Chainer 7.8.1 (GPU 対応可能)のインストール(Windows 上)
要点
- Python 3.8, 3.7, 3.6, 3.5 のいずれかが必要 (根拠: https://pypi.org/project/cupy-cuda110/7.8.0/#files)
- cupy バージョン 7.7 以上,8.0 未満が必要.そのために,NVIDIA CUDA 11.0 を使う (根拠: https://pypi.org/project/cupy-cuda110/7.8.0/#history)
【目次】
【関連する外部ページ】
- Chainer の Web ページ: https://chainer.org
- GitHub の pfnet/chainer の Webページ: https://github.com/pfnet/chainer
前準備
Build Tools for Visual Studio 2022 (ビルドツール for Visual Studio 2022)または Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)
【インストールの判断】 Build Tools for Visual Studio は,開発ツールセットである. Visual Studio は統合開発環境であり,いくつかの種類があり,Build Tools for Visual Studioの機能を含むか連携して使用するものである.インストールは以下の基準で判断してください:
- Build Tools for Visual Studio の機能のみが必要な場合
- Visual Studio の機能が必要である,あるいは,よく分からない場合
Visual Studio 2022 をインストールする際に,「C++ によるデスクトップ開発」を選択することで, Build Tools for Visual Studio 2022 の機能も一緒にインストールされる.
不明な点がある場合は,Visual Studio 全体をインストール を行う方が良い.
Build Tools for Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,Build Tools for Visual Studio 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.
- Build Tools for Visual Studio 2022 での C++ によるデスクトップ開発,CLI,ATL,MFC のインストール(Windows 上)
- Visual Studio Installer の起動
起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.
- Visual Studio Build Tools 2022 で「変更」を選ぶ.
- 「C++ によるデスクトップ開発」をクリック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」,「ATL」,「MFC」をチェックする.その後,「変更」をクリック.
- Visual Studio Installer の起動
Visual Studio のインストール(Windows 上)
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,Visual Studio Community 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.
- Visual Studio での C++ によるデスクトップ開発,CLI のインストール(Windows 上)
- Visual Studio Installer の起動
起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.
- Visual Studio Community 2022 で「変更」を選ぶ.
- 「C++ によるデスクトップ開発」をチェック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」をチェックする.その後,「インストール」をクリック.
- Visual Studio Installer の起動
Python 3.8,Git のインストール(Windows 上)
Pythonは,プログラミング言語の1つ. Gitは,分散型のバージョン管理システム.
【手順】
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
- 次のコマンドを実行
次のコマンドは,Python ランチャーとPython 3.8とGitをインストールし,Gitにパスを通すものである.
次のコマンドでインストールされるGitは 「git for Windows」と呼ばれるものであり, Git,MinGW などから構成されている.
winget install --scope machine Python.Launcher winget install --scope machine Python.Python.3.8 winget install --scope machine Git.Git powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\Git\cmd\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
【関連する外部ページ】
- Python の公式ページ: https://www.python.org/
- Git の公式ページ: https://git-scm.com/
【サイト内の関連ページ】
【関連項目】 Python, Git バージョン管理システム, Git の利用
NVIDIA ドライバのインストール(Windows 上)
NVIDIA ドライバ
NVIDIA ドライバは,NVIDIA製GPUを動作させるための重要なソフトウェアである.このドライバをインストールすることにより,GPUの性能を引き出すことができ,グラフィックス関連のアプリ,AI関連のアプリの高速化が期待できる.
ドライバはNVIDIA公式サイトである https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp からダウンロードできる.このサイトからダウンロードするときには,グラフィックスカードとオペレーティングシステムを選択する. なお,NVIDIA GeForce Experiance を用いてインストールすることも可能である.
【サイト内の関連ページ】
- NVIDIA グラフィックス・ボードの確認
Windows で,NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは, 次のコマンドを実行することにより調べることができる.
wmic path win32_VideoController get name
- NVIDIA ドライバのダウンロード
NVIDIA ドライバは,以下の NVIDIA 公式サイトからダウンロードできる.
- ダウンロードの際には,使用しているグラフィックス・ボードの型番とオペレーティングシステムを選択する.
NVIDIA CUDA ツールキット 11.0,NVIDIA cuDNN 8.2.1 のインストール
Windows での NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 11.0,NVIDIA cuDNN v8.2.1 のインストール: 別ページ »で説明
- NVIDIA CUDA ツールキットのダウンロードとインストール
次のページからダウンロードし,インストールする.
NVIDIA CUDA ツールキットのページ: https://developer.nvidia.com/cuda-toolkit-archive
- NVIDIA cuDNN のダウンロードと設定
- NVIDIA Developer Program メンバーシップ
cuDNN のダウンロードのため,利用者本人が,電子メールアドレス,表示名,パスワード,生年月日を登録.利用条件等に合意.
- NVIDIA cuDNN v8.2.1 for CUDA 11.X のダウンロードと展開(解凍)
- NVIDIA cuDNN のダウンロード URL: https://developer.nvidia.com/cudnn
- 「NVIDIA cuDNN をインストールしたディレクトリ」をもとに環境変数を設定する.
「NVIDIA cuDNN をインストールしたディレクトリ」が C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.0 の場合には,次のように設定する.
- すでに,c:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.0\bin には,パスが通っている.
- Windows の システム環境変数 CUDNN_PATH に,c:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.0 を設定
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"CUDNN_PATH\", \"c:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.0\", \"Machine\")"
-
Windows では,次の操作により,cudnn64_8.dll にパスが通っていることを確認する.
Windows のコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.エラーメッセージが出ないことを確認.
where cudnn64_8.dll
- NVIDIA Developer Program メンバーシップ
Chainer のインストール
Python 3.8, 3.7, 3.6, 3.5 のいずれかが必要 (根拠: https://pypi.org/project/cupy-cuda110/7.8.0/#files)
ここでは,Python 3.8 を使う.
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
- Chainerのインストール
- Chainer のバージョン確認
py -3.8 -m pip show chainer
- 動作確認のため example プログラムを使いたいので、chainer のソースコード類一式のダウンロード
【関連する外部ページ】 https://github.com/chainer/chainer
py -3.8 -m pip install -U matplotlib cd %LOCALAPPDATA% rmdir /s /q chainer del pax_global_header git clone https://github.com/chainer/chainer.git
- MNIST データセットで学習してみる
https://chainer.org/ の記述に従い、「MNIST example」を実行してみる.
GPU 無しで動作させ、Chainer のインストールを確認する
「-g -1」は 「GPU を使わない」と明示的に指定するもの
cd %LOCALAPPDATA%\chainer py -3.8 examples/mnist/train_mnist.py -g -1
学習が行われる。終了までしばらく待つ。
乱数を使うので毎回違う結果が表示される
エラーメッセージが出なければ、インストール成功とする
Chainer を GPU で動作させてみる
- Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
- CuPy のインストール
py -3.8 -m pip install "cupy-cuda110>=7.7.0,<8.0.0"
- cupy のバージョン確認
py -3.8 -m pip show cupy-cuda110
- MNIST データセットで学習してみる
https://chainer.org/ の記述に従い、「MNIST example」を実行してみる.
cd %LOCALAPPDATA% py -3.8 chainer/examples/mnist/train_mnist.py -g 0
学習が行われる。終了までしばらく待つ。
* 乱数を使うので毎回違う結果が表示される
エラーメッセージが出なければ、インストール成功とする