OpenJDK 17 のインストールと設定(Windows 上)

要約】 本記事では,Windows環境におけるOpenJDK 17のインストールおよび設定手順を解説します.OpenJDKは,オープンソースで開発されているJava Development Kitであり,無償で利用可能です(ライセンス詳細は各自でご確認ください).公式ウェブサイトから最新版のzipファイルをダウンロード・展開し,環境変数(JAVA_HOME, Path)を設定後,コマンドプロンプトでバージョン確認とサンプルプログラムのコンパイル・実行を行い,セットアップが完了したことを確認します.これにより,Windows上でJava開発環境を構築する基本的な手順を学びます.

OpenJDK のライセンスは,ご利用の際は,ご自身で公式ライセンスをご確認ください.

1. OpenJDK (Oracleビルド) のダウンロードと展開

ここでは,Oracleが提供するOpenJDK 17のビルドをインストールします.OpenJDKには他にも様々なディストリビューションが存在します(例: Eclipse Temurin, Amazon Corretto).

  1. 公式サイトへアクセスします.

    https://jdk.java.net/ を開きます.

    *(旧手順の「latest open-source JDK」「available from Oracle」クリックは不要になる可能性があります.サイト構成を確認してください)*

  2. JDK 17 のセクションを探し,Windows/x64 用の zip アーカイブのリンクをクリックしてダウンロードします.

    注意: バージョン番号 (例: 17.0.10) は常に最新のものを選んでください.

    zip 形式のファイルのダウンロードが始まります.

  3. zipファイルの展開を行います.

    ダウンロードしたzipファイル (例: openjdk-17.x.y_windows-x64_bin.zip) を展開します.

    *Windows標準機能でも展開できますが,ファイルパスが長くなる場合に備え,7-Zip: 別ページ »などのツール利用も有効です.

    展開すると jdk-17.x.y (バージョン番号はダウンロードしたものに依存) のような名前のディレクトリが生成されます.

  4. ディレクトリの移動を行います.

    展開してできた jdk-17.x.y ディレクトリを,分かりやすい場所に移動します.

    推奨: C:\jdk-17.x.y のように,パス名に日本語や空白文字を含まない C:ドライブ直下などが,後の設定やツール連携でトラブルを避けやすいため推奨されます.

    * C:\の直下以外に移動してもよいですが,分かりやすいディレクトリに置くこと,ディレクトリ名に日本語を含まないことが推奨されます.

2. 環境変数の設定

Javaコンパイラ (javac) や実行環境 (java) をどの場所からでも実行できるように,また,他の開発ツールがJDKの場所を見つけられるように,環境変数を設定します.ここではシステム環境変数を設定するため,管理者権限が必要です.

設定内容:

設定手順 (PowerShellを使用)

  1. コマンドプロンプトを管理者権限で起動します.

    Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動します(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,表示された「コマンド プロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択).

  2. JAVA_HOME の設定を行います.

    以下のコマンドを実行します.C:\jdk-17.x.y の部分は,実際にJDKを配置したディレクトリパスに置き換えてください.

    powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable('JAVA_HOME', 'C:\jdk-17.x.y', 'Machine')"
    

    *(このコマンドは,システム(Machine)環境変数として JAVA_HOME を設定します)*

  3. Path への追加を行います.

    以下のコマンドを実行します.C:\jdk-17.x.y\bin の部分は,実際の bin ディレクトリのパスに置き換えてください.

    powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path', 'Machine'); $newpath = $oldpath + ';C:\jdk-17.x.y\bin'; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable('Path', $newpath, 'Machine')"
    

    *(このコマンドは,既存のシステムPath環境変数の末尾に JDKのbinディレクトリを追加します)*

  4. 設定の反映を行います.

    環境変数の変更を有効にするため,開いている全てのコマンドプロンプトを一度閉じ,再度開いてください. 場合によっては,Windowsへの再サインインやPCの再起動が必要になることもあります.

3. 設定の確認

設定が正しく反映されたかを確認します.

  1. 新しいコマンドプロンプトを開きます. (管理者権限は不要です)
  2. 以下のコマンドを実行します.
    java -version
    
  3. 次のように,インストールしたOpenJDKのバージョン情報が表示されれば成功です.
    openjdk version "17.x.y" 20xx-xx-xx
    OpenJDK Runtime Environment (build 17.x.y+...)
    OpenJDK 64-Bit Server VM (build 17.x.y+..., mixed mode, sharing)
    

    表示されない場合や,異なるバージョンが表示される場合は,環境変数の設定(パスの正確さ,JAVA_HOMEPathの変数名,設定の反映)を再確認してください.

4. サンプルプログラムの実行

サンプルプログラム

  1. ファイル「HelloWorld.java」を作成します.

    注意: Javaでは,ファイル名 (`HelloWorld.java`) と public なクラス名 (`HelloWorld`) を一致させる必要があります.

    public class HelloWorld
    {
        public static void main(String args[])
        {
            System.out.println("Hello Java World !");
        }
    }
    
  2. コンパイル (ソースコードからバイトコードへの変換) を行います.

    Windowsコマンドプロンプトjavac コマンドを使って次のように操作します.

    javac HelloWorld.java
    

    これにより HelloWorld.class ファイルが生成されます.

  3. 実行 (バイトコードの実行) を行います.

    Windowsコマンドプロンプトjava コマンドを使って次のように操作します.(.class は付けません)

    java HelloWorld
    
  4. 実行結果は次のようになります.

    これでOpenJDK 17が正常にインストールされ,プログラムが実行できることが確認できました.


クラス定義の例

public class MyClass
{
    private int x;
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("hello");
    }

    public MyClass()
    {
        x = 0;
    }

    public int sampleMethod(int y)
    {
        return x + y;
    }
}

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