Visual Studio Code のダウンロード、インストール、日本語化と、Python プログラムの実行(Windows 上)
【概要】 この記事では、高機能なコードエディタである Visual Studio Code (VS Code) を Windows 環境にインストールし、日本語化、そして Python および C言語 の開発が行えるように基本的な設定を行う手順を解説する。
【目次】
Visual Studio Code
高機能で拡張性の高いテキストエディタである。
主な機能: コード補完、デバッグ機能の統合、Git連携。
Visual Studio Code は、テキストエディタとしての機能を備え、豊富な拡張機能をもち、ソースコードの編集やデバッグを効率的に行うことができる開発環境である。多様なプログラミング言語に対応しており、ソースコードのシンタックスハイライトやコード補完、Gitの統合など、ソースコードの編集やデバッグに便利な機能を幅広く提供している。
winget を用いたインストールコマンド: `winget install --scope machine --id Microsoft.VisualStudioCode -e`
【関連する外部ページ】
- Visual Studio Code の公式のダウンロードページ: https://code.visualstudio.com/Download
- Visual Studio Code の公式ページ: https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/visual-studio-code
【サイト内の関連ページ】
- Windows での Visual Studio Code のインストール、設定: 別ページ »で説明
- Visual Studio Code で Python プログラミング(Windows 上)
- Python のステップ実行、オブジェクトをビジュアルに観察(Visual Studio Code の Python Preview を使用)
【関連項目】 Visual Studio Code のインストール(Windows 上)、 Visual Studio Code の設定
実演ビデオ(YouTube)「Visual Studio Code のインストール(Windows 上)」
動画リンク: https://www.youtube.com/watch?v=2SVnOoJg4JY
実演ビデオ(YouTube)「Visual Studio Code で Python を使う」
動画リンク: https://www.youtube.com/watch?v=B2QB8gvk11g
謝辞
Visual Studio Code の作者に感謝する。
1. Visual Studio Code のダウンロードとインストール
まず、Visual Studio Code 本体を公式サイトからダウンロードし、インストールする。
- ウェブブラウザで以下のURLを開く。
- 「Visual Studio Code のダウンロード」ボタンをクリックし、「Windows」を選択する。
- ダウンロードされた `.exe` ファイルを実行する。
- 内容を確認し、同意できる場合は「同意する」を選択して「次へ」をクリックする。
- 通常は変更の必要がないため、既定(デフォルト)のままで「次へ」をクリックする。
- そのまま「次へ」をクリックする。
- 必要に応じて、「PATHへの追加」や「エクスプローラーのコンテキストメニューに追加」などのオプションを確認・選択し、「次へ」をクリックする(通常はデフォルトでも問題ない)。
- 「インストール」をクリックすると、インストールが開始される。
- インストール完了画面が表示されたら、「完了」をクリックする。
- インストールが正常に完了したか確認するため、一度 Visual Studio Code を起動してみる。
2. Visual Studio Code の日本語化
デフォルトでは英語表示のため、必要に応じて日本語化を行う。これには「Japanese Language Pack」拡張機能を使用する。
- Visual Studio Code を起動する。
- 左側のアクティビティバーから 「拡張機能」 (Extensions) アイコン(四角いブロックのアイコン)をクリックするか、「表示 (View)」 > 「拡張機能 (Extensions)」 を選択する。
- 検索ボックスに 「japanese」 と入力する。
- 「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」 が表示されたら、 「Install」 ボタンをクリックする。
