OpenCV でビデオカメラ画像の表示(Python を使用)
1. エグゼクティブサマリー
本記事では,OpenCV と Python を用いて,ビデオカメラからリアルタイムで映像を取得し表示する2つのプログラムを扱う.
- カメラ画像の表示:カメラから映像を取得し,指定幅(640ピクセル)にアスペクト比を保持してリサイズし,カラーとグレースケールの2ウィンドウで同時に表示する.'q'キーで終了する.
- カメラ,動画ファイルの表示:カメラ映像の取得と複数ビデオファイルの再生を選択できる.映像は指定幅(640ピクセル)にアスペクト比を保持してリサイズされる.'q'キーで終了する.
【関連する外部ページ】
- OpenCV の公式ページ: https://opencv.org
- GitHub の OpenCV のページ: https://github.com/opencv/opencv/releases
【サイト内の関連ページ】
- OpenCV について [PDF] , [パワーポイント]
- OpenCV と Python を活用した画像・ビデオ処理プログラム: 別ページ »
2. 前準備(必要ソフトウェアの入手)
ここでは、最低限の事前準備について説明する。機械学習や深層学習を行う場合は、NVIDIA CUDA、Visual Studio、Cursorなどを追加でインストールすると便利である。これらについては別ページ https://www.kkaneko.jp/cc/dev/aiassist.htmlで詳しく解説しているので、必要に応じて参照してください。
Python 3.12 のインストール(Windows 上) [クリックして展開]
以下のいずれかの方法で Python 3.12 をインストールする。Python がインストール済みの場合、この手順は不要である。
方法1:winget によるインストール
管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。
winget install --scope machine --id Python.Python.3.12 -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --override "/quiet InstallAllUsers=1 PrependPath=1 Include_pip=1 Include_test=0 Include_launcher=1 InstallLauncherAllUsers=1"
--scope machine を指定することで、システム全体(全ユーザー向け)にインストールされる。このオプションの実行には管理者権限が必要である。インストール完了後、コマンドプロンプトを再起動すると PATH が自動的に設定される。
方法2:インストーラーによるインストール
- Python 公式サイト(https://www.python.org/downloads/)にアクセスし、「Download Python 3.x.x」ボタンから Windows 用インストーラーをダウンロードする。
- ダウンロードしたインストーラーを実行する。
- 初期画面の下部に表示される「Add python.exe to PATH」に必ずチェックを入れてから「Customize installation」を選択する。このチェックを入れ忘れると、コマンドプロンプトから
pythonコマンドを実行できない。 - 「Install Python 3.xx for all users」にチェックを入れ、「Install」をクリックする。
インストールの確認
コマンドプロンプトで以下を実行する。
python --version
バージョン番号(例:Python 3.12.x)が表示されればインストール成功である。「'python' は、内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません。」と表示される場合は、インストールが正常に完了していない。
AIエディタ Windsurf のインストール(Windows 上) [クリックして展開]
Pythonプログラムの編集・実行には、AIエディタの利用を推奨する。ここでは、Windsurfのインストールを説明する。Windsurf がインストール済みの場合、この手順は不要である。
管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。
winget install --scope machine --id Codeium.Windsurf -e --silent --disable-interactivity --force --accept-source-agreements --accept-package-agreements --custom "/SP- /SUPPRESSMSGBOXES /NORESTART /CLOSEAPPLICATIONS /DIR=""C:\Program Files\Windsurf"" /MERGETASKS=!runcode,addtopath,associatewithfiles,!desktopicon"
powershell -Command "$env:Path=[System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path','Machine')+';'+[System.Environment]::GetEnvironmentVariable('Path','User'); windsurf --install-extension MS-CEINTL.vscode-language-pack-ja --force; windsurf --install-extension ms-python.python --force; windsurf --install-extension Codeium.windsurfPyright --force"
--scope machine を指定することで、システム全体(全ユーザー向け)にインストールされる。このオプションの実行には管理者権限が必要である。インストール完了後、コマンドプロンプトを再起動すると PATH が自動的に設定される。
【関連する外部ページ】
Windsurf の公式ページ: https://windsurf.com/
Python の OpenCV ライブラリのインストール [クリックして展開]
Python で OpenCV を使用するためのライブラリである.
