Blender 内蔵の Python で Python パッケージのインストール
Blenderは,3次元コンピュータグラフィックス・アニメーションソフトウェア. 立体の編集,レンダリング、ライト(ランプ)やカメラ等を設定しての3次元コンピュータグラフィックス・アニメーション作成機能がある.
【サイト内の関連ページ】
- Blender の機能の説明,実演など: 別ページ »にまとめ
- Windows での Blender 4 のインストール: 別ページ »で説明
- Ubuntu での Blender 3 のインストールは,別ページ »で説明
【関連する外部ページ】
- Blender の公式ページ: https://www.blender.org/
前準備
Blender のインストール
【Blender のインストール】
- Windows での Blender 4 のインストール: 別ページ »で説明
- Ubuntu での Blender 3 のインストールは,別ページ »で説明
メニューの日本語化を行っておいた方が使いやすい.
Blender内蔵のPython パッケージのインストール
Windows の場合
Windows を使用する場合は,次のように操作する.
- Blender を起動する
-
Blender Python コンソール(Blenderに内蔵されたPythonプログラミング環境)を開くために,
Blender のワークスペース(作業画面のレイアウト)を「スクリプト作成」(Blender 4では「Scripting」)に変更する
- コンソール画面(Python プログラムを対話的に実行するための画面)が開くので確認する
コンソール画面の中では, IPython シェル(対話型Pythonシェル)が動作している.
- Blender 内蔵の Python のバージョンを確認する
* 下の実行例 (Blender 3.4.1) では,バージョン 3.10.8 であることが分かる.
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
- pip のインストール(古いバージョンの Blender の場合)
* Blender 2.79 などでは,Blender の Python に pip(Pythonパッケージ管理ツール)が存在しないため,次の操作で pip をインストールする必要がある.
この操作は,Blender 2.8 以上(Blender 3系、Blender 4系を含む)では不要である.
*「2.79」のところは 「Blender のバージョン」に読み替えること
"C:\Program Files\Blender Foundation\Blender\2.79\python\bin\python.exe" -m ensurepip
- pip の更新
*「3.4」のところは 「Blender のバージョン」に読み替えること
* Blender 4では、パスの書式が異なる場合があるため、インストールディレクトリを確認すること(例:「C:\Program Files\Blender Foundation\Blender 4.0\4.0\python\bin\python.exe」)
"C:\Program Files\Blender Foundation\Blender 3.4\3.4\python\bin\python.exe" -m pip install --upgrade pip
- インストール済みのパッケージの確認
*「3.4」のところは 「Blender のバージョン」に読み替えること
* Blender 4では、正確なパスを使用すること(例:「C:\Program Files\Blender Foundation\Blender 4.0\4.0\python\bin\python.exe」)
"C:\Program Files\Blender Foundation\Blender 3.4\3.4\python\bin\python.exe" -m pip list
- pip を用いて,パッケージのインストール
「pandas(データ分析ライブラリ) tensorflow(機械学習ライブラリ) tensorflow_datasets(データセットライブラリ) opencv-python(画像処理ライブラリ) opencv-contrib-python(OpenCVの拡張機能)」のところは,インストールしたいパッケージ名に読み替えること.
* Blender 4では、Pythonのバージョンが3.10以上になっており、一部のパッケージでは互換性の問題が生じる場合がある。その場合は、バージョンを指定してインストールすること(例:tensorflow==2.15.0)
"C:\Program Files\Blender Foundation\Blender 3.4\3.4\python\bin\python.exe" -m pip install -U pandas tensorflow tensorflow_datasets opencv-python opencv-contrib-python
(以下省略) - TensorFlowの動作確認
Blender の Python コンソールで次のコードを実行して動作確認を行う.Blender 4では、Python コンソールは「Scripting」ワークスペースにある「Python Console」エディタで利用できる.
結果として 「[[ 12.]]」のように表示されれば正常に動作している.TensorFlow(機械学習フレームワーク)が正しく行列計算を実行できていることを意味する.
import tensorflow as tf matrix1 = tf.constant([[3., 3.]]) matrix2 = tf.constant([[2.],[2.]]) print( tf.matmul(matrix1, matrix2) )
Ubuntu の場合
Ubuntu(Linuxディストリビューション)の場合,必要なパッケージは「apt」コマンド(パッケージ管理ツール)を使用してインストールする.Blender 4でも同様の方法で対応可能である.
scipyの場合(科学技術計算ライブラリ)
Ubuntu の Blender コンソールで,試しに「import scipy」と入力すると,次のようにエラーメッセージが表示される.Blender 4でも同様の問題が発生する場合がある.

そこで,端末で次のコマンドを実行する.
sudo apt -y update
sudo apt -y install python3-scipy

これにより,Blender コンソールで「import scipy」が正常に実行できるようになる.

gdalの場合(地理空間データ処理ライブラリ)
Ubuntu の Blender コンソールで,試しに「import gdal」と入力すると,次のようにエラーメッセージが表示される.Blender 4での最新バージョンでも同様の手順で解決可能である.

そこで,端末で次のコマンドを実行する.
sudo apt -y update
sudo apt -y install python3-gdal

これにより,Blender コンソールで「import gdal」が正常に実行できるようになる.