- インストール後、右下に表示される「Change Language and Restart」をクリックするか、以下の手順で言語を変更する。
- `Ctrl+Shift+P` を押してコマンドパレットを開く。
- `Configure Display Language` と入力し、表示されたコマンドを実行する。
- 表示された言語リストから「ja」 (日本語) を選択する。
- Visual Studio Code の再起動を促す表示が出るので、「Restart」をクリックする。再起動後、インターフェースが日本語表示になる。
3. Python 開発環境のセットアップ
3.1. Python のインストール (Windows)
既にPython (バージョン 3.10 以降推奨、この記事では 3.12 を例とする) がインストールされている場合は、この手順は不要である。
ここでは Windows 標準のパッケージ管理ツール `winget` を使用して Python をインストールする。
- Windows キーを押し `cmd` と入力し、「管理者として実行」を選択してコマンドプロンプトを管理者権限で起動する。
- `winget` が利用可能か確認する。バージョン情報が表示されれば OK である。
winget --version
- 以下のコマンドを実行して、Python 本体とランチャーをインストールする (`--scope machine` はシステム全体へのインストールを指定する)。
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystem" /v LongPathsEnabled /t REG_DWORD /d 1 /f REM Python をシステム領域にインストール winget install --scope machine --id Python.Python.3.12 -e --silent REM Python のパス set "INSTALL_PATH=C:\Program Files\Python312" echo "%PATH%" | find /i "%INSTALL_PATH%" >nul if errorlevel 1 setx PATH "%PATH%;%INSTALL_PATH%" /M >nul echo "%PATH%" | find /i "%INSTALL_PATH%\Scripts" >nul if errorlevel 1 setx PATH "%PATH%;%INSTALL_PATH%\Scripts" /M >nul
- インストール後、新しいコマンドプロンプトを開き `python --version` を実行して、バージョンが表示されるか確認できる。
【関連する外部サイト】
【サイト内の関連ページ】
- Python詳細ガイド:Pythonまとめ »
3.2. VS Code Python 拡張機能のインストール
VS Code で Python を快適に開発するために、Microsoft 提供の公式 Python 拡張機能をインストールする。これにより、コード補完 (IntelliSense)、デバッグ、リンティングなどの機能が利用可能になる。
- VS Code の左側のアクティビティバーから 「拡張機能」 アイコンをクリックする。
- 検索ボックスに `Python` と入力する。
- Microsoft によって発行されている 「Python」 拡張機能 (通常、一番上に表示される) を選択し、 「インストール」 ボタンをクリックする。
3.3. Python プログラムの編集と実行
Python 拡張機能をインストールしたら、実際に Python ファイルを作成し、実行してみる。
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「ファイル (File)」 > 「新規ファイル (New File)」 を選択する。
- 「ファイル (File)」 > 「名前を付けて保存 (Save As...)」 を選択し、ファイル名に `.py` の拡張子 (例: `hello.py`) を付けて保存する。
- 保存するディレクトリ(フォルダ)を指定する。すでに同一名のファイルが存在する場合は確認が表示される。
- `.py` ファイルを初めて開くと、リンター (Pylint など) やフォーマッター (Black など) の追加の拡張機能のインストールを推奨される場合がある。これらはコードの品質向上に役立つため、必要に応じてインストールする。
- 新しいエディタ画面(中身は空)が開くことを確認する。
- エディタ画面に、簡単な Python プログラムを入力する。
print("Hello, World!")