管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトを起動するには、Windows キーまたはスタートメニューから「cmd」と入力し、表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択する。
python -m pip install -U opencv-python opencv-contrib-python
3. 実行のための準備とその確認手順(Windows 前提)
3.1 プログラムファイルの準備
第5章のソースコードをテキストエディタ(メモ帳,Windsurf 等)に貼り付け,以下のファイル名で保存する(文字コード:UTF-8).
- カメラ画像の表示プログラム:
camera.py - カメラ,動画ファイルの表示プログラム:
camera_video.py
3.2 実行コマンド
コマンドプロンプトでファイルの保存先ディレクトリに移動し,以下を実行する.
カメラ画像の表示:
python camera.py
カメラ,動画ファイルの表示:
python camera_video.py
3.3 動作確認チェックリスト
camera.py
| 確認項目 | 期待される結果 |
|---|---|
| プログラム起動時 | カラーとグレースケールの2ウィンドウでカメラ映像が表示される |
| 映像のサイズ | 幅640ピクセルにリサイズされ,アスペクト比が保持されている |
| 'q'キーの押下 | プログラムが終了し,ウィンドウが閉じる |
camera_video.py
| 確認項目 | 期待される結果 |
|---|---|
| プログラム起動時 | カメラ(0)かビデオファイル(1)かの選択肢が表示される |
| 「0」を入力 | カメラ映像が640ピクセル幅で表示される |
| 「1」を入力 | ファイル選択ダイアログが開き,ビデオファイル(.mp4,.avi,.mov)を選択できる |
| 複数ファイル選択時 | 選択したファイルが順番に再生される |
| 全ファイル再生完了時 | プログラムが自動的に終了する |
| 'q'キーの押下 | 再生中であってもプログラムが終了し,ウィンドウが閉じる |
4. 概要・使い方・実行上の注意
4.1 カメラ画像の表示
ビデオカメラを準備し,パソコンに接続しておく.
【プログラムの機能】
カメラから映像を取得し,指定幅(640ピクセル)にアスペクト比を保持してリサイズし,カラーとグレースケールの2ウィンドウで表示する.'q'キーで終了する.
【プログラムの説明】
OpenCV を使用したリアルタイムカメラ映像のリサイズと表示
- opencv-python の使用
opencv-python は,OpenCV を Python から利用するためのものである.
- resize_frame 関数
入力画像を指定幅にリサイズする.アスペクト比を保持するように高さを計算する.
- メインループ
while True ループ内で以下の処理を繰り返す.
- カメラから1フレーム読み取り
- フレームをリサイズ
- カラーとグレースケールの2ウィンドウで表示
- キー入力のチェック('q'キーで終了)
- リソースの解放
終了時に v.release() でカメラを解放し,cv2.destroyAllWindows() でウィンドウを閉じる.
- カスタマイズ
resize_width 変数でリサイズ幅を調整できる.cv2.VideoCapture(0) の 0 を変更することで,異なるカメラを選択できる.
【実行上の注意】
カメラへのアクセス権限が必要で,既定(デフォルト)ではインデックス0のカメラを使用する.強制終了時('q'キーで終了しなかった場合)にはカメラが解放されない場合がある.
ソースコードは第5章に掲載している.
止めたいとき,右上の「x」をクリックしない.画面の中をクリックしてから,「q」のキーを押して閉じる
4.2 カメラ,動画ファイルの表示
ビデオカメラを準備し,パソコンに接続しておく.
