画像分類の実行(timm のインストールと動作確認)(Python,PyTorch を使用)(Windows 上)
【要約】
Windows環境でtimmライブラリを使用した画像分類の手順を説明しています。まず、前準備として、Git、Python、NVIDIA関連ソフトウェア(グラフィックスボードがある場合)、PyTorchのインストール方法を紹介しています。次に、timmのインストールと画像分類の実行方法を解説しています。具体的には、コマンドプロンプトを管理者として実行し、timmをインストールします。そして、TIMMライブラリを使用して事前学習済みのEVA-02モデルを読み込み、指定された画像のURLまたはファイルパスから画像を読み込んで推論を行い、ImageNet-1kのラベルを用いてトップ5の分類結果を表示するサンプルプログラムを作成し、実行します。Pythonプログラムの実行方法やPython開発環境についても触れています。
【目次】
前準備
Build Tools for Visual Studio 2022 (ビルドツール for Visual Studio 2022)または Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)
【インストールの判断】 Build Tools for Visual Studio は,開発ツールセットである. Visual Studio は統合開発環境であり,いくつかの種類があり,Build Tools for Visual Studioの機能を含むか連携して使用するものである.インストールは以下の基準で判断してください:
- Build Tools for Visual Studio の機能のみが必要な場合
- Visual Studio の機能が必要である,あるいは,よく分からない場合
Visual Studio 2022 をインストールする際に,「C++ によるデスクトップ開発」を選択することで, Build Tools for Visual Studio 2022 の機能も一緒にインストールされる.
不明な点がある場合は,Visual Studio 全体をインストール を行う方が良い.
Build Tools for Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,Build Tools for Visual Studio 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.
- Build Tools for Visual Studio 2022 での C++ によるデスクトップ開発,CLI,ATL,MFC のインストール(Windows 上)
- Visual Studio Installer の起動
起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.
- Visual Studio Build Tools 2022 で「変更」を選ぶ.
- 「C++ によるデスクトップ開発」をクリック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」,「ATL」,「MFC」をチェックする.その後,「変更」をクリック.
- Visual Studio Installer の起動
Visual Studio のインストール(Windows 上)
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,Visual Studio Community 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.
- Visual Studio での C++ によるデスクトップ開発,CLI のインストール(Windows 上)
- Visual Studio Installer の起動
起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.
- Visual Studio Community 2022 で「変更」を選ぶ.
- 「C++ によるデスクトップ開発」をチェック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」をチェックする.その後,「インストール」をクリック.
- Visual Studio Installer の起動
Python 3.10,Git のインストール(Windows 上)
Pythonは,プログラミング言語の1つ. Gitは,分散型のバージョン管理システム.
【手順】
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,Python ランチャーとPython 3.10とGitをインストールし,Gitにパスを通すものである.
次のコマンドでインストールされるGitは 「git for Windows」と呼ばれるものであり, Git,MinGW などから構成されている.
winget install --scope machine Python.Launcher winget install --scope machine Python.Python.3.10 winget install --scope machine Git.Git powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\Git\cmd\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
【関連する外部ページ】
- Python の公式ページ: https://www.python.org/
- Git の公式ページ: https://git-scm.com/
【サイト内の関連ページ】
【関連項目】 Python, Git バージョン管理システム, Git の利用
Build Tools for Visual Studio 2022,NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 11.8,NVIDIA cuDNN 8.9.7 のインストール(Windows 上)
【サイト内の関連ページ】 NVIDIA グラフィックスボードを搭載しているパソコンの場合には, NVIDIA ドライバ, NVIDIA CUDA ツールキット, NVIDIA cuDNN のインストールを行う.
- Windows での Build Tools for Visual Studio 2022 のインストール: 別ページ »で説明
- Windows での NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 11.8,NVIDIA cuDNN v8.9.7 のインストール手順: 別ページ »で説明
【関連する外部ページ】
- Build Tools for Visual Studio 2022 (ビルドツール for Visual Studio 2022)の公式ダウンロードページ: https://visualstudio.microsoft.com/ja/visual-cpp-build-tools/
- NVIDIA ドライバのダウンロードの公式ページ: https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp
- NVIDIA CUDA ツールキットのアーカイブの公式ページ: https://developer.nvidia.com/cuda-toolkit-archive
- NVIDIA cuDNN のダウンロードの公式ページ: https://developer.nvidia.com/cudnn
PyTorch のインストール(Windows 上)
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
- PyTorch のページを確認
- 次のようなコマンドを実行(実行するコマンドは,PyTorch のページの表示されるコマンドを使う).