- エディタ右上の 「実行 (Run)」 ボタン (緑色の三角アイコン `▷`) をクリックする。これにより、現在 VS Code で選択されている Python インタープリターを使ってスクリプトが実行される。
- 画面下部の 「ターミナル」 パネルに `Hello, World!` と表示されることを確認する。
- 複数の Python 環境がシステムに存在する場合、VS Code ウィンドウ右下のステータスバーに表示されている Python のバージョン (例: `Python 3.12.1 64-bit`) をクリックすることで、使用するインタープリターを切り替えることができる。
3.4. Python デバッガの使用
VS Code の Python 拡張機能には、強力なデバッグ機能が含まれている。ここでは基本的な使い方を紹介する。(Python拡張機能がインストールされていることが前提である)
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エディタ画面で、プログラムの実行を一時停止したい行の左側の行番号のさらに左をクリックすると、赤い丸 (ブレークポイント) が表示される。再度クリックすると解除される。
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「実行 (Run)」 > 「デバッグの開始 (Start Debugging)」 を選択するか、`F5` キーを押す。
初めてデバッグを実行する場合、デバッグ構成を選択するよう求められることがある。通常は 「Python ファイル (Python File)」 を選択する。
プログラムが実行され、設定したブレークポイントで停止する。停止すると、左側の 「実行とデバッグ」 (Run and Debug) ビューで変数の中身などを確認できる。
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プログラムを一行ずつ実行する。関数呼び出しがある場合は、その関数の中に入る。
「実行 (Run)」 > 「ステップイン (Step Into)」 を選択するか、画面上部のデバッグツールバーの 「ステップイン」 アイコンをクリックするか、`F11` キーを押す。
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次のブレークポイントまで、またはプログラムの終わりまで実行を再開する。
「実行 (Run)」 > 「続行 (Continue)」 を選択するか、画面上部のデバッグツールバーの 「続行」 アイコンをクリックするか、`F5` キーを押す。
4. C 言語プログラムの編集と C/C++ 拡張機能
VS Code は C 言語のプログラム編集にも適している。ここでは基本的なファイル作成と、開発を助ける C/C++ 拡張機能について説明する。
- Visual Studio Code を起動する。
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「ファイル (File)」 > 「新規ファイル (New File)」 を選択する。
- 「ファイル (File)」 > 「名前を付けて保存 (Save As...)」 を選択し、ファイル名に `.c` の拡張子 (例: `main.c`) を付けて保存する。
- 新しいエディタ画面(中身は空)が開くことを確認する。
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`.c` ファイルを初めて開くと、「C/C++ Extension Pack」 のインストールを推奨されることがある。これは Microsoft 提供の拡張機能で、C/C++ のコード補完 (IntelliSense)、デバッグ、コードナビゲーションなどを大幅に強化する。インストールすることを強く推奨する。
推奨されなかった場合や後でインストールする場合は、拡張機能ビューで `C/C++` と検索し、Microsoft 提供のものをインストールする。
- 保存するディレクトリ(フォルダ)を指定する。すでに同一名のファイルが存在する場合は確認が表示される。
- エディタ画面に、簡単な C プログラムを入力する。
#include <stdio.h> #include <stddef.h> // size_t を使うために追加 int main() { printf("Hello, World!\n"); // size_t のサイズを表示 (書式指定子は %zu が推奨されるが、%ld も多く使われる) printf("sizeof(size_t) = %zu\n", sizeof(size_t)); return 0; }
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VS Code は C 言語のコードエディタおよびデバッガのインターフェースであるが、C プログラムのコンパイル(実行可能ファイルの生成)と実行には、別途 C コンパイラ (例: GCC、Clang) がシステムにインストールされている必要がある。
コンパイラがインストールされていれば、VS Code のターミナルから `gcc main.c -o main` のようなコマンドでコンパイルし、`./main` で実行できる。
より高度なビルドやデバッグ設定については、VS Code の `tasks.json` や `launch.json` ファイルの設定が必要になる(この記事の範囲外)。
5. その他の便利な拡張機能
VS Code は豊富な拡張機能でカスタマイズ可能である。拡張機能ビュー (`Ctrl+Shift+X`) や以下のマーケットプレイスで探すことができる。
Visual Studio Marketplace: https://marketplace.visualstudio.com/
- Python 関係:
- `Python Indent`: Python のインデントを自動調整・支援する。
- `Python Preview`: Python コードの実行結果をリアルタイムにプレビューする (用途による)。
- C/C++ 関係:
- `C/C++`: Microsoft 提供の C/C++ 開発支援機能パック。
- `C/C++ Themes`: C/C++ コードのシンタックスハイライトテーマ。
- Java 関係:
- `Extension Pack for Java`: Java 開発に必要な拡張機能パック (Microsoft 提供)。
- `Debugger for Java`: Java 用のデバッガ。
- WSL 関係:
- `Remote - WSL`: Windows Subsystem for Linux (WSL) 内のプロジェクトを直接 VS Code で開いて編集・デバッグできる。
- キーバインド:
- `Emacs キーバインド: Emacs Friendly Keymap`: Emacs のキーバインドを VS Code で利用可能にする。
- (同様に Vim など他のエディタのキーマップ拡張機能も存在する)