の種々のソフトウェア(インストール)Python 3.10,関連パッケージ,Python 開発環境のインストール(Windows 上)

Python 3.10,関連パッケージ,Python 開発環境のインストール(Windows 上)

要約】 Python 3.10のインストール手順と開発環境の設定方法についての説明である.まず,Python公式サイト https://www.python.org からWindows の64bit版インストーラをダウンロードし実行する.Windows上でPythonをインストールする際,ユーザー名に日本語が含まれていると問題が発生することがある.既定(デフォルト)の設定では,Pythonの関連ファイルがユーザー領域にインストールされ,ファイル名のパスにユーザー名の日本語が含まれてしまうためである.トラブルを避けるに,インストール時の設定で「Install Python 3.xx for all users」を選びましょう.これにより,日本語を含まないパスであるシステム領域にPythonがインストールされ,将来的な不具合を防ぐことができる.インストールの完了後は,pipとsetuptoolsのアップデート,開発環境(Jupyter QtConsole、Notebook、Lab、Nteract、Spyder)のインストール,グラフ描画のテスト,NumPyやscikit-learnを使った行列計算や機械学習の速度検証コードを実行についても説明している.これらの手順で,Python 3.10の基本的な環境が整う.

目次

  1. Python 3.10 のインストール,pip と setuptools の更新(Windows 上)
  2. Python に関しての情報取得
  3. Python 開発環境として,Python コンソール(Jupyter Qt Console), Jupyter ノートブック (Jupyter Notebook), Jupyter Lab, Nteract, spyder のインストール
  4. 性能の確認

Python

Pythonは,現在,人気の高いプログラミング言語の1つであり,読みやすく書きやすい文法と幅広い応用範囲を持つとされている.現在,様々な分野で使用され,豊富なライブラリがある.

インストールは次の手順で行うことができる.

  1. Pythonの公式サイト(https://www.python.org)にアクセスし,「Downloads」,「Windows」を選択する.
  2. Stable Releases」からインストールしたいバージョンを選ぶ(例:Python 3.10.10).
  3. Windows Installer (64-bit)」をダウンロードする.
  4. Windows上でPythonをインストールする際は,ユーザー名に日本語が含まれていると問題が生じる可能性がある.これは,既定(デフォルト)のインストール設定では,Pythonの関連ファイルのパスにユーザ名が含まれることが原因である.トラブルを避けるために,次の手順でインストールする.
  5. まず,ダウンロードしたインストーラを管理者権限で実行する.
  6. インストーラの最初の画面で,「Install launcher for all users (recommended)」と「Add Python.exe to PATH」をチェックし,「Customize installation」をクリックする.
  7. 次の画面でオプションの機能は既定のままで「Next」をクリックする.
  8. さらに次の画面で「Install Python 3.xx for all users」を選択し,インストールディレクトリを確認後,「Install」をクリックする.
  9. インストール中に「Disable path length limit」が表示された場合はクリックしてパス長の制限を解除します.
  10. インストール完了後,スタートメニューに「Python 3.10」が追加されていることを確認する.

サイト内の関連ページ

関連する外部ページ

Python の公式ページ: https://www.python.org/

Python 3.10 のインストール,pip と setuptools の更新(Windows 上)

① インストールする Python のバージョンの確認

2022年12月時点では, Python 3.10 を使う.

Python 3.10 の根拠:

古いバージョンTensorFlow,PyTorch を使う予定の場合.

次により, Python, TensorFlow, PyTorch のバージョンの組み合わせを確認し,それにあったバージョンの Python をインストールする必要がある.

Python 3.10 のインストール,pip と setuptools の更新,Python 開発環境,Python コンソール(Jupyter Qt Console, Jupyter ノートブック (Jupyter Notebook), Jupyter Lab, Nteract, spyder)のインストール

(1) 古いバージョンの Python のアンインストール

すでに,Python がインストール済みのとき.

ここで示すインストール手順とは異なる設定ですでに Python をインストールしていた場合は,それをそのまま使うよりも, アンインストールしておいたほうがトラブルが少ない可能性がある.

  1. Python をインストール済みであるかを確認.
  2. インストール済みのときは,Pythonをすべてアンインストールしてから,ここから先の操作を開始した方がトラブルが少ない.
  3. Python 関係のファイルの削除

    Windows では,コマンドプロン プトを管理者として実行し, 次のコマンドを実行する.

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

    この操作は,必ずPython をすべてアンインストールした後に行うこと.