【プログラムの機能】
カメラ映像の取得と複数ビデオファイルの再生を選択できる.映像は指定幅(640ピクセル)にアスペクト比を保持してリサイズされる.'q'キーで終了する.
【プログラムの説明】
起動すると,カメラ(0)かビデオファイル(1)かの選択肢が表示される.カメラを選択するとカメラ映像が表示される.ビデオファイルを選択するとファイル選択ダイアログが開き,複数ファイルを選択できる.選択したファイルは順番に再生される.
【実行上の注意】
カメラ使用時はアクセス権限が必要で,既定(デフォルト)ではインデックス0のカメラを使用する.resize_width 変数でリサイズ幅を調整できる.強制終了時('q'キーで終了しなかった場合)にはカメラが解放されない場合がある.対応するビデオファイル形式は .mp4,.avi,.mov である.
ソースコードは第5章に掲載している.
止めたいとき,右上の「x」をクリックしない.画面の中をクリックしてから,「q」のキーを押して閉じる
5. ソースコード
5.1 カメラ画像の表示
import cv2
resize_width = 640
def resize_frame(frame, width):
h = int(frame.shape[0] * width / frame.shape[1])
return cv2.resize(frame, (width, h), interpolation=cv2.INTER_AREA)
v = cv2.VideoCapture(0)
while True:
r, f = v.read()
if not r:
break
resized = resize_frame(f, resize_width)
gray = cv2.cvtColor(resized, cv2.COLOR_BGR2GRAY)
cv2.imshow("カメラ映像(カラー)", resized)
cv2.imshow("カメラ映像(グレースケール)", gray)
if cv2.waitKey(1) & 0xFF == ord('q'):
break
v.release()
cv2.destroyAllWindows()
5.2 カメラ,動画ファイルの表示
import cv2
import tkinter as tk
from tkinter import filedialog
resize_width = 640
def resize_frame(frame, width):
h = int(frame.shape[0] * width / frame.shape[1])
return cv2.resize(frame, (width, h), interpolation=cv2.INTER_AREA)
def select_video_files():
root = tk.Tk()
root.withdraw()
return list(filedialog.askopenfilenames(filetypes=[("Video files", "*.mp4 *.avi *.mov")]))
print("0: カメラ")
print("1: ビデオファイル")
choice = input("選択してください (0/1): ")
video_files = []
if choice == "0":
v = cv2.VideoCapture(0)
elif choice == "1":
video_files = select_video_files()
v = cv2.VideoCapture(video_files[0]) if video_files else None
else:
v = None
current_video_index = 0
while v and v.isOpened():
r, f = v.read()
if not r:
if choice == "1":
current_video_index += 1
if current_video_index >= len(video_files):
break
v.release()
v = cv2.VideoCapture(video_files[current_video_index])
continue
break
resized = resize_frame(f, resize_width)
cv2.imshow("映像", resized)
if cv2.waitKey(1) & 0xFF == ord('q'):
break
if v:
v.release()
cv2.destroyAllWindows()
6. まとめ
6.1 OpenCV と Python によるカメラ映像の取得
opencv-python は,OpenCV を Python から利用するためのものである.cv2.VideoCapture でカメラから映像を取得し,フレーム単位で処理を行う.
6.2 アスペクト比を保持したリサイズ
resize_frame 関数は,入力画像を指定幅にリサイズする.アスペクト比を保持するように高さを計算し,cv2.resize で INTER_AREA 補間を用いる.
6.3 カラーとグレースケールの同時表示
cv2.cvtColor でカラー映像からグレースケール画像を生成し,2つのウィンドウで同時に表示する.
6.4 カメラとビデオファイルの選択的再生
カメラ映像の取得と複数ビデオファイルの再生を選択できる.対応形式は .mp4,.avi,.mov である.
6.5 リソースの解放と終了操作
終了時に v.release() でカメラを解放し,cv2.destroyAllWindows() でウィンドウを閉じる.終了するには画面の中をクリックしてから'q'キーを押す.