逆運動学(MakeHuman 1.3, Blender を使用)(Windows 上)

概要

MakeHuman 1.3とBlender 5.2 LTSを使用して、逆運動学(IK)によるアニメーションを作成する手順を解説する。逆運動学は末端部分を動かすことで骨格全体を制御する技術であり、自然な動きのアニメーション作成に有効である。人体データのBlenderへの取り込みと、IKの設定には、MakeHumanコミュニティが提供するMPFB2(MakeHuman向けのBlenderアドオン)を用いる。

目次

  1. 前準備
  2. MakeHumanで人体データをMHM形式で保存し、BlenderのMPFB2でIKを設定する方法

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前準備

Blenderは,3次元コンピュータグラフィックス・アニメーションソフトウェアである.3次元モデルの編集,レンダリング,光源やカメラ等の設定による3次元コンピュータグラフィックス・アニメーション作成機能がある.

メニューの日本語化を行っておくと使いやすい.「編集(Edit)→プリファレンス(Preferences)→インターフェイス(Interface)→翻訳(Translation)」で設定できる.

MakeHumanのインストール、Blenderでの設定

次のことが終わっていることを前提とする。

WindowsでのMakeHumanのインストールとBlenderのMPFB2アドオンのインストールの手順は、別ページで説明している。

MakeHumanで人体データをMHM形式で保存し、BlenderのMPFB2でIKを設定する方法

逆運動学(IK: Inverse Kinematics)を実現するためには、Blenderで人体データを取り込んだあと、MPFB2の「Rig helpers」機能でIK用のボーンを追加する必要がある。

骨格(アーマチュア)を動かすと、その骨格に関連付けられたオブジェクト全体が連動して動くのが順運動学(FK: Forward Kinematics)である。

一方、オブジェクトの一部(手先や足先など)を動かすことで、その結果として骨格が連動して動き、同時にオブジェクトの他の部分も適切に変形するのが逆運動学(IK)である。これにより、自然な動きのアニメーションが作成しやすくなる。

MakeHumanでの操作

  1. MakeHumanで、人体モデルに骨格を付加する

    「ポーズ/アニメーション」タブを選択し、「リグプリセット」としてNone以外のオプションを選択する。

    既定ではNoneが選択されている。「種類」としてDefaultを選択する。これにより骨格が人体モデルに追加される。

    MakeHumanのリグプリセット設定画面
  2. 人体データを保存するために、「ファイル」メニューを選択し、「保存」を選ぶ。ファイル名を付けて保存すると、拡張子が.mhm(MakeHuman Model形式)のファイルが作成される。

    保存先は既定ではMakeHumanのユーザデータフォルダ(Windowsの場合、C:\Users\(ユーザー名)\Documents\makehuman\v1py3\data\models)である。後で見つけやすいよう、この場所を覚えておくとよい。

  3. 保存されたファイルが正しく生成されていることを確認する。

Blenderでの操作

以下の説明はBlender 5.2 LTSを基準としている。

  1. Blenderを起動する。
  2. 初期状態で表示される中央の立方体オブジェクトは不要なので削除する。

    立方体を左クリックで選択してから、Deleteキーを押すか、メニューの「オブジェクト」→「削除」を選択する。

    Blenderの初期画面と立方体の削除
  3. N キーでサイドバーを表示し、「MPFB」タブを選択する。表示されない場合は、MPFB2アドオンのインストールが済んでいるかを確認する。
  4. 新規人体(New human)」パネルの「プリセットから(From presets)」を開き、「MHMをインポート(Import MHM)」ボタンをクリックし、MakeHumanで保存した.mhmファイルを選択する。

    初めてMHM形式のファイルを取り込む場合は、あらかじめMPFB2の「Apply assets」→「Library settings」で「makehuman system assets」アセットパックを導入しておく必要がある。導入方法は別ページで説明している。

  5. 人体モデルが正しく読み込まれたことを確認する。
  6. 骨格(アーマチュア)を選択した状態で、MPFB2の「Rigging」パネルの「Rig helpers」を開く。「Arm helpers」と「Leg helpers」の項目で、IK用のヘルパーボーンの種類を選択する(既定値の「Lower + upper」のままでよい)。「Add helpers」をクリックすると、腕と脚にIK用のターゲットボーン(手のIKボーン、足のIKボーンなど)が追加される。
  7. ポーズモードに切り替え、追加された手や足のIKボーンを移動モード(Gキー、またはツールバーから選択)でドラッグして移動させる。

    逆運動学(IK)が有効になっていると、例えば手のIKボーンを動かした場合に腕全体が自然な形で追従して曲がる。