    次のコマンドは,rmdir を使用して,%APPDATA%\Python ディレクトリを再帰的に削除する.次に,"C:\Program Files" ディレクトリに移動し,Python3 で始まるディレクトリを検索し,見つかったディレクトリを再帰的に削除する.

    rmdir /s /q %APPDATA%\Python
    cd "C:\Program Files"
    for /F %i in ('dir /ad /b /w Python3*') do rmdir /s /q %i 
    

(2) Python 3.10 64 ビット版のインストール(Windows 上)

Python のインストールでの注意点

インストール手順

Windows での Python 3.10 のインストール(あとのトラブルが起きにくいような手順を定めている)

  1. TensorFlow のインストール予定がある場合には, 次のページで,必要な Python のバージョンを確認

    URL: https://pypi.org/project/tensorflow-gpu/#files

  2. Python の URL を開く

    URL: https://www.python.org

  3. Windows 版の Python 3.10 をダウンロード

    ページの上の方にある「Downloads」をクリック. 「Downloads」の下にメニューが出るので,その中の「Windows」をクリック

    [image]
  4. Stable Releases」から,Python のバージョンを選ぶ

    ここでは,Python 3.10 系列の最新版を探して,選ぶ.

    [image]

    以下,Python 3.10.11 を選んだとして説明を続ける.他のバージョンでも以下の手順はほぼ同じである.

    TensorFlow を使う予定がある場合は,https://pypi.org/project/tensorflow-gpu/#filesで,必要な Python のバージョンを確認しておく. 2024/5 時点では,TensorFlow バージョン 2.10 が動くのは,Python 3.10 または Python 3.9 または Python 3.8 または Python 3.7 (https://pypi.org/project/tensorflow/2.10/#files)

  5. ファイルの種類を選ぶ.

    Windows の 64ビット版のインストーラをダウンロードしたいので、「Windows Installer (64-bit)」を選ぶ

    [image]
  6. ダウンロードが始まる

    [image]
  7. インストール時の設定
    1. いまダウンロードした .exe ファイルを右クリック, 右クリックメニューで「管理者として実行」を選ぶ.

      [image]
    2. Python ランチャーを管理者権限でインストールするために,「Use admin privileges when installing py.exe」をチェック.

      [image]

      ※ すでに Python ランチャーをインストール済みのときは, チェックできないようになっているかもしれない.そのときは,チェックせずに進む.

    3. Add Python.exe to PATH」をチェック.

      [image]
    4. Customize installation」をクリック.

      [image]
    5. オプションの機能 (Optional Features)は,既定(デフォルト)のままでよい. 「Next」をクリック

      [image]
    6. Install Python 3.10 for all users」を選ぶ.

      Install Python 3.10 for all users」を選ぶ理由.

      ユーザ名が日本語のときのトラブルを防ぐため.

      [image]
    7. そして,Python のインストールディレクトリは,「C:\Program Files\Python310」のように自動設定されることを確認.

      [image]
    8. Install」をクリック

      [image]
    9. インストールが始まる

      [image]
    10. Disable path length limit」が表示される場合がある.クリックして、パス長の制限を解除する

      表示されない場合は問題ない.そのまま続行.

    11. インストールが終了したら,「Close」をクリック

      [image]
  8. インストールのあと,Windows のスタートメニューに「Python 3.10」が増えていることを確認.
  9. システムの環境変数 Path の確認のため,新しくコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.

    pypipパスが通っていることの確認である.

    where py
    where pip
    

    where py では「C:\Windows\py.exe」 が表示され, where pip では「C:\Program Files\Python310\Scripts\pip.exe」 が表示されることを確認. (「310」のところは使用する Python のバージョンに読み替えること).

    [image]

    表示されないときは, システムの環境変数Pathに,C:\Program Files\Python310C:\Program Files\Python310\Scripts が追加済みであることを確認(「310」のところは使用する Python のバージョンに読み替えること).無ければ追加し,再度コマンドプロンプトを開いて,再度「where py」,「where pip」を実行して確認.

    それでもうまく行かない場合は,いろいろ原因が考えられる.対処としては,Python のアンインストールを行う.過去,アンインストールがうまく行かなかった可能性を疑う(Python の Scripts の中のファイルで,アンインストール操作により削除されるべきファイルが残っている可能性があるなど)

(3) pip と setuptools の更新

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    Windowspip を実行するときは,コマンドプロンプト管理者として開き,それを使って pip を実行することにする.

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

  2. 次のコマンドを実行する.
    python -m pip install -U pip setuptools
    

    [image]

Python に関しての情報取得

Python にトラブルがあった時に役に立つように,情報取得の手順をまとめている.

  1. Windowsのシステム環境変数Path

    インストール時に,「Add Python ... to PATH」をチェックしたので、 Python についての設定が自動で行われる.

    [image]
  2. python のバージョンの確認
    python --version 
    

    [image]
  3. Python のビルドに用いられたコンパイラのバージョン番号の確認
    python
    

    下の実行例では、バージョン番号として「1929」が表示されている

    [image]
  4. 次のPythonプログラムを実行し,バージョン番号を確認

    下の実行例では,バージョン番号として「14.2」が表示されている.

    from distutils.msvc9compiler import *
    get_build_version()
    

    [image]
  5. exit() で終了

    [image]
  6. pip の動作確認

    Python のパッケージも同時にインストールされることが分かる.