次のコマンドを実行することにより, PyTorch 2.3 (NVIDIA CUDA 11.8 用)がインストールされる. 但し,Anaconda3を使いたい場合には別手順になる.
事前に NVIDIA CUDA のバージョンを確認しておくこと(ここでは,NVIDIA CUDA ツールキット 11.8 が前もってインストール済みであるとする).
PyTorch で,GPU が動作している場合には,「torch.cuda.is_available()」により,True が表示される.
python -m pip install -U --ignore-installed pip python -m pip uninstall -y torch torchvision torchaudio torchtext xformers python -m pip install -U torch torchvision torchaudio numpy --index-url https://download.pytorch.org/whl/cu118 python -c "import torch; print(torch.__version__, torch.cuda.is_available())"
Anaconda3を使いたい場合には, Anaconda プロンプト (Anaconda Prompt) を管理者として実行し, 次のコマンドを実行する. (PyTorch と NVIDIA CUDA との連携がうまくいかない可能性があるため,Anaconda3を使わないことも検討して欲しい).
conda install -y pytorch torchvision torchaudio pytorch-cuda=11.8 cudnn -c pytorch -c nvidia py -c "import torch; print(torch.__version__, torch.cuda.is_available())"
【サイト内の関連ページ】
【関連する外部ページ】
timm のインストール,画像分類の実行(Windows 上)
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
- ダウンロードとインストール
python -m pip install -U timm
- Windows で,コマンドプロンプトを実行
- エディタを起動
mkdir %USERPROFILE%\timm cd /d c:%HOMEPATH%\timm notepad classify.py
- エディタで,次のプログラムを保存
このプログラムは、TIMMライブラリを使用して事前学習済みのEVA-02モデルを読み込み、指定された画像のURLまたはファイルパスから画像を読み込んで推論を行い、ImageNet-1kのラベルを用いてトップ5の分類結果を表示します。
import os import torch import timm import requests from PIL import Image from io import BytesIO # ImageNet 1kのラベル情報をダウンロード IMAGENET_1k_URL = 'https://storage.googleapis.com/bit_models/ilsvrc2012_wordnet_lemmas.txt' IMAGENET_1k_LABELS = requests.get(IMAGENET_1k_URL).text.strip().split('\n') def initialize_model(model_name, pretrained=True): model = timm.create_model(model_name, pretrained=pretrained).eval() return model def load_image(path, transform): """ 指定されたパス(URLまたはファイル名)から画像を読み込み、モデルの入力形式に変換する関数。 """ if path.startswith('http'): # URLが指定された場合 image = Image.open(requests.get(path, stream=True).raw) else: # ファイル名が指定された場合 image = Image.open(path) image_tensor = transform(image) return image_tensor def perform_inference(model, image_tensor, topk=5): """ 画像をモデルで分類し、トップkのクラスを返す関数。 """ output = model(image_tensor.unsqueeze(0)) probabilities = torch.nn.functional.softmax(output[0], dim=0) values, indices = torch.topk(probabilities, topk) return [{'label': IMAGENET_1k_LABELS[idx], 'index': idx, 'value': val.item()} for val, idx in zip(values, indices)] def main(): model_name = 'eva02_large_patch14_448.mim_in22k_ft_in1k' model = initialize_model(model_name) transform = timm.data.create_transform(**timm.data.resolve_data_config(model.pretrained_cfg)) img_path = 'https://github.com/open-mmlab/mmpretrain/raw/main/demo/demo.JPEG' image_tensor = load_image(img_path, transform) result = perform_inference(model, image_tensor) print("分類結果") print(result) if __name__ == '__main__': main()
- Python プログラムの実行
Python プログラムの実行
- Windows では python (Python ランチャーは py)
- Ubuntu では python3
Python 開発環境(Jupyter Qt Console, Jupyter ノートブック (Jupyter Notebook), Jupyter Lab, Nteract, Spyder, PyCharm, PyScripterなど)も便利である.
Python のまとめ: 別ページ »にまとめ
プログラムを classify.pyのようなファイル名で保存したので, 「python classify.py」のようなコマンドで行う.
python classify.py