Blender でパーティクルアニメーション

概要】 Blenderを使用したパーティクルアニメーション(多数の小さな粒子を制御して動きのある視覚効果を生み出す技術)の作成と設定について解説する.パーティクルは3D空間内で生成・制御できる小さな粒子であり,様々なパラメータ設定により多様な視覚効果を実現できる.パーティクルの発生源(エミッター)として,Blender起動時に配置される立方体(Cube)や,新たに追加できる平面(Plane)を使用する. パーティクルの基本設定として,生成されるパーティクルの総数,生成から消滅までの寿命(ライフタイム),発生源からの出力速度(ベロシティ)を指定できる.より高度な設定として,物理演算プロパティによるコリジョン(衝突)シミュレーションがある.コリジョン設定では透過度(パーティクルの通過率)を0から1の間で調整することで,パーティクルがオブジェクトを通り抜ける比率を制御できる. アニメーションはスペースキーによる再生・一時停止の制御が可能であり,オブジェクトの編集や設定変更時には一時停止機能を活用する.これらの機能を組み合わせることで,豊かな表現力を持つパーティクルアニメーションを作成することができる.

目次

  1. 前準備
  2. パーティクルの生成とアニメーションの再生
  3. パーティクルアニメーションの種々の設定

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前準備

Blender のインストール

Blender のインストール

メニューの日本語化を行っておくと操作がより直感的になる.Blender では初回起動時に言語設定を選択できるため,日本語を選択することでメニューやインターフェースが日本語表示される.

Blender の基本操作のまとめ

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パーティクルの生成とアニメーションの再生

  1. 新しくBlender を起動する
  2. 起動すると、立方体(Cube:Blenderのデフォルト3Dオブジェクト)の立体がある.そのまま使用する.

    * 立方体(Cube) の立体は削除しない

  3. パーティクルを発生させるため,立方体(Cube) の3次元オブジェクトをマウスの「左ボタンクリック」で選択する(選択されたオブジェクトはハイライト表示される)
  4. 画面右側のプロパティパネル(オブジェクトのプロパティや設定を編集するためのパネル)で,「パーティクル」ボタン(小さな点が集まったアイコン)をクリックする
  5. パーティクルを追加するため,「+」をクリックする
  6. 設定は,既定(デフォルト)のままにしておく
  7. シミュレーションとアニメーションを実行するため,スペースキーを押す(タイムラインの再生ボタンをクリックするか,Alt+Aキーの組み合わせでも実行可能)

パーティクルアニメーションの種々の設定

  1. スペースキーにより,アニメーションを一時停止する(タイムラインの一時停止ボタンをクリックするか,Alt+Aキーの組み合わせでも一時停止可能).
  2. 一時停止したら,下図のボタンをクリックして,「先頭のフレームにジャンプ」できる.
  3. 立方体(Cube) の立体を選び,DEL キーで削除する
  4. 平面(Plane)のオブジェクトを追加する(画面上部の「追加」メニューから「メッシュ」→「平面」を選択するか,Shift+Aキーを押して表示されるメニューから「メッシュ」→「平面」を選択)
  5. 平面(Plane)の立体の位置サイズを調整する(位置の移動はGキー,サイズ変更はSキー,回転はRキーを押した後にマウスで操作,または画面左側の「ツール」パネルのツールアイコンを使用しても調整可能).
  6. プロパティ画面で,「パーティクル」ボタンをクリックする
  7. パーティクルを追加するため,「+」をクリックする
  8. 設定は,既定(デフォルト)のままにしておく
  9. シミュレーションとアニメーションを実行するため,スペースキーを押す

パーティクルの数,寿命の設定

演習1: 

  1. パーティクルの数を変更してみる.
  2. アニメーション再生して効果を確認する.複数のパターンで試してみる

演習2: 

  1. パーティクルの寿命を変更してみる.
  2. アニメーション再生して効果を確認する.複数のパターンで試してみる

パーティクルの出力速度

演習: 

  1. パーティクルの出力速度を変更してみる.
  2. アニメーション再生して効果を確認する.複数のパターンで試してみる
  3. 平面を回転させてみる.

    回転操作を行う際は, スペースキーによりアニメーションを一時停止すると操作性が向上する.

  4. アニメーション再生して効果を確認する.複数の角度で試してみる

パーティクルのコリジョン(衝突)のシミュレーション

以下の手順で, パーティクルのコリジョン(衝突)シミュレーション を実現する

  1. スペースキーにより,アニメーションを一時停止する.
  2. 一時停止したら,下図のボタンをクリックして,「先頭のフレームにジャンプ」する.
  3. 新たに平面(Plane)オブジェクトを追加する
  4. 新しく追加した平面(Plane)オブジェクトを拡大する
  5. 新しく追加した平面(Plane)オブジェクトを, パーティクルが落下する経路上に配置する.
  6. 新しく追加した平面(Plane)オブジェクトを選択した状態で,「物理演算プロパティ」(Physics Properties:物理法則に基づいたシミュレーションを設定するためのパネル)ボタンをクリックする
  7. コリジョン(衝突:オブジェクト間の物理的な接触判定と反応を制御する機能)シミュレーションを設定するため,「コリジョン」をクリックする
  8. シミュレーションとアニメーションを実行するため,スペースキーを押す

    パーティクルが衝突して跳ね返る効果を確認する.

  9. 透過度の値(Permeability:コリジョンオブジェクトの透過性)を0から1の範囲で調整する.

    この値はパーティクルがオブジェクトを通過する割合を制御する.0に設定すると完全に跳ね返り,1に設定すると完全に通過する.中間値では一部のパーティクルが通過し,一部が跳ね返る.