    ※ エラーメッセージが出ないことを確認.

    pip list
    

    [image]

Python 開発環境として,Python コンソール(Jupyter Qt Console), Jupyter ノートブック (Jupyter Notebook), Jupyter Lab, Nteract, spyder のインストール

Python, pip, Python 開発環境,Python コンソールのコマンドでの起動のまとめ.

python, pip, Jupyter Qt Console, Jupyter ノートブック (Jupyter Notebook), Jupyter Lab, Nteract, Spyder は,次のコマンドで起動できる.

Windows で複数の Python をインストールしているときは,環境変数 Path で先頭の Python が使用される.

WindowsPython ランチャーでバージョン指定

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    Windowspip を実行するときは,コマンドプロンプト管理者として開き,それを使って pip を実行することにする.

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

  2. 次のコマンドを実行する.

    次のコマンドを実行することにより,pipとsetuptoolsを更新する,Jupyter Notebook,PyQt5、Spyderなどの主要なPython環境がインストールされる.

    python -m pip install -U pip setuptools requests notebook==6.5.7 jupyterlab jupyter jupyter-console jupytext PyQt5 nteract_on_jupyter spyder
    

    [image]

    Python の仮想環境を使用したいときは,次のような手順で, venv を用いて,Python の仮想環境を作る.

    • Python の仮想環境の名前: py310
    • 使用するPython のバージョン: 3.10
    • Python の隔離された環境を置くディレクトリ: C:\venv\py310

    Windows では,コマンドプロン プトを管理者として実行し, 次のコマンドを実行する.

    Python の使用は「C:\venv\py310\Scripts\activate.bat」の後,「python」で行う.

    py -3.10 -m pip install -U pip setuptools
    py -3.10 -m venv --system-site-packages C:\venv\py310
    C:\venv\py310\Scripts\activate.bat
    python -m pip install -U pip setuptools requests notebook==6.5.7 jupyterlab jupyter jupyter-console jupytext PyQt5 nteract_on_jupyter spyder
    

(5) Jupyter Qt Console, NTeract が起動できるかを確認

  1. numpy, matplotlib のインストール

    Windows では,コマンドプロン プトを管理者として実行し, 次のコマンドを実行する.

    pip install -U numpy matplotlib
    

    [image]
  2. Jupyter Qt Console の起動チェック

    新しくコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する. Jupyter Qt Console が開けば OK.

    jupyter qtconsole
    

    [image]

    [image]
  3. 確認のため,Jupyter Qt Console で,次の Python プログラムを実行してみる.

    次のプログラムは,NumPy と Matplotlib を使用して,0から6までの範囲のsin関数のグラフを描画する.warnings モジュールを使用して Matplotlib の警告表示を抑制し,Matplotlib では,デフォルトのスタイルを使用する.

    import numpy as np
    %matplotlib inline
    import matplotlib.pyplot as plt
    import warnings
    warnings.filterwarnings('ignore')   # Suppress Matplotlib warnings
    
    x = np.linspace(0, 6, 100)
    plt.style.use('default')
    plt.plot(x, np.sin(x))
    

    [image]
  4. nteract の起動チェック

    新しくコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する. ntetact が開けば OK.

    jupyter nteract
    

    [image]
    [image]
  5. 確認のため,nteract で,次の Python プログラムを実行してみる.

    そのために「Start a new notebook」の下の「Python」をクリック,次のプログラムを入れ実行.

    次のプログラムは,NumPy と Matplotlib を使用して,0から6までの範囲のsin関数のグラフを描画する.warnings モジュールを使用して Matplotlib の警告表示を抑制し,Matplotlib では,デフォルトのスタイルを使用する.

    import numpy as np
    %matplotlib inline
    import matplotlib.pyplot as plt
    import warnings
    warnings.filterwarnings('ignore')   # Suppress Matplotlib warnings
    
    x = np.linspace(0, 6, 100)
    plt.style.use('default')
    plt.plot(x, np.sin(x))
    

    [image]
  6. Juypter Notebook で,保存のときに,.py ファイルと .ipyrb ファイルが保存されるように設定.(この設定を行わないときは .ipyrb ファイルのみが保存される)
    1. 次のコマンドで,設定ファイルを生成

      jupyter notebook --generate-config
      
    2. jupyter/jupyter_notebook_config.py を編集し,末尾に,次を追加

      c.NotebookApp.contents_manager_class = "jupytext.TextFileContentsManager"

    3. jupyter notebook を起動し,Edit, Edit Notbook Manager を選ぶ.次のように設定する.

      "jupytext": {"formats": "ipynb,py"}

性能の